ブリヂストン ツアーB XD-3ドライバー(2018)

このインプレッションは、2018年9月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

秋の新製品、先週末にスリクソンとブリヂストンのツアーB XD-3ドライバーが発売された。僕の予想に反して、ツアーB XD-3ドライバーのスタートは好評だそうだ。

というのも日本のメーカーに気になる傾向があった。アパレル業界では、商品の同質化と言う問題があるそうだ。同質化というのは、売れているもの、ヒットしているモノに、どのメーカーも同じようになってしまう。特にモノが売れないとその傾向が強くなるそうだ。

ゴルフクラブにも同じ傾向があると僕は感じている。ドライバーの同質化の極みはカーボンクラウン。テーラーメイド、キャロウェイが、カーボンクラウンを全面に打ち出してヒット作を立て続けに出している。日本のメーカーもYONEXはずっとカーボンクラウンを採用していた。この秋の新製品では、スリクソンとブリジストンがカーボンクラウンを全面に打ち出してきた。カーボンクラウンは、従来のチタンのクラウンに比べて、軽量化することでヘッド低重心化ができ、フリーウエイトを増やすことが出来る。

ユーザーは、ついにカーボンクラウンを採用したのか、今回は期待できるな!と思うかもしれない

しかし、僕らにしてみれば、メルマガだから書くが、自社が売れていないから、売れているメーカーとの同質化をはかったように見える。売れるキーワードであるカーボンクラウンを採用すれば、売れるだろうという意図が垣間見える。とは言え、いきなり採用してしまうと、真似していると捉えられるだろうから、カーボンクラウンに筋金と呼ばれる金属弦を貼りたわんだクラウンの復元スピードを上げるとメーカーは言っている。

日本のメーカーらしくカーボンクラウンを進化させているのだろうが、同質化しているという印象は拭えない。そもそもカーボンクラウンだが、地クラブメーカーの社長に聞いた話、ほとんど重量が落ちないというのだ。確かにチタンとカーボン同じ面積でクラウンを作るとカーボンのほうが軽く出来る。しかしカーボンとチタンを張り合わせるのに接着剤が必要で、チタン同士を溶接するよりも、接着剤の方が重く、更にカーボンをコーティングする必要があるため。ほとんど軽量化は期待できないという。

コスト面でも、カーボンクラウンは、チタンのクラウンに比べて、コストもかかるので、大手メーカーが大量に作っても、コストアップになるそうだ。

僕は彼に聞かれた『マークさんどうして、大手メーカーはコストが掛かって効果が少ないカーボンクラウンを採用するのでしょう』僕の答えはハッキリしている。

『デザインチェンジでしょう。』

カーボンクラウンはいかにも飛びそうなイメージがするもの。各メーカーには、彼が知らない特別な工程があって軽量化出来る可能性がないわけではないが、劇的な効果は期待できないという意見に僕も同意する。日本のメーカーは、性能を気にしすぎている。お客さんは性能でクラブを買うと思っている。僕が多くのゴルファーを分析すると、性能がわかって買う人は残念ながらほとんどいない。

お客さんは、夢を買う。残念ながら新しいブリヂストンのTOUR-B XD-3には、夢が湧いてこない。例えばゴルフしない人にテーラーメイドのM3、M4と、XD-3を見せても、M3,M4のほうがカッコいい。と感じるだろう。ゴルフをしなくても、なんとなく飛びそうなイメージを抱く。こういう商品作りをしないとなかなかクラブは売れない。

ブリヂストンも以前の大ヒット作、J’SメタルやJ’Sチタンのヒットを分析すればわかると思う。プロが使ったからではなくて、ゴルファーが、ジャンボの飛距離を観て、自分も飛ばせるという夢を見た。そのクラブを使えば夢が見れるから、大ヒットした。今は有名プロが使っていたから売れていたわけではない。どうやって格別の夢を観てもらえるかというのが、答えだろう。

その証拠と言ってはなんだが、性能が良くても売れなかったクラブは山のようにある。

XD-03はスタート週、売れているとデータでは証明された。今後どう推移するか注目したい。では、XD-3がどんなドライバーなのか説明しておこう。一番のポイントは重心距離の短さだろう。33ミリと短い。国産メーカーも最近はヤマハのように、重心距離を長くする傾向があるが、ブリヂストンの歴代ドライバーの中でも、かなり短い。プロのリクエストだろうか?操作性は非常に良いと思うが、これだけ短いとでフェースのセンターに、スイートスポットが来ずに、ヒール寄りにスイートスポットがある状態となる。

ヒールヒットするゴルファーには向くが、かなり使い手を選ぶドライバーだと僕は思う。JGRシリーズは重心距離が世界標準に近づいてきたが、アスリート向けモデルのTOUR-Bシリーズが日本独特なデザインの域をなかなか抜けれないのが気になる。

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