マーク金井blog

2013年07月18日ドライバーの表示ロフトとリアルロフトのギャップが生じる理由とは‥‥

昨日のブログでも書きましたが、市販ドライバーの多くは表示ロフトとリアルロフト(実測ロフト)との間に少なからずギャップがあります。10.5度と表示してあってもリアルロフトが10度以下だったり、12度以上あったりすることが珍しくありません。表示ロフトはリアルロフトと一致しないというのがゴルフ業界の常識になっています。

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表示ロフト9.5度のクラブのリアルロフトを計測してみると??

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では、なぜ表示ロフトとリアルロフトにギャップがあるのか? クラブメーカーはわざわざ面倒臭いことをやってしまうのか? 理由は3つ考えられます。

製造個体差
フェース角
ユーザーのニーズに対応

「製造個体差」

これはもう読んで字のごとく。ゴルフクラブは大量生産されるために製造誤差があります。誤差が大きいモノは不良品として処分されますが、メーカーが定める基準値内ならば適合品として市販されます。メーカーによっても基準値が異なりますが、大体±0.5~1度の範囲が基準値。例えば、表示ロフトとリアルロフトが同じ場合でも、製造誤差があると9.5度から11.5度が市場に流通します。製造誤差があることをカタログに明記しているメーカもありますが、製造誤差について一切コメントしていないメーカーもあります。

「フェース角」

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リアルロフト(実測ロフト)はフェース角をスクエアにしてから計測します。このため、フックフェースに作られたドライバーはリアルロフトが増え、オープンフェースに作られたドライバーはリアルロフトが減ります。SWでフェースを開いたり閉じたりするとそのメカニズムが分かります。フェースを開けばロフトが増え、フェースを閉じればロフトが減ります。

ドライバーも同じで、フェースが閉じている(フックフェース)のドライバーの場合、スクエアに戻すためにフェースを開きます。結果、リアルロフトが増えるのです。フェース角が1度フックの場合、リアルロフトが0.5~1度ぐらい増えてきます。対して、フェース角が1度オープンの場合、リアルロフトが0.5~1度減ります。

例えば、ロフト10度の場合、

フェース角が+1.5度だとリアルロフトは11~11.5度
フェース角が-1.5度だとリアルロフトは8.5~9度

という感じです。アベレージ向けドライバーの多くは捕まりを向上させるためにフックフェースに作られていることが多いので、必然的にリアルロフトが多めになってきます。対して、プロ、アスリート向けドライバーの多くは左に行きづらくするためにオープンフェースに作られていることが多いので、必然的にリアルロフトが減ってきます。結果、どちらの場合でも表示ロフトとリアルロフトのギャップが生じてくるのです。アベレージ向けドライバーはボールが上りやすいですが、それはフックフェースによるロフトの増加が影響しています。対してアスリート向けドライバーはオープンフェースによるロフトの現象が影響しています。

「ユーザーニーズに対応」

ヘッドスピードが36~42m/sぐらいのアマチュアの場合、ドライバーのロフトは11~13度ぐらいあった方が、最適弾道が打ちやすく、効率良く飛距離を稼げます。しかしながらユーザーの多くは11度以上のロフトを購入するのを毛嫌いする傾向があります。実際、11度以上のロフトのドライバーは人気がありません。かつて、ダンロップは「ゼクシオセブンティーン」(表示17度)というドライバーを発売しましたが、まったくもって売れませんでした。ゴルファーの見栄を満たすために、ゴルファーが飛ぶドライバーを買いやすくするために、クラブメーカーは表示ロフトとリアルロフトの間にギャップが大きいドライバーを作っている可能性が高いです。

しかしながら、2013年モデルに関して言うとリアルロフトが多いドライバーが減っています。特に大手メーカーのドライバーを見ていると、10.5度表示でリアルロフトが10.5~11.5度ぐらいのモデルがかなり増えてきました。ゴルフ雑誌がリアルロフトを公表しているのが影響しているのかどうか分かりませんが、ロフトに関しては表示とリアルの差が意図的に減っているような感じがします。

たかがロフト、されどロフト。

テーラーメイドの広告ではありませんが、ロフトを間違っていると最適弾道が打ちづらくなり、クラブの性能を100%引き出せません。ちなみにマーク金井の場合、ドライバーのリアルロフトは10.5度前後。飛びに最適なロフトよりも1度弱少ないですが、それには理由があります。1度弱減らす理由については、まだどこかでじっくり説明しましょう~。

(▼▼)b
PS.ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして正しいハンドアクシンを会得できるからです~。

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