カテゴリー別アーカイブ: アイアン

ピン BLUEPRINTアイアン(2019)

このインプレッションは、2019年5月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

春から夏に変わるこの時期、従来ならあまり新製品は出ない。秋と春のゴルフシーズンの開始直前にあわせて、ゴルフクラブは発表され、発売される。珍しくこのサイクルに逆らって発売されるのがピンの新製品。ピンG410LSTドライバーと、ブループリントアイアン、そして限定のパターの3つだ。G410LSTドライバーは、Gシリーズでも低スピンのモデルだが、3月のG410シリーズの発売時期に間に合わず。よくやく発売された。

今回、とりあげるのはG410LSTドライバーではなく、ブループリントアイアン。ピンはこの発表に合わせて、ゴルフ場の試打ラウンドを企画してくれていたが、暴風雨が予想されたため急遽、ピンジャパンの本社での試打となった。アイアンは芝の上でテストしたいが、細かいデータを検証するには、計測器が完備されている室内の方が適している。人工芝マットでも、ソールの跳ね方で、バンスの効き具合や、ソール形状の機能は、推測することが出来る。

このブループリントアイアン、ゴルフスパイなどのサイトで、発表前からスクープされていた。ピンと言えば歴史的にヘッドが大きい、ミスに強いアイアンを主力として発売してきたが、S59やi-BLADEなどヘッドの小さいアイアンもあった。スクープ写真でイメージしたのは、i-BLADEの流れで作られたモデルかなとおもっていた、しかし実際実物を見て驚いたのはヘッドの小ささだ。

手にとって見た時、1970年台、三大メーカーだった、マグレガーのミュアフィールド、ウイルソンのスタッフ、スポルディングのトップフライト、その年代のアイアンぐらいの大きさに感じる。ピンがここまで小さいアイアンを作ったことはかなり驚いた。素材は軟鉄鍛造、かつて日本限定モデルとして、ANSWERという軟鉄鍛造キャビティアイアンがあったが、そもそもピンがアイアンを作る際、さまざまな試作を繰り返し、軟鉄鍛造に限界を感じ、ステンレス鋳造にたどり着いたことが知られている。

軟鉄の丸棒から、鍛造され、タネが作られ形成されていく軟鉄鍛造アイアン。創業者のソルンハイム・カーステンは、設計の自由度の高さと大量生産時の精度の高さにこだわり、ステンレス鋳造でアイアンを作るようになったというのは有名な話。それまでは軟鉄鍛造ばかりだったアイアンもステンレス鋳造、いわゆるロフトワックス製法のアイアンという新しいテクノロジーが普及し、他社がその後を追っていった。僕としては、ピンは丸棒から作るアイアンを否定したのにどうしたんだ?と言う疑問が一瞬頭をよぎった。

ヘッドは本当に小さい。トゥに配置されているタングステンのネジを見なければ、現代のアイアンとは思えない小ささだ。ピンお前もかとおもったが、「逆もまた真なり」と思った。今や、ステンレス鋳造は当たり前、ポケットキャビティであるとか中空であるとか、様々な素材をハイブリッドしてアイアンヘッドが作らている。そのピンが完全なマッスルバックを今発売した。

ここで、実はピンらしいのでは?と思い始めた。

ピンは常に逆ばりしているメーカーだと僕は思っている。

歴史的にも逆ばりな製品を常に発売している。流行に左右されない。例えばドライバーの浅重心ブームの時も、まったく反応しなかった。低深重心を追求していた。浅重心ブームが去った頃に、LSTという浅重心モデルを出してきた。それだけでなく、ピンは逆ばりが好きなのだと感じていた。今回も、もしかしてステンレス鋳造全盛時代に、ピンは逆ばりしているのか? ブループリントアイアンは、ピンらしくないと言う声もあるが、僕はあえてピンらしいと思った。

このアイアンは、機能面でもピンらしい面はもちろんある。まずライ角が選べること、そしてバンス角がしっかりとついていること、1本から買えること、気になるのはライ角のバリエーションが、ステンレス鋳造モデルと比べて少ないこと、調整できる幅が限られてしまうことだ。これは想像だが、軟鉄鍛造なので調整自体はできるだろうが、メッキのシワがよってしまうことを懸念して、会えてカラーコードを絞っているのだろうと思う。かなり残念な点だ。

このアイアン、かなりストライクゾーンを狭く打ち出していて、難易度が高いことをしっかりと伝えている。他社は、やさしいマッスルバックなどと、期待をもたせるものだがピンは、このアイアンは限られた人向けであるとハッキリ言っているし、それを隠さずアピールしているのは素晴らしいと思う。僕が思うに72のゴルフにこのアイアンは必要ない。72は、大きなミスさえ出なければ、出せるスコア。小さいミスはクラブが助けてくれる方が絶対に有利だからだ。

しかし、54を狙う。つまり全ホールバーディを狙うレベルのゴルファーなら必要になるだろう。54はやさしいだけのクラブでは出せないからだ。アイアンで必要なのは、左右、上下、に弾道をコントロールできること、スピン量も操れないとダメだ。ラフでもしっかりとボールを捉え、抵抗を受けないコンパクトなヘッドが必要。とはいえ、どんな状況でも芯で打てる技術があることが前提だ。

試打してみると、もちろん普通に打てる。しかしわざとミスヒットしてみると、ナイスショットとの飛距離差が、PWで10ヤード、7番アイアンでは15ヤードは出てしまう。僕はシビア過ぎてスコアにならない。僕の使っているmmアイアンだと、ミスヒットとの差はPWから7番なら5ヤードで収まるからだ。

ブループリントアイアン、メーカーがハッキリと言うように本当に限られた人が使いこなせるアイアンだと思う。パープレーを目指すなら、このアイアンを選ぶ必要は無いと断言する。僕なら、迷うこと無くピンならG410アイアン、もしくはmmアイアンを選ぶだろう。

ブリヂストン ツアーB X-BLアイアン(2018)

このインプレッションは、2018年10月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

先週、千葉県の袖ヶ浦カントリークラブ袖ヶ浦コースで、BSオープンがあったので取材に行ってきた。ユニークなのはBSオープンには昔からプロアマが無いこと。理由を正式に効いたことがないが、プロアマに招待する人と招待しない人との線引が難しく、呼ばれない人に悪いからという理由らしい。複数の証言があるから間違ってはいないと思う。最近は日本オープンでさえ、資金調達のためなのかプロアマを開催しているというのに、なかなかのこだわりだ。

もう一つBSオープンというと、昔から自社の計測器サイエンスアイを配置した打席を用意して、データ計測をするということをやっている。サイエンスアイだが、トラックマンやGC2、スカイトラックなど、安価でオープンに販売する弾道計測器が一般的に発売されるようになり販売店にも導入されるようになり、今後の開発と配置をやめたそうだ。他メーカーに先駆けて、弾道計測器を開発し、配置していたがその役割も終わったということだろう。

他にも色々なアイデアがBSオープンには用意されている。通常のトーナメントでは、メーカーのクラブサポート用のツアーバンは、遅くとも金曜日まだ滞在し、そのまま次の会場に移動を始める。しかしBSオープンでは、BSのツアーバンを最終日まで常駐させて、ギャラリーが覗けるようになっている。あと公共交通機関を使い、送迎バスを利用したギャラリーには帽子のプレゼントと独自の工夫で盛り上げようとしている。

片山普呉プロがBSの計測打席で様々なドライバーをテストしていたのが、ALBA.netでスクープされていた。その中には、筋金入りで話題のツアーB XD-3もあったようだ。

好感触だったそうだが、まだ試合で使うには至っていない。BSのドライバーが一新されたのと同時に、アイアンも一新された。歴代BSの上級者向けアイアンはファンが多い。それは構えた時に見える姿、つまり顔だ。人気のタイトリストなど海外ブランドは、トゥとヒールの差が少なく、トゥが外側を向いて見える”洋顔” 一方ツアーステージの頃からBS顔と呼ばれている、トゥの傾斜が強く、ヒール側の懐(ふところ)がポケットのようにみえ包み込むイメージが有る”和顔”とアイアンマニアには言われている。

BSは歴代、和顔の代表的なアイアンだったが、今回のツアーB X-BLアイアン構えてみて愕然とした。伝統の和顔ではなく全盛期のタイガーが使っていたナイキのVRフォージドのような、洋顔になっているではないか!!会場にいた広報担当者に、根掘り葉掘り誘導尋問してみる『元ナイキのデザイナーが、ブリヂストンに入ったの?』とカマをかけてみると、どうやらビンゴだったようだ。ナイキのマッスルバックのようなシルエット、和顔の雰囲気は全く無くなっている。驚いたのはソールにも影響が出てきて、バンス角が以前よりもついていること。

クルマもそうで、BMWもなにか変わったな?!と感じたらデザイナーが日本人だったり、フォルクスワーゲンもなにかアルファ・ロメオのような曲線だなとおもったら、アルファ・ロメオからのデザイナーだったりと、変化が如実にあらわれる。ウッドの絶対的なアウトラインはメーカーの色がでるものだが、アイアンはデザイナーの個性が如実に出ることが改めて理解できた。面白いのはこの洋顔、ツアーB X-BLアイアンだけで、ツアーB CBや、CBPは、今までどおりの和顔となっていること。ナイキから来たデザイナーすでに在籍してないとのこと

たぶん、次のモデルはいつものBS顔に戻ってしまうのだろう。ツアーB X-BLアイアンは、3〜7はハーフキャビティ、8〜PWはマッスルバックと、かなり操作性が高い、上級者向けのアイアン。ミスヒットに強いクラブが好きな僕にとって、触手が動かないのだが、歴史的な資料として少し欲しくなってしまった。皆さんもぜひ手にとって構えて比較して欲しい突然変異のアイアンだ。

アナライズmmアイアン(2018)

このインプレッションは、2018年10月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

先週はホンマの新製品の発表会があった。プロ選手と大勢契約して、熱意系というキャッチフレーズで展開していたのだが、グローレをローンチさせ現在のポジションを築いたプロダクトマネージャーがホンマに移籍し、ホンマの新しいモノづくりが始まった。ホンマはプロダクトマネージャーが居ない職人のメーカーという印象だったが、明らかに商品の雰囲気が変わり、テーラーメイドを感じさせるPRしやすそうなクラブが出来上がった。

元々、ホンマは日本のメーカーならではの独自路線を展開していた。アメリカではカチャカチャを採用するなど、ダブルスタンダードな部分もあったが、可変スリーブ、カーボンクラウンなど、他のクラブとの同質化が目立つ。僕はクラブを評価する仕事をしているが、各メーカーどこも売れるクラブを作らないといけないという悲壮感の元に、クラブが同質化していること危惧している。

僕は、クラブを評価するだけでなく、クラブを作っている。どうせつくるならクラブも沢山売りたいという思わないこともないが、僕がクラブを作る理由は他にある。道具を変えることで、得られるメリットこそが大切で、所有欲よりも道具によって得られるベネフィットを得られるクラブを作りたい。道具を変えることでスコアアップして欲しいことを一番のテーマにしてクラブづくりをしている。

今月から発売を開始するアナライズmmアイアンも、ユーザーのスコアアップを全面に追求したアイアンだ。ホントは1年前に発売する予定だったが、金型を作って出来上がった試作品をテストすると、重心の位置が設計よりも1.5mmヒールに寄っていた。僕のクラブづくりの譲れない基本は、フェースセンターに重心があること。金型も一から作り直しだし、時間もかかってしまうが、これは絶対譲れないポイント。

その為、発売は一年遅れてしまった。以前アマチュアの打点位置を研究したマルマンが、SPSS理論という6対4の位置に重心位置を置いたアイアンを発売していたことがある。フェースセンターに重心位置があるクラブ、国内メーカーは意外と少ないが、ピンや以前のキャロウェイなどがこだわっているポイント。僕もクラブの見た目と重心位置がズレるクラブは違和感があるので、ここは譲れないので時間がかかってしまった。

mmアイアンにおいて僕がこだわったのは

・フェースセンターの重心位置
・ワイドソール、ハイバウンス
・全番手ロフト表示、5度のロフトピッチ
・軟鉄鋳造素材

大きく4つのポイントが有る。

1つ目のフェースセンターは説明したので、2番めから説明しよう

ワイドソール、ハイバウンスは、ヘッドが手前から入っても、ソールが仕事してくれるので、ミスがミスになりにくい。地面が緩い場合であるとか、洋芝で特に威力を発揮していくれる。もちろん野芝や高麗芝などの日本のコースでも最強だろう。

ロフト表示が大切なのか?と思う人が居るかもしれない。そういう人は、自分のクラブ、何番が何度なのかもしかして知らずに使っているのかもしれない。ロフトと飛距離の関係を理解していると、7番150ヤードに縛られなくなるだろう。何番と書いてあっても、飛距離の階段を理解するのはロフト角を知ることから、ロフト角と飛距離の関係がわかっていたら、ぶっ飛び系アイアンを試打しても、いたずらに欲しくなったりしないだろう。

ロフトが立っているから飛ぶのは当然。と正確なジャッジが出来て、余計な買い物をしなくて済む。番手間のロフト差(ロフトピッチ)を5度にしているのは、番手ごとの飛距離差がしっかり出せるようしている。皆さんは1番手違うと、10ヤード変わるもの。と根拠もなく信じているが、実際はそうはなっていない。それは番手間のロフト差を調べるとわかるだろうし、ロフト差からの飛距離を正確に測ると調べるとわかるだろう。

僕が使っている感じだと、番手ごとの飛距離差は12ヤードから15ヤードぐらいになるだろう。軟鉄鋳造にこだわったのは、ステンレス鋳造だと、普通の工房ではライロフト調整ができないから。僕が作るアイアンやウエッジは、全て調整できるように作っている。G25アイアンはライ角を選べるが、調整はピンに送らないと調整できない。しかし軟鉄鋳造だと、ライロフト角が気軽に調整できる。

ぶっ飛び系でもないし、軟鉄鍛造でもないmmアイアン、大ヒットクラブを生み出したいプロダクトマネージャーなら、決して作らないアイアンだと思うが、クラブを変えることでベネフィットがあるという、ゴルフクラブの原理原則を忠実に守っているアイアンだと思う。そもそも、誰も作らないから僕が作っただけ。正しく使えば必ずスコアアップできるクラブが出来上がったと、自信を持ってオススメ出来るアイアンだ。

 

ヤマハインプレスUD+2アイアン(2018)

このインプレッションは、2018年9月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)


新製品秋の陣、既に発表はすべて終了して、あとは発売を待つばかり。最近は発表の前後に、試打ラウンドを企画して、商品に対する理解を深めて欲しいというメーカーが増えてきた。メディアやSNSの発信力がある人を集めて試打会ではなく、試打ラウンドをする。我々は芝の上から実戦形式でテストできるので、非常にありがたい企画だ。

先日、ヤマハインプレスUD+2シリーズの試打ラウンドがあった。UD+2というとぶっ飛びアイアンの元祖とも言うべき製品。初代インプレスUD+2アイアンは、ヤマハのクラブの売上の半分を占めるぐらいに売れたそうだ。ヤマハといえば藤田、谷口の看板プロを配し、宣伝攻勢をかけているRMXシリーズがあるが、地味に発表しプロモーションしたUD+2アイアンが大ヒットするというのは、皮肉なものだ。ぶっ飛び系というと色々苦言を呈する人も居る。アンタッチャブルなカテゴリーと思う人も少なくないと思うが、歴史は意外と古い

ぶっ飛び系の元祖と言ったが、古くは本間ゴルフなどが+2シリーズと言って、既存のロフトより2度立てたアイアンシリーズがあった。フェース高を低くして、ロフトが立ってもボールが上がりやすいようにソール幅を広くするなどの工夫をしていた。流石に2度立てたぐらいでは、ぶっ飛びとはいかないが、発想はUD+2アイアンと同じ。ロフトを立てた分、『飛距離アップ』を狙い、低重心化して打ち出し角を稼ぎ、ボールの高さを出して、アイアンに必要な『ボールを止める』という機能も追求する。

ゴルファーは、パターとアプローチ以外、なんでも飛ばしたいと言う本能があるようだ。

今回UD+2も3代目、外見はあまり変わらないように見えるが、実は大きく舵を切ってる。今までUD+2シリーズは、とにかく捕まりの良さが売りだった。誤解のないように書いておくが、決して三代目が捕まらないわけではない。二代目までは、ボールが捕まるように、重心距離を短くして、フェースセンターよりもヒール側に設定されていたが、今回、重心位置をフェースセンターに持ってきている。

昔からのメルマガ読者なら覚えていてくれるだろうが、僕がクラブを設計する時、重心位置をフェースセンターに配置することにしている。今月末もしくは来月に発売する予定の、アナライズmmアイアンだが、試作品がフェースセンターよりも、ほんの数ミリズレていたので、金型を作り直し発売が一年遅れたという経緯がある。僕にとって決して妥協したくないポイントだ。

重心位置は、フェースセンターにあるが、重心角が大きく、捕まり過ぎる怖さはあるが、飛距離性能は非常に高い

シニア向けと言われているが、僕は上手く使えた。7番アイアンで180ヤード、9番アイアンで160ヤードも飛ぶ。しかし人間は目で見る距離に対して反応する。9番をもって160ヤードを打とうとすると、普通に打てば届くとわかっていても、力んでしまうもの。こういう時は、フォーローの風が吹いていると思ってショットすればいい。飛ばそうと力むとミスが出やすくなる。フォローが吹いていると思えば、そんなに力んだりはしないからだ。

9番で160ヤード飛ぶ。しかし力んでしまうなら、逆に9を消して7と書いてしまえばいい。まあ本末転倒になってしまいそうだけど、それぐらい今までの距離感と頭の切り替えが必要な飛距離性能ということだ。ブログにも書いたが使いこなしのコツは、短い距離をどうコントロールするかだろう。僕はいつも7本でプレーしているので、その点は苦にならないが、7番で160ヤードという距離感が出来上がっているので、あえて必要性を感じていない。

飛距離が落ちたゴルファーは、一度試してみたらどうだろう

タイトリスト AP1(2017)アイアン

このインプレッションは、2018年6月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

 

もうすぐ60歳になろうかというのに、相変わらず試打の仕事が来る。最近は、新製品をテストするだけではなく、某ゴルフ雑誌が、スコアアップに悩める読者を呼んで、クラブセッティングのアドバイスをやるという企画をやってきた。クラブ選びでスコアアップしようという企画で、道具の好きな80台でラウンドするゴルファーを、どうしたらクラブで10打減らすことができるか?という内容のようだ。

実際に読者の愛用クラブと、僕が選んだクラブ、それぞれコースに持ち込んで、どれぐらいスコアが違うのか検証するという。読者企画に応募するぐらいだから、道具選びには自信をお持ちのようだ。クラブを見せてもらうとアイアンが「タイトリスト718CBアイアン」だった。

なんでコレを選んだか?と聞いたら「カッコいいから」とのこと、ホントは718MBアイアンというマッスルバックアイアンのがカッコいいのだが、やさしさを考えてCBにしたとのこと。タイトリストというブランドは、硬派でアスリート向けというイメージが強い。プロが使うマッスルバックのMB、ハーフキャビティのCB、軟鉄鍛造だが新素材を組み合わせてたAP2と硬派なアイアンはいろいろあるが、僕はAP1が一番好きだ。

昔からのメルマガ読者ならご存知かと思うが、昔からAP1を一番に勧めている。それはタイトリストの中で一番ヘッドサイズが大きく、キャビティ部分も深くなっていて、ソール幅も広いからに他ならない。硬派なタイトリストで一番やさしいアイアンだ。アメリカでは一番売れているそうだが、日本では残念ながら人気がないそうだ。日本ではAP2が一番人気、最近AP2とAP1の間のサイズであるAP3が発売されて人気があるらしい。

アイアンは地面から打つクラブだから、ヘッドサイズはボールのサイズの影響を受ける。あまりヘッドサイズは大きくできない、プロはラフからの抜け、操作性を重視するのでヘッドサイズは小さめを好む。ヘッドサイズが大きいほうがミスヒットに強く出来る事は間違いない。小さいヘッドに新素材を埋め込んだりして、寛容性を増そうとするが残念ながら、ヘッドを大きくするほうが効果的だ。

AP1は、僕的にサイズ的にベストなヘッドサイズ、決して大きすぎず、やさしさも充分あるアイアン。今までのAP1は、バックフェースのエンブレムの差し色が赤で野暮ったく感じるて、イマイチだった。しかし昨年モデルチェンジしたAP1は、シルバーのヘッドに、黒を基調としたエンブレムがついていて、僕的には見た目もかなり改善されていると感じてオススメ度合いが上がった。

718CBを使いたい気持ちはわからないことはないが、打ってみると違いはかなり感じることができる。今回参加してくれた読者は、80台でラウンドできる実力を持っている。718CBだったら、少しのミスでグリーンの手前の花道までしか飛ばないのが、AP1だとカラーまで飛んでくれる。「クラブでこんなに変わるの?」と驚いた様子。

勘違いしている人が多いので、誤解のないように書いておく。

クラブの性能、特に寛容性は上手くなればなるほど体感できる。ミスによって生まれる誤差が、わかるから寛容性がわかるのだ。100以上叩くなら、クラブの寛容性を超えるミスになってしまって、マッスルバックもキャビティも「あまりかわらない」と感じてしまう。だから何を使っても一緒とは言わないが、腕前に不相応なクラブを選んでしまっても違和感を持たないことがよくある。

寛容性は上級者、プロほどわかるのだ。ヘッドの小さい、コンベンショナルなアイアンをやさしくなった!とコメントすることがあるが、非常に微細な差で、残念ながら我々は感じることが出来ないことが多いので、充分注意して選んで欲しい。

僕が超私的にオススメしたいのは、まずはAP1のようなミスに強いアイアンを選んで、頻繁に80台を切れるようになってから718CBのような、難しいアイアンを選んでも遅くない。しかし今回テストして思ったのだが、シャフトが、日本シャフトのゼロス7とヘッドスピードが遅い人向けとなっている。ゼロスは少し極端、NS950、MCI60なども、チョイスできるが、総じてシャフトが軽すぎ。

日本のメーカー、日本仕様のシャフトのチョイスは 「やさしいアイアン=お年寄り向け」になってしまっている。AP1は、アメリカのゼクシオと言えるぐらい寛容性が高いが、シャフトまでゼクシオチックにしなくてもいいかと思う。できればモーダス105であるとかMCIでも80などのチョイスが欲しいところ。AP2、AP3が人気だが、やはり僕はAP1を熱烈に勧める。軟鉄鍛造ではないが、ライロフト調整が出来る点もオススメだ。使いたいアイアンの一つだ。

あと外ブラのアイアンは、総じて日本のアイアンよりバンス角が多くついてるのも僕がオススメしている理由だ。

ピン G700アイアン(2018)

このインプレッションは、マーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

PGAショウも終わった。僕は行ってないが、SNSなどを観ると、アメリカのゴルフ市場は元気いっぱいと感じた。特にテーラーメイド、キャロウェイ、ピンの新御三家が元気だ。昔の御三家というとウイルソン、スポルディング、マグレガーだった。すでにどのメーカーも名前だけが残っているにすぎない。新御三家の3社だが、キャロウェイ、テーラーメイドの歴史は、1980年代に入ってからと意外と浅い。

しかしピンは別だ。僕が大好きなクルマにミニがあるが、実はミニが生まれた年とピンが同じ年。1959年創業となっている。最初はガレージでパターを作っていたが、アンサーというパターを開発。今で言うピン型パターを産んだ。トウヒールにウエイトを配置して、深いキャビティ構造になっているパターだ。このパターを、アイアンにも応用したのがピンのアイアン。そしてピンアイ2と言う名器を生んだ。

ゴルフクラブにかぎらず、工業製品はパクリの歴史だと僕は思っている。エポックメイキングなテクノロジーがいつのまにか、歴史的なデザインの踏襲となっていく。ゴルフクラブの歴史を築いた、エポックメイキングなキャビティ構造を作ったピンと言うメーカーは、他のメーカーとは一線を画すオリジナリティがあるメーカーだと僕は超私的にリスペクトしている。

今回紹介するG700アイアンだが、ピンのアイアンなのにキャビティ構造ではない。しかし僕はこのアイアンの登場を予測していた。ピンにはアイアン型ユーティリティである「クロスオーバー」というモデルがある。クロスオーバーはハイブリッドアイアンなので、25度の#5までしかなかったが、きっとこの下の番手を作るだろうと予測していた。

これはゴルフクラブの歴史を遡ると充分予測可能。過去に、フォーティーンHI858というロングアイアン(当時はまだユーティリティやハイブリッドと言う言葉がなかった)があった。こちらもG700と同じような中空構造のヘッドで、形状も何となく似ている。全英オープンでアーニー・エルスが使って話題となったクラブだ。

858も下の番手を作ってアイアンセットとなった。G700と同じようにウエッジまであった。ヒットはしなかったが隠れた名器としてファンが多かったアイアンだ。G700もモデル名こそ違うが、これからのアイアンの1つのカタチとなるだろう。PXGやテーラーメイドなど中空アイアンの時代が来ると予測する。トゥ側にウエイト配置して、内部にはポリマーこそ入ってないが、フェースの変な弾き感が無い点も気に入った。

面白いのは、ウエッジまで中空にしていること。ロングアイアンだけ中空やキャビティにして、ショートアイアンやウエッジはマッスルという、コンポアイアンを、セミオーダーで組めるアイアンセットがあるが、僕はあまり感心しない。逆にショートアイアンやウエッジこそ中空やキャビティにしたほうが良いと考える。

ショートアイアンやウエッジこそ、打点のズレによる距離のズレが生まれスコアに直結するからだ。特にウエッジは、傾斜地やラフなどで厳しい状況で使うことが多いクラブ。そんな時こそ、中空構造やキャビティの打点の寛容さが行きてくる。スピンコントロールも打点がブレると、難しくなってしまうが、中空構造の寛容性が生きる。

中空やキャビティは、打感がボケるといわれるが、打点でスピンが変化しにくい。ぜひウエッジまでのセットで使いたいものだ。残念ながら中空構造のため、1本24000円+税なので、単品ウエッジを買いたい気持ちはわかるが、やさしいウエッジのメリットを是非体験して欲しい。

G700アイアン、僕は購入を決めたぐらい気に入ったが、アレ?と思ったのがマーケティングだ。アイアンのマーケティングはシャフトを見れば、わかるもの。G700アイアンのアイアンシャフトは

純正カーボンのPING FUBUKI(40g台カーボン)、世界最軽量のスチールシャフト N.S.PRO ZELOS 6 これを全面に出している。一応、50g台のALTA J CB、軽量スチールのN.S.PRO 950GHもラインナップされているが、軽量シャフトがメインとなっている。特に軽いシャフトを組み合わせることで、ゼクシオ世代、団塊の世代をターゲットにしようとしている意図を感じる。

もちろん飛距離が出るので、シニア世代にも魅力的だろうが、飛距離が出るからシニアと言うのは短絡的かとおもう。キャビティを作ったPINGの意欲作、G700アイアンもっと幅広いユーザーに使って欲しいアイアンだ。

プロギア eggアイアンPF(2017)

あらためていうわけではないが、ゴルフはスコアを競うゲーム。スコアをいかに少なくするか? それがゲームの目的なはず。しかし僕がゴルフを初めた45年前からシングルプレーヤーの比率は相変わらず数パーセント。ゴルフクラブは、劇的に変化したはずだし、進化していると思う。しかし相変わらずアマチュアゴルファーのテーマは、100切りであり、シングルプレーヤーの比率も変わらない。

つまりアマチュアゴルファーのスコアは、45年前から変わってないように感じる。スコアをいかに少なくするか?がテーマで、道具が進化しているのに、目的に近づいている人がほとんどいないことが、僕は腑に落ちない。ということは道具は正常進化しているのか?という観点にたどり着く。道具は正しく進化していないのでは?と疑いたくもなる。

しかしゴルフクラブは45年前に比べて、確実に進化している。45年前、アマチュアゴルファーは、パーシモンヘッドにスチールシャフトでドライバーは、200ヤードしか飛ばなかった。150ヤードは5番アイアンの飛距離で、7番アイアンは130ヤード程度。プロゴルファーでさえ、7番150ヤード、ドライバーは240ヤードが平均だった。

ゴルフクラブ、進化のベクトルが向いている先は、スコアアップではなくて、飛距離アップ。

その理由は、ゴルファーはスコアアップよりも、飛距離アップを望んでいるからに他ならない。

今やプロゴルファーは300y以上ドライバーが飛ばないと飛ばし屋と呼ばれない。劇的に飛距離が伸びたドライバーは、ルール規制により限界まで来ている。ドライバーが限界まで来ると次はアイアンを飛ばしたいと思うもの。今売れているアイアンは、ほとんどがぶっ飛び系アイアンと呼ばれるアイアン。口火を切ったのは、ヤマハのUD+2アイアンで、2014年に発売以来、ヤマハのクラブの売上の半分をこのアイアンが支えているというぐらい販売好調。各社がこぞって真似をしてほぼ全社発売となった。

実は、ヤマハUD+2アイアンよりも早く、ぶっ飛びアイアンを出していたのはプロギアのegg。2007年から一貫して飛距離が出るアイアンを作っている。今回取り上げるのは、プロギアeggアイアンPF、軟鉄鍛造ボディのぶっ飛びアイアンだ。ヤマハのUD+2アイアンの成功を受けて、かなりUD+2アイアンを研究しているのを感じる。

ロフトは7番で26度、長さは38.25インチ。通常の5番アイアンぐらいのロフト、長さは同じか少し長い。スペックは5番で、番手表示だけ7と書いているに過ぎない。打ってみるとユーティリティとしか感じないくらい、フェースが肉薄でかなり弾く。ボールはユーティリティ並に上がるので、球の高さは7番と言ってもいいだろう。2007年のeggアイアンの7番アイアンのロフトは29度と、今思えばロフトはあまり立っていない。10年で、ぶっ飛び度合い更に求められていることを感じる。

確かに飛距離性能は進化しているが、飛ぶからスコアが良くなるのか?!というのは、そんなに上手くは行かないと僕は感じている。アイアンは飛距離を調整して打つクラブ。フェースが弾く感じが僕はどうも苦手で、上手く飛距離を調整することが出来ないイメージがしてしまう。短い番手で右からフック、大きい番手で左からスライス、微妙な距離感が上手く出せない。

確かに、飛距離の優越感は味わえるだろうが、いつまでも7番で150ヤードに縛られていてスコアアップは難しい。昔の飛距離を味わえるクラブ、ノスタルジーを満足させて、シニア向けっぽく見えないクラブ。これが今の売れ筋アイアンのトレンドとなっている。その中でもプロギアeggアイアンPFはとても良く出来ている。難点は、ネックが短くてライ角の調整が難しいこと・・・曲がらないことはないが、調整跡が付きやすい。

eggアイアンPFだけでなく、イマドキのぶっ飛びアイアンを観ていて、僕が超私的に思うのは、アイアンの形状にこだわらず、マジックマリガンUTの27度、30度のような、ロフト角の大きいユーティリティを潔く使うほうが、やさしいし楽だと思う。

ミスにも強いし、スコアアップにつながるはずだと思う。

新しい時代のゴルファーにも、アイアンの呪縛が受け継がえれていくのだろうか?! 非常に興味がある

ピンG400アイアン(2017)

ゴルフクラブが売れないといわれている。しかし全く売れていないということでもない。例えばキャロウェイのエピック、ヤマハのUD+2アイアンなどヒット作がないわけではない。クラブが売れない時代、ここ数年日本で急激に売上を伸ばしているのがピンだろう。僕はずっとピンのアイアンを愛用しているのは、皆さんご存知かと思う。メルマガ読者の皆さんは、更に厳しく僕の使用ギアをチェックしているはず、ピンのアイアンを使っているだけでなく、使っているのは最新モデルではなく、G25、G30という少し前のモデルということに気がついているはずだ。

ピンのアイアンは、S、i、Gと3つのシリーズに分かれていて、僕は歴代Gシリーズが好き。ヘッドサイズが大きく、ソール幅も広く、
1番グースが強いのがGシリーズの特徴だ。しかし最近のGは、飛距離を意識して、フェース面を薄くして弾き感を出している。確かにアイアンでも飛距離が出るほうが有利だが、アイアンは距離のコントロールが命。フェースが弾くと距離のコントロールが難しくなる。手に伝わる感触も距離のコントロールに密接に関係があり、僕はフェースの弾く感じがあまり好きではない。インパクトの打感は距離感に影響を少なからず及ぼすからだ。

メルマガだから書くけど、ピンのアイアンはこのフェースが弾く感じを受けるアイアンが増えている。iアイアン、Gアイアンと、この弾く感じが気になるというプロも少なくない。それを理由に契約を離れるプロもいたそうだ。今回のG400アイアン、ドライバーほど期待していなかった。なぜなら前作Gアイアンからフェースの弾き感を引き継いでいるからだろうと予想していから・・しかしその予想は、見事に裏切られた。

 

G400アイアンを発表会で打った僕は「アレ?」と思った。これまたメルマガだから書くけど、僕も使っているPXGのアイアンの打感にとても近く感じたからだ。PXGのアイアンは、中空で内部にはポリマー樹脂が入ってして、フェースの弾く感じを上手く緩衝している。G400アイアンはまさにその感じ。ラウンドで使っても、距離のコントロールが簡単で、とても扱いやすかった。

打感が改善されて、ネガティブな要素は無くなったG400、ワイドソール、ハイバウンスは健在で、7番アイアンで7度のバウンスがある。G400アイアンから、純正シャフトALTA・J・CBシャフトが採用された、アルディラ社のシャフトらしく、少し軽いが、タイミングが取りやすくよくできたシャフト。シャフトラインナップも多くスチールシャフトは3種類から選べる、重いカーボンシャフトが選べれば完璧なのだが、残念ながらご希望の方はカスタムオーダーするといい。

G400はドライバーもいいし、アイアンもいい。この2つは、この秋に飛び抜けてオススメのクラブ。僕もきっと買うだろう

三浦技研 CB2008アイアン(2017)

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暖かくなって完全にゴルフモードに切り替わった僕は、ゴルフショップを定期的にチェックする、ゴルフショップ定点観測をに出かけた。職業柄、スノボモードでも、定点観測は欠かすことがないが、ゴルフモードに切り替わったほうが、ワクワクするから不思議だ。

 

定点観測に、新たなお店が加わった。そのお店はゴルフパートナー赤坂六本木
通り店。以前アナライズの近所にあった、ゴルフパートナー日本橋室町店の店長だった藤川君が、現在こちらに勤務しているからだ。ゴルフパートナーといえば、日本で最大の中古ゴルフショップチェーンだが、その店のスタッフによって店舗の品揃えに差が出るから面白い。

 

そんな赤坂六本木通り店のクラブセレクションの中から目に止まったのが

三浦技研のアイアンCB2008だ

 

三浦技研というと、クラブ好きならご存知かも知れないが、地クラブメーカーの一つだが、それ以上な魅力があることは間違いないだろう。会長の三浦勝弘氏は、
タイガー・ウッズが使うアイアンを作ったりとか、数々の名器のOEMを行っていたことは有名な話で、すでに神話化しているといってもいいだろう。僕はあまり地クラブを取り上げない、理由は打つ機会が圧倒的に少ないということにつきる、そしてメルマガだから書くが、評価するのに神経を使うから。いい評価なら問題ないが、熱狂的なファンやお店が多く、マニアックで、デリケートな世界なので、あまり触れないようにしている。

三浦というと、硬派で上級者向けというイメージが皆さんにもあると思うが、僕も同じ印象だった。しかし今回CB2008を手にとって見て驚いた。上級者向けというよりも、かなりオートマチックなクラブに感じたからだ。ぶっちゃけ 「これ三浦なの??」と思った

その理由は

 

・ヘッドが大きめ
・キャビティより更に深いポケットキャビティ、
・幅広く、フラットなソール

 

この3点。この3点は僕のアイアンを選ぶ際、一番抑えておきたいポイント、長年僕のエースアイアンだった、タイトリストVG3(2010)アイアンに近く感じたから。面白いのは5~8番まではポケットキャビティで、9、PWはムクでやや浅めのキャビティとなっていること。価格は高かったが、この間持っていたクラブを一気に断舎離したので、それを使って購入した。

 

僕はクラブを購入するとFacebookにアップする。その時の反応が、大手メーカーのクラブと明らかに違った。大手メーカーと比較すると、”イイね”が3番、コメントは5倍ぐらい入った。地クラブとは言え、いかに皆さん三浦のアイアンに興味があるかが良くわかった。メルマガだから書くけど、有名コースのクラチャンからもメッセージが来て、感想を教えてくれと言うのだ。

 

三浦は基本的に工房向けにヘッドパーツを販売して、工房でアッセンブルすることがほとんど。このCB2008にはダイナミックゴールドが入っていて、僕には少し重い
ので、KBSシャフトの、KBSツアーC-テーパー110Sを入れることにした。KBSシャフトの製品は総じてフレックスが硬めなので、5番アイアンに4番アイアン用を入れる。いわゆる『番手ずらし』してリシャフトすることにした。コレでも硬いようだと、3番用のシャフトを5番に入れる二番手ずらしする予定だ。気に入ったシャフトと重さがあるのに、どうも硬さが合わないと言うときに有効な裏技だから、覚えておいて損はないと思う。

 

さてCB2008を試打してみた感想だが、素材は軟鉄鍛造で5番から8番は、貼り合わせのポケットキャビティ構造になっているので、マッスルバックのような吸い付くような打感ではない。ここは素材よりも打面の厚みが効くポイントだからだ、9番、PWは、一枚物の軟鉄鍛造なのでしっかりした打感だ。

 

ソールの形状がフラットで、バンス角も大きめなので、スタジオのマットの上で打つと、へッドが上手く入れば、バンスの当たるいい音がする。練習場よりも、芝の上で打つとこのソールが生きると思う。5番~8番までは飛距離系で、印象よりも飛ぶが、9番、PWはコントロール性を追求している感じだ。

 

最近地クラブに詳しいT島に聞くと、『売れている』らしい。硬派で有名、確固たる地位を築いている三浦技研も、ユーザーの声をしっかりと聞いて、新しい技術に挑戦し、新しいジャンルに挑戦しようとしている点は、メーカーとしてアナライズも見習いたいと思う。

ピンi200アイアン(2017)

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メルマガ読者の方々には、今更言うまでもないと思うが、冬に入ると僕は完全にスノボモードとなる。しかし僕のモード関係なく、ゴルフの世界では、新製品発表会ラッシュが続く、これは1月末にアメリカでPGAマーチャンダイジングショウ(PGAショウ)が開催されるからに他ならない。

アメリカのメーカーは、このショウに向けて新製品を発表し、販売を開始していく。このPGAショウだが、日本のゴルフフェアと違い、一般のエンドユーザーは入場できない。「マーチャンダイジング」つまり、コンシュマー向けのショウであり、ショップの経営者や、ゴルフ場関係者、メディアでなければ入場できないのだ。そこで新製品をプロモーションして、仕入れてもらったりするというのが趣旨となっている。

実は日本のゴルフフェアも、当初はコンシュマー向けで一般のエンドユーザーは入場できなかった。つい最近まで金曜日だけ、コンシュマー向けという区分けをしていたのだが、それも無くなってしまった。以前は、発売をゴルフフェアに合わせていた日本のメーカーだか、最近はすでに発売しているものを並べているだけ、期待して観に行く商品が特に無いという盛り上がりに欠けるのもしかたのないところ。

アメリカはこのサイクルをしっかりと継承している。この流れを受けて、1月頭から、外ブラの発表会ラッシュとなるのだが、その先頭を切ってピンが新製品発表会を開催した。今回発表されたのは、パター、レディースクラブ、ウエッジそして、今回取り上げるのが、

i200アイアンだ。

ピンは、この間の鰻登りに日本での販売本数を伸ばしている。昨年もGシリーズが充実していたので、今回もiシリーズかなと思っていたので予想通りだった。i200という名前な中途半端に感じないでもないが、タイトリストのAP2にぶつけるべく発売されたアイアンだろう。ヘッドサイズは大きすぎず小さすぎず、アスリートモデルに憧れる人が手を出しやすいサイズのアイアンとなっている

 

アスリート向けといえば、素材はやはり軟鉄鍛造が人気だが、ピンは一貫してステンレス鋳造のアイアンを作っている。一時期、何を血迷ったか、軟鉄鍛造のアイアンを作ったりしたが、今はステンレス鋳造のみ、このi200アイアンは、バックフェースにポケットを作って、そこへアイオノマー樹脂を入れることでソフトな打感を実現している。そしてこのポケットに入れる樹脂の量でヘッドの個体差を是正するという合理的な設計だ。

 

個体差を合理的に無くするというピンの姿勢は素晴らしいが、更に僕が評価するのは、大きめのバンス角。7番アイアンで9度としっかりとしたバンス角をつけている。メルマガ読者の皆さんなら、僕がアイアンのバンスにこだわっているのは、ご存知かと思うが、フェース面のスイートエリアがいかに広くても、ヘッドが手前から入ってしまう、つまりダフッてしまうと、大きなミスとなってしまう。

 

バンス角が大きいと、抜けはよくない。抜けないということは、手前から入ってもヘッドの芝の中に入っていかないので、ボールとなんとかコンタクトできるようになる。ウエッジも抜けが良いウエッジというのは同じ傾向があるから要注意だ。

 

ステンレス鋳造はライ角を調整できない、だがピンは、ライ角の違うヘッドを用意しているので、自分が適正ライ角を知っていれば、そのライ角のヘッドをオーダーすればいい。自社でフィッティングスタジオを展開しているので、全国各地でこのフィッティングが受けられるのも、ピンの素晴らしいところだ。

 

さて話をi200アイアンに戻そう。このアイアン、バックフェースも削り出しで、i-Bladeっぽくて見た目も非常にいい。僕はG25、G30と使っているが、スタジオにはi20もシャフトのテスト用に持っている。このi20アイアンは、非常にスタンダードでバランスがいいアイアン。メルマガだから書くけど、i200アイアンを試打してみると、性能的にはi20、i25とほとんど差がないと僕は感じる。打感は良くなっているとは思うが・・・

 

逆に言えば打感さえ気にしなければ、こちらを選ぶという選択肢も有りかと思う。しかしこのi200はシャフトのセレクションがとても良く、その点はオススメしやすいポイントだ。モーダス3の105も選べる。日本のメーカーは、こういうアスリートモデルでも、シニア層を意識して、定番の軽量スチールシャフトと、軽すぎるカーボンシャフトというシャフトセレクションになってしまうことが少なくないが、ピンはしっかりと、ヘッドとシャフトを客層ごとにセレクトしていると言えるだろう。

 

とは言えピンもi25アイアンまでは、重いカーボンがラインナップされていたのが、iアイアンから無くなってしまい日本のメーカーっぽくなってしまったのが残念といえば残念だ。しかしピンの基本姿勢はクラブメーカーとして見習いたいと思う