VR_Sコバート

ナイキのVRシリーズの最新モデルとなるのが今回試打するコバート ドライバー(以下、コバート)。モデルチェンジによってビジュアルがガラッと変化。ヘッド色は目にも鮮やかレッド。クラウンのヒール側には大きめのスオッシュマーク。ヘッド形状はオーソドックスな丸型であるが、外観はかなり刺激的な演出となっている。

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加えて、ソール側はさらにデザインが大胆。バックフェース側が大きく凹み、ヘッドの後ろ3分の1ぐらいは空洞だ。メーカー側はこれを「高速キャビティバックテクノロジー」と呼んでいる。

前作同様、ヘッド脱着式の弾道調整が採用されているが、今回は新しい機能が加わった。ロフトとフェースアングル(捕まり)をそれぞれ別々に設定可能。ひとつのヘッドでロフトは8.5~12.5度の間で1度刻みに調整できる。従来までと異なり、シャフトの向きを固定したままロフトを可変できる。そして、それぞれのロフトで3つのフェースアングルを選べるのだ。

デザインが劇的に変わっただけでなく、調整機能も大幅にバージョンアップさせてきたコバート。調整機能がバージョンアップしたとはいえ、クラブで一番大事なのは基本性能。ノーマルポジジョンでどんな球筋が出やすいのか、どんなゴルファーに向いているの試打してみた。

コバートはロフト調整付きなのでヘッドは一種類のみ。シャフトは純正にラインアップされている三菱レイヨンのバラサF53のSR。リアルロフトは10.5度のポジションで12度。フェースの向きは-2度。ヘッドの座りの影響もあるが、リアルロフトが多めでオープンフェースの度合いが強い。フェースの厚みは約57ミリ。フェース形状は丸型に近く、ややディープフェース。

ワッグルすると中間部分がしなるシャフトは、振動数は235cpm。市販のSRとしては平均的な硬さだろう。長さはヒールエンド計測で45.25インチ(メーカー公称値は45.75インチ)。クラブ重量は297.6グラムでバランスはD0。

ややヘッドスピードを落として打ってみた。スパンとやや控えめな金属音とともにボールは高めの弾道。重心が高めなんだろう。フェース中央で捕えるとスピンがやや多めだ。低スピンで飛ばすことよりも、スピンをかけて高弾道キャリーボールが打ちやすいタイプである。

球筋は真っ直ぐ打てばストレート弾道。460CCのわりには重心距離の長さを感じず、ヘッドを返しやすい。球筋も打ち分けやすい。見た目通り重心が少し浅めで操作性が良く、インからあおって打てばフック、アウトサイド・インの軌道を意識するとスライスがイメージ通りに打ちわけれる。

弾道計測すると、フェース中央付記打ち出し角は12~14度。スピン量は2800~3200回転。フェースの上側で捕えるとスピン量は2200~2600回転に減り、飛ぶ弾道になった。コバートで飛距離を効率良く稼ぐには、フェースの上側でヒットする技術が必要となる。

純正シャフトの「バサラF53」は切り返しでシャフトの中間部分がグイッと大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけてゆっくりしなり戻る。典型的な中調子の粘り系。スイングに中にしなりを感じ取りやすく、タイミングが取りやすいシャフトだ。

新機能満載なコバートだが、ニュートラルポジションでの特性は重心が高めでスピンがかかりやすく、高弾道キャリーボールが打ちやすい。ヘッドの挙動は癖がないのでフェースアングルを調整すれば、捕まり具合を自分の好みにアレンジできる。ノーマルポジションでオープンフェースの度合いが強いのがやや気になるが、フッカーだけでなくスライサーにも相性が良いドライバーと言える。

10.5度でノーマルポジションだと、リアルロフトが12度でフェース角が-2度。ライ角は60.75度で重心アングルは24度。同じロフトで捕まるポジションに変更するとフェース角は-0.5度になってリアルロフトが13.5度となる。捕まらないポジションに変更すると-3.25度なってリアルロフトが11度となる。捕まり具合を変更すると、それに連動してリアルロフトも変わってくる。計測器との相性もあると思われるが、実際に構えてみると数値ほどフェースは開いて見えないし、リアルロフトは多く感じない。

そして、ロフト変更でスペックを計測してみると、8.5度に調整するとリアルロフトは10.75度、フェース角は-4度。12.5度に調整するとリアルロフトは13.5度、フェース角は±0度となった。こちらも、従来の弾道調整機能クラブ同様、ロフトを増減させるとそれに連動してフェース角も変わる。個体差もあるだろうが、このコバートもロフトを変えればフェース角が変わり、フェース角を変えればリアルロフトが変わっている。

ロフトが可変なのでヘッドは一種類のみのラインアップだが、リアルロフトはやや多めである。プロやパワーヒッターよりも、アベレージゴルファー向けに作られている。ボールが上がりづらい人はロフトを多めに、ボールが上がり過ぎる人はロフトを少なめに設定すれば、イメージ通りの弾道を打てるだろう。

シャフトはゴルファーのレベル、ヘッドスピードに応じて、3種類選べる。今回試打したバサラF53はヘッドスピードがそれほど速くない人向け、ヘッドスピードが45m/s以上の人向けとしては、グラファイトデザインのツアーADのGT6(Sのみ)、三菱レイヨンのディアマナB60(Sのみ)がラインアップされている。バサラF53のSRのストライクゾーンは40~44m/sとなるだろう。

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