マーク金井blog

2013年05月03日弾道調整機能付きドライバーの賢い使い方とは!?

ゴルフクラブは年々進化してますが、あれよあれよという間に広まったのがカチャカチャ式ドライバーでしょう。ネジをカチャカチャするだけでヘッドとシャフトを簡単に脱着できる便利さ、そしてヘッドのスペックを可変できるのが魅力です。多くのメーカーはヘッドスペックを可変させること(カチャカチャすることで)、弾道をドラスティックに変えられるとアピールしています。

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さて、このカチャカチャ式ドライバー。マーク金井は現在、テーラーメイドのR1、グローレ、キャロウェイのXホット、コブラのAPM、ピンのG25、タイトリストの913FD、そしてヨネックスのi-EZONEを所有しています。それぞれスリーブの形、スリーブの角度は違っていますが、いずれも共通しているのはネジでシャフトを固定していること。そして、シャフトの装着方向を変えることでヘッドスペックを変えていきます。

例えば、ノーマルポジションからシャフトを180度回転させて再装着すると、ライ角がアップライトになります。これはスリーブがくの時に曲がっているからなせる技。180度回転させることでシャフトの角度が垂直方向に傾くからアップライトになるのです。

ロフト変更、フェース向き変更も同じ原理。例えば、テーラーメイドのR1。ロフトが8~12度に変更できると謳ってますが。これもシャフト(スリーブ)の装着方向を変えることで調整しています。ロフトを8度に減らす時はシャフト(スリーブ)を自分から見て時計回りに90度回転させます。これによりシャフトを右に傾けて装着した状態になり、リアルロフトが2度減ります。対してロフトを12度に増やす時はシャフト(スリーブ)を自分から見て反時計回りに90度回転させます。これによりシャフトを左に傾けて装着した状態になり、リアルロフトが2度増えてきます。要するに、シャフトを装着する角度を意図的に変えることでリアルロフトを減らしたり増やしたりしているわけです。

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テーラーメイドR1のスリーブ。ロフトが表示してある

わざわざリアルロフトと書いたのには理由があります。テーラーメイドに限らず、ロフトを増減できることをアピールしているメーカーは数多くありますが、カチャカチャ式の場合、ソールに対してロフト角が変るわけではありません。8度に調整しても、12度に調整してもソールに対してロフトが減ったり増えたりしません。

じゃあなんでロフトが増減するのか?

シャフトが左右に傾くように装着すると、シャフトの軸線に対してロフトが変るからです。例えば、シャフトが右に傾くように装着した場合、リアルロフトを測る時、まずシャフトを地面と垂直に戻します。シャフトを地面に垂直に戻した時、戻した分だけフェースが下を向くのでロフトが減ってくるのです。逆もしかり。シャフトが左に傾くように装着した場合、リアルロフトを測る時、まずシャフトを地面と垂直に戻します。シャフトを地面と垂直に戻した時、戻した分だけフェースが上を向くのでロフトが増えてくるのです。言い換えると、インパクトではシャフトを垂直に戻して打つというのが大前提としてあるわけです。シャフトの装着角度が変っても、インパクトではシャフトを地面と垂直に戻す。これがちゃんと出来ていないと、カチャカチャしてもロフト通りにボールを飛ばすことができないのです。

今週発売のゴルフTODAYにもカチャカチャ式ドライバーの特集記事がありましたが、そこでも‥‥

5月2日発売のゴルフトゥディ誌

5月2日発売のゴルフトゥディ誌

カチャカチャしたらスイングを変えないで下さい
フェースの向きを変えたら、
それをスクエアに見えるように自分で調整しないで下さい

と注意書きがありました。まったくその通りなのですが、困ったことに人間には調整機能があります。シャフトを右から装着した時と、シャフトを左から装着した時とでは、クラブはまったく別物になります。普段、シャフトを右から装着されたドライバーを使っている人にとっては、シャフトが左から装着された状態(ロフトを増やした状態)はもの凄く構えづらくなります。シャフトが左から装着したクラブを構えようとするとフェースが被って見えてしまうからです。逆に、普段、シャフトが左から装着されたドライバーを使っている人の場合、シャフトを右から装着された状態(ロフトを減らした状態)はもの凄く構えづらくなります。シャフトが右から装着されたクラブを構えようとするとフェースが開いてみえてしまうからです。

たかがシャフトの装着角度と思うかも知れませんが、人間のセンサーは非常に敏感です。シャフトの装着角度が1度ぐらい変っただけで、「あれっ、何かが違う」という感じになり、いつもと同じスイングをしづらくなるんです。

では、カチャカチャ式ドライバーはどんな風に使えばいいのか?

基本はカチャカチャさせないことです(笑)マーク金井は基本、ライ角度をアップライト方向に調整させているだけ。理由は単純、カチャカチャできないドライバーの時もリシャフト時にはアップライト方向に調整して使っているからです。シャフトの装着角度というのはスイングに少なからず影響を与えるので、理想は自分がスイングしやすい、今までと同じような角度にシャフトを装着することをお勧めします。もしくは、捕まり具合を調整するためにカチャカチャさせて下さい。テーラーメイドのR1やコブラAPMはロフトを変えられると謳ってますが、ロフトを減らせばフェースは右を向き、ロフトを増やせばフェースは左を向きます。なので、ノーマルよりもボールを捕まえたいならばシャフトが左から装着された状態に調整(ロフトを増やす方向に調整)、ノーマルよりもボールを捕まえたくないならばシャフトが右から装着された状態に調整(ロフトを減らす方向に調整)して使いましょう。この方がスイングに違和感が出にくいし、イメージ通りの弾道を打ちやすくなります。

なので可変式ドライバーの場合、テーラメイドコブラよりもキャロウェイの方がユーザーに親切なアナウンスをしているとボクは思います。
んじゃ(▼▼)b

キャロウェイのX-HOTドライバー。Cの表記はフェースが、クローズになるという意味

キャロウェイのX-HOTドライバー。Cの表記はフェースが、クローズになるという意味

PS.カチャカチャ式ドライバーの最大の魅力はシャフト交換が簡単なこと。アナライズではテーラーメイド、タイトリスト用カートリッジが付いたオリジナルシャフトも販売してます~。

 


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