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ドライバーのヘッドスピードが40m/s以下なら、手元がしなるシャフトを選ぶべし

重さ、硬さ、トルク‥‥シャフトを選ぶ場合、この3つのスペックを吟味しますが、もうひとつこだわってほしいポイントがあります。それは調子。キックポイントとも呼ばれてますが、大別すると、元調子、先調子、中調子、そしてダブルキックポイントの4種類に分けられます。それぞれの特性を簡単に説明すると‥‥

・元調子(キックポイント ハイ)
スイングした時(切り返した時)、手元側のしなりを感じやすいシャフト。元調子の多くはシャフトの先端側が硬い(先調子のシャフトに比べて)。先端側が硬いことから弾道を低く抑えやすく、捕まり過ぎない。

代表シャフト‥‥

三菱レーヨン「FUBUKIα」、「ディアマナアヒナ」
フジクラ「モトーレスピーダーVC6.2」
USTMamiya「ATTAS参上」
グラファイトデザイン「ツアーAD BB」

・先調子(キックポイント ロー)
スイングした時(切り返した時)、シャフトの手元側が硬く感じ、中間から先端側のしなりを感じやすいシャフト。インパクトゾーンでシャフト先端側がムチのようにヒュッと走るシャフト。先調子の多くは先端側が軟らかい(元調子のシャフトに比べて)。先端側が軟らかいことから高弾道を打ちやすく、ヘッドが返りやすい分だけ捕まりがいい。

代表シャフト‥‥
グラファイトデザイン「クアトロテック」
フジクラ「モトーレスピーダーVC6.0」

・中調子(キックポイント ミドル)
スイングした時(切り返した時)、シャフト中間付近のしなりを感じやすいシャフト。一般にはシャフトの手元側と先端側が硬い。また、元調子でもなく先調子でもないシャフトについても中調子と表記されることが多い。先調子のシャフトに比べると先端側が硬めのモノが多いので、中弾道、そして捕まり過ぎない。

代表シャフト‥‥

グラファイトデザイン「PTシリーズ」
マミヤ「アッタス」「アッタスT2」
三菱レイヨン「ディアマナBシリーズ」

・ダブルキックポイント
切り返した時には手元側のしなりを感じやすく、インパクトゾーンではシャフトの先端側のしなりが大きいシャフト。シャフトの手元側と先端側が軟らかく作られているため、スイング中、しなるポイントが2つあることからダブルキックポイントと呼ばれる。ダウン前半ではシャフトがタメを作ってくれ、インパクトゾーンでは先がしなるために捕まりが非常にいい。

代表シャフト‥‥
三菱レーヨン「ディアマナ イリマ」
グラファイトデザイン「M65」

調子と球筋の関係についてはゴルフ雑誌でも紹介されていますが、シャフトの調子でもうひとつ皆さんに理解してほしいことがあります。それは、調子が変わればスイングにも少なからず影響が出ます。例えば、「スライサーは先調子と相性がいい」と言われてます。先のしなりが大きいシャフトの方が、インパクトゾーンでヘッドが返りやすいからです。

しかし、この考え方には落とし穴もあります。スライサーの多くはトップからダウンの切り返しでタメ(コック)がほどけがち。このため、手元が硬い先調子のシャフトを選んでしまうと‥‥ますますタメ(コック)がほどけやすくなるからです。タメがほどけやすい人の場合は、手元がしなるシャフトを使った方が、シャフトがタメを作ってくれますし、この方が軌道も良くなります。スライサーに関して言えば、先調子のシャフトよりも、ダブルキックポイントのシャフトを使った方が、道具(シャフト)がミスを防いでくれますし、右曲がりの度合いも軽減できます。また、先調子のシャフトを選ぶ場合は、手元側が硬くないシャフトを選んで下さい。

切り返しでタメ(コック)がほどけているかどうかは、ヘッドスピードでおおよそ見当が付きます。一般男性の場合、切り返しでタメ(コック)がキープできていればヘッドスピードが42m/s以上は出ます。他方、ヘッドスピードが40m/sを下回っている人の大半は、切り返しでタメ(コック)がほどけていると思って間違いありません。タメがキープできないからヘッドスピードが上がらないわけです。ですので、ボクはヘッドスピードが上がりづらい人には、スライサーならばダブルキックポイント、左のミスを減らしたい人には元調子(手元がしなる)のシャフト勧めています。

他方、手元調子は捕まりを軽減できると言われていますが、これにも例外があります。ハンデ10~16ぐらいで、ここ一番でチーピンや引っかけがでやすい人の場合は、手元調子(先端が硬いシャフト)は、余計に引っかかりやすい。このタイプのゴルファーはダウン後半でシャフトが寝ている、いわゆるインサイドからあおり打つ感じになっています。結果、シャフトをねじって下ろす感じになるため、先が硬い方がねじった反動でねじり戻りも強くなり、インパクトでフェースが被りやすくなるからです。左が危険なホールでチーピン、引っかけが出やすい人の場合は、元調子(先が硬いシャフト)よりも中調子、もしくは手元のしなりを感じやすい先調子のシャフトを勧めています。具体的には日本シャフトのGTシリーズ、グラファイトデザインのツアーADのWシリーズ。どちらのシャフトともダブルキックではありませんが、手元側のしなりを感じやすい先調子シャフトです。

そして、もうひとつ調子について説明しましょう。先調子、ダブルキックポイントといった先がしなるシャフトというのは、インパクトゾーンでヘッドの走り感が強いシャフト。インパクトゾーンでヘッドを走らせるイメージを持っている人と相性がいいシャフトです。言い換えると、先調子、ダブルキックポイントというのはクラブ全体を振るイメージではなく、ヘッドを振るイメージが出やすいシャフトです。

 対して、元調子、中調子というのはシャフト先端側が走りません。結果、ヘッド振るイメージよりも、クラブ全体を振るイメージが出ます。このため、元調子は体全体でスイング振るイメージが出やすいシャフトです。

この違いを考えると、タメがほどけやすい人、手打ちになりやすい人においては、自分のスイングが確立するまでは、元調子、中調子のシャフトをお勧めします。元調子、中調子の方が、切り返しでタメ(コック)を保持する感覚を養えますし、体全体を使ってしっかり振り抜くことを覚えやすいからです。


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