ピン G700アイアン(2018)

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PGAショウも終わった。僕は行ってないが、SNSなどを観ると、アメリカのゴルフ市場は元気いっぱいと感じた。特にテーラーメイド、キャロウェイ、ピンの新御三家が元気だ。昔の御三家というとウイルソン、スポルディング、マグレガーだった。すでにどのメーカーも名前だけが残っているにすぎない。新御三家の3社だが、キャロウェイ、テーラーメイドの歴史は、1980年代に入ってからと意外と浅い。

しかしピンは別だ。僕が大好きなクルマにミニがあるが、実はミニが生まれた年とピンが同じ年。1959年創業となっている。最初はガレージでパターを作っていたが、アンサーというパターを開発。今で言うピン型パターを産んだ。トウヒールにウエイトを配置して、深いキャビティ構造になっているパターだ。このパターを、アイアンにも応用したのがピンのアイアン。そしてピンアイ2と言う名器を生んだ。

ゴルフクラブにかぎらず、工業製品はパクリの歴史だと僕は思っている。エポックメイキングなテクノロジーがいつのまにか、歴史的なデザインの踏襲となっていく。ゴルフクラブの歴史を築いた、エポックメイキングなキャビティ構造を作ったピンと言うメーカーは、他のメーカーとは一線を画すオリジナリティがあるメーカーだと僕は超私的にリスペクトしている。

今回紹介するG700アイアンだが、ピンのアイアンなのにキャビティ構造ではない。しかし僕はこのアイアンの登場を予測していた。ピンにはアイアン型ユーティリティである「クロスオーバー」というモデルがある。クロスオーバーはハイブリッドアイアンなので、25度の#5までしかなかったが、きっとこの下の番手を作るだろうと予測していた。

これはゴルフクラブの歴史を遡ると充分予測可能。過去に、フォーティーンHI858というロングアイアン(当時はまだユーティリティやハイブリッドと言う言葉がなかった)があった。こちらもG700と同じような中空構造のヘッドで、形状も何となく似ている。全英オープンでアーニー・エルスが使って話題となったクラブだ。

858も下の番手を作ってアイアンセットとなった。G700と同じようにウエッジまであった。ヒットはしなかったが隠れた名器としてファンが多かったアイアンだ。G700もモデル名こそ違うが、これからのアイアンの1つのカタチとなるだろう。PXGやテーラーメイドなど中空アイアンの時代が来ると予測する。トゥ側にウエイト配置して、内部にはポリマーこそ入ってないが、フェースの変な弾き感が無い点も気に入った。

面白いのは、ウエッジまで中空にしていること。ロングアイアンだけ中空やキャビティにして、ショートアイアンやウエッジはマッスルという、コンポアイアンを、セミオーダーで組めるアイアンセットがあるが、僕はあまり感心しない。逆にショートアイアンやウエッジこそ中空やキャビティにしたほうが良いと考える。

ショートアイアンやウエッジこそ、打点のズレによる距離のズレが生まれスコアに直結するからだ。特にウエッジは、傾斜地やラフなどで厳しい状況で使うことが多いクラブ。そんな時こそ、中空構造やキャビティの打点の寛容さが行きてくる。スピンコントロールも打点がブレると、難しくなってしまうが、中空構造の寛容性が生きる。

中空やキャビティは、打感がボケるといわれるが、打点でスピンが変化しにくい。ぜひウエッジまでのセットで使いたいものだ。残念ながら中空構造のため、1本24000円+税なので、単品ウエッジを買いたい気持ちはわかるが、やさしいウエッジのメリットを是非体験して欲しい。

G700アイアン、僕は購入を決めたぐらい気に入ったが、アレ?と思ったのがマーケティングだ。アイアンのマーケティングはシャフトを見れば、わかるもの。G700アイアンのアイアンシャフトは

純正カーボンのPING FUBUKI(40g台カーボン)、世界最軽量のスチールシャフト N.S.PRO ZELOS 6 これを全面に出している。一応、50g台のALTA J CB、軽量スチールのN.S.PRO 950GHもラインナップされているが、軽量シャフトがメインとなっている。特に軽いシャフトを組み合わせることで、ゼクシオ世代、団塊の世代をターゲットにしようとしている意図を感じる。

もちろん飛距離が出るので、シニア世代にも魅力的だろうが、飛距離が出るからシニアと言うのは短絡的かとおもう。キャビティを作ったPINGの意欲作、G700アイアンもっと幅広いユーザーに使って欲しいアイアンだ。

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