テーラーメイド 初代Vスチール(2003)

このインプレッションは2013年5月に書かれたものです

テーラーメイドのロケットボールズが大人気。人気の割に使いこなしている人が少ないので、つい先日までやっていたメルマガの連載を電子書籍化、するとキンドルの電子書籍スポーツ部門でいきなり第一位になった。改めてロケットボールズの人気の凄さを再認識した。

ロケットボールズが人気になる前から、そもそもテーラメイドはフェアウェイウッド作りが上手いメーカーで、メタルウッドを発売した当初から人気商品が多い。中でも、200スチールという名器を経て登場した、Vスチールシリーズは大ヒット。3代目まで売れて人気だった。しかしなんといっても評価が高いのは初代Vスチールだろう。勿論僕も使っていたし、何度も買い直したクラブ。先日中古ショップで非常に程度の良い初代Vスチールを見つけて衝動買した。

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僕はクラブのコレクターではないが、クラブの歴史を語る時に、コレクターではなくクラブの分析家として、持っておきたいクラブはしっかり保存している。例えばS-YARDのT301、ミズノ300S、ビッグバーサアイアンなど、エポックメイキングなクラブは、折あるごとに手に入れて、大切に保存している。

2003年に発売されたこのモデルは、200スチールの後継モデルとして発売された。代わりに発売されたVスチールは、発売直後イマイチ動きが悪かった。フェアウェイウッドというのは、発売直後よりも徐々に人気が高くなりブレイクする傾向がある。やはり新製品で注目をあびるのはドライバーだからだ。そしてプロゴルファーの使用クラブの移行がドライバーより遅いことも関係ある。前作の200スチールは発売後徐々に人気が出始め、惜しまれて生産終了。人気が出るのが遅かった分、人気が継続して、Vスチールも発売当初売れなかったが、徐々に使用プロが増え、プロの評価も高くなり大ヒット。2代目が出る直前頃が一番人気となった。新製品は開発に時間がかかる、初代Vスチールのスタートがイマイチだったおかげで、2代目Vスチールは200スチールの性能そのままでコスメだけかえたのでは?という裏話があるぐらい。

さて初代Vスチールだけど、人気の秘密を分析してみる。それは何と言ってもネックとフェースのつながりからくる構えやすさ。それまで売れているフェアウェイウッドは、FP値が大きい(シャフトの軸線より前にフェースが出ている)モノが主流。それはキャロウェイのスチールヘッド、スチールヘッドプラスなどの大ヒットからの流れ。しかしこのVスチールは、FP値が少なく、アイアン感覚とま
ではいかないが、ペンシルネックと言われるネック形状もスッキリとして、いかにもラインが出せそうなイメージがする。当時人気のキャロウェイのフェアウェイウッドはスルーボアだったので、ヘッドに直接シャフトが入る分、どうしてもFP値が大きくなる。

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そして人気の秘訣は、ロケットボールズと同じく、契約外のプロが使ったこと、当時アメリカで活躍していた丸山茂樹も優勝を決めるショットで使っていたりと、多くの逸話を生んだ。ロフトバリエーションも多く、7番、9番もラインナップされていた。クラブの構造上ロフトが多くなると、かぶってみるやすくなり、構えにくくなるが、Vスチールのショートウッドは、それがなく構えやすかったので人気だった。

こういうクラブを、博物館に置くのではなく、1本9800円ぐらいは売り続けて欲しいものだ。ゴルフ業界の七不思議で、一度廃番になったら、どんなに要望があっても再発売しない。シャフトは10年前のシャフトが平然とカタログに載っているし、ゴルフボールなど、ダンロップツアースペシャルなど20年近く前のボールが安くなって販売されている。技術的に一番進化しているゴルフボールにできる
のだから、クラブでも出来るはず。この綺麗な形状と適度な大きさのヘッド。スッキリとしたネックとフェースのつながりとバックフェースのデザイン。いま見ても古臭くない。定期的にモデルチェンジしないといけないというのは呪縛だと思わせる。

僕はT/Sという13度のロフトを使用していた。初代Vスチールは、低スピン系のヘッドではなく、ボールが上がりやすくコントロールしやすいヘッドだったので、13度でも充分ボールが上がりきゃりーも出た。改めて買って良さを感じたが、ただ問題なのは純正シャフトだろう。並行品のウルトラライトのシャフトの振動数は274cpmでセンターフレックスは5.62。硬さの表記はR・・さすがにこれは硬すぎる。そういえばVスチールをリシャフトするのが流行ったことを思い出した。これもロケットボールズと共通な問題点。ロケットボールズも初代Vスチールもリシャフトしないと、使いこなせる人は少ないだろう。
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初代Vスチール+M.A.S2FWウルトラライト(R)

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長さ42.75inch/重さ336.7g/バランスD3/振動数272cpm/センター
フレックス値5.62/表示ロフト15度/リアルロフト14.5度/フェース角-1.5度
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