マーク金井blog

カテゴリー: シャフト情報

2013年07月02日スイングが良くなるシャフト選びの極意とは!?

先週のミズノオープンはロングヒッターのB・ジョーンズが逃げ切り優勝。最終ラウンドも「68」とスコアを伸ばし、通算19アンダーとして2位のキム・キョンテ(韓国)に3ストローク差をつけました。これで日本ツアー通算13勝目となり、外国人選手としての生涯獲得賞金もD・イシイを抜いてナンバーワンにもなりました。

BJはツアーでも人気 GDOより転載

BJはツアーでも人気 GDOより転載

上位4選手に7月の「全英オープン」の出場資格を付与する今大会は、ジョーンズ、キムのほか通算13アンダーの3位に入った井上信、11アンダー4位タイの片山晋呉が全英切符を獲得(同じく4位タイで並んだ平塚哲二は片山に世界ランクで劣り、権利獲得ならず)。また、シーズン初戦の「タイランドオープン」から今大会までの賞金ランキング(海外メジャーを除く)で有資格者を除く上位2人、小平智キム・ヒョンソン(韓国)も出場権を手にしています。

日本勢では昨年度「日本オープン」覇者である久保谷健一、昨季賞金ランキング上位2名の藤田寛之谷口徹のほか、2月にタイで行われたアジア地区予選を突破した松山英樹丸山大輔が既に出場資格を得ています。
テレビ観戦していたマーク金井が注目したのはブレンダンのドライバーに装着されていたシャフト。GDOに紹介されている彼のドライバー用シャフトはグラファイトデザインのツアーAD、DI-7でしたが、テレビ画面から映し出されたシャフトはまったく別物。フジクラのランバックス タイプSでした。ノリタケの陶器のようなデザインの白いシャフトで、彼は300ヤード越えのドライバーショットを放っていました。

FUJIKURAのランバックスType S ツアーでも人気のようだ

FUJIKURAのランバックスType S ツアーでも人気のようだ

ツアープロの場合、シーズン中にクラブを取り換えることは滅多にありませんが、シャフトを取り換えることは珍しくありません。ある選手が新しいシャフトで飛距離が伸びようものなら、次の大会ではそのシャフトを試す選手がゾロゾロ出てきます。シャフトとパターについては、抵抗感なく新しいモノを試すツアープロが多いようです。
さて、このドライバー用のシャフト。
ツアープロの場合、リシャフトしたドライバーは実際にコースで打ってみて「合う、合わない」をジャッジします。フィーリングが良くて、タイミングが合えばそのまま新しいシャフトを試合でも使います。弾道チェックももちろんしてます。対して、コースで打ってみてフィーリングが合わない、タイミングが取りづらい、イメージと実際の弾道が合わなければ‥‥すぐに元のシャフトに戻します。合わないシャフトを我慢して長く使い続ける選手はまずいません。
では、アマチュアの場合はどうか?

アマチュアの場合も、多くの人は「自分に合った」シャフトを求めてリシャフトしています。アナライズではシャフト診断を実施してますが、診断を受けられるほぼ100%の人が、「自分に合ったシャフトが分からない」「自分に合ったシャフトを教えてほしい」とマーク金井に聞いてきます。
にも関わらず、マーク金井は「そもそも自分に合ったシャフトなんてないんですよ」と期待を裏切るようなことをサラッと言ってのけてしまいます。もちろん、出鼻をくじくようなことを平然と言ってしまうのにはちゃんとした理由はあります。自分に合ったシャフトを選んでも得るものが少なく、失うものが多いからです。

例えば、長年先調子のシャフトを使っているゴルファーがいたとしましょう。

手元が硬く、先がしなる先調子になれている人にとっては、先調子のシャフトを試しても違和感がありません。タイミングが取りやすいシャフトになります。対して、手元がしなる手元調子のシャフトを振ると‥‥ものすごく違和感があってタイミングが取りづらい。また、先調子に比べると手元調子のシャフトは切り返しでシャフトの手元側がグニャリとしなるため、フィーリングも良くありません。「手元が頼りなくて気持ち悪い」「なんかいつもと違う」ので、自分に合っていないとジャッジしてしまうのです。

要するに、アマチュアの大半は
「慣れている=自分に合っている」

図式が出来上がっている。ですので、良い悪いに関係なく長年使っているシャフトというのが、その人にとって「自分に合ったシャフト」になってしまうのです。例えば、先調子を長年使っている人ならば、それに近いシャフトを勧めておけば「合ってる」と感じ、高い評価を下します。長年使っているシャフトと同じ感じで、それよりもちょっと軽い(重い)とか、それよりもちょっと軟らかい(硬い)とかを勧めると、「これ打ちやすくていいね~」なんてことになるのです。

ゴルフショップならばこれはこれでアリです。お客様が求めるモノを提供することは商売として正しいと思います。しかしマーク金井はシャフトを売るために高いお金をいただいて診断しているわけではありません。シャフト診断では、シャフトがスイングに与える影響はどんなモノなのか、そしてシャフトを変えるとスイングがどんな風に変るのかを、言葉だけでなく実際にシャフトを打ち比べることで体感してもらってます。具体的に言うと、自分に合ったシャフトだけでなく、わざと自分に合わないシャフトを打ってもらります。「なんだこりゃ!!」ってぐらい軟らかいシャフトを打ってもらいますし、普段使っているシャフトよりも重い(軽い)シャフト、普段使っているシャフトよりも硬い(軟らかい)シャフトも打ってもらいます。普段とは違うシャフトを打つことで、シャフトがスイングに及ぼす影響がいかに大きいかを体験してもらいます。

もちろん体験するだけではありません。シャフトが異なるとスイングがどんな風に変るのかをビデオに収め、シャフトでスイングが変ることを自分の目で確かめてもらっています。
おーっと、撮影の時間になっちゃいました。
この続きは明日アップします~(▼▼)

PS.1年かけて開発した50g台のドライバー用シャフトが完成しました。硬さは1種類ですが、弾き系と粘り系の2種類ラインアップ。対象ヘッドスピードは36~43m/s。スイングが劇的に良くなるシャフトで、スイングが良くなることで飛距離が伸びるシャフトです~。


2013年06月25日プロはなぜシャフトにわざわざ鉛を貼るのか!?

月刊ゴルフダイジェストワッグル、そしてゴルフクラシック‥‥毎月21日には月刊ゴルフ雑誌が出ますが、今月の注目雑誌はゴルフクラシック

ゴルフクラシック8月号~

ゴルフクラシック8月号~

マーク金井はスペックおたくな人間ですが、そのきっかけを作ってくれたのが何を隠そうゴルフクラシック。同誌は1995年からドライバーの重心位置を計測しています。重心距離、重心深度、重心アングル(重心角)、リアルロフト‥‥これらの具体的な数値をゴルファーに伝えると同時に、ゴルフクラブの目利きも教えてくれています。ちなみに1995年のドライバーヘッドの平均体積は230.2CC、2013年の平均体積は448.3CC。この19年間でドライバーの大きさは約2倍になりました。

これはぜひとも電子書籍化してほしい~

これはぜひとも電子書籍化してほしい~

今年も98機種のドライバーヘッドの数値が紹介されていますが、マーク金井が注目したのがプロのドライバーセッティング。藤本佳則プロと青山加織プロはシャフトの手元側にベタッと鉛を貼り付けています。これはジャンボ尾崎プロもよくやる重量調整法で、シャフトの手元側に鉛を貼ると‥‥

藤本プロのシャフトには、ご覧のとおりグリップ側に鉛が

藤本プロのシャフトには、ご覧のとおりグリップ側に鉛が

総重量を重くできる

重くしてもバランスがほとんど変らない

という効果が得られます。総重量を重くするには重いシャフトを装着する方が全体のバランスが良くなりますが、プロや上級者の間では、シャフトの重量バリエーションが増えた今でも、相変わらずシャフトに5~10gほどの鉛をペタペタ貼り付けている人が少なくありません。シャフト交換に比べれば、鉛を貼った方が簡単に重量を微調整できるからでしょう。加えて、シャフトに鉛を貼るのが癖になってしますと、ある種のおまじない的な要素があるのかも知れません。

アナライズではシャフトスタビライザーを販売していますが、これも手元側の重量を重くするためのアイテム。手元側の重量を重くすると。カウンター効果でヘッドが軽く感じるだけでなく、実はダウンスイングにも好影響が出ます。
手元側が重くなると、ダウンで手元が浮きづらくなり、シャフトが寝たり、左手が浮いたりするのを防止できます。クラブをプレーンに沿って振り下ろしやすくなり、チーピンや引っかけを防止できるのです。

このウエイトをグリップの中に入れます!!ミート率アップ!

このウエイトをグリップの中に入れます!!ミート率アップ! 写真は一番人気のAMT for WOODS

シャフトに貼る鉛もしかり。5~10gの鉛をシャフトの手元側に貼ると、貼らない時に比べると手元側の重量が少し増してきます。結果、総重量が増すだけではなく、ダウンスイングで手の軌道を安定させる効果も得られます。青山加織プロも‥‥

最終的な微調整は鉛をはるようにしています。グリップの下にはっているのは総重量を少し重くして、スイングの再現性を高めたかったから。ヘッドのヒール側は、気持ボールをつかまえたかったので自分ではりました。

ゴルフクラシック 2013年8月号より引用)
鉛の良さは貼りやすさに加え、ハサミでチョキチョキ切れば重さを微調整できます。貼って気に入らなければ剥がせば元に戻せます。かなり原始的でアナログな方法なんですが、ユーザビリティが良くてチューニング効果も期待できる。クラブの重量調整には非常に使い勝手が良く、そしてスイングにも好影響が出るのです。

ゴルフクラブのチューニングで鉛を貼るのは定番中の定番です。しかし何故か、シャフトに貼るためだけに作られた鉛は今までありませんでした。マーク金井はダイワの鉛を長年使ってましたが(これはヘッドだけでなく、シャフトにも貼りやすい)、これは5年以上前に製造中止しています。ダイワにも製造再開をリクエストしましたが、今のところ販売再開の目処は立っていません。

そんなわけでマーク金井が設計監修して作ったのがこれっ!!

タバタより発売されたシャフト用鉛!

タバタより発売されたシャフト用鉛!

ダイワの鉛は非常に馴染みやすいのが特徴ですが、このシャフト専用鉛も素材にこだわって作りました。一般的に流通している圧延の鉛と違い、この鉛は独特な製法で作られています。ダイワの鉛同様、表面がザラザラしていますが、マーク金井はこのザラザラ具合にもこだわって試作を重ねて、市販化しました。

シャフト専用鉛って謳ってますが、もちろんヘッドにも貼れます(笑)。すでにヘビーユーザーからは「ヘッドにも貼りやすい」という声も多数いただいております。

たかが鉛、されど鉛。

クラブがちょっと軽いなと感じているならば、シャフトの手元側にペタッと鉛を貼ってみてはいかがでしょうか? チーピンや引っかけ、ダウンでシャフトが寝るを抑えたいならばシャフトスタビライザーを試してみて下さい。手元側の重量が増すと、スイングの安定感が増すのをきっと体感できるでしょう~(▼▼)b

PS.シャフト専用鉛は大手ゴルフショップで購入できます。もちろん、アナライズでも販売中~。シャフトスタビライザーもこちらから購入できます~。


2013年05月16日シャフトの調子と硬さの微妙な関係について考察してみた‥‥

今日もシャフトの硬さについてです。

振動数計

シャフトの硬さの指標の一つ、振動数を測る振動数計

アナライズではウッド用、ユーリティ用、アイアン用のオリジナルシャフトを作っていますが、硬さ表記にRとかSを用いていません。このブログで書いてきたように、クラブメーカーの多くは、RとかSというが独自規格で設定。絶対値ではなく相対値としてのまかり通るようになったからです。アナライズの場合、硬さについては普通がノーマル、硬い方が+(プラス)というジャンル分けをしています。RとかSとかの表記に慣れた人にはちょっと分かりづらいですが、ユーザーに勘違いしてほしくないので、こんな風に表記しました。普通の硬さでいいならノーマル、ちょっと硬めを使いたいならば+をお勧めしています。

さて、今日のテーマは調子(キックポイント)と硬さの関係についてです。クラブメーカ-の純正シャフト、シャフトメーカーが売り出すアフターマーケット用のシャフトとも、シャフトには必ずといっていいほど調子(キックポイント)が表記されています。調子(キックポイント)は4つにジャンル分けされ、

 

手元調子‥‥  手元側のしなりを感じやすいシャフト
中調子‥‥‥  中間部分のしなりを感じやすいシャフト
先調子‥‥‥  先端側のしなりを感じやすいシャフト
ダブルキック  手元と先端の2ヶ所のしなりを感じやすいシャフト
という風になっています。要するに、スイングした時にどこがしなりやすいかで調子(キックポイント)が決まるわけです。ちなみに、硬さ同様、調子(キックポイント)もゴルフ業界での統一基準は特にありません。メーカーが「これは中調子」と決めれば、それがカタログ表記されています。なので、マーク金井はシャフトを試打する時、実際にスイングした時、メーカー表記を鵜呑みにしないで、「どこがしなりやすいのか」にこだわって試打しています。そして、同時に硬さの違いについてチェックします。

シャフトは振動数が同じでも調子(キックポイント)が異なると、ゴルファーが感じる硬さが変ってくるからです。例えば、手元調子と先調子を同じ振動数でシャフトを設計した場合、ほとんどのゴルファーは手元調子の方が硬く感じ、先調子の方が軟らかく感じます。何故かと言うと、手元調子の場合、先調子のシャフトよりもシャフトの中間部分、先端部分が硬く仕上がっているからです。
例えば、一昨日のブログで紹介したヨネックスのレクシスNPシリーズ。このシャフトは同じ重量帯で先調子(L)、中調子(M)、手元先調子(H)の3種類がラインアップされています。この3本の振動数を調べてみると‥‥
L(先調子)   256cpm
M(中調子)   255cpm
H(手元調子)  259cpm

ヨネックスのレクシスL65(先調子)M65(中調子)H65(手元調子)とキックポイント別に販売されている

ヨネックスのレクシスL65(先調子)M65(中調子)H65(手元調子)とキックポイント別に販売されている

振動数に大きな差はありません。3本ともほぼ同じです。ところが実際に打ち比べると、手元調子のHが一番硬く、2番目は中調子のM、そして一番軟らかいのが先調子のLです。振動数だけでシャフトのフレックス(硬さ)を管理しようとすると、硬さを同じ感じに仕上げることは出来ないのです。ちなみに、マーク金井が提案する硬さ係数(振動数×センターフレックス値)でこの3本のシャフトを調べると‥‥

 

L(先調子)  256cpm×3.89=  996
M(中調子)  255cpm×4.18= 1070
H(手元調子) 259cpm×4.69= 1214

明らかに手元調子の方が数値が高く、先調子の方が数値が低く出ます。この硬さ係数と、実際にスイングした時に感じる硬さは近いものがあります。そして、この捕まり係数の違いから分かること、調子を変えて設計する場合、意図的に手元調子は振動数を少し落とす必要があります。ここからは推察ですが、同じシャフトで調子を変える場合、手元調子は先調子よりも10cpmぐらい振動数を下げることで、硬さが同じぐらいになってくると思われます。

例えば、前述した手元調子のHの振動数を246cpmに下げて設計してみると(先調子のLよりも振動数を10下げて設計)

H(手元調子) 246cpm×4.69=1153
という数値になります。L(先調子)の数値までは下がりませんが、それでも
振動数を下げたことで硬さ係数はかなり下がります。そして付け加えるならば、
振動数を下げると、それに連動してCF値(センターフレックス値)も少し下がってきます。なので、最終的にはH(手元調子)とL(先調子)の硬さ係数はかなり近い感じになってくるでしょう。
振動数は客観的に硬さを調べることができますが、調子が硬さに及ぼす影響までは計測できません。つかまり係数についてはまだまだ研究の余地がありますが、振動数では分かりづらい「本当の硬さ」をチェックできるような気がしてます~。
んじゃ(▼▼)b
PS.アナライズオリジナルシャフトは振動数が低めですが、振るとしっかりした感じになるのは、シャフト中間部分を意図的に硬めに仕上げてあるからです。手元がしなるシャフトにこだわるのは、手元がしなった方がスイングが良くなるからです~。

 


2013年05月15日シャフトの本当の硬さを独自の方法で調べてみたら‥‥

昨日のブログでシャフトの硬さ表記について書きました。昔も現在も、ゴルフクラブの硬さ表記というのはR、SR、S、SX、Xという風に表記されています。しかし、昔と違って現在は、この硬さ表記に統一基準はありません。メーカーが独自に硬さを設定し、同じモデルで「硬い方がS、軟らかい方がR」という風にジャンル分けされています。このため、例えば同じメーカーであっても、モデルが異なると同じSでも実際の硬さは異なります。例えばダンロップの場合で言えば、ゼクシオのSとスリクソンのSを比較した場合、スリクソンのsの方が硬く作られています。ゼクシオはオジサン向けで、スリクソンはプロ、アスリート向けのブランドだからです。市販クラブの純正シャフトに関しては、硬さ表記というのは絶対値ではなく、相対値というのがゴルフ業界の常識になっています。

そして、ここからがマーク金井の完全なるおせっかいです。シャフトの硬さ表記が相対値であるならば、絶対値に近いモノを出してみたいと思うのがクラブアナリストたるもの(笑)そこで硬さの目安として導き出したのが‥‥

振動数×センターフレックス値=硬さ係数
振動数は主に手元側の硬さをチェックでき、センターフレックス値(CF値)はシャフトセンター部分(シャフト全体)の硬さを測れます。この2つの数値を掛け合わせて数字が‥‥実は、スイングをした時に感じる硬さの序列とかなり関連性があることが明らかになってきました。そこで、今回は実際に市販シャフトの数値から、硬さ係数のリアリティ度をチェックしてみました。
まずはヨネックスのレクシスNPシリーズ。このシャフトは同じ重量帯で先調子(L)、中調子(M)、手元先調子(H)の3種類がラインアップされています。この3本の硬さ係数を調べてみると‥‥

L(先調子)  256cpm×3.89= 996
M(中調子)  255cpm×4.18=1070
H(手元調子) 259cpm×4.69=1214

という感じになります。3タイプとも振動数はあまり差がありませんが、CF値はかなり違います。結果、手元調子が一番硬く、その次が中調子、そして先調子が一番軟らかいデータが出ました。実際にこの3本を打ち比べても、この数値と同じような硬さのフィーリングを得ることができます。

キックポイントだけ変えたヨネックスの

キックポイントだけ変えたヨネックスのレクシスシリーズ 赤が先調子、オレンジが中調子、ブルーが手元調子

続いて、同じシャフトで重さ違いを調べてみましょう。グラファイトデザインのツアーADのGTシリーズの60g台と70g台を比較してみると‥‥

GT-6S   257cpm×4.45=1144
GT-7S   267cpm×4.75=1268

となります。同じシャフトで同じフレックスですが、重量が10g異なると、硬さ係数が100以上変ってきます。グラファイトデザインだけではありませんが、アフターマーケット用シャフトの多くは、重くなるほどフレックスを硬くする傾向がありますね。

続いて、同じメーカーでシャフト違いを調べてみましょう。USTマミヤのアッタス参上とアッタス4Uです。どちらも60g台でSシャフトです。

アッタス3   254cpm×4.48=1138
アッタス4U  265cpm×4.69=1243

4Uの方が明らかに数値が上です。実際に打ち比べてみてもアッタス3に比べるとアッタス4Uは0.5フレックスぐらい硬く感じます。
振動数とセンターフレックス値を掛け合わせる。かなり乱暴な方法ではありますが、振動数だけでシャフトの硬さを分析するよりは、かなり実際に感じる硬さに近い感じの数値になります。ただし、硬さ係数にはトルクが含まれていません。硬さ係数の数値が同じでも、トルクが多いシャフトは(トルクが少ないシャフトに比べると)、軟らかく感じます。逆に、トルクが少ないシャフトは硬く感じます。ゴルファーはねじれを硬さとごっちゃにして感じてしまうからです。

人気のATTAS 4Uは、6Sが振動数265cpmでセンターフレックス4.69とかなりしっかり目、6Rは振動数251cpmでセンターフレックス4.19なので、6Sを硬く感じる人は、6Rを試してみよう

人気のATTAS 4Uは、6Sで振動数265cpmでセンターフレックス4.69 かなりしっかり目、6Rは振動数251cpmでセンターフレックス4.19なので、6Sを硬く感じる人は、6Rを試してみよう

次回は、調子(キックポイント)と硬さの微妙な関係についてお話しましょう。
んじゃ(▼▼)b

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2013年05月14日シャフトの本当の硬さは数字で見極められるのか!?

第五のメジャーと言われるプレーヤーズ選手権(TPC)タイガーが通算13アンダーで接戦を制して今季4勝目、ツアー通算78勝目を手にしました。同大会の優勝は01年以来2度目です。

今季絶好調のタイガーですが、ツイッターやFBで話題になっているのが彼のウッドクラブに装着されるシャフト。ドライバーはグラファイトデザインのツアーADだったのが、TPCではタイガー三菱レイヨンの白マナ(3W、5Wも)のXシャフトだったそうです。タイガーのヘッドスピードを考えると、Xだと少し軟らかいような気がしますが、米ツアーの選手の多くはドライバーでもシャフトをチップカットしてます。恐らく、タイガーも1インチぐらい先詰め(チップカット)して使っている可能性が高いでしょう。

TPCでディアマナに戻したタイガー・ウッズ

TPCでディアマナに戻したタイガー・ウッズ

さて、今回のテーマはシャフトのフレックス表示についてです。シャフトは、軟らかい順から、R、SR、S、SX、Xという風に表記されています。説明するまでもありませんが、RシャフトはSシャフトよりも軟らかく、SシャフトはRシャフトよりも硬いという意味です。しかしながら現実はどうでしょう。同じSでも「何んだこりゃ」ってぐらい軟らかいシャフトがあるかと思えば、「これってSじゃないの?」て思うようなRシャフトもあったりします。また、同じメーカー、同じモデルでもモデルチェンジでシャフトの硬さがガラッと変ることがあります。

例えば、テーラーメイドのロケットボールズのドライバー(RZB)。初代と2代目とでは純正シャフトの硬さがガラッと変りました。Sシャフトを振動数で比較してみると‥‥

初代ロケットボールズ   237cpm
2代目ロケットボールズ  258cpm

振動数計です

振動数計です。シャフトの手元の硬さが測れます

グリップエンドを固定して、ヘッドを振動させて、毎分どれだけ振動するか測ります

グリップエンドを固定して、ヘッドを振動させて、毎分どれだけ振動するか測ります

シャフトには個体差がありますが、同じSシャフトでここまで硬さが異なると
「硬さ表記っていったい何なの?」って首を傾げたくなります。クラブ設計家の竹林隆光さん、かつてこのフレックス表記について直接質問してみたら、こんな答えが返ってきました。

そのモデルの中での硬さの序列としてRとかSの表記があるんですよ。だから、アスリート向けのSとアベレージ向けのSでは硬さが同じにならなくていいんですよ。

要するに、硬さの表記というのは絶対値ではなくて相対値というのが今のゴルフ業界のセオリー。そういう風に捕えてシャフトの硬さをチェックしてみれば腑に落ちます。同じモデルでもモデルチェンジがなされれば、違うクラブになります(笑)。前述したロケットボールズにしても、初代のRシャフトとSシャフトを比較すれば、Sの方が硬い。絶対値と考えるのではなく、RとかSという表記を相対値として考えれば、フレックス表記には正当性があるわけです。

なので市販クラブのつるしのシャフト(純正シャフト)を選ぶ時は、「自分はR」だとか決めつけないこと。とりあえず、色んな硬さのシャフトを打ってみて、自分のフィーリングやヘッドスピードにマッチする硬さを選ぶ。買ってから打つのではなくて、打ってから買う。これがシャフトを間違えない基本であり鉄則です。

そして、そしてここからがマーク金井のおせっかいが始まります。シャフトの硬さ表記が相対値であるならば、絶対値に近いモノを出してみたいと思うのがアナリスト魂~(笑)シャフトの本当の硬さを見極めるために何ができるのか日々考えていたら‥‥思わぬ係数を導き出せました。それがこれっ!!!

硬さ係数

硬さ係数とは‥‥

振動数×センターフレックス値

センターフレックス計です。シャフトのセンターの硬さを測ります

センターフレックス計です。シャフトのセンターの硬さを測ります

のことです。振動数は振動数計を使って計測。主に手元側の硬さをチェックできます。対して、センターフレックス値はセンターフレックス計を使って硬さをチェック。こちらは主にシャフトセンター部分(シャフト全体)の硬さを測ります。このため、同じ振動数であってもシャフトによってセンターフレックス値(CF値)が異なる場合が多々あります。例えば、

振動数250cmp  CF値  4.2kg  硬さ係数  1050
振動数250cpm  CF値  3.8kg  硬さ係数   950

振動数が同じでも、CF値が高い方が数値が増えてきます。実際、スイングをしてみても振動数が同じ場合、CFが高い方が振った時に硬く感じますので、この「硬さ係数」はそこそこ信憑性がありそうな気がしませんか。

おーっと、撮影の時間が迫ってきました。この続きはまた明日~。

んじゃ(▼▼)b