フォーティーンTC606アイアン

このインプレッションはマーク金井の有料メルマガで2015年9月1日に配信されたものです

 

フォーティーンは、竹林さんが亡くなっても、魅力的なクラブを作り続けている。他のメーカーと決定的に違うのは、シンプルなクラブを作ることではないだろうか?!キャビティのアイアンでも、奇をてらったこともなく、どこを変わった所を削ったとか?!、バッチを付けるとか、複合素材を組み合わせたとか、余計なことをしない。

 
TC606を初めてみた時、あまりにシンプル過ぎて拍子抜けしたぐらい。しかし基本的な所は、しっかりとしている。微細な所に手を入れても、クラブ重量配分はほとんど変わらないもの。他社は複合素材などを組み合わせているが、コストや手間のわりに、性能の現れにくいもの。今回のTC606は、30年前のクラブみたいにみえる。しかし打てば、イマドキのクラブ。シンプルな見た目のカ
ッコよさと相まって、人気があるようだ。

 

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ヘッドサイズはセミラージサイズ。ロフトはストロングロフトだが、幅広いソール幅と深いキャビティ効果で、飛距離も出てボールが上がりやすい。例えば見た目もカッコイイし、複合素材でやさしいのでは?!と人気のAP2、打ってみると意外と手強いことに気が付き、『見た目カッコイイの使いたいけど、やさしいアイアン』を使いたいという人には、ピッタリのアイアンで、『ツボの押さえ方が上手いなぁ』と思わず唸ってしまった。

しかし・・気がかりなツボも抑えている
フォーティーンのWEBページを観ると・・『ゴルフが好きで、週一回の練習、月2回ラウンドを望むゴルファーが手にして満足、使って納得できる高い完成度の軟鉄鍛造アイアン』と書いてある。日本のクラブにしては、凄く明確なターゲットユーザー設定を僕は高く評価したいと思う。しかし練習場に行く回数のが圧倒的の多くなるということは、練習場に向けて作られていると解釈する。実際このTC606は、幅広いソール幅だが、バンス角が少ない。TC606は、ソールが跳ねすぎずスパッと抜ける、練習場ではフィーリングが良いと評価されるはずだ。

 

練習場のマットの下はコンクリート。その上にマットが乗っているだけだと、バンス角がついていると、ソールが跳ねてしまって、手に伝わるフィーリングが良くない。僕が作ったリンクスSSアイアンは、あえてワイドソールに、バンス角をしっかり付けたので、練習場でのフィーリングが良くないと言われた。しかし僕はあえて、練習場ではなく、コースで最高の機能を発揮する方を選んだ。

 

TC606は、練習場での打ちやすさを考えているように見える。練習には頻繁に行くが、あまりコースに行かない人にとってメリットがあるアイアン。歪んだ日本のゴルフ事情がクラブに反映されていると言える。残念ながらクラブの試打は芝の上よりも、マットの上が主だから、メーカーとしてもある意味仕方ない。メーカーとしてもジレンマがあるのではと推測する。

 
バンス角が少ないアイアンは、芝の上でも抜けが良いのだが、ヘッドが少し手前から入ると、飛距離が落ちてしまう。この傾向は芝の種類も影響がある。日本のゴルフ場は、フェアウェイ、ラフが高麗芝なところがほとんど、高麗芝は、葉も根も硬く、ダフリ気味にヘッドが入っても、芝の硬さに助けられミスになりにくい。しかし洋芝だと、葉がやわらかく、根もやわらかいので、綺麗にヘッドが入らないと、完全にミスになってしまう。

 

芝が元気な、今のシーズンは、バンス角のありがたみは感じないが、雨で湿っていたり、冬場の薄い芝などは、『アレ?』ということになりやすい。北海道や高原のゴルフ場だと、日本でもフェアウェイは洋芝であることが多い。そんな時、急に難しいアイアンになってしまう可能性がある

 
日本は練習場が本番。カリスマフィッターの鹿又さんが言っていたけど『練習場が発表会』この状況がクラブにも反映されている。T島が言っていたが、フォーティーンのクラブは、東京ではすごく見かけるが、地方では販売店の関係もあるだろうが、あまり見かけない。練習場が本番と言う傾向は、特に首都圏では顕著なのかもしれない。

 
非常に出来がいいアイアンなので、この点が残念でならない。ストロングロフトなので、少しロフトを寝かせてバンス角を付けてみて試してみたい衝動にかられた。もう一つ残念なのは、アイアンの長さを長くしているのに、軽量スチールのNS950HTが主。長くするなら少し重いカーボンシャフトを入れると、このアイアンの良さが更に生きると思う

 
日本のゴルフ環境が原因とは言え、この環境は簡単には変わらない。この環境から見ると、すごく良く出来たアイアンと言えるだろう。

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