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タイトリスト AP1(2017)アイアン

このインプレッションは、2018年6月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

 

もうすぐ60歳になろうかというのに、相変わらず試打の仕事が来る。最近は、新製品をテストするだけではなく、某ゴルフ雑誌が、スコアアップに悩める読者を呼んで、クラブセッティングのアドバイスをやるという企画をやってきた。クラブ選びでスコアアップしようという企画で、道具の好きな80台でラウンドするゴルファーを、どうしたらクラブで10打減らすことができるか?という内容のようだ。

実際に読者の愛用クラブと、僕が選んだクラブ、それぞれコースに持ち込んで、どれぐらいスコアが違うのか検証するという。読者企画に応募するぐらいだから、道具選びには自信をお持ちのようだ。クラブを見せてもらうとアイアンが「タイトリスト718CBアイアン」だった。

なんでコレを選んだか?と聞いたら「カッコいいから」とのこと、ホントは718MBアイアンというマッスルバックアイアンのがカッコいいのだが、やさしさを考えてCBにしたとのこと。タイトリストというブランドは、硬派でアスリート向けというイメージが強い。プロが使うマッスルバックのMB、ハーフキャビティのCB、軟鉄鍛造だが新素材を組み合わせてたAP2と硬派なアイアンはいろいろあるが、僕はAP1が一番好きだ。

昔からのメルマガ読者ならご存知かと思うが、昔からAP1を一番に勧めている。それはタイトリストの中で一番ヘッドサイズが大きく、キャビティ部分も深くなっていて、ソール幅も広いからに他ならない。硬派なタイトリストで一番やさしいアイアンだ。アメリカでは一番売れているそうだが、日本では残念ながら人気がないそうだ。日本ではAP2が一番人気、最近AP2とAP1の間のサイズであるAP3が発売されて人気があるらしい。

アイアンは地面から打つクラブだから、ヘッドサイズはボールのサイズの影響を受ける。あまりヘッドサイズは大きくできない、プロはラフからの抜け、操作性を重視するのでヘッドサイズは小さめを好む。ヘッドサイズが大きいほうがミスヒットに強く出来る事は間違いない。小さいヘッドに新素材を埋め込んだりして、寛容性を増そうとするが残念ながら、ヘッドを大きくするほうが効果的だ。

AP1は、僕的にサイズ的にベストなヘッドサイズ、決して大きすぎず、やさしさも充分あるアイアン。今までのAP1は、バックフェースのエンブレムの差し色が赤で野暮ったく感じるて、イマイチだった。しかし昨年モデルチェンジしたAP1は、シルバーのヘッドに、黒を基調としたエンブレムがついていて、僕的には見た目もかなり改善されていると感じてオススメ度合いが上がった。

718CBを使いたい気持ちはわからないことはないが、打ってみると違いはかなり感じることができる。今回参加してくれた読者は、80台でラウンドできる実力を持っている。718CBだったら、少しのミスでグリーンの手前の花道までしか飛ばないのが、AP1だとカラーまで飛んでくれる。「クラブでこんなに変わるの?」と驚いた様子。

勘違いしている人が多いので、誤解のないように書いておく。

クラブの性能、特に寛容性は上手くなればなるほど体感できる。ミスによって生まれる誤差が、わかるから寛容性がわかるのだ。100以上叩くなら、クラブの寛容性を超えるミスになってしまって、マッスルバックもキャビティも「あまりかわらない」と感じてしまう。だから何を使っても一緒とは言わないが、腕前に不相応なクラブを選んでしまっても違和感を持たないことがよくある。

寛容性は上級者、プロほどわかるのだ。ヘッドの小さい、コンベンショナルなアイアンをやさしくなった!とコメントすることがあるが、非常に微細な差で、残念ながら我々は感じることが出来ないことが多いので、充分注意して選んで欲しい。

僕が超私的にオススメしたいのは、まずはAP1のようなミスに強いアイアンを選んで、頻繁に80台を切れるようになってから718CBのような、難しいアイアンを選んでも遅くない。しかし今回テストして思ったのだが、シャフトが、日本シャフトのゼロス7とヘッドスピードが遅い人向けとなっている。ゼロスは少し極端、NS950、MCI60なども、チョイスできるが、総じてシャフトが軽すぎ。

日本のメーカー、日本仕様のシャフトのチョイスは 「やさしいアイアン=お年寄り向け」になってしまっている。AP1は、アメリカのゼクシオと言えるぐらい寛容性が高いが、シャフトまでゼクシオチックにしなくてもいいかと思う。できればモーダス105であるとかMCIでも80などのチョイスが欲しいところ。AP2、AP3が人気だが、やはり僕はAP1を熱烈に勧める。軟鉄鍛造ではないが、ライロフト調整が出来る点もオススメだ。使いたいアイアンの一つだ。

あと外ブラのアイアンは、総じて日本のアイアンよりバンス角が多くついてるのも僕がオススメしている理由だ。

タイトリスト T-MBアイアン(2015)

このインプレッションは マーク金井が”まぐまぐ”から毎週火曜日配信している有料メガ

マーク金井の書かずにいられない(メルマガ版)2015/2/24号に掲載されたものです

 

HOTLIST2015は、受賞クラブも決まりあとは発表を待つだけとなった。秘守義務もあり、それまではクラブのインプレッションが何となく不自由になる。テストも審査も大変なのだが、いろんなクラブが打てる楽しみもある。その中にはすでに買ったクラブもあるが、その中でひときわ欲しくなったクラブもある。

 

一気に新製品を試打してみると気がつくことがある。クラブはターゲットユーザーを想定して作られていると思っている人が多いはず。「そんなことは当たり前」と思うだろうが、僕にはそう見えないクラブがほとんどだ。「えっ?ではどういうクラブ作りをしているんだ?」と思うだろう。僕の答えはあっけないぐらいシンプルだ。

 

ターゲットは”ユーザー”ではなく”クラブ”つまりヒットしているクラブをターゲットにしているそもそも大ヒットクラブはどういう層に何が受けているか?!を必死で分析するのではなく。ヒットしているモデルの対抗クラブをぶつけているだけに見える。アイアンで、やさしいアイアンは言わずと知れた”ゼクシオ”。セミアスリートは”タイトリスト AP2”を強く意識してクラブを作っている。

 

打倒タイトリストAP2 これがセミアスリート向けアイアンのベンチマークだといえるだろう。

 

そのタイトリストから、AP2のコンセプトを更に進化させたアイアンが発売される。それは タイトリスト T-MBアイアンだ。最初見た時、いつものタイトリストのマッスルバックか?!と思ったのだが、打ってみると驚くほど楽にボールが飛んで行く。

 

 

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あまりに、イメージと違うので一発打っただけで、ヘッドを手にとって構造をまじまじと観察してしまった。バックフェースの下側からソールかけて、ウエイトを配置しているように見せる、真鍮のような加工がしてあり、見ただけでギアヲタが喜ぶような凝った構造になっている。一見マッスルバックに見えるが、ヘッドの大きさはAP2と同じぐらい。ステンレス製の中空構造で、ヘッド内部のソール部分にはタングステンが配置されている。先ほど書いた真鍮をイメージさせる加工は単なるデザインに過ぎないのだが、見た目から低重心、ワイドスポットをイメージさせる。

 

 

ヘッドサイズから、想像できないぐらいスイートエリアが広い。今は亡き竹林隆光さんは、キャビティ構造よりも中空構造を好んで採用していた時期があった。アイアン形状で、重心深度を深めにするには、構造的に中空にすることが効果的だからだ。加えて、タングステンで低重心化、深重心化することで、ワイドエリアとボールの上がりやすさを両立させている。

 

このT-MBアイアン、タイトリストらしくソールバンスがしっかり付いていて、コースで打つと更にやさしさが体感できると思う。見た目にやさしく、実際打ってもやさしいクラブの進化は感じるが、見た目は、”普通”なのに、打ったらやさしい。AP2のコンセプトを確実に進化させている。

 

値段は税込みで17万円を超えるという、イマドキのアイアンにしてはかなり高価だ。コストパフォーマンスが悪いと感じるかもしれないが、非常に革新的なので僕としては、”高い”とは思わない。全番手ユーティリティみたいなもの。コストがかかって売価が高くなるのは当然だ。

 

そもそも2番から4番までのアイアン型ユーティリティのとして開発されたクラブを、日本の要望で、5番以降を作りアイアンセットにしてしまったという話を聞いた。価格的に高価になってしまうのもその話を聞いて頷けた。

 

こういうクラブは、見栄もはれて、使ってもやさしい。AP2を支持するユーザーの求めているものを、ちゃんと分析して製品化されている。価格設定がネックなので、AP2ほど売れないかもしれないが、逆にAP2との差別化になって、食い合うことなく住み分けれるだろうと思う。

 

僕もきっと買ってしまいそうな予感がしている。

アナライズwebサイト人気コンテンツマーク金井のクラブ指南 更新しています今回はタイトリスト T−MBアイアンですhttp://www.analyze2005.com/?p=3901

Posted by マーク金井のアナライズ on 2015年6月7日

タイトリストAP1(714)アイアン(2013)

このインプレッションは2014年1月に書かれたものです

僕のエースアイアンは、タイトリストVG3とPING G25アイアン、そしてリンクスSSアイアンと不動の3つ。この度VG3がモデルチェンジされた、ドライバーもアイアンも愛用していたので非常に気になっていたが、リニューアルされたVG3はちょっとビックリ。

今までタイトリストのアイアンにおいてVG3のポジションは、AP1とAP2の間。APシリーズはワールドワイドモデルだが、VG3は日本限定モデル。今までのVG3はAP2よりもヘッドが大きく、AP1よりも少しシャープに見える絶妙なヘッドサイズだった。今回VG3は2つのモデルになった、VG3とVG3typeEだ、VG3は、ヘッドサイズが前作よりも一回り小ぶりになり、かなりシャープになった感じがする。TypeEは逆にヘッドサイズが大きくなり、XXIOの対抗?と思われる出来栄え。ボディは軟鉄鍛造でフェースはマレージングだから、ライ調整が出来て、バンスのあるゼクシオみたいなアイアンだ。

タイトリストはブランディングが非常に上手いメーカー、そして商品をセグメントにうまく分けて、ハッキリ打ち出しているので、ユーザーは選びやすい。

今までは

AP1
VG3
AP2
CB
MB

と上がアシスト機能が高く、下に行くに従いアシスト機能が減り、操作性が高くなるとこういう分け方をしていた。国産メーカーは、すべてのユーザーに売れてほしいという八方美人を打ち出したいと思う傾向があるので、綺麗なセグメントに分かれない、何故かこれは自動車でも同じ・・ヨーロッパ車は1から7のセグ
メントに綺麗に車の種類を分けて作る。1から7まで車のサイズが単純に大きくなる。そのセグメントの中で車を最適化していくという思想だ。

今回のVG3モデルチェンジで
VG3TypeE
AP1
VG3
AP2
CB
MB

タイトリストのアイアンセグメントはこうなった。

僕の中にもアイアンのセグメントがある。今までPING G25 とタイトリスト 2代目VG3と、僕のセグメント的にはいい感じだったのだが、今回のモデルチェンジで、VG3がかなりAP2寄りになってしまった。確かに少しやさしいAP2的なポジションで売れるかもしれないけど、2代目VG3が持っていたタイトリストが言う「アシスト機能」と「コントロール機能」の絶妙なバランスが、バランス機能に振ってしまったと感じる。ではこのポジションにピッタリにクラブはタイトリストAP1のが近いと思い、こちらを購入した。

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今までも、AP1の基本性能の高さをすごく評価していた僕だが、購入にいたらかなったのは、ステンレス素材だったから。もちろん打感云々ではなくライ角が調整できないから。しかしタイトリストのスタッフから聞いた極秘情報ではAP1はライ角が調整できるらしい。ヘッドのサイズも安心感があるし、フェースが長い分適度なグースをつけて、アイアンの機能を優先している。ヘッドサイズが大きいから、トップブレードも少し厚めにして、全体的に構えやすさもある。日本のメーカーだと、大手量販店のプレッシャーから、あまりグースをつけるなとか、バンスを少なめにとか、イメージを大切にするユーザーの声を反映したバイヤーの過剰な反応を気にするだろう。

しかしアイアンの機能を考える上で、必要なことをタイトリストやピンは大切にしていると感じる。ライ角も±2度曲がることを確認した。(下の番手は3度近く曲がる)これを知っていたら、先代から使っていただろう。タイトリストのセグメントでは、一番アシスト機能が高いから、初心者向けと捉えられがちだが、このアイアンで72でラウンド出来るだろうし、100切りしたいゴルファーにもお勧め出来るモデルだ。

こういうアイアンを使うとスコアアップ出来るだろう。昔キャロウェイのアイアン全盛時代を作ったX-12というモデルは、当時こんなアイアンだった。X-12やその後のX-14は使用していたプロも多く、片山晋呉や谷口徹、アニカ・ソレンスタムも使った。こんなやさしいアイアンを使うと上手くなれない!なんて誰が言えるのだろうと思う

しかしAP1を勧めると、AP2じゃダメですか?ときっと多くの人に聞き返される想像する。最近思うのだが、全てのゴルファーは自己評価を高く思いたいと願っている。その高い評価からクラブを選びたいと望んでいる。僕がアドバイスするとすれば、「昨年のワーストスコアが自分の実力と思って、それにふさわしいアシ
スト機能があるクラブを使って下さい」 というだろう。

ベストスコアを実力だと思ってクラブを選んでいる人が、AP1を使うと、あなたの今年のワーストスコアが5打は縮まるかもしれない。

VG-3アイアン(2012)

このインプレッションは2012年10月に書かれたものです

僕のエースドライバーはタイトリストのVG3というのは、ゴルフショップ店頭のPOPなどご覧なった方が多いのようで、ご存知かと思うが、以前より気になっていたのがVG3のアイアン。

タイトというとAP2や712CBなどワールドワイドモデルが注目されている。ワールドワイドモデルだけあって、どのモデルもバンスはちゃんとあるのがタイトリストのアイアンの良い所。しかしこれが日本限定モデルとなると、とたんにダメになってしまうもの、しかしこのVG3アイアン、ワールドワイドモデルよりもしっかりとバンスがある。7番アイアンで4度とAP2のバンス3度とハイバウンス仕様。

更にVG3のいいとこは、ソールの面がフラットでシッカリ面があり、ヒール側も落としていない。このバンスが一番効くのだ。この面で地面を「受ける」ことで、バンスの効果が働きミスに強くなる。日本のアイアンはここを落として、抜けを強調するあまり、シビアになりすぎる傾向がある。タイトリストはクラブを「わかっている」プロが多く所属しているメーカー。日本仕様にもタイトリストの標準装備をシッカリと採用してあるところが見事だ。

ヘッドも軟鉄鍛造にしてはかなりの大ぶり。ライ角調整も出来る素材で、ライ調整をしたアナライズ赤坂によると、鉄がやわらかい。ただし勘違いしてほしくないのは、カタログやHP、試打インプレッションなどで、軟鉄鍛造で鉄が柔らかいというと、とにかく打感がいいという評価をしがち。しかしフェースの厚みがあまりなく飛距離を狙った弾くフェースなので打感は決して良くない。残念ながら軟鉄鍛造の謳い文句である吸い付くような打感とは無縁。しかしそれだからこのアイアンの評価が下がるわけではない。

このアイアンはネックとフェースが離れていて、ゼクシオよりも重心距離が長い。大型ヘッドのドライバーと重心距離を合わせたい人などは理想的で、カタログなどで謳ってはいないが、そこに計算を感じる。重心距離が長い分飛距離も期待できるアイアンだ。実際打ってみると、僕の愛用するアイアンよりも5y飛んでいる。

このヘッドのFUJIKURAの新しいアイアン用カーボンシャフトMCI80のSを入れてみた。ウチのアイアンシャフト以外で今一番オススメのアイアン用カーボンシャフト。僕が設計したLynxのSSアイアンも新世代のアイアンといわれているが、VG3も新世代のアイアンだ。アイアンの世界に長重心距離を持ち込んだからだ。このアイアンを試打して思い出したのはかつての名器キャロウェイX12を初めて試打した時の衝撃を思い出した。

キャロウェイのX12は重心距離が44.1mm、そしてタイトリストのVG3は43.8mmと軟鉄鍛造ではもちろん最長だが、アイアンヘッドの歴史を振り返っても間違いなく長重心距離言える。僕が知る限り最長は初代ビッグバーサアイアンの49.6mm。スルーボアでも無く、素材を考えるといかにVG3の重心距離が長いかわかると思う。僕が作ったアイアン以外ではPINGのi20が僕にとって一番と思っていが、VG3はそれに変わりそうなアイアン。コースでテストするのが楽しみだ。

タイトリスト VG3(5番)+FUJIKURA MCI80(S)
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長さ38.25inch/重さ390.0g/バランスD1.5/振動数287cpm/センターフレックス値5.60/リアルロフト24度/ライ角65度
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