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フッカーはトルクが多め、スライサーはトルクが少なめのシャフトと相性がいい!!

トルクとはシャフトが捩れる度合いを数値化したもので、例えば、3.0と5.0を比較すると‥‥5.0の方が捩れやすい(トルクが多い)シャフトとなります。ちなみに、数字で表記されるのは、トルクを計測する時、ある一定の負荷をかけた時にシャフトが何度捩れるかを計測しているからです。

昔はトルクが少ない方が飛ぶと言われたり、トルクが少ない方がいいシャフト(高価なシャフト)だと言われてました。捩れない方がエネルギーロスが少ない。だから飛ぶと言われたのでしょう。また、20年以上前は、低トルクのシャフトを作るのには非常にコストがかかり、それが価格に影響を及ぼしていたからです。

その一方で、最近のドライバーはトルクが多めのシャフトが装着されるケースが増えてきました。メーカーのカタログを見ると、平気でトルク5度以上のシャフトが装着されていたりします。メーカーもゴルファーもトルクに対する考え方が変わってきたのでしょう。

さて、このトルク。トルクが「多い、少ない」は何に影響を及ぼすかと言うと、フレックス(硬さ)と捕まり具合に影響が少なからず出ます。

例えば、同じ振動数のシャフトが2本あり、1本はトルクが3.0。もう1本はトルクが5.0あるとしましょう。この2本のシャフトを振り比べると、ほとんどのゴルファーは後者(トルク5.0)の方が軟らかく感じます。トルクが大きいほど、スイング中にシャフトが捩れやすくなりますが、その捻れをゴルファーは「軟らかさ」と勘違いしてしまうからです。例えば、三菱レーヨンの青マナ。このシャフトは振動数が硬めですが、実際にスイングすると振動数ほど硬く感じません。これもトルクが少し多めに設定されているからです。

また、トルクというのはクルマに例えると、ハンドルの遊びのようなモノです。遊びが少ないハンドル(トルクが少ない)よりも、遊びが多いハンドル(トルクが多い)の方がシャープさに欠ける反面、ミスに対する許容度が大きい。これも軟らかさに影響が出ていると思われます。

次に、捕まりに関しては、トルクが大きいほどダウンからインパクトにかけてフェースが開きやすくなります。ゴルフクラブ、特にドライバーはシャフトの延長線上に重心がありません。シャフトよりも後ろ側に重心があるため、スイングする時はシャフトはフェースが開く方向に捩れやすくなります。このため、トルクが多いシャフトほどインパクトでフェースが開きやすく(フェースが被りづらく)なります。他方、トルクが少ないほど、シャフトが捻れにくい分だけフェースが開きづらく(フェースが被りやすく)なります。言い換えると、インサイドからあおるフッカーの場合、低トルクよりも高トルクの方が、フェースが被りづらい分だけ左のミスを軽減できます。逆もしかり。スライサーの場合は、トルクが少ない方がスイング中にフェースが開きづらい分だけ右へのミスを軽減できます。

ちょっと専門的になりますが、ヘッドスピードが速くてチーピンやフックに悩む人の場合でしたら、フレックス(振動数)は高めで、トルクが多めのシャフトがお勧め。こういうシャフトを選ぶと、ミスした時(インから煽った時)でも左のミスを軽減できます。逆に、スライサーでヘッドスピードが遅めの人ならば、フレックス(振動数)は低めで、トルクが少ないシャフトがお勧め。こういうシャフトを選ぶと、ミスした時にコスリ球が出づらくなります。かつては「硬い=低トルク」「軟らかい=高トルク」というシャフトしかありませんでしたが、今は違います。設計&製造技術の進化により、硬くてもトルク感があるシャフトもあれば、女性用のフレックス(硬さ)なのに、トルクが非常に少ないシャフトも市販されています。

また、前述したようにトルクはハンドルの遊びのようなもの。スイング軌道が不安定な人や、トップでクラブが暴れやすい人の場合、トルクが多い方が、クラブの軌道が安定しますし、ミート率も良くなります。これはスノボの板や靴と同じで、トルクが多い方が反応が鈍い分だけ(自分の意志が伝わりづらい分だけ)、ミスを道具(クラブ)がカバーしてくれます。スイングが不安定ならば、トルクは多めの方が振りやすく感じますし、スイングにも好影響が出ます。矛盾するかも知れませんが、初心者でスライスに悩んでいる場青は、トルクは多めをお勧めします。シャフトのトルク(ねじれ)を利用した方が、ヘッドを返す感じをつかみやすいからです。

他方、操作性を求めるならば、トルクが少ない方がいい。トルクが少ない方が自分の意志がヘッドに伝わりやすく、ドロー、フェードを打ち分けやすくなってきます。ただし、トルクが少ないほど、悪い動きもそのまま道具(クラブ)にダイレクトに伝わってしまい、ミスが助長される危険性が高まります。

ちなみに、シャフトに表記されているトルク値には統一基準がありません。メーカー側が独自に計測しているので、単に数値を比較するのは危険です。捩れる度合いについては、自分で計測しましょう。右手でヘッドを持ち、左手でグリップを持ったら、そこから「ぞうきんを絞るように」グイッとねじってみて下さい。トルクが少ないシャフトはほとんど捩れませんし、トルクが多いシャフトはグニャリと捩れます。ボクは、この方法でトルク値を探っています。かなり原始的な方法ですが、これでチェックすると、まず間違いが生じません(笑)


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