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ゴルフプライド ツアーベルベット・プラス4

このインプレッションは、2019年6月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

プロ野球は交流戦が始まり、関東地方もついに梅雨入り、僕は雨の日には基本的にゴルフはしない。しかしクラブの試打テストや、9ホールぐらいはプレーする。雨の日のゴルフでは、皆さんレインウェアのことはきにしているが、大切なのは靴とグリップ、手袋、だと僕は思う。靴は防水性にすぐれたもの。雨の日はナイキの名作TW13、グローブはまめに変える。ではグリップを僕はどうしているか教えよう。

アナライズでは、5種類のオリジナルグリップを作っている。すべて天然ゴムで価格的にもあまり高価ではない。僕が価格を抑えているのは理由がある。樹脂系の値段が高いグリップは経年変化が少ないが、僕はゴム系をまめに交換するタイプ。グリップは時間が経つと、硬化してきて、滑りやすくなる。1年サイクルぐらいで定期的にグリップを交換すると、グリップ力が維持され、雨の日のゴルフも安心だ。長く使うと滑りやすくなるものだ。

僕は、昔から今ある常識を疑い、常識が作られている理由を考えたり、その正当性について一人で思案するのが好きだ。最近は特にその傾向が強くなっている、例えばドライバーのスチールシャフト。クラブセッティングの法則では、ウエイトフローというの原則がある。メルマガ読者ならご存知かと思うが、ゴルフクラブは長くなるほど、総重量が軽くなり、短いものほど重い。ヘッド重量は、短い番手ほど重いものだが、シャフトも徐々に重くすべし

と自分でも言っていたのだが、1Wをスチールシャフトにすると、完全に矛盾してしまう。しかし、多くのゴルファーが試しにテストしてみると、「これは凄い」と驚きの結果をもたらしている。僕はセミナーでパーシモンドライバーを使ってもらっているが、皆さん非常に打ちやすそうなので、自分でやってみてこの気付きが生まれ実践してみると、例外がなく振りやすいと言う評価を得ている。

最近は、一からはじめるゴルフクラブの正体の連載で、グリップについて意外と拘っている自分に今更ながら気がつく。セミナーにグリップメーカーの方が参加して、グリップに対する興味が一気に湧いてきた。グリップは超ロングセラーモデル、ツアーベルベットラバーは、シャフトで言えばダイナミックゴールドと同じぐらい定番中の定番。グリップは進化というよりも変化しているだけの印象がある、色や握り心地などのバリエーションは増えていくが新しい試みも実はされている。

グリップといえばグリップエンドが一番太く、シャフト側にいけばいくほど細くなる。いわゆるテーパー形状。右手が細いのがあたりまえだ。これが常識といえば常識。その理由はなんなのだろうと最近思い始めた。セミナーに参加してくれたグリップメーカーの人に聞くと、テーパーが少ないものも開発され、発売されているというのだ。

ゴルフプライドのツアーベルベット、MCCなどの人気シリーズに、Plus4と言うモデルがある。これは、右手の余分な力を抑えてグリップしたいというツアープロの要望に応えるかたちで開発されたそうだ。グリップの右手側を一般的なモデルに比べ太くした。テーパーレスというほど右手と左手の太さが同じではないが、右手側がかなり太い。

これは、PGA ツアーで下巻き 4 枚程度の巻いて右手側を太くするトレンドからヒントを得たそうだ。下巻き4枚ぶんプラスということで Plus4というらしい。このグリップはかなり、テーパーレス形状を実現している。ツアープロは。結果として右手側を軽く握ることができるため、スムースなスイングが可能となり、よりパワフルで正確なインパクトが実現できるとのこと。

ティーチングプロの大御所であるデビッド・レッドベターも、この考え方を支持したと言う話も教えてもらった。僕は右手側が軽く握れるというよりも、右手が太いことで、強く握らなくても良くなり、左右均等の強さで握れることにメリットがあると思っている。一からはじめるゴルフクラブの正体でも書いたが、右手が太くなると、ボールは左に行きづらくなる。右手が若干使いづらくなるからだ。

このグリップに僕がとても興味を持ったのは、僕のゴルフのスタイルにとてもメリットがあるから。僕は14本でプレーすることは殆ど無いことは、メルマガやブログに書いているのでご存知かと思う。少ない本数でプレーすると、1本のクラブで打ち分ける距離の差が大きくなる。今年になってプレーした時に使った本数は、最小4本から最大9本。最小4本だと7番アイアンで100ヤードから160ヤードまでコントロールする必要がある。

そんなコト難しいでしょ? と言われるが、みなさんもウエッジでは60ヤードぐらい打ち分けているのだから、少し練習すれば慣れれば問題なく出来るだろう。1本のクラブで、距離を打ち分ける一番簡単な方法は短く握ることだろう。このPlus4は短く握っても、握り心地があまりかわらない。これはウエッジなどでもメリットがあるだろう。

面白いのはこのグリップ通常のものよりも、少し重いこと若干のカウンターウエイト効果も期待できる。アイアンが引っかかる人や、1本で距離を打ち分けたい人、ウエッジだけこのグリップを入れるのも面白い。是非オススメしたいグリップだ

魔法のホース

このインプレッションは、2019年6月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

新製品は端境期で、僕のクラブ購入熱は停滞気味、とは言えいろいろな商品を企画したり開発したり、様々なテストをしている。特に今は、アイアンシャフトやグリップなど地味だが大切なアイテムのテストが偶然重なっている。島田ゴルフの新しいスチールシャフトK’s-NINE9や、アナライズの新しいカーボンシャフト、ゴルフプライドのテーパーが少ないグリップPLUS4など、好感触なアイテムも発見できた。

ゴルフ用ではないが、ゴルフの練習になると思ってセミナーでも使っているのが、柔道着の帯、そしてフラフープだ。使い方は、セミナーの動画を近々Youtubeにて公開するので是非観てほしい。そしてぜひセミナーに参加してほしい。そんな色々な練習器具の中で、最近出番が増えているのが、新宿インドアスタジオの長井プロがつくっている魔法のホースだ。

以前からホースを振るドリルは、ゴルフ雑誌などで紹介されていたし、ホースに近い素材の練習器具も目新しいものではない。ではどうして僕は、魔法のホースを使うのか?それはゴルフスイングを行う上で、覚えたい動きを覚えることができるから。メルマガを以前から愛読してくれている皆さんは、僕が重心距離がない練習器具について否定的だったことを覚えておられると思う。

ゴルフクラブの特徴は、軸線上に打点がなく、重心距離が存在する。だから重心距離がない練習器具には否定的だったが、効果的に何を練習する道具なのか考えるようになって、重心距離が無くても積極的に使う練習器具も増えてきた。ロイヤルコレクションのトライワンとか、スキルズのゴールドフレックスとか、ここでも紹介する機会が増えてきている。

フレループも先端にボールがついていて、一見重心距離が無いようにみえるが、シャフトが湾曲していることで、重心距離が恐ろしく長いクラブを振るのと同じ効果がある。重心距離は一般的なドライバーの5倍分ぐらいに換算されるだろう。しかし今回取り上げる魔法のホースには、全く重心距離がない。しかし、オンプレーンにスイングしながらヘッドスピードをアップさせる効果は恐ろしくあるし、その極意がわかる練習器具だから僕は毎日使っている。

オンプレーンに振る極意を説明している、NEOオンプレーンセミナーのYoutube配信を観てくれた人も多いと思う。動画では、ゴルフクラブがどうしてオンプレーンに振れないのか?と言う理由をかなり時間を割いて説明している。理由はシンプルで「オンプレーンにスイングしなくてもボールを打つことが出来る」から。好き勝手動かすことが出来るので、オンプレーンに振らなくても偶然ナイスショットが打ててしまうのがゴルフクラブなのだ。

逆説的に、オンプレーン振らないと、ナイスショットが永遠に出ないなら、ゴルファーはオンプレーンに振るしかなくなる。

ゴルフクラブと違って、ホースやヒモでボールを打とうとすると、オンプレーンに振らないとボールに当たらない。極論を言うとこれでボールを打つことが出来ると勝手にオンプレーンになってしまう。詳しくは動画を観て欲しいのだが、シャフトは硬いので張力がなくてもヘッドを振ることが出来る。しかしヒモやホールは遠心力と向心力を上手く使って、シャフトのようにピンと張った状態にしないと、ボールを打つことが出来ない。

つまり、張力を発生させれば、ヒモやホースでもオンプレーンにヘッドを動かすことが出来るのだ。

これは僕が考えたことではなく、Facebookを観ていたら、インドアゴルフ&ストレッチ ZEROさんが、魔法のホースを使ってボールを打っている動画をアップしているのを偶然見つけた。この動画で魔法のホースが、まるでシャフトを振っているように見えた。昨日のYoutube生配信「マーク金井ここだけの話」でも解説したが、この練習ではオンプレーンスイングに大切な張力を感じることが出来る練習法だ。

張力を理解すれば、オンプレーンにスイングしながら、ヘッドスピードをアップするための動きすべてが覚えることが出来る。メルマガ読者は、先月までメルマガで連載していた、ゴルフスイング物理学で僕が説明していた大切なポイントを覚えてくれていると思うが

先行動作
骨盤の開き
体幹の使い方

をすべて覚えることが出来る。残念ながらただのホースでは、このように振れない。まずグリップ部分に芯が入っており、ゴルフのグリップが通常のクラブのように装着されている。だからゴルフクラブを同じフィーリングで握ることが出来る。そして芯とホールの境目は、硬さが極端に異なるので、しなるポイントつまりキックポイントを感じることが出来るのもメリット。そして先端部分には鉄芯が入っており、先端の重みを感じることが出来るため、よりゴルフスイングに近いフィーリングで練習できる。

魔法のホースで実際にボールを打つドリル。皆さんにぜひぜひやってほしい。しかし練習場に魔法のホースをもちこんで、ゴルフボールを打つのは大変危険なので絶対にやらないこと。真っすぐ飛ばないしどこへボールが飛ぶかわからないので非常に危険だ。僕は自分のスタジオでスポンジボールを打っているが、スポンジボールもどこに飛ぶかわからない。スタジオは隣に打席もないし、ネットがあるから安全だが、そうでない場合かなり危険。

素晴らしい練習なのだが、なかなか試せる環境が無いのが残念でならない。しかし魔法のホースを振るだけでもかなり練習になるので、是非取り組んで欲しいと思う。

テーラーメイドM5、M6ドライバー(2019)

このインプレッションは、2019年1月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

テーラーメイド、キャロウェイの新製品が発表となり、YouTubeの試打動画はインフルエンサーと呼ばれる有識者だけでなく、最近はゴルフショップも試打動画に参戦、次々と公開している。僕もゴルフパートナーやアナライズのYouTubeチャンネルで動画配信している。こういう動画、皆さんはどれが飛ぶのか?試打データが無いと信用できない というコメントが目立つ。

白黒ハッキリさせたいという気持ちはわからないでもないが、それで本質に迫れると僕は思わない。僕が打って飛ぶクラブが、視聴者が飛ぶクラブとなるわけではないからだ。メルマガ読者の皆さんは、誤解してないとおもうが、飛距離を左右する要素を総合的に考え、理解することができることが大切。動画では僕はデータを出さなくてもコメントを聞いてもらえれば、僕の評価やクラブの特徴が理解できるようにしているつもりだ。

飛距離を左右する要素として、今年もメーカーが打ち出しているのはルールギリギリのフェースの反発。キャロウェイはAIフェースを採用、一方今回取り上げるテーラーメイドM5ドライバー、フェースを一度ルールを超えた反発にして、フェースに空いた穴からフェースの裏がわにポケットを作り、そこにレジンを投入して反発を抑え、1個1個フェースの反発をチェックするという非常に手間がかかることをしている。

 

今まで地クラブメーカーが、フェースの反発をギリギリにするために、検品したり取り組んできたことを大手メーカーが取り組んでいる。大量生産品として逆ベクトルを、最大手のテーラーメイドが取り組んでいるというのが面白い。1本1本検品してギリギリを確かめるというのはPRGRもやっているそうだが、ギリギリの反発のフェースを作って、検品してギリギリを削除するよりも、ルールを超えるものを作って、許容範囲に抑えるという手法は工程も増えるし、コストも掛かるだろう。しかし、ルールを超える規格外のヘッドを廃棄する必要はなくなる。

打ってみると、キャロウェイのエピックフラッシュのような大きな打球音ではなく、レジンが入っている分音がこもっていて、しっとりとした音がする。しかしフェースの反発は確かに高いようで、ボール初速には驚いた。ソールのウエイトも、Y字からT字に変わり、調整幅も広がった。しかし僕はウエイトが移動する、調整機能にはあまり興味がない、それよりもソール後方にウエイトを持ってくると、ウエイトが飛び出てしまい、テイクバックの時や、インパクト前に引っかかるのではないか?と不安になる。

レジンを注入するということは、ヘッドウエイトが変わってしまう。メーカーは最大1グラムというがヘッド重量は1グラムが気になるところ。ヘッドウエイトといい、はみ出したソールウエイトの重心コントロールといい、何かプロトタイプというか半完成品のようでどうも超私的にあまり好きになれない。確かにボール初速がはやく、カーボン素材を沢山つかって低重心している点など進化を感じるドライバーだと思うのだが・・

2018年はM3 460ドライバーがエースとなったが、2019年はここだけの話、シンプルなM6が魅力を感じる。皆さんが購入する際に1つ注意して欲しいのはロフト選び。表示ロフトとリアルロフトの差がほとんどない。ヘッドスピードが結構速くないと、今回試打した表示ロフト9度のヘッドは厳しいだろう。ヘッドスピードが45m/s以下なら尚更、僕が選ぶとしても10.5度を選ぶと思う。

前作はM4が大ヒットしたが、僕の周りではM3ユーザーがほとんどだった。今回、この構図が同変化するか?非常に楽しみに動向を伺っている。メルマガ読者の皆さんには、こっそり教えるが、M5も一応購入するとかもしれないが、エースはM6ドライバーになりそうな予感がしている。

ピン BLUEPRINTアイアン(2019)

このインプレッションは、2019年5月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

春から夏に変わるこの時期、従来ならあまり新製品は出ない。秋と春のゴルフシーズンの開始直前にあわせて、ゴルフクラブは発表され、発売される。珍しくこのサイクルに逆らって発売されるのがピンの新製品。ピンG410LSTドライバーと、ブループリントアイアン、そして限定のパターの3つだ。G410LSTドライバーは、Gシリーズでも低スピンのモデルだが、3月のG410シリーズの発売時期に間に合わず。よくやく発売された。

今回、とりあげるのはG410LSTドライバーではなく、ブループリントアイアン。ピンはこの発表に合わせて、ゴルフ場の試打ラウンドを企画してくれていたが、暴風雨が予想されたため急遽、ピンジャパンの本社での試打となった。アイアンは芝の上でテストしたいが、細かいデータを検証するには、計測器が完備されている室内の方が適している。人工芝マットでも、ソールの跳ね方で、バンスの効き具合や、ソール形状の機能は、推測することが出来る。

このブループリントアイアン、ゴルフスパイなどのサイトで、発表前からスクープされていた。ピンと言えば歴史的にヘッドが大きい、ミスに強いアイアンを主力として発売してきたが、S59やi-BLADEなどヘッドの小さいアイアンもあった。スクープ写真でイメージしたのは、i-BLADEの流れで作られたモデルかなとおもっていた、しかし実際実物を見て驚いたのはヘッドの小ささだ。

手にとって見た時、1970年台、三大メーカーだった、マグレガーのミュアフィールド、ウイルソンのスタッフ、スポルディングのトップフライト、その年代のアイアンぐらいの大きさに感じる。ピンがここまで小さいアイアンを作ったことはかなり驚いた。素材は軟鉄鍛造、かつて日本限定モデルとして、ANSWERという軟鉄鍛造キャビティアイアンがあったが、そもそもピンがアイアンを作る際、さまざまな試作を繰り返し、軟鉄鍛造に限界を感じ、ステンレス鋳造にたどり着いたことが知られている。

軟鉄の丸棒から、鍛造され、タネが作られ形成されていく軟鉄鍛造アイアン。創業者のソルンハイム・カーステンは、設計の自由度の高さと大量生産時の精度の高さにこだわり、ステンレス鋳造でアイアンを作るようになったというのは有名な話。それまでは軟鉄鍛造ばかりだったアイアンもステンレス鋳造、いわゆるロフトワックス製法のアイアンという新しいテクノロジーが普及し、他社がその後を追っていった。僕としては、ピンは丸棒から作るアイアンを否定したのにどうしたんだ?と言う疑問が一瞬頭をよぎった。

ヘッドは本当に小さい。トゥに配置されているタングステンのネジを見なければ、現代のアイアンとは思えない小ささだ。ピンお前もかとおもったが、「逆もまた真なり」と思った。今や、ステンレス鋳造は当たり前、ポケットキャビティであるとか中空であるとか、様々な素材をハイブリッドしてアイアンヘッドが作らている。そのピンが完全なマッスルバックを今発売した。

ここで、実はピンらしいのでは?と思い始めた。

ピンは常に逆ばりしているメーカーだと僕は思っている。

歴史的にも逆ばりな製品を常に発売している。流行に左右されない。例えばドライバーの浅重心ブームの時も、まったく反応しなかった。低深重心を追求していた。浅重心ブームが去った頃に、LSTという浅重心モデルを出してきた。それだけでなく、ピンは逆ばりが好きなのだと感じていた。今回も、もしかしてステンレス鋳造全盛時代に、ピンは逆ばりしているのか? ブループリントアイアンは、ピンらしくないと言う声もあるが、僕はあえてピンらしいと思った。

このアイアンは、機能面でもピンらしい面はもちろんある。まずライ角が選べること、そしてバンス角がしっかりとついていること、1本から買えること、気になるのはライ角のバリエーションが、ステンレス鋳造モデルと比べて少ないこと、調整できる幅が限られてしまうことだ。これは想像だが、軟鉄鍛造なので調整自体はできるだろうが、メッキのシワがよってしまうことを懸念して、会えてカラーコードを絞っているのだろうと思う。かなり残念な点だ。

このアイアン、かなりストライクゾーンを狭く打ち出していて、難易度が高いことをしっかりと伝えている。他社は、やさしいマッスルバックなどと、期待をもたせるものだがピンは、このアイアンは限られた人向けであるとハッキリ言っているし、それを隠さずアピールしているのは素晴らしいと思う。僕が思うに72のゴルフにこのアイアンは必要ない。72は、大きなミスさえ出なければ、出せるスコア。小さいミスはクラブが助けてくれる方が絶対に有利だからだ。

しかし、54を狙う。つまり全ホールバーディを狙うレベルのゴルファーなら必要になるだろう。54はやさしいだけのクラブでは出せないからだ。アイアンで必要なのは、左右、上下、に弾道をコントロールできること、スピン量も操れないとダメだ。ラフでもしっかりとボールを捉え、抵抗を受けないコンパクトなヘッドが必要。とはいえ、どんな状況でも芯で打てる技術があることが前提だ。

試打してみると、もちろん普通に打てる。しかしわざとミスヒットしてみると、ナイスショットとの飛距離差が、PWで10ヤード、7番アイアンでは15ヤードは出てしまう。僕はシビア過ぎてスコアにならない。僕の使っているmmアイアンだと、ミスヒットとの差はPWから7番なら5ヤードで収まるからだ。

ブループリントアイアン、メーカーがハッキリと言うように本当に限られた人が使いこなせるアイアンだと思う。パープレーを目指すなら、このアイアンを選ぶ必要は無いと断言する。僕なら、迷うこと無くピンならG410アイアン、もしくはmmアイアンを選ぶだろう。

TRPX アフターバーナーシャフト(2019)

このインプレッションは、2019年4月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

僕の秘密基地であるアナライズには、様々な人が僕を訪ねて来てくれる。大手メーカーから、全くゴルフとは関係ない会社の人と、目的は様々。まだ誰も打ったことがないような試作品が持ち込まれることも珍しくない。もちろんSNSなどで取り上げる訳にはいかないものがほとんど。

困るのが、発売前に『あれ打ちました?』と聞かれること。打っているのだが、守秘義務があるので、打ったとは言えない。お茶を濁すような返事をすると決まって『なんだマーク金井まだ打ってないのか?』という表情をされる。特に今の時期は、秋に向けて発売されるシャフトメーカーの試作品が、多く持ち込まれる。

シャフトメーカーの新製品は、クラブの新製品よりも早く作り上げないと、クラブの発売に間に合わない。というのもどういうカスタムシャフトをタイムリーに、ラインナップに加えたいというクラブメーカーのオーダーによるものだ。逆を言えば、この時期にすでに新しいシャフトを作り上げていないと、新しいドライバーのカスタムシャフトに採用されないということでもある。

ということで、例年9月〜10月にかけて発売されるシャフトメーカーの新製品は、4〜5月にはしっかりとテストしている。生配信などで聞かれても、残念ながらハッキリとは答えることは出来ないが、このメルマガではどこよりも先に具体的な情報を発信していくつもりだ。

日本には、クラブメーカーと同じぐらい、シャフト?メーカーが存在する。その多くが地クラブ、地シャフトメーカーだ。フジクラ、三菱ケミカル、グラファイトデザイン、USTマミヤが4大シャフトメーカーと言われている。4つのなかに、不思議なことにスチールシャフトのメーカーが入っていないのが不思議だ。スチールシャフトというのは大規模な機械を使うために、工場は大規模となる。日本で、スチールシャフトをつくているのは、島田ゴルフと日本シャフトの2社だけ。

日本シャフトはカーボンシャフトもいい製品を数多く出しているし、会社としてはとても大きいのだが、何故か四大シャフトメーカーというカテゴリーに入っていない。スチールだけでなく、カーボンシャフトも魅力的な製品を多く世に出しているのだが・・・

スチールシャフトと違って、カーボンシャフトは、マンドレルという芯金にカーボン繊維を巻いていく、ほぼ手作りなので、小ロットでの生産が可能。必然的に小さいシャフトメーカーが数多く存在することになる。今回、スタジオに来てくれたのは、TRPXというシャフトメーカー。クレイジーと言うメーカーがあったが、そこから独立した人が作ったシャフトメーカーという印象が強い。

最近クラブ契約フリーになった、横峯さくらプロが使いはじめ、注目を浴びているようだ。僕も以前TRPXのシャフトを試打したことはあるが、その時のイメージは高弾性の繊維をふんだんに使い、トルクが少なくシャープな挙動で手元がしっかりしているシャフトという印象だった。今回テストしたのは、新しく発売されたAFTERBURNERと言うシャフト。AFTERBURNERと言えば、ジェットエンジンの排気にもう一度燃料を吹きかけ燃焼させて高推進力を得る装置のこと。

このシャフトはシャフトを加速させ、あとヒト伸びの飛距離を狙っているネーミングなのだろう!というイメージを持った。色はブラックにピンクと派手なデザインだ。一発打ってみると、TRPXのシャフトに持っていたイメージとずいぶん違うことがわかった。

まずいい意味でのトルク感があること。スチールシャフトと違いカーボンシャフトは、部分的に違う繊維を使ったり、巻き方を変えたりできるのがメリット。このシャフトはそのメリットを生かして、手元のトルクを多めにし、先端はトルクを少なめと、意図的にトルク配分を変えている。手元のトルクが多めだと、手元がしなったように感じて、非常にタイミングが取りやすく感じる。

フジクラのスピーダーSLKにも共通するが、一発の飛距離よりもシャフトの挙動を安定させて、弾道を安定させるというシャフトは今後トレンドになるのかと感じる。トルクを絞って、弾きを追求し一発の飛びを狙うよりも、シャフトの部分部分でトルクを調整することで、タイミングを取りやすくし、再現性を高くすることで平均飛距離が上がり、ゴルファーに安心感を与えることで、更なる飛びを狙うというシャフトのようだ。

僕のイメージでは、今までTRPXのシャフトは、とにかく1発の飛距離を狙ったピーキーなシャフトというイメージだったが、舵の切り方を変えて、安定性を上げて、ゴルファーがしっかり叩けることで、飛距離のポテンシャルを上げていくと言うシャフトを出してきた。しかし、相変わらずなのはシャフトの価格、6万円(税別)と高価だ。市場でどう評価されていくのか、今後注目したいと思う。

キャロウェイ エピックフォージドドライバー(2017)

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ゴルフクラブというのは、流行りすたりがある。今年はドライバーの当たり年だと言われているが、売れているとまた別の角度で注目を浴びる商品が出てくるもの。今、話題となっているのはエピックフラッシュ・サブゼロの”ウエイト外し”。T島ブログでも話題にしていて、アクセスも多く注目度の高さが伺える。メルマガだから書くが、”ウエイト外し”だから飛ぶわけではない。

キーワードはキーワードに過ぎない、ゴルフクラブは中身が見えない、外見はウエイトが外しているだけに見えるが、前方のウエイトが変えてあるかもしれない。ウエイトは同じでもヘッドに、ジェルを入れることで重心位置をそのプロの好みに調整しているかもしれない。ジェルを入れることは、プロのクラブの調整法としては一般的、一部の工房でも可能だが、目先ばかり追いかけると”ウエイト外し”=飛ぶという正解を見つけたつもりになる。

12グラムのウエイトを取ってしまう。そのままだと、ヘッド重量は女子プロが非力とは言えさすがにヘッド重量が軽すぎるだろう。メルマガ読者の皆さんは覚えていてくれると思うが、ヘッド重量は非常に大切。ウエイトを外しただけでなく、ヘッド重量は調整してあるはず。12グラムのウエイトを外すことで、12グラムのフリーウエイトが生まれるので、それを見えないところに配分しているはずだ。

そもそも僕はペリメーターウエイトというのがあまり好きではない。移動することで重心距離がかわるのだが、見た目がかわるわけではないからだ。重心深度が変わることはメリットが有ると思う。そもそもプロ用のドライバーは、まったくウエイト可変機能がなくても、微調整されていることを覚えておいて欲しい。調整してあるからといってそれは黄金値でもなく。それぞれのプロにとって心地良い場所なだけだ。

僕は、今回同じドライバーをもう一本買い足した。同じクラブを2本買うというのは今までもあるが、このタイミングで買ったのは、マークダウンが始まりもう新品で手に入らなくなることと、僕の理想的な顔の1本が見つかったからだ。そのドライバーは、キャロウェイ GBBエピックフォージドドライバー。先日の生配信でも紹介したので、知っている人も多いはず。

最初のエピックフォージドには、アナライズで販売している島田ゴルフのスチールシャフトを入れてある。43.5インチにしていて、今や僕の押しも押されぬエースドライバー。僕は阪神ファンなので、こんな表現は本意ではないが、阪神のエースのメッセンジャーが今季不調ということもあり、巨人でたとえることにする。

巨人の押しも押されぬエースといえば 菅野投手。エピックフォージド+島田スチールは僕にとって押しも押されぬエースドライバーとなっているのだ。

とは言え、色々と比較したいし、試してみたい。ゴルフクラブは不思議なもので、一度シャフトを抜いて戻しても、同じ感覚にならないことがある。それは避けたいので、比較用に1本購入した。スチールばかり使っているわけに行かないということもある。このドライバー、発売時期がモデルチェンジの半年前という微妙な時に発売されたせいもあって、特にプロモーションもなく、ヒットしなかった。

しかし、ペリメーターウエイトは無いが、ウエイトは2つありヘッド重量も調整できる。可変スリーブもなく、非常にシンプルなドライバー。しかし日本市場は、わかりやすいキーワードや調整機能が無いドライバーに対する評価がとても低いようで売れなかった。日本人の車の購入パターンとも似ている。とにかく盛り盛りが好みで、ファミリーカーを買うのでも、1600ccと2000ccだと2000ccが良いという。

排気量が大きくなると、それだけ重量がかさみ鼻が(フロント)がヘビーになり、小さいクルマなのに軽快感がなくなる。そしてオプションはすべて付けたがる。僕は欧州車が好きだが、欧州車、本国では機能最低限のベーシックモデルの人気が高いそうだ。残念ながら、日本市場の好みで欧州車も、盛り盛りのバージョンが輸入されるので、クルマの評価というのは変わってしまうのが残念だ。

脱線したので話を戻そう、エピックフォージドはクルマに例えると、欧州車のベーシックモデルのようにシンプルでクルマの本質的な性能を追求してるドライバー。非常に重心位置も良いし、シンプルな形状で、ニュートラルで飽きない。パッと見て、色々機能が無いと日本では売れない時代だが、その中で突然出てきた名器だと僕は思っている。

二本目のエピックフォージドには、同じく短尺なフジクラ・スピーダーSLK 6Sを入れてみようと思っている。また出来上がったら、レポートしようと思う

フジクラ スピーダーSLK(2019)

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前々回、デイトナスピーダーについて書いた時に、次回はスピーダーSLKを取り上げると書いたのだが、一週間も経つとコロっと忘れてしまった。まあ3月31日に、4月1日だと思ってエイプリルフールのブログをアップするぐらいだから、そのへんはメルマガ読者も充分わかっていて『しょうが無いなぁ』と思っていただければありがたい。

ジャパンゴルフフェアでもフジクラはミニスカポリスのコスチュームに身を包んだ、コンパニオンガールが目立っていたが、デイトナスピーダーとスピーダーSLKという2つ同時に新作があるので、注目度も高かった。デイトナスピーダーは、フジクラの特約店工房向けに販売しているシャフトで、高級感たっぷり。前作のダイヤモンドスピーダーも人気が高く、今回アイアン用とHYBRID用が追加になったそうだ。

スピーダーSLKは、対局にあるシャフトだろう。メーカーのWEBサイトには開発に至った経緯が書いてあった

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一般的に、クラブの短尺化には、クラブ長が短くなることによるミート率の向上や直進性が高まるメリットなどが挙げられる。近年、PGAツアーでも短尺ドライバーの使用選手が数多く見受けられる。しかし、通常のクラブを短く組もうとすると、クラブバランスが軽くなってしまい、ヘッドを重くする等の調整では振り心地が変わってしまう。
ドライバーの短尺化について、JGF2018に短尺コンセプトドライバーシャフトを参考出品し、JGF会場や以降の試打会にて感想を集めたところ、

・ドライバーを44インチくらいで試したことがある人が意外と多い
・クラブバランスが出ないのでヘッドに鉛を貼って調整しているが、振り心地が変わってしまう
・バランスが軽いままだと、ユーザーに敬遠される
・通常のシャフトを短尺にすると、硬く感じてしまう、球も上がらない

というコメントがあり、予想以上に反響が大きかったため、短尺用シャフトの商品化を推進しました。

フジクラシャフトのWEBサイトより引用
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理論上、ドライバーを長尺化すると、ヘッドスピードが上がり、ボール初速も上がる。という仮説の元、ドライバーを長くする人が多い。しかし実際は、ヘッドスピードが上がるが、ボール初速は落ちる人、ヘッドスピードも上がらないと言う人が、かなりの比率でいて、長尺化で飛距離アップできる人はかなり限られるというデータをみたことがある。

そこで注目されるのが、短尺化。これはPGAのツアープロの影響もあるだろう。僕はSLKというシャフト打ってみて、短尺専用にするのは勿体無いと思う。カット前のシャフトの長さは短いのと、先端が重くバランス値が大きくなるので、あまり長くは出来ないが短尺に限定しなくても良いと思う。

デイトナスピーダーは、松阪牛や、大間のマグロ、フォアグラ、考えられる高級素材をすべて集めてつくった最高級の幕の内弁当。一方スピーダーSLKは、王将の餃子定食と言う感じ。材料は高級な素材など使っていないだろうが、非常にまとまりがよく毎日食べても飽きない。使い慣れた素材を使って、いい意味でシャフトをアバウトに作っている。シャープな感覚は無く、追従性は決して良くはない。

このメルマガを読んでいる人は、追従性が良くないと言われても、駄目なシャフトであると思わないぐらい理解度が高まっていると思う。例えるならデイトナスピーダーがF1のハンドリングで、スピーダーSLKは、アメ車のハンドリングといえばいいだろうか?。SLKは直進安定性がよく、何時間も真っ直ぐ走っていられる感じ。シャフトのしなりを感じやすく、トルクも大きめでタイミングが取りやすい。

飛距離追求したシャフトではないが、しなりを感じタイミングを取りやすいので、安定したリズムでインパクトを迎えることができるので、安定感のあるドライバーショットが打てるだろう。そうなると不安を感じにくくなり、気持ちよく振り切れる。シャフトとの信頼関係が出来ると、飛距離はドンドン引き出されるはずだ。

スピーダーSLKは、ずばり平均飛距離が出るシャフト。センター部分もやわらかめで、高級な純正シャフトのような特性のシャフトだ。44インチで組んで試打してみたが、振り切りやすいと、イロイロな人が試してみても同じ感想だった。僕は今、43.25インチのスチールシャフトがエースだが、短くすることで極端に飛距離は落ちないと実感している。ドライバーショットに悩んでいる人は、スピーダーSLK、そして僕がお勧めするスチールシャフトを、一度試打してみて欲しいと思う

フジクラ デイトナスピーダー(2019)

このインプレッションは、2019年3月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

今週金曜日から、ジャパンゴルフフェアが3日間開催される、今回が53回目だそうだ。僕もトークショーなどの出演することもあり、3日とも会場にいる予定にしている。もし見かけたら気軽に声をかけて欲しい。しかし大手メーカー揃い踏みとなかなかいかないのが、近年のゴルフフェアの傾向で、テーラーメイド、プロギアなど出展しないようだ。

ゴルフフェア自体の存在意義が問われはじめているように感じる。というのも以前はゴルフ関係者向けだったのだが、だんだん一般ユーザー向けの趣向が強くなってきた。カメラの祭典 CP+とターゲットが近いと思うが、ゴルフフェアと対象的に上手く一般ユーザーと関係者を取り込んできている。一方ゴルフフェアは、すこし方向性がぶれているように思える。

アメリカのPGAショウだが、正式にはPGAマーチャンダイジングショウという。こちらは完全に、ゴルフ関係者向けで一般ゴルファーは基本的に入場できないことは意外と知られていない。あまりに規模が大きいから関係者向けと言われてもピンと来ないのではないだろうか?

しかしゴルフフェアは、年に一度のお祭でもある。皆さんも是非訪れて欲しい、クラブメーカーが注目されているが、普段は裏方な位置にあるシャフトメーカーも、このチャンスにファンを増やそうと出展しているので、是非各社を回って欲しいと思う。ゴルフクラブは高級化しつつあり、それにともないシャフトの注目度は、徐々に上がってきている。特に新製品では、シャフトメーカーのどんなシャフトが装着されるのか?で注目され差別化されている傾向がある。

メーカーの新しいドライバーに合わせて、シャフトメーカーも新しいシャフトを発表しているが、より多くシャフトを販売するには、メーカーのカスタムシャフトに採用されることが必須。以前、メーカーカスタムシャフトが無い頃、シャフトメーカーは街の工房さんに、シャフトを売ってもらうというのが、売上を上げる常套手段だった。しかしメーカーカスタムとしてクラブメーカーが標準装着して販売する今、街の工房さんにとっては、カスタムに採用されたシャフトは、あまり魅力のない商品となってしまった。

そのため最近は特別に契約している工房専用モデルというのを発売するメーカーが増えてきた。今回紹介する、フジクラのデイトナスピーダーは、ジュエルラインと呼ばれるフジクラシャフトの特約店向け工房専用モデル。なんと価格は8万円(税前)と凄いのを出してきた。値段もさることながら使っている素材も高級なものばかり。値段がどうして高いのか非常にわかりやすいシャフトだ。コンセプトも『コストを考えずに地球上にある最高の材料を使う』ということで、材料が高いものをてんこ盛りにしている。

このシャフトの重量だが、シャフトのフレックスが硬くなるにしたがって重くなっている。カーボンシャフトを作る上において、非常に理にかなっている。通常のスピーダーエボリューションが、寿司で言えば並だとすると、デイトナスピーダーは特上寿司みたいなもの。材料が良いというのは、非常にわかりやすいことは間違いない。樹脂の含有率も少ない高級なカーボン繊維を使うというのは、プレゼンしやすいと言える。

価格を納得させるすべての高級素材を使ったシャフト。打ってみると、いい材料を使っていることがすぐわかる。高級な素材はカーボンの弾性率が高くなっている。するとフィーリングがシャープで、スイングに対するシャフトの反応がとてもリアルになる。車に例えると、スポーツカーをさらに超えて、F1マシンのようなシャープな挙動。クルマ好きな人ならわかると思うが、F1マシンは超高性能、地球上で一番速いクルマとよく言われるが、その高性能を誰でも発揮できるのか?と言われると、イエスと言えない。

同じように、高級なシャフトだと飛ばせるのか?というのは、イエスでもありノーでもある。F1マシンに素人が乗ったのと、ポルシェに乗るのどちらが、首都高速を速く走れるかというと、きっとポルシェのほうが安全に速く走れるはず。残念ながら僕はF1を運転したことはないが、エンジンのレスポンスがよく、ハンドル操作がダイレクトに反映される。運転する人の意思がダイレクトに、伝わるようになっていると聞く。当然運転のミスもしっかり伝えてしまうのだ。

この追随性。高ければ高いほど良いと思われているが、逆を言えば、悪い動きも追随してくれる。スイングのミスもリアルに追随してしまう。追随性はシャフトの性能の一つであるが、追随性が高いから飛ぶかというとそうではないを理解するのは難しくないはず。とは言え、昔のクレイジーのようなピーキーさは感じられない。F1をデチューンして扱いやすくしているみたいなもの。デチューンすると扱いやすくなるが、追随性は落ちる諸刃の剣。

もちろん上手く使うことができれば、飛距離をアップさせる可能性はとても高い。しかしそれは残念ながら一筋縄にはいかない。自分のスイングがありのままに伝わるからだ。同時期にスピーダーSLKという短尺ドライバー用のシャフトが発売されるが、こちらを打ったらデイトナスピーダーと真逆の感じだった。スピーダーSLKについては、来週でもしっかりとレポートすることにしよう

テーラーメイドM5ロケットフェアウェイウッド(2019)

このインプレッションは、2019年3月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

今年も例年のようにゴルフに行っていない・・ と思っていたら3月になってしまった。今年は暖冬で、僕が毎週通っているガーラ湯沢も、例年の今頃と比べ雪が少ないので景色が違う。しかしゴルフ殆ど行っていないのに、例年以上にクラブを購入しているような気がする。というのも今年はドライバーの当たり年、テーラー、キャロウェイだけでなく、前回紹介したコブラもかなり良い出来だ。

ドライバーばかり注目が高いが、フェアウェイウッドも良いものが目立つ。注目はテーラーメイドのM5フェアウェイウッド。メルマガ読者、それも昔から購読してくれている人は、”あれ”と思ったかもしれない。テーラーメイドはフェアウェイウッドを作るのがとても上手いメーカー、僕も毎年購入してしまうが、いつも購入するのはM1、M2のときは、M2だったし、M3,M4のときはM4を購入している。

ヘッドサイズも大きく、操作性よりも寛容性があるものを歴代選んできた。しかし今回はM5フェアウェイウッドを購入。その理由だが、発売前から気になっていたのがソールのセンターの可変ウエイトの存在。ソールのセンターに配置されて、扇状に移動する。ウエイトの重さはなんと65グラムもある。チタンヘッド+カーボンクラウンで作り出したフリーウエイトを作り出し、65グラム稼ぎ出したわけだ。

フェアウェイウッドのソールの可変ウエイトだが、ティアップして使うドライバーと違って、地面とコンタクトする時に邪魔にならない形状であって欲しいと思う。例えばタイトリスト917F2、F3のSURE FIT CGウェイトを搭載するために、突起があると、使用上は関係ありませんと、メーカーがいかに説明しても気になるもの。古くはテーラーメイドのr7フェアウェイウッドもウエイト収納するための突起があった。

しかしM5フェアウェイウッドは、非常に上手く作られていてソールはフラットになっている。ウエイトの移動範囲は大きくないが、味付けとしては充分有効に感じる。色々試してみたくなったから購入した。今回僕が買ってしまった理由はもう一つある。テーラーメイドは歴代『ツアースプーン』であるとか『TP』であるとか、『TS』であるとか、マニアがグッとくるロフトを少し立てたスプーンを発売していた。何故か最近は日本で発売されていない。

今回、僕は新橋のジーパーズで見つけて、ROCKET3という表示にグッと来て衝動買いしてしまった。3Wのロフトを一度立てただけなのに、ROCKET3なんて名付けるなんて、買い物心をくすぐるのが実に上手い。テーラーメイドはネーミングも上手いが、ビジュアルでのインパクトの付け方が上手い。もちろんチタンヘッド、そしてツイストフェース採用と、機能的にも優れているイメージの出し方も上手い。しかしROCKET3も何故か日本で発売されていない。

US仕様の並行輸入を買ったので、日本では発売されていないフジクラのATOMSというシャフトが入っている。Rシャフトを買ったのは、”US仕様あるある” でシャフトの硬さが気になるから。しかし、最近はワンフレックスどころか、2フレックスぐらい硬いことも珍しくない。計測してみると振動数はなんと268cpmとSとXの間ぐらいの硬さだった。柔らかめを選んだのに、僕が使うにしても少し硬めだった。

ティアップして打ってみると、低スピンでドライバーを打っているような感じがする。飛距離も10ヤードも変わらないだろう。地面から打つには少し厳しいロフトかもしれない。このフェアウェイウッド、ライ角が54度と今どき珍しくフラット。ドライバーの可変スリーブは、意外とデメリットが気になる僕だが、フェアウェイウッドはライ角が変えられる点が嬉しい。テーラーメイドのスリーブは、キャロウェイやタイトリストに比べるとアドレスした時に気にならないし、良く出来ていると思う。

テーラーメイドM5フェアウェイウッドのROCKET3は、ドライバーが苦手という人には、オススメなドライビングスプーンだろう

プロギア TUNE 05ドライバー

このインプレッションは、2019年3月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

今年はジャパンゴルフフェアが盛況のようで過去最高の6万人超えるくらい集客したようだ。業者向けというよりもエントリーユーザー色が強くしたのがよかったのではないかと思う。僕もブッシュネルのブースでのトークショーに加え、今年は大会主催者である日本ゴルフ用品協会の依頼で、ゴルフギアセミナーを土日に開催した。50人分の席しかなかったが、立ち見を含めて150名ぐらいの方が来てくれた。

非常に盛り上がって嬉しい限りだったが、寂しかったのは大手メーカーの不参加が目立ったこと。アメリカのPGAショウに出展しなかったテーラーメイドは、ブースを出していたが、何かと勢いがある本間ゴルフや、昨年”Q”と言うクラブを全面的に出したプロギアは不参加。特にプロギアは、RSシリーズの新製品であるRS-EやRS-REDなどがリリースされたばかり。良いお披露目になると思ったのだが、出展していない・・

プロギアだが、ここ数年パーツだけの販売もしている。クラブとして販売しているラインナップとは全く別だが、PRGR-TUNEというブランドを立ち上げ、工房専用として販売している。RS-EとRS-REDの発表前に、メーカーさんが試打ラウンドを企画してくれた。RS-Eは、重心深度を深くし、重心角を大きくして実に捕まりの良いドライバーに仕上がっていた。RS-REDはプロギアの歴代の赤は名器という期待を全く裏切らない軽量だがニュートラルなドライバーだ。

どちらのクラブも非常に良かったのだが、今回僕が取り上げるのは、PRGR-TUNE05というドライバー。ドライバーとフェアウェイウッドは先行して発売されていたのだが、試打ラウンドの時に、アイアンとTUNE0ユーティリティが発表になるということで、05ドライバーもバッグに入っていた。打ってみると非常に良いのでサンプルとして使わせてもらうことにした。

05ドライバーは、昨年9月に発売されていたモデル。可変スリーブでないのが工房向けらしい。ネックの内径をチェックすると、通常は8.5ミリのはずが、9.1ミリぐらいある。あまりに緩いので不良品じゃないかと思わずメーカーに確認した。しかしこれには理由があった。シャフトのチップ径とホーゼルの内径に差があると、可変スリーブのようにシャフトを少し斜めに装着できる。これにより、工房側がユーザーに応じてロフト角やフェース角が微調整できる。

これぐらいスペースが有ると、可変スリーブぐらいの調整幅は確保できるだろう。もちろんこのスペースは接着時に不安があるが、工房の腕の見せ所でもある。さすが工房向け、匠の技が生きる仕様となっているのだろう。僕も可変スリーブはあまり好きでないのはメルマガ読者の皆さんは、もう充分理解していただいていると思うが、このヘッドもう一つ気に入ってる点がある。

それはウエイトが1つと非常にシンプルな点だ。ヘッドの性格がほとんど変わらないバックフェースの後ろ側に配置されていて、4グラムから10グラムの2グラム違いでウエイトが選べ、ヘッド重量を細かく調整することが出来る。これで、クラブの長さやバランスなど工房でのアレンジが効く要素の一つだ。

面白いのが、パーツブランドのTUNEシリーズは、Wクラウンとなっていない。Wクラウンと言えば、ギリギリの反発にするための工夫だったはず・・・若干Wクラウン気味だが、フェースの素材や構造により反発はギリギリにしているとのこと。なんとなくWクラウンのありがたみが失くなった気がする。

打ってみると、プロギアらしいギリギリな反発の良さを感じる。そして重心位置が深めだ。ボールを捕まえれる人は、捕まりすぎる怖さがない特性となっている。プロギアのクラブで言えばRS-Fに近い感じだ。重心距離は41ミリ、重心深度は44.5ミリと外ブラのドライバーのような特性で、国内のガラパゴス化したドライバーとは一線を画す。

僕は、ヘッド重量を一番重い10グラムのウエイトを使って198グラムにした。重心位置も重心角などを鑑みると、非常にニュートラルなヘッドだろう。このヘッドに僕は、三菱ケミカルのディアマナDF50Sを入れてみた。僕的にはとても気に入った組み合わせで、今年は登場回数が増えそうなドライバーだ。地クラブと言うのはあまり好きではない僕だが、人が持っていない所有感があって、深低重心で扱いやすいドライバーを探している人にはオススメしたいと思う。