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ナイスショットしたい欲がある限り、スイングは変わらない。

自分では大胆にスイングを変えたつもりなのに‥‥ビデオチェックしてみたらスイングがほとんど変わっていない‥‥。

 

トップの高さを変えたつもりなのにいつもと同じ。シャフトクロスを修整してレイドオフにしたつもりなのに、ビデオで確認したら相変わらずシャフトが飛球線よりも右を向いている。

 

こういう経験は誰しもあるでしょう。ビデオを観てガックリするゴルファーが少なくありませんが、これにはちゃんとした理由があります。多くの人は素振りをすると、変えた(変えたい)スイングになりますが、いざボールを打とうとすると振り方が元に戻ってしまうのです。ボク自身も毎日のようにビデオを使って練習していますが、素振りと実際にボールを打つ時とでは、スイングが微妙に変わってしまいます(それを解消するために、日々練習しています)

 

なぜ素振りと本番とでスイングが変わってしまうのか?

 

2つの理由があると思っています。ひとつは「球をちゃんと打ちたい欲」。演劇論で好きな言葉のひとつに、「役者は観客は意識しても、観客に向かって演技してはいけない」というのがあります。演劇の場合、稽古時に観客はいませんが、本番(公演)では観客がいます。この観客を意識することはとても大事だけど、例えば、観客を笑わせようととか泣かせようと考えて演技してはいけないそうです。下手な役者ほど、無意識の内に受けを狙ってしまい「小芝居」するそうです。

 

ゴルフもしかり。ゴルフでは「役者=ゴルファー+クラブ」。そして「観客=ボール」。

 

ゴルファーは観客であるボールを向かって演技するために‥‥「ちゃんと打ちたい」「ミスしたくない」という欲があるために、新しい動きをやろうとも思ってもできないのです。優先順位の一番がちゃんと打つことになるため、スイングを変えようと思っても変えられない。対して、素振の時には観客(ボール)がいません。自分がやりたいことができるので、スイングを比較的簡単に変えることができます。

 

では、本番でスイングを変えるには何をやればいいのか?

 

「ボールを意識するな」「素振りのように振ればいい」と言ったアドバイスをする指導者もいますが、演劇論的に言うと、これでは観客不在の芝居をやるようなもの。これは芝居としては成立しません。やはり観客あってこその芝居。ゴルフもしかりで、ボールという存在を消す(無視)するのでは本番力は身につきません。本番力を付けるには、ボールをちゃんと意識した方がいいと思います。ただし、ナイスショットを求めないこと。

 

わざとミスショットすればいいのです。ボールにヘッドがかすりさえすればOK。チョロ、トップ、ダフり、シャンク、天プラ、引っかけ、チーピン、スライス、コスリ球‥‥なんでもいいです。とにかく、ナイスショットを打つことよりも、ボールを打ちながらスイングを変えていくのです。ナイスショットの呪縛から解放されれば、スイングは変わります(変えられます)。スイングをリフレーミングできるのです。

 

ただし、これは言葉でいうほど簡単ではありません。役者が観客の前で、「わざと受けない演技」「わざと下手くそな演技」をするのと同じで、すごく精神的に負荷がかかります。ですが、これをやらないと新しい動きというのは体に染みませんし、スイングをリフレーミングできないのです。

 

アナライズではこの精神的な負荷を下げるために、スイング改造時にはゴルフボールではなく、テニスボールぐらいの大きさのボールを打ってもらってます。ボールのサイズが少し大きくなると、心理的に「ちゃんと当てたい欲」も減ってくるため、体の動きを変えやすくなるからです。そして、大きいボールでスイングが変わってくれば、ゴルフボールに戻していく‥‥

 

わざとミスショットを打つ。これを怖がらないで練習に励めば、ビデオでスイングを確認した時に落ち込まないですむのです。


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