マーク金井blog

2014年04月13日長尺パターが高速グリーンに有利なのには圧倒的な理由がある!!

マスターズは昨日予選ラウンドが終わりました。このブログがアップされる頃には3目の順位も出ているかと思いますが、2日目終了時点での首位は、レフティのB.ワトソン。昨年の覇者、A.スコットは前半のアウトで3ボギーと崩れましたが、後半のインでは3バーディーと盛り返し、4打差の3位タイといいポジションにつけています。

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写真はGDOより転載

そして、大ベテランのF.カプルスも2アンダーで7位タイと大健闘しつつも、優勝候補であるF.ミケルソンは予選落ち。マーク金井は1993年にマスターズを現地取材しましたが、優勝したのはドイツのB.ランがー。当時、ミケルソンはアリゾナ州立大学の大学生で、アマチュア資格で参加してたのを記憶しています。

さて、今日のエントリーは長尺パターについて。優勝争いの中で、A.スコットは長尺パターを使っていますが、オーガスタのコースと長尺パターは相性がすこぶるいいです。オーガスタは「ガラスのグリーン」と呼ばれているように、ものすごくグリーンが速いのが特徴ですが、グリーンが速くなるほど長尺パターはメリットがあるからです。例えば、もしオーガスタがバリバリの高麗グリーンだったならば、長尺パターのメリットはかなり薄れてしまいます。

では、なぜ長尺パターは超高速グリーンと相性がいいのか?

遅いグリーンというのは、ボールを転がす時に大きなエネルギーが必要です。グリーンが遅くなるほど芝の抵抗を受けながら転がるからです。対して、グリーンが速くなるほど、ボールを転がす時に大きなエネルギーは必要ありません。芝の抵抗が少ないからです。そして、速いグリーンになるほど微妙なタッチが求められます。ちょっと強く打ったりしたら3メートル以上オーバーしますし、オーガスタのように傾斜の強いグリーンでは、距離感を少し間違えただけでボールはグリーンに外にこぼれ出てしまうからです。また、ショートパットにおいてはインパクトでパンチが入ったり緩んだりしやすくなるので、1mでも油断ができません。オーガスタに限りませんが、グリーンが速くなるほどインパクトで力加減が入りづらいストロークの技術が求められます。

そして、ショートパットを打つ時、

インパクトで力加減が一番入りづらいのが長尺パターです。

長尺パターは長さが44〜48インチと非常に長く、長さに目を奪われがちですが、ヘッドもパター全体も非常に重くなっています。このためクラブ全体の慣性モーメント(MOI)が非常に大きい。結果、テークバックをするには大きなエネルギーが必要ですが、いったんテークバックが始まれば後はパターが勝手に動きます。加えて、グリップエンドを固定することで、オートマチックに振り子運動ができます。パッティングはメンタルな要素が大きいですが、通常の長さのパターよりも長尺パターの方がプレッシャーがかかった場面でも、パターが変な動きをしづらい分だけ、普通の長さのパターよりもストロークが安定し、距離感、方向性が良いパットが打てます。

加えて、長尺パターはヘッドが大きくて、重い。

A.スコットが使っているパターはS.キャメロンの「フーチュラXプロトタイプ」。ヘッドはネオマレット型パターよりも巨大で、ヘッド重量も20g以上重くなっています。結果、ヘッドの慣性モーメントも巨大です。

ヘッドの慣性モーメントが大きいほどミスヒットした時(芯を外した時)、ヘッドがブレません。ヘッドがぶれにくくなる分だけ、方向性と距離感が安定します。パターはヘッドスピードが非常に遅いショットですが、高速度カメラで撮影すると、トウやヒール側に打点がズレると、ヘッドがグリッと回転し、ボールは真っ直ぐ転がりづらくなります。それが、長尺パターの場合は、ヘッドの大きさとヘッドの重さで、ミスがミスにならないような性能を持っているのです。

高反発規制
クラブの長さ規制(48インチ以内)
本数制限規制
慣性モーメントの数値規制
ボールの初速制限規制

ゴルフでは用具(クラブ、ボール、ティ)に関する規制がありますが、規制される項目というのは、明らかに性能に影響が及ぼされる要素。長尺パターは見た目にカッコ悪いということもあってアマチュアの間では普及してませんが、こと性能に関しては通常の長さよりも明らかにカップインの確率が上がるファクター(要素)があることが物理的に確認できています。なので、ルールでアンカーリングが禁止され、その結果として長尺パターが使えなくなることは致し方ないと思います。

ショートパットを苦手にしているならば、普通のパターでもヘッドだけでなく、パター全体が重い(クラブMOIが大きい)方がインパクトで余計な細工が入りません。マーク金井はナチュラルパターを設計しましたが、これはハンドファーストに打ちやすく、そして手元側(グリップ重量135g)を重くすることでクラブMOIを上げています。高速グリーンで3パットが多い人、ショートパットがスムーズに打てない人は、普通の長さでも、総重量が重いパターを使った方が道具でミスを減らせるでしょう〜。

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グリップ側を重くするには、中尺用グリップを装着するのもいいですが、シャフトスタビライザーをつかえばクラブMOIがあがりますよ

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