フジクラ デイトナスピーダー(2019)

このインプレッションは、2019年3月のマーク金井の有料メルマガに掲載されたものです。(有料メルマガはこちらからご購読できます)

今週金曜日から、ジャパンゴルフフェアが3日間開催される、今回が53回目だそうだ。僕もトークショーなどの出演することもあり、3日とも会場にいる予定にしている。もし見かけたら気軽に声をかけて欲しい。しかし大手メーカー揃い踏みとなかなかいかないのが、近年のゴルフフェアの傾向で、テーラーメイド、プロギアなど出展しないようだ。

ゴルフフェア自体の存在意義が問われはじめているように感じる。というのも以前はゴルフ関係者向けだったのだが、だんだん一般ユーザー向けの趣向が強くなってきた。カメラの祭典 CP+とターゲットが近いと思うが、ゴルフフェアと対象的に上手く一般ユーザーと関係者を取り込んできている。一方ゴルフフェアは、すこし方向性がぶれているように思える。

アメリカのPGAショウだが、正式にはPGAマーチャンダイジングショウという。こちらは完全に、ゴルフ関係者向けで一般ゴルファーは基本的に入場できないことは意外と知られていない。あまりに規模が大きいから関係者向けと言われてもピンと来ないのではないだろうか?

しかしゴルフフェアは、年に一度のお祭でもある。皆さんも是非訪れて欲しい、クラブメーカーが注目されているが、普段は裏方な位置にあるシャフトメーカーも、このチャンスにファンを増やそうと出展しているので、是非各社を回って欲しいと思う。ゴルフクラブは高級化しつつあり、それにともないシャフトの注目度は、徐々に上がってきている。特に新製品では、シャフトメーカーのどんなシャフトが装着されるのか?で注目され差別化されている傾向がある。

メーカーの新しいドライバーに合わせて、シャフトメーカーも新しいシャフトを発表しているが、より多くシャフトを販売するには、メーカーのカスタムシャフトに採用されることが必須。以前、メーカーカスタムシャフトが無い頃、シャフトメーカーは街の工房さんに、シャフトを売ってもらうというのが、売上を上げる常套手段だった。しかしメーカーカスタムとしてクラブメーカーが標準装着して販売する今、街の工房さんにとっては、カスタムに採用されたシャフトは、あまり魅力のない商品となってしまった。

そのため最近は特別に契約している工房専用モデルというのを発売するメーカーが増えてきた。今回紹介する、フジクラのデイトナスピーダーは、ジュエルラインと呼ばれるフジクラシャフトの特約店向け工房専用モデル。なんと価格は8万円(税前)と凄いのを出してきた。値段もさることながら使っている素材も高級なものばかり。値段がどうして高いのか非常にわかりやすいシャフトだ。コンセプトも『コストを考えずに地球上にある最高の材料を使う』ということで、材料が高いものをてんこ盛りにしている。

このシャフトの重量だが、シャフトのフレックスが硬くなるにしたがって重くなっている。カーボンシャフトを作る上において、非常に理にかなっている。通常のスピーダーエボリューションが、寿司で言えば並だとすると、デイトナスピーダーは特上寿司みたいなもの。材料が良いというのは、非常にわかりやすいことは間違いない。樹脂の含有率も少ない高級なカーボン繊維を使うというのは、プレゼンしやすいと言える。

価格を納得させるすべての高級素材を使ったシャフト。打ってみると、いい材料を使っていることがすぐわかる。高級な素材はカーボンの弾性率が高くなっている。するとフィーリングがシャープで、スイングに対するシャフトの反応がとてもリアルになる。車に例えると、スポーツカーをさらに超えて、F1マシンのようなシャープな挙動。クルマ好きな人ならわかると思うが、F1マシンは超高性能、地球上で一番速いクルマとよく言われるが、その高性能を誰でも発揮できるのか?と言われると、イエスと言えない。

同じように、高級なシャフトだと飛ばせるのか?というのは、イエスでもありノーでもある。F1マシンに素人が乗ったのと、ポルシェに乗るのどちらが、首都高速を速く走れるかというと、きっとポルシェのほうが安全に速く走れるはず。残念ながら僕はF1を運転したことはないが、エンジンのレスポンスがよく、ハンドル操作がダイレクトに反映される。運転する人の意思がダイレクトに、伝わるようになっていると聞く。当然運転のミスもしっかり伝えてしまうのだ。

この追随性。高ければ高いほど良いと思われているが、逆を言えば、悪い動きも追随してくれる。スイングのミスもリアルに追随してしまう。追随性はシャフトの性能の一つであるが、追随性が高いから飛ぶかというとそうではないを理解するのは難しくないはず。とは言え、昔のクレイジーのようなピーキーさは感じられない。F1をデチューンして扱いやすくしているみたいなもの。デチューンすると扱いやすくなるが、追随性は落ちる諸刃の剣。

もちろん上手く使うことができれば、飛距離をアップさせる可能性はとても高い。しかしそれは残念ながら一筋縄にはいかない。自分のスイングがありのままに伝わるからだ。同時期にスピーダーSLKという短尺ドライバー用のシャフトが発売されるが、こちらを打ったらデイトナスピーダーと真逆の感じだった。スピーダーSLKについては、来週でもしっかりとレポートすることにしよう

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