FUJIKURA SPEEDER661(2013)

このインプレッションは2013年9月に書かれたものです

皆さんもご存知かと思うが、FUJIKURAのSPEEDERが生まれ変わった。僕のブログにもSPEEDERとの出会いを取り上げたりしたので、読んでくれた方も多いと思う。SPEEDERの757の発表前から縁があって使っていた。SPEEDERシリーズ「リシャフト」という言葉を一般的にしたのは、SPEEDERの大ヒットがあってこそだと僕は思っている。

アナライズにとって、FUJIKURA製はシャフトだけではない。アナライズの使命とも言えるクラブの分析にFUJIKURA製の振動数計は欠かすことが出来ない。振動数計と言ってもピンからキリまであり、僕がとことんこだわったのはシャフトの固定方法。FUJIKURA製は、グリップの前方と後方の二箇所を、コンプレッサーを使った空気圧で均一の力で固定することが出来る。振動数計としては非常に高価な部類だと思う。

実はメーカーがシャフトの硬さを決める方法は、各社によって違う。FUJIKURAは振動数管理をして決めている。グリップ側を固定して、ヘッドを揺らすことで、その振動(シャフトの反復回数)を図る方法だ。シャフトメーカーのもう一つの雄であるグラファイトデザインは、振動数管理に否定的。グラファイトデザイン社には、振動数計が無いという業界の噂があるぐらい。ではどうやって硬さを測るかというと、シャフトの両サイドを固定して、シャフトを山なりに反らせて、どれぐらいしなるかを計測する方法を取っている。10年前、竹林隆光さんの講習会で、グラファイトデザインの秩父の工場を訪れた時にもチェックしたが、振動数計は見当たらなかった。グラファイトデザインと深いつながりを持つブリヂストンも、振動数管理には同じスタンスを持っている。

僕がシャフトをチェックする時に、振動数計とセンターフレックス計(シャフトを反らせ、シャフトのセンター部に掛かる力を計測する機械)を両方使うのは、どちらの計測法が優れているということではなく。両方の視点でチェックすることで、シャフトの特性が見えてくると思っているから。

前置きが長くなってしまったが、それぞれのシャフトメーカーには実は得意分野がある。FUJIKURAはSPEEDER時代から一貫して、手元がしっかりしたシャフトを作るのが上手い。最近は言わなくなってしまったが、当時のFUJIKURAの考え方は、調子を3つに分類してゴルファーをそれぞれ当てはめるというもの(マーク金井ブログ9/20を参照

手元が硬い先調子  (T-ZONE)
手元が硬めの中調子 (M-ZONE)
手元が軟らかい元調子(B-ZONE)

とあり。FUJIKURAはSPEEDER661に代表される、手元が硬い先調子  (T-ZONE)が得意で、手元が軟らかい元調子(B-ZONE)が苦手ということ、SPEEDERにも693HKという手元調子のシャフトがあったが、ビックリするぐらい打ちづらかった。(手元調子で唯一評判が良かったのは、アニカ・ソレンスタムやジェフ・スルーマンなどが愛用していた、FIT ON Six(後にZ-COM Six)ぐらい。この50g弱の手元調子のシャフトは、当時USツアーに挑戦していた丸山茂樹が、米男子ツアーの選手がこんな軽いシャフトを使っているのかと驚いていた)シャフトメーカーにも得手不得手があることは、またの機会に取り上げたいと思う。

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さて今回のSPEEDERはFUJIKURAの最も得意とする、手元がしっかりしていて先が走るシャフト。その最も尖っている特性なのが661だ。FUJIKURAのトップページからみれる生試打レポートで、マーク金井最長距離をマークしたのは569だが、実際コースで打ってみると、661の飛距離性能に驚いてしまった。

何が変わったのかというと、実はシャフトの設計、剛性分布自体は何一つ変わっていない。歴史とともに変わったのはシャフトの「素材」だ。僕のインプレッションを見てもらえばわかると思うが、素材についてあまり言及しない。それは高弾性だ、何トンだ、四軸だとか、そいういワードよりも大切なことがあるからだ。一見わかりやすいが印象を与えるが、高弾性だから優れている、低弾性だから、劣っているわけではなく、本質が見えなくなるのが好きではないから。

しかし今回新しい661を打ってみて、素材がシャフトに与える影響の大きさがよく理解できた。もちろん今回採用されている「ナノアロイ」や新しいピッチ系素材を使えば、どんなシャフトも良くなるというわけではない。

アナライズでは手元がしなるシャフトしか作っていない。それは死なない、タイミングが取りやすい。スイングが良くなるというコンセプトがあるから、残念ながら新しいSPEEDER661は、以前の661よりもマイルドになったとは言え、手元はしっかりしている。シャフトとしてはかなりピーキーだ。自分でタメが作れてスイングプレーンがいい人が打つと抜群の結果が出るが、そうでない人が打つと性能を生かせない。特にインから煽る人は、チーピンしか出ないし、上から入りすぎる人は、プッシュアウトしか出ない。スイングプレーンが良いか悪いかリトマス試験紙的なシャフトだ。

569や757は661よりはマイルドだが、661の尖りっぷりに僕は参ってしまった。普通マイルドにすると、尖った良さが無くなるものだが、奇跡的に残っているこのシャフト。45.5インチにして、5g貼っていた鉛を少し落として使っている。

ピーキーというと、じゃじゃ馬的シャフトなんですねという人がいるが、シャフトが暴れているわけでなく、スイングが暴れているから使えないだけ。スイングが良くなるアナライズのシャフトでスイングを鍛えて、スイングがいい人が使えるSPEEDERに挑戦してほしい

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テーラーメイド グローレ(9.5度)+FUJIKURA SPEEDER661(S)
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長さ45.5inch/重さ317.6g/バランスD5.5/振動数254cpm/センターフレックス値4.34/
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