ピン カーステンアイアン(2014)

このインプレッションは 2014年の3月に書かれたものです

年末から2月にかけてアイアンもいろんな取材で60本以上打った。ブログでも書いているが、ドライバーはテーラーメイドのLOFTUPキャンペーンなど、見栄でロフトを選ぶことがあまり無くなって来たと感じる。しかしアイアンはこの傾向がかない顕著になってきている。ブログにも書いたが7番アイアンで150yの呪縛のせいだと僕は分析している。試打したアイアンも7番で27度から35度と軽く2番手の幅がある。その差はなんと8度!昔はせいぜい一番手ぐらいの差に収まっていたが、軽く2番手超える場合も珍しくなくなった。この先どこまで行ってしまうのだろうと心配になるぐらい節操が無く感じる。7番アイアンで150yの呪縛というか幻想だが、1Wの飛距離も当然落ちて200yを下回るようになっても、7番はあえて150yなのだろうか?そんな疑問を抱きつつ60本を打ってきたが、その中でもひときわ光ったのがピンのカーステンアイアン。

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やさしいアイアンの「やさしい」について僕が問われたらこう答える。

  • ボールが上がりやすい
  • ダフリに強い

この2点、カーステンやSSアイアンにワイドソールにするということは、重心の低さと深さにつながる。フェースのブレード長を長くすることが慣性モーメントを大きくする。慣性モーメントが大きくなるとヘッドの挙動が安定する。重心距離が長くなると飛距離にもプラスとなる。


ヘッドが大きいということは、非常にメリットがあるのだが、重心距離が長くなると、ボールが捕まりにくくなる。ピンが30年前に出したEYE2も重心距離が長かったが、オフセットをつけて、つかまりを補った。当時はブレードアイアン全盛時代、というかキャビティアイアンというのはピンが元祖のようなもの、そもそもはピンアンサーパターのトゥヒールバランスという構造を、アイアンに採用してようやく認められたのがEYE2。オフセットが付いていて、それまでの伝統的な形状からかけ離れたEYE2は、当初日本では売れなかった。しかしアメリカで爆発
的にヒットし、USPGAの選手が使って活躍することで、日本でもヒットした。当時ドライバーはテーラーメイドのメタルウッド、アイアンはピンEYE2というのが、トレンドで「ピンテラ」と呼ばれる組み合わせで流行ったものだ。僕もマッスル全盛時代にピンEYE2を打った衝撃を受けたが、今回のカーステンは同じぐらいの衝撃。

このアイアンを使うとハーフで2,3つはスコアが良くなると思う。カーステンは2つの良いポイントがある。1つはワイドソールで、しっかりバンスがあること、バンスについてはこのクラブ指南でもブログでもしつこいぐらい書いてきたと思うが、ワイドソールにすることにより、バンス角がさらに効果があり、ダフリのミスに強くなり、ハンドファーストに、ダウンブローに打ちたくなるのだ。下の表を見てもらえばわかると思うが、7番のバンスが6度もある、バンスが多めのタイトリストのアイアンAP1 714でも3度だから、どれだけしっかりバンスが付いているかわかるだろう。

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もう一つはロフトピッチが絶妙。

  ロフト  ロフト差 バンス角
#5 24度       2度
#6 27度   3度   4度
#7 30.5度  3.5度  6度
#8 35度   4.5度  8度
#9 40度   5度   9度
PW 45度   5度   10度
UW 50度   5度   11度
SW 54度   4度   12度

上の番手のロフトピッチこそ3度だが、基本的にしっかりとロフトピッチが付けられていて基本5度ピッチとなっている。アイアンは飛距離の階段をしっかりつけることが大切。ロフトピッチが少ないと飛距離の差が出来るわけがない。ピンがいかにゴルファーについて考えられているかわかるだろう。

メーカーの人も、カーステンよりS55アイアンのが売れるだろうと言っていた。残念ながら僕もそう思う。難易度が高くシャープでカッコいいS55の方が、ユーザーが支持するだろうと思っているからだ。しかし確実にスコアが良くなるのに、ゴルファーはどうしても見た目に囚われてしまう。SSアイアンのベースになったプロギアのeggもいいアイアンだが、バンス角が少ないのと、ライ角が調整できないということだけが問題。それがeggの残念なところ。

意外に見た目も悪くない、ブレードの長さとトップラインの厚みは、キャロウェイの名器X12を思わせる。オフセットの具合も心地よい。僕にとってカーステンはかなりの好みのタイプと言えるのだ。そしてピンというメーカーの素晴らしい点は1本から買えること、まずUWとSWでも買ってみて欲しい。このウエッジを一目見て、僕はヤバイなと感じた。ヘッドサイズ、ソール幅、バンスのつけ方、オフセットな具合など、正直僕が設計したウエッジが一番いいと思っているが、このウエッジを見た瞬間、ヤられたと思ってしまうぐらいいい出来具合。もしやさしいと感じたら、1本ずつ増やしていけるのもピンの利点。僕は見た目のかっこよさよりも、スコアが良くなる方が絶対いいと思ってクラブを選んでいる。ゴルフというゲームはスコアという指標しかない。ゲームを楽しむのには、いいスコアを出すこと。スコアにこだわるなら、是非試してみて欲しい。

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