マーク金井blog

カテゴリー: トーナメントから

2013年07月23日全英王者、P・ミケルソンに学ぶクラブセッティングの極意!!

メジャー第三戦、「全英オープン」はレフティのP・ミケルソンが混戦をスルスルッとすり抜けて勝利を収めました。最終日、2オーバーの9位タイから出たミケルソンはが6バーディ、1ボギーの「66」で回り、通算3アンダーとして逆転優勝。これが初の全英制覇でメジャー通算5勝目。単独首位で迎えた最終日にスコアを崩して2位に終わった先月の「全米オープン」でのリベンジを見事に果たしました。

18番のバーディでキャディのボーンがウルウルしてたのを見た、ミケルソンもウルウルしてましたね 写真はGDOより転載 撮影はJJ田辺さん

18番のバーディでキャディのボーンがウルウルしてたのを見た、ミケルソンもウルウルしてましたね 写真はGDOより転載 撮影はJJ田辺さん。GDOのフォトギャラリーやってます←こちらをクリック

さて、このミケルソン。右利きでレフティというユニークなプレーヤーですが、クラブセッティングもかなりユニークです。2006年、二度目のマスターズを制した時は、ドライバーを2本入れてました。今年の全米オープン、そして優勝した全英ではドライバーが1本も入ってません。ドライバー無しでメジャーに挑み、全米では2位、全英では優勝。メジャーを勝つにはティショットは「飛距離よりも方向性が大事」と言われてますが、それを証明するかのようなセッティングをしていたのです。

ちなみに6位に入った松山プロもティショットを見ていると、ドライバーをほとんど使っていません。ミュアフィールドはバンカーが多いこと、そして地面が半端なく硬いこともあって、ロングアイアンもしくはFWでティショットを打ってました。タイガーだってドライバーはほとんど使ってません。唯一例外だったのはマキロイ。予選落ちがほぼ確定した2日目のインではドライバーを使ってティショットを打ってました。

全英覇者のミケルソンですが、使用クラブはこんな感じです。

FAIRWAY WOOD
Callaway X Hot 3Deep (13 degree) with a Fubuki K 70x shaft

HYBRID
Ping Anser (17 degree) with a Mitsubishi Kuro Kage Hybrid shaft

IRONS
Callaway X Forged (4-6) with KBS Tour shafts; (7-PW) with KBS Tour V2 shafts

WEDGES
Callaway X Series JAWS (52, 56 degree) and Mack Daddy 2 (60, 64 degree) with KBS Tour V2 shafts

PUTTER: Odyssey Versa #9 Putter

BALL: Callaway HEX Chrome+

(GOLF WEEKより引用)

キャロウェイの契約ですからキャロウェイが多いのが当たり前ですが、意外だったのがハイブリッド。ピンのアンサー17度をバッグに入れてました。そして、もっと意外だったのが3番アイアンが入っていないこと。キャロウェイのXフォージドの4番のロフトは23度。ハイブリッドが17度なので、番手ロフト差が6度もあります。セッティングとしてはちょっとアンバランスになっていました。恐らくユーティリティで距離を打ち分けていたのでしょう。

ウエッジについては52度、56度、60度、そして64度。ミケルソンと言えばショートゲームの名手、ロブショットの名手です。そんな彼が64度をバッグに入れたということは‥‥よっぽどグリーンがパンパンに硬くて速かったことが伺い知れます。

写真の

写真はWaggleさんのFBページより転載←こちらをクリック!FBページにイイネもお願いします

そして、やっぱり注目すべきはドライバーがバッグに入っていないことでしょう。ドライバー並に飛ぶ3Wを入れているから必要ないとも言えますが、ドライバーと3Wには大きな違いがあります。それは3Wの方が、

クラブが短い
ヘッドが小さい、
ヘッドが小さいから重心距離が短い

ということです。そして付け加えるならば今どきの3Wは低重心、浅重心で低スピン弾道が打てます。ミケルソンは3Wの方がドライバーよりも低スピン弾道が打ちやすいことを知っていた、3Wでもランが稼げるショットが打てるのを知っていたから、あえてドライバーをバッグに入れなかったのでしょう。最終日の17番ではティショット、そしてセカンドを3Wで打って2オンに成功してますが、これはまさにセッティングの勝利でしょう。

そして、このミケルソンのセッティングはアマチュアにも大いに参考になります。ティショットでスコアを崩しているのであれば、ティショットでチョロやOBが多いならば、ドライバーをバッグから抜きましょう。ティショットで使いやすい3w、もしくはティショットで使いやすいユーティをバッグに入れ、それでティショットを打ってみて下さい。3Wもユーティリティもドライバーよりもクラブの長さが短いです。短い方が確実にミート率が良くなってチョロやOBを減らせるからです。
「ドライバーを抜いてラウンドするなんてゴルフした気にならない」なんて野暮やことを同伴者者から言われたら、そんな時は欠かさず、「今日はミケルソンのつもりでラウンドします~」とサラッと言い返しましょう~(笑)
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PS.FWとユーティリティはシャフト重量がすごく大事です。軽いシャフトが装着されていると手打ちになったり、スイング軌道が不安定になります。ヘッドスピードによっても適正重量は変りますが、手打ちになりやすい人や、チョロ、トップが出やすい人は、シャフトを少し重くするだけでミート率が格段にアップします。アナライズではFW用に65g、ユーティリティ用に70gのシャフトをラインアップしてます。ぜひ試してみて下さい~。

アナライズのシャフトに興味ある方は↑写真をClick

もしくはyoyaku@analyze2005.comにメールください


2013年07月19日今年の全英オープン、ミュアフィールドはなぜそんなにも難しいのか!?

昨日からメジャー第三戦、全英オープンが始まりました。初日はザック・ジョンソンが「66」をマークして5アンダーの単独首位。1打差の2位にラファエル・カブレラベロー(スペイン)、と大ベテランのマーク・オメーラ。さらに1打差、3アンダー4位タイにミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)、ブラント・スネデカーダスティン・ジョンソンら5人が並んでいます。

メジャー通算15勝目を狙うタイガー・ウッズはパットが好調で、フィル・ミケルソンアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)らと並び2アンダーの9位タイにつけています。日本勢では大会初出場の大学生ツアープロ、松山英樹が5バーディ、5ボギー「71」と出入りの激しい展開を制してイーブンパーの21位タイ。片山晋呉が2オーバーの47位タイで初日を終えました。その他の日本勢は苦しい展開。久保谷健一が5オーバーの92位タイ、藤田寛之谷口徹丸山大輔は7オーバーの119位タイ。小平智は9オーバーの143位タイ、井上信は12オーバー、152位と大きく出遅れています。

今年の会場となるミュアフィールドですが、全英オープン開催コースの中でも屈指の難コース。7192ヤードでパー71。距離は長くて、どのホールもポットバンカーだらけ。フェアウェイバンカーもアゴが直角なので、入れてしまうと、ツアープロでも出すことしかできません。加えて、風の計算が非常に難しいのもミュアフィールドの特徴。アウトはコースの外周をなぞるように9ホールが配され、時計回りにホールが続いていきます。対してインはアウトの内側に9ホールが配され、反時計回りにホールが続いていきます。巨大迷路のようにジグザグにホールが配されているため、とにかく風の読み、風の計算が非常に難しいのです。

マーク金井は1992年の全英オープンの取材で初めてミュアフィールドに行きました。優勝したのはニック・ファルド。クラブハウスで青木功プロのコースレコード「63」を見ましたが、今年もこの記録は破られないでしょう。ミュアフィールドは全ホールバーディが取れるぐらいの感じで回らないと、こんなビッグスコアは出ないコースなのです。対して、ちょっとでもかみ合わないプレーをするとダボ、トリが簡単に出ますし、小平プロのように1ホールで10を叩くことなんてこともあるのです。ミュアフィールドではツアープロでもミスを取り返そうとした瞬間、ミスの連鎖から抜け出せなくなってしまうのです。

加えて、今年のミュアフィールドはグリーンがもの凄く早い。通常、全英オープンは他のメジャーに比べるとグリーンはそれほど早くありません。リンクスでの開催、風が強いのが当たり前の場所なのでグリーンを早くし過ぎると、パッティングの時にボールが止まらないからです。全英オープンだとグリーンの早さはスティンプメーターで10フィートぐらいが普通ですが、今年はホールによっては12フィート以上出ているように見えました。タイガーも初日、グリーン手前からパットしたボールがグリーンの外に出てました。カップ際で止まりそうなパットが5メートル以上オーバー。「そんなに悪いパットじゃなかったのにね。1メートルちょっとオーバーしたものは、どこまでも行ってしまう。厳しかったね」と、本人もコメントしています。

ラフがとてつも深く、そしてグリーンはとてつもなくアンジュレーションが強い。それに加えてグリーンが超高速になれば、百戦錬磨のプロでもアプローチやパットで距離感をピタッと合わせることは至難のワザ。TV観戦でも、彼らの苦悩ぶりが何度も観ることができるでしょう。

恐らく、このコンディションでアマチュアがプレーしたら、シングルでも軽く100を叩くでしょう。普段、100前後でプレーしている人ならば、ハーフ70ぐらい叩いてもおかしくないと思います。ゴルフ場というのはコンディションが変われば、これぐらいスコアが変わってくるんです。

アマチュアの中にはいつもより3~5打余計に叩いたら「調子が悪い」「スランプ」とか口にする人がいますが、スコアはコースによっても変わり、そして同じコースでもコンディションやピン位置が変わると、かなり難易度が変わってきます。言い換えると、ゴルファーはプレーするコースの難易度、そしてコンディションによって目標(設定)スコアをちゃんと決めないと、思わぬ大叩きをするこになるのです。

では、コースの難易度は何で決まるのか?

我々アマチュアがプレーする場合、まずチェックしたいのがラフの深さ、グリーンの硬さ、グリーンの速さ、そしてピンの位置。ラフが深くなって、グリーンが硬くなるほど、ボールコントロールが難しくなります。ラフに打ち込んで距離を欲張ればチョロが出ます。グリーンが硬くなるほどボールは止まりません。グリーンが早くなればパットの距離感が難しくなります。そしてピン位置が厳しいほど、グリーンを外した時にアプローチが難しくなります。例えば、日本オープン直前直後の開催コースは信じられないほど難易度が上がります。もしチャンスがあれば、ぜひとも一度、日本オープンや男子ツアーが開催された直後、そのコースでプレーしてみて下さい。難易度が高くなると、自分のプレーが全然できないことを身を持って体験できるでしょう。

ちなみに、マーク金井がトーナメント直後のコースでプレーする時、目標スコアは「88」。普段よりも10打プラスしています。これぐらいの気持ちでプレーに臨まないとゴルフになりません。簡単に100近く叩いてしまうことを痛いほど知っているからです。

プロが1ホールで10も叩くなんて……なんて思っている人はまだまだゴルフの怖さを味わっていません。

ゴルフはセッティングを変えるだけで嘘みたいにやさしくなったり、難しくなるのです。

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2013年07月08日プロゴルファーはサラリーマンよりも稼げるのか!?

 

今週、大学生プロゴルファー松山英樹くんがダンロップスポーツと用品契約を結びました。契約内容はボール、クラブ、グローブ、バッグ、キャップ、シューズ。ウエアは本人の希望もあって、東北福祉大のユニフォームを継続して着るそうです。契約金は3年9億円+インセンティブ(金額は推定 日刊ゲンダイ7月3日付けより引用)。先週はサングラスメーカーのオークリーと契約しているので、これで契約は2社目です。

松山英樹はダンロップと契約 GDOより転載

松山英樹はダンロップと契約 GDOより転載

今年はすでに賞金も1億円近く稼いでいる松山くん。これからも多くの企業とスポンサー契約することが予想されます。今年は年間3億以上稼ぎそうですが、これは大卒サラリーマンの生涯年収をはるかに上回っています。

日刊ゲンダイを読んでいると、プロゴルファーという職業がいかに稼げるかが描かれていますが、果たしてプロゴルファーはそんなに魅力的な職業なのでしょうか? プロ野球選手やプロサッカー選手と比べてみて、稼げる職業なのでしょうか?

まずプロゴルファーというのはプロテストがあります。テストに合格しなくてもプロゴルファーと名乗れますが、日本プロゴルフ協会(JPGA)は毎年、プロ資格認定試験を行い、50位タイまでの選手をプロゴルファーとして認定しています。そして、試合に出るためにはJGTO(日本ゴルフツアー機構)が主催する予選会に出場し、予選を勝ち上がらなくてはなりません。予選会からツアー競技に出られるのは年間40~60人ぐらいです。下部ツアーは、そこから120人ぐらいでしょう。レギュラーツアー、下部ツアーを合せても、試合に定期的に出られるプロは最大で250~300人ぐらいです。この出場枠はここ何十年も変っていません。

それに対して、プロゴルファーは約5000人ぐらいいます。そして年間50名以上の新規参入があります。もちろん、引退する選手もいるわけですから、トータルで見ればプロゴルファーの総数は急激に増えもしないかわりに、減りもしないです。と考えると‥‥プロの九割以上は試合に出ることができません。最初からレッスン活動だけのプロが半分いたとしても、

試合に出たいプロの数‥‥‥‥2500人
試合に出られるプロの数は‥‥250~300人

書いててすごく辛いのですが、プロゴルファーの9割近くは試合に出て賞金を稼げないのです。2000人以上のプロゴルファーは年に一度ある予選会を目指して練習に明け暮れるか、試合をあきらめてレッスン活動や他の仕事に就いしまうかの二者択一を迫られるのです。そして説明するまでもありませんが、
この不景気のご時世。よほど知名度のある人や、メーカーとコネがある人を除けば、試合に出られない人はメーカーや企業がスポンサー契約してくれません。

プロゴルファーはなるのも大変ですが、実はなってからの方が大変な職業なのです。プロゴルファーの場合、レッスンで稼げると思って入る人もいるみたいですが、年から年中レッスンしても稼げるのは最大で年間400~500万ぐらいでしょう。けっして稼げる職業ではないのです。

そして、書いててもっと辛いのが試合には出られるが、賞金が稼げていないプロの場合です。レギュラーツアーは70位までがシード選手ですが。70位の年間獲得賞金額は約1380万円。サラリーマンの年収よりも高いですが、試合に出るには経費がかかります。移動、宿泊、キャディフィー、諸々を含めますが

少なく見積もっても年間400~500万円かかります。

それを差し引くと年間の稼ぎは約700万円。2500人いるプロゴルファーの中の70番目の選手でも賞金だけでは1000万円稼げません。70位ぐらいだとスポンサー契約、用品契約があったりもしますが、それで獲得できるのは年間200~500万ぐらいでしょう。それを加えても上場企業の取締役の年収にはとどかないのです。

ちなみに70位以下の選手となるともっと悲しい現実が待ち受けます。賞金ランキングが100位ぐらいだと獲得賞金は500万円以下、試合に出るための経費も500万円。1年間試合に出続けても賞金での年収はゼロ。100位以下ともなれば、試合に出れば出るほど赤字になってしまうのです。

プロ野球の選手やサッカー選手の場合、チームに雇ってもらえれば給料が出ます。移動の経費もチームがまかなってくれます。野球の場合、1軍レギュラー選手は240人(1チーム20人と計算して)は最低でも1000万円以上の年収が確保されています。対して、プロゴルファーの240番目の選手の場合は、下部ツアーに出られるものの試合で賞金を稼げないのが現実です。

松山英樹プロ石川遼プロはスポンサー契約で年間数億円稼げていますが、そんなことが出来ているプロゴルファーは数名でしょう。賞金とスポンサー契約の両方を合せて5000万円以上稼げるのは、せいぜい40名ぐらいでしょう。言い換えると、プロゴルファーとしてしっかり稼ぐためにはトップ40の中にランクインすることが求められます。野球の一軍選手並に稼ぐにはトップ70
にランクインしなくてはらないのです。

テレビで放映されるゴルフツアー場合、優勝すると2000万円以上の賞金を獲得できますが、それはたった1人だけ。賞金で飯がちゃんと喰えるプロゴルファーの数は昔も今も70名ぐらいなんです。それ以外の4000人以上のプロは、すごく難関な資格テストをクリアしても賞金で生活できません。収入は極めて不安定になり、非常に過酷な世界を生きることになるのです~。

プロゴルファーは華やかで魅力的な職業であるのは紛れもない事実ですが、それはほんの一握り。プロゴルファーの90%以上は、華やかな舞台で活躍する夢を見ることはできても、現実世界でまっとうにお金を稼ぎづらくなるのです。
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PS.ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして正しいハンドアクションを会得できるからです~。

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2013年06月25日プロはなぜシャフトにわざわざ鉛を貼るのか!?

月刊ゴルフダイジェストワッグル、そしてゴルフクラシック‥‥毎月21日には月刊ゴルフ雑誌が出ますが、今月の注目雑誌はゴルフクラシック

ゴルフクラシック8月号~

ゴルフクラシック8月号~

マーク金井はスペックおたくな人間ですが、そのきっかけを作ってくれたのが何を隠そうゴルフクラシック。同誌は1995年からドライバーの重心位置を計測しています。重心距離、重心深度、重心アングル(重心角)、リアルロフト‥‥これらの具体的な数値をゴルファーに伝えると同時に、ゴルフクラブの目利きも教えてくれています。ちなみに1995年のドライバーヘッドの平均体積は230.2CC、2013年の平均体積は448.3CC。この19年間でドライバーの大きさは約2倍になりました。

これはぜひとも電子書籍化してほしい~

これはぜひとも電子書籍化してほしい~

今年も98機種のドライバーヘッドの数値が紹介されていますが、マーク金井が注目したのがプロのドライバーセッティング。藤本佳則プロと青山加織プロはシャフトの手元側にベタッと鉛を貼り付けています。これはジャンボ尾崎プロもよくやる重量調整法で、シャフトの手元側に鉛を貼ると‥‥

藤本プロのシャフトには、ご覧のとおりグリップ側に鉛が

藤本プロのシャフトには、ご覧のとおりグリップ側に鉛が

総重量を重くできる

重くしてもバランスがほとんど変らない

という効果が得られます。総重量を重くするには重いシャフトを装着する方が全体のバランスが良くなりますが、プロや上級者の間では、シャフトの重量バリエーションが増えた今でも、相変わらずシャフトに5~10gほどの鉛をペタペタ貼り付けている人が少なくありません。シャフト交換に比べれば、鉛を貼った方が簡単に重量を微調整できるからでしょう。加えて、シャフトに鉛を貼るのが癖になってしますと、ある種のおまじない的な要素があるのかも知れません。

アナライズではシャフトスタビライザーを販売していますが、これも手元側の重量を重くするためのアイテム。手元側の重量を重くすると。カウンター効果でヘッドが軽く感じるだけでなく、実はダウンスイングにも好影響が出ます。
手元側が重くなると、ダウンで手元が浮きづらくなり、シャフトが寝たり、左手が浮いたりするのを防止できます。クラブをプレーンに沿って振り下ろしやすくなり、チーピンや引っかけを防止できるのです。

このウエイトをグリップの中に入れます!!ミート率アップ!

このウエイトをグリップの中に入れます!!ミート率アップ! 写真は一番人気のAMT for WOODS

シャフトに貼る鉛もしかり。5~10gの鉛をシャフトの手元側に貼ると、貼らない時に比べると手元側の重量が少し増してきます。結果、総重量が増すだけではなく、ダウンスイングで手の軌道を安定させる効果も得られます。青山加織プロも‥‥

最終的な微調整は鉛をはるようにしています。グリップの下にはっているのは総重量を少し重くして、スイングの再現性を高めたかったから。ヘッドのヒール側は、気持ボールをつかまえたかったので自分ではりました。

ゴルフクラシック 2013年8月号より引用)
鉛の良さは貼りやすさに加え、ハサミでチョキチョキ切れば重さを微調整できます。貼って気に入らなければ剥がせば元に戻せます。かなり原始的でアナログな方法なんですが、ユーザビリティが良くてチューニング効果も期待できる。クラブの重量調整には非常に使い勝手が良く、そしてスイングにも好影響が出るのです。

ゴルフクラブのチューニングで鉛を貼るのは定番中の定番です。しかし何故か、シャフトに貼るためだけに作られた鉛は今までありませんでした。マーク金井はダイワの鉛を長年使ってましたが(これはヘッドだけでなく、シャフトにも貼りやすい)、これは5年以上前に製造中止しています。ダイワにも製造再開をリクエストしましたが、今のところ販売再開の目処は立っていません。

そんなわけでマーク金井が設計監修して作ったのがこれっ!!

タバタより発売されたシャフト用鉛!

タバタより発売されたシャフト用鉛!

ダイワの鉛は非常に馴染みやすいのが特徴ですが、このシャフト専用鉛も素材にこだわって作りました。一般的に流通している圧延の鉛と違い、この鉛は独特な製法で作られています。ダイワの鉛同様、表面がザラザラしていますが、マーク金井はこのザラザラ具合にもこだわって試作を重ねて、市販化しました。

シャフト専用鉛って謳ってますが、もちろんヘッドにも貼れます(笑)。すでにヘビーユーザーからは「ヘッドにも貼りやすい」という声も多数いただいております。

たかが鉛、されど鉛。

クラブがちょっと軽いなと感じているならば、シャフトの手元側にペタッと鉛を貼ってみてはいかがでしょうか? チーピンや引っかけ、ダウンでシャフトが寝るを抑えたいならばシャフトスタビライザーを試してみて下さい。手元側の重量が増すと、スイングの安定感が増すのをきっと体感できるでしょう~(▼▼)b

PS.シャフト専用鉛は大手ゴルフショップで購入できます。もちろん、アナライズでも販売中~。シャフトスタビライザーもこちらから購入できます~。


2013年06月17日ゴルフはスコアカードとの闘いなのかも知れない‥‥

4つのメジャー競技の中でももっとも過酷だと言われている全米オープン。今年のメリオンもコースセッティングは非常にタフで、世界の一流どころが平気でダボやトリプルボギーを叩き、スコアメイクに苦しみました。その苦しみの中で勝利を勝ち得たのはイングランドのJ・ローズF・ミケルソンは今回も後一歩で優勝に届かず、6度目の2位でした。日本勢では松山英樹が最終日に3アンダーのベストスコアをマーク。10位に入って来年の出場権を手に入れました。
さて、この全米オープン

優勝したジャスティン・ローズ!GDOより転載

優勝したジャスティン・ローズ!GDOより転載

GDOより転載。撮影はJJ田辺(いつもTwitter見てます)

GDOより転載。撮影はJJ田辺(いつもTwitter見てます)

テレビで観ていても難易度の高さが伝わってきます。狭められたフェアウェイ、いくつもの種類の芝が交じり合ったラフ、傾斜の激しい高速グリーン。下りは触っただけでもグリーンから出てしまうほど。上りと下りの速さがあまりにも違います。131個のバンカーは配置が絶妙で、視覚的なプレッシャーだけでなくミスショットを容赦なく待ち受けていました。今年も世界最難関のセッティングに仕上げられてましたが、USGAはもうひとつプレーヤーに罠を仕掛けているような気がしました。
メリオンはパー70で設定されていますが、500ヤードを越えるパー4が2つあります。通常500ヤードを越えてくればパー5なのですが、それをわざとパー4にしています。ツアープロの飛距離ならば2オン可能とはいえ、これはかなり厳しい設定です。特に18番は521ヤードでパー5。ティショットを300ヤード飛ばしても、2打目で221ヤードも残ります(ピン位置によって距離は前後します)。恐らく、米ツアーでもこんなタフなパー設定は少ないはずです。
そこにUSGAの作為というか罠というのを強く感じます。

course

全米オープン会場のメリオンのヤーデージ

521ヤードでパー5
521ヤードでパー4

どちらも距離は同じですが、プレーヤーが感じる難易度はガラッと変ります。パー5ならばやさしいホールになりますが、パー4ならば数字を見ただけで難しいホールです。ティグラウンドに上がればその差は歴然です。全米オープン史上3番目に長いパー4。ティグラウンドに上がればグリーンははるか彼方。パー5であればティショットの距離にこだわらなくても良いですが、パー4となれば、ツアープロであっても1ヤードでも遠くに飛ばしたくなるもの。パー4だと最初から3オンを狙う選択肢を持ちづらいからです。言い換えると、パー4になった途端、ツアープロであっても2オンの呪縛、2オンの呪いが無意識に掛かっているような気がしてなりません。

そして2オンが前提になればティショットを1ヤードでも遠くに飛ばしたくなり、それが無意識の力みにつながる‥‥パーの設定が5であればこんな素人じみた仮説は成り立ちませんが、パー4の設定ならばこの仮説はかなりの信憑性があるのではないでしょうか。

メリオンの18番521ヤードのPAR4 最終日のアベレージスコアは4.68

メリオンの18番521ヤードのPAR4 最終日のアベレージスコアは4.68

ちなみに、国内ツアーでもダンロップフェニックスの10番はパー5からパー4になってからの方が選手がスコアメイクに苦労しています。500ヤードちょっとのパー5の時よりも475ヤードのパー4になってからの方が、平均スコアが悪くなっている年もあるのです。実際、フェニックスに出場した選手に聞いてみても‥‥パー4になった途端、ティショットをミスしても強引に2オンを狙ってしまう、1ヤードでもグリーンに近づけたくなると言ってました。
ゴルフは自然との闘い、コースとの闘いと言われています。実際、全米オープンを観ているとその感じがテレビ画面からでもひしひしと伝わってきますが、同時に、プレーヤーはスコアカードに書かれたパーの数字とも闘っている気がしてなりません。目の前の1打に集中すればいいとは分かっていても、「パーで上がりたい」「ボギーを叩きたくない」ということも同時に考えながらプレーしているような気がしてなりません。

解説の丸山プロは「このコースはボギーが出るのはしょうがないから、1つでも2つでもバーディーを取っておきたい」と言ってましたが、まさに、これがプロの本音でしょう。自分でスコアを設定しなくてはプレーの戦略を立てられないのがゴルフですが、設定した瞬間、プレーヤーは自分の設定したスコアに縛られてしまう‥‥「パーで上がらなくてはならない」と思った瞬間、プロであってもスコアカードの数字と闘うことになるのです。

メンタルコーチのP.ニールソンは54ビジョンというのを提唱しています。すべてのホールをバーディで上がりましょうという考え方ですが、逆の考え方をするならば45ビジョンもありでしょう。すべてのホールでボギーがパーという仮説を立てて、すべてのホールをバーディ-(本当はパー)を狙う。全ホールでバーディーを取れば36になるという考え方です。

36を目標して36を出すのがやさしいのか?
それとも45を目標にして36を出すのがやさしいのか?

ゴルファーのタイプによっても異なると思いますが、後者の方がスコアカードの呪いにかかりづらいような気がします。次のラウンドではパー45に設定して、一体いくつバーディーが取れるのか、一体いくつイーグルが捕れるのかを試してみたいと思います~。

 

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PS.クラブが合っているかどうかを知るには、クラブのスペック計測は必要不可欠。アナライズのクラブ診断、マーク金井のクラブ&スイング診断では、現在使っているクラブを計測してからクラブ選びをアドバイスしています~。