マーク金井blog

カテゴリー: ゴルフクラブ分析

2013年06月10日本当にスピンが強くかかるウエッジとは!?

昨日のブログでアイアンにおけるバンス角の重要性について書きました。大事なことなので繰り返しますが、練習場でボールを打つことが主たる目的ならばバンスが少ない方が使い勝手がいいですし、ゴルファーは振り抜きやすさを感じ取ることができます。しかし、天然芝で打つ場合においてはバンス角が多いほどやさしく感じますし、ゴルファーは振り抜きやすさを実感できます。

ウエッジ

7月発売予定のナチュラルハンドファーストパターと、顔にもこだわった今開発中のウエッジ

練習場とコースでまったく逆になるのは、地面の固さが逆だから。コンクリートの上に人工芝が乗っている場合はバンスは邪魔な存在ですが、ザックリしやすい天然芝の場合はバンスが強い方がミスを防ぎ、バンスが強い方がソールが滑ってくれて、振り抜きやすくなるのです。
そして、バンス角にはもうひとつ大きな特徴があります。それはスピン量、バンスが少ないアイアンとバンスが多いアイアンを比較した場合、多くのゴルファーはバンスが大きいアイアンの方がスピンが強くかかります。理由を簡単に説明すると、バンスが多くなるほどインパクトではロフトが立つ方向にヘッド回転しやすくなります。バンスが多いほどソールが跳ね、その反動でロフトが立つ方向に回転するからです。そして、ロフトが立つ方向に回転するほど、インパクではボールがフェースに乗った感じになり(インパクト時の球離れが遅くなり)、その結果、ボールに強い摩擦がかかります。摩擦がかかれば当然、スピンも増えてくるのです。

これはウエッジにおいても同じです。マーク金井は現在、クラブの顔にこだわるゴルアー向けに軟鉄鍛造のウエッジを設計してますが、これもMSウエッジSSウエッジと同じコンセプトでハイバンス設計。加えて、MSSSウエッジよりもソール幅が狭くなる分だけ、ソールをできるだけフラットにしています。丸みを帯びたソールよりもフラット(平ら)なソールな方が、インパクトでソールが地面と接地する面積が増えボールがフェースに乗りやすくなるからです。

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ヒールまでしっかりバンスがあって、フラットなソール形状がこだわり!

昨日、ファーストサンプルを米原ゴルフクラブで試打してみたら‥‥予想通り、ハイバンス効果でスピンがギュギュッと強くかかります。溝はあえて彫刻溝にしていません。普通のプレスです。マーク金井が彫刻溝を採用しないのは、経年変化で性能劣化するのが嫌だから。彫刻溝だと買った当初はスピンがかかりますが、使っていく打ちに溝が丸くなってスピン性能が落ちてきます。他方、プレスならばそんな心配がありません。経年変化しづらいので安定したスピン量が得られます。そしてなにより、ハイバンス効果があるのでプレス溝でも、市販トップクラスのスピン性能を獲得しているのです。

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溝はプレス加工

フラットバンスはバンカーでも効果絶大。バンカーショットは「音」が大事だと言われますが、フラットバンスの方が「パーン」という乾いた音が出やすく、そしてエクスプロージョンショットしやすくなるのです。もちろん、バンカーでもハイバンス効果で強いスピン性能が期待できます。
今日はフェアウェイ、ラフ、バンカー。すべてのシチュエーションで使いましたが、ほぼ満足行く仕上がりでした。セカンドサンプルを作る必要がないのが確認できたので、早ければ8月ぐらいから市販を開始できそうです~。
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MSウエッジのやさしさを普通の顔で楽しめるウエッジ

PS.

ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして今どきのクラブに対応できるスイングが身に付けられるからです~。

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2013年06月09日なぜ国内メーカーはバンスが少ないアイアンを作りたがるのか?

昨日のブログで国内メーカーのアイアンの多くは、米国メーカーのアイアンに比べるとバンス角が総じて少ないと書きました。7番アイアンの具体的な数値を比べてみると
ダンロップ ゼクシオ7  バンス角 2度
PING  G25    バンス角 7度
どちらもアマチュア向けに作られたアイアンですが、バンス角がかなり違います。そして不思議なことですが、国内メーカーのアイアンはカタログにバンス角の表記がありません。このブログを書くために色々調べてみたら、ブリヂストンのファイズ、ヤマハのインプレスX Dフォージド、PRGRのナブラX等々‥‥ロフト角の表記はあってもバンス角については表記が省かれています。米国メーカーの場合、タイトリストとピンはバンス角の表記がちゃんとあり、キャロウェイとテーラーメイドにはバンス角の表記がありませんでした(日本語サイト)。
さて、このアイアンのバンス角。

バンスが少ないとどんなメリットがあるのか?

まず、アドレスした時のヘッドの座りが良くなります。バンス角が少ないアイアンはヘッドをポンと地面に置いた時、フェースが被る方向に回転しません。構えた時にフェースがスクエアに向くか、もしくはやや開き気味になります。結果、ゴルフショップでクラブを構えた時に「引っかかりづらい」イメージが出ます。グースが少ないアイアンが好まれるのと同様、ヘッドを置いた時、フェースが被らない顔つきになります。
もうひとつは人工マットで打った時のソールの抜けの良さ。練習場お多くはコンクリートの地面の上に人工芝マットを置いてあります。このため、バンスが少ないアイアンの方がソールが滑ります。抜けが良くて気持ち良さが手に伝わります。また、ダフり気味にヘッドが入った時、ソールが跳ねすぎないので打ちやすく感じます。加えて、バンスが少なくすると、ストロングロフトになっているアイアンでもボールが上がりやすい。バンスが少ないとインパクトでロフトが減りづらくなるからです。
その一方で、バンスが少ないアイアンにはデメリットもあります。ゴルフ場の天然芝で打った場合、ソールが滑りづらくなります。ボールだけをクリーンに打てるならば問題ありませんが、少しでもダフるとヘッドは地面に刺さります。ミスの許容範囲が狭くなってきます。ナイスショット時とミスショット時の飛距離差が大きくなります。また、ダフりのミスに対して許容範囲が小さいために‥‥

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こんな感じで、ゴルファーがダフるのを怖がってすくい打つ感じにもなりやすいのです。加えて、バンスが少ないアイアンは、ソールの構造上、ハンドファーストの状態でインパクトを迎えるのも難しくなります。

誤解を恐れずに言うと、バンスが少ないアイアンはゴルフショップでの見栄えが良く、練習場では扱いやすいですが、反面、コースに出た時には扱いづらいアイアンになるのです。

対して、バンスが多いアイアンというのはショップでの見栄えは良くありません。ヘッドをポンと置くと‥‥

MSウエッジを硬い床にソールする

MSウエッジを硬い床にソールする

こんな感じでフェースが被った感じになります。練習場でもダフり気味にヘッドが入ると、ソールが跳ねすぎて手に嫌な感触が残ります。バンスが多いアイアンはゴルフショップでの見栄えが悪く、練習場では扱いづらいアイアンです。

反面、コースに出た時はダフり気味にヘッドが入ってもソールが滑ってくれてミスがミスになりません。また、バンス効果でハンドファーストに打ちやすい(ハンドファーストに打ちたくなる)アイアンです。

たかがバンス、されどバンス。

どちらを使うかはゴルファーの自由です。国内メーカーはショップでの印象、練習場での使い勝手を意識した結果、バンスが少ないアイアンを作るようになっただと思います。対して、マーク金井バンス至上主義。普段使っているアイアンはタイトのVG3、ピンのG25、そして自らが設計したリンクスSSアイアン。いずれもバンスが多い!!! ハイバンスを好むのは、コースでの使い勝手の良さ、アイアンは「バンスでボールを捕える」という感触を求めているからです。加えて、アイアンはハンドファーストで打つのが基本であり鉄則。それを実践するには、バンスが多いアイアンの方が絶対有利だからです。
アマチュアの80%以上はインパクトでハンドファーストの形をちゃんと作れていません。逆ハンドファーストになっている人が圧倒的に多いです。もしもアイアンが苦手ならば、見た目よりも、バンス角にこだわってクラブを選んだ方が確実にスイングが良くなりますし、確実にスコアも良くなるでしょう。

 

PS.

ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして今どきのクラブに対応できるスイングが身に付けられるからです~。


2013年06月06日今どきのドライバーは本当にパーシモンの頃よりもやさしいのか?

今発売中の月刊ゴルフダイジェスト7月号に、かなりユニークな企画がありました。

写真 (21)

今どきドライバーVSパーシモン、メタル、高反発‥‥
時代時代のクラブをそれぞれ、プロとアマチュアゴルファーが打ち比べて飛距離がどうだったかと数値比較されてました。当たり前ですが、プロはパーシモンが一番飛ばなくて、メタル、高反発、そして今どきドライバーと飛距離が伸びています。対してアマチュアはどうなのかと言うと、プロのようにはなっていませんでした。一番飛距離が出たのが高反発。そして以外にもパーシモンで飛距離がしっかり出てたのです。

今どきのドライバーと比較すると‥‥アマチュアの場合は‥‥
パーシモン(マグレガーM85)        216y
今どきドライバー(タイトリスト913D2)  220y
(月刊GD7月号より引用)

40年以上前のドライバーと最新モデルとの飛距離差が‥‥
たったの4ヤード!!!!!

テストの仕方が具体的に書いてませんでしたが、この飛距離差は決して珍しくありません。アナライズの神田スタジオにもパーシモン(スチールシャフト装着)のドライバーがありますが、初中級者(スコア100~120)の人にパーシモンを振ってもらうと、今どきのドライバーと同じぐらい飛距離が出ます。そしてミート率が良くなり、ゴルファー自身も「振りやすい」「振り切れる」と口を揃えて感想を残します。

 

では、なぜアマチュアの多くは「昔のドライバー」を上手く打ち、「今どきのドライバーが上手く打てないのか?」プロのように今どきのドライバーで飛距離を稼げないのか?

5月28日のブログでも書きましたが、アマチュアの場合、トップでシャフトクロスになっていたり、テークバックでフェースが開いていたりするゴルファーがほとんど。スイング中にフェースの開閉が大きく、そしてスイング中にクラブの重心が暴れる度合いが非常に大きいのです。このため、今どきのドライバー(460CCチタン)よりも昔のクラブ(パーシモン)の方が振りやすく感じ、ミート率も良くなるのです。何故かと言うと、パーシモンは重心距離が短く重心深度も浅め慣性モーメントも小さい(今どきのドライバーに比べると)。このため、フェースの開閉が大きくても、重心を暴れさせてもヘッドの動きをコントロールしやすい。その結果、ゴルファーは振りやすく感じたり、実際ミート率が良くなるのです。

対して、今どきのドライバー(460CCチタン)はパーシモンに比べると、重心距離が長く、重心が深い。加えて慣性モーメントが非常に大きい。ヘッド単体で見たら、パーシモンよりもやさしく作られていますが、いざスイングするとなると‥‥そうは問屋が卸してくれません。フェースの開閉が大きかったり、トップでシャフトクロスして重心を暴れさせてしまうと、慣性モーメントの大きさが裏目に出ます。重心位置がシャフト軸線から外れているクラブで、フェース開閉を大きく、そして重心を暴れさせてしまうとヘッドの挙動をコントロールしづらくなり、インパクトでフェースをスクエアに戻しづらくなります。加えて、ヘッドが暴れた感じが手に伝わるために、ゴルファーは振りづらさを感じてしまうのです。

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中古ショップに行けば、パーシモンドライバーは1000円ぐらいで格安購入できます。自分のスイングが今どきのドライバーに適応できているのかどうかは、パーシモンと今どきのドライバーを打ち比べるとすぐにジャッジできます。もし、パーシモンと今どきのドライバーの飛距離差が20ヤード以内ならば‥‥今どきのドライバーの性能をちゃんと引き出してないと思って間違いないでしょう。そして、飛距離差が20ヤード以内のゴルファーはクラブを取り換えるよりも、今どきのドライバーと相性の良いスイングを身に付ける努力をした方が、効率良く飛距離を伸ばせるし、方向安定性も良くなります。

ちなみにマーク金井はパーシモンで打つと最高225ヤード。今どきのドライバーで打つと最高265ヤードぐらいです。ユピテルで計測してみて30ヤード以上飛距離差が出ているならば、貴方のスイングは今どきのドライバーにちゃんと対応できていると思って間違いないでしょう~。
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PS.

ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして今どきのクラブに対応できるスイングが身に付けられるからです~。


2013年06月04日残酷な世界でゴルフクラブが生き延びる方法とは‥‥

ゴルフクラブに負けず劣らず、最近衝動買いをしまくっているのがデジタルカメラです。週刊ゴルフダイジェストにてデジタル機器をお買い物する連載が始まったこともあって、気がついたらアキバの中古ショップを徘徊しています。このひと月あまりでデジカメを3台購入しちゃいました(笑)

カメラ
新品は買いません。衝動買いしているのはもっぱら一世代前のモデルばかり。中古ショップにはたくさんの高性能は中古が出回っています。フェースブックやブログ上に写真を上げるのがメインなので、画素数にそれほどこだわらなくていいからです。マーク金井がこだわっているのはスペックよりも、手に持った時のホールド感、そして露出調整のしやすさシャッターの切りやすさ。道具として使い勝手が良いかどうかが、購入の決め手になっています。

さて、このデジカメ。モデルチェンジが頻繁で非常にシビアな業界です。残酷な世界でビジネスが繰り広げられていますが、実は、ゴルフクラブも同じことが言えます。量販店に行けば所狭しと新製品が並んでいますし、中古ショップにいけばこれまた所狭しとマークダウン品や中古クラブが並んでいます。そして値引き競争が繰り広げられ、今やツアープロが使っているドライバーが3万円台、フェアウェイウッドならば1万円台で買えてしまいます。今話題のロケットボールズだって、初代モデルならば1万5000円ぐらいで手に入ります。そしてデジカメ同様、ゴルフクラブも毎年のようにモデルチェンジが行われ、

デジカメ同様、スペックアップを強くアピールする商品(クラブ)が次々と登場します。
こんな残酷な世界で生き延びるためには、一体何をすればいいのか?
性能訴求以外で考えられるのは、デザインやカラーバリエーションだと思っていたら、あのテーラーメイドが実際にやり始めました。主力商品であるR1でブラックバージョンを限定発売。日本人は限定に弱いという点も購買欲が大いにそそられます。これはかなり売れるでしょう。

テーラー黒

もちろん、アナライズもすでにシャフトのカラバリには力を入れており、標準の白黒バージョンに加え、テーラーメイドよりも先に黒白バージョンを作て発売しております。

加えて、白×緑、白×黄バージョンも限定生産しちゃいました。この2本はロケットボールズ用に作ったのですが、意外にも、他社のFWやドライバーに装着されるユーザーが予想外に多かったです。ゴルファーが色やデザインに関心が高いことが再認識できました。デザインやカラバリでクラブをマイナーチェンジすることは、ユーザーに喜ばれるひとつの方法でしょう。
色やデザインを変えるなんて子供騙しみたいだと思われるかも知れませんが、ゴルフクラブの性能進化はかなりギリギリまできています。そして急激なクラブの進化に対して、アマチュアゴルファーが追従しきれていない現実もあるのです。5月27日28日のブログでも書きましたが、アマチュアの多くはシャフトクロスになっていたり、テークバックでフェースを開いている人が非常に多い。このタイプのゴルファーは今どきの進化したクラブだと性能をフルに引き出せません。今どきのクラブの性能をちゃんと引き出せるのは、プロや上級者だけなのです。
一昨日もアナライズにはアマチュアゴルファーが2人来店されましたが、2人とも今どきのクラブを使いこなせないスイングになっていました。

スイング
デジカメは進化しても使い勝手はそう変りませんが、ゴルフクラブは進化するほどのに使い勝手が変ってきます。例えるならば万年筆とパソコン入力ぐらい違うかも知れません。ペンで文字を書くときは片手で紙に線を描きますが、パソコン入力は両手でキーを打刻します。昔のパーシモンのドライバーと今どきの460CCドライバーは、これぐらい使い勝手が違うのです。
プロや上級者は無意識の内に道具(クラブ)に見合った打ち方をしていますが、アマチュアはそれが出来ていないのが現実です。プロの飛距離が飛躍的に伸びた、アマチュアの飛距離が飛躍的に伸びていないことが、何よりもの証明です。
残酷な世界で生き延びるために作られた今どきのクラブを使いこなすには、クラブに適合したスイングが求められます。昨日、来店いただいたアマチュアゴルファーもゴルフの竪琴でシャフトをクロスを治したら、劇的にトップの形が良くなりました。大事なことなのでもう一度いいます。残酷な世界で生き延びるために作られたゴルフクラブを上手く使いこなすためには、道具に見合ったスイングをすることが必要不可欠なんです。

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ボールをたくさん打ってもスイングは変わりませんボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして正しいハンドアクシンを会得できるからです~。

ゴルフの竪琴

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2013年06月01日ゴルフクラブはデジカメと同じ道を歩むのか?

二ヶ月ほど前から、週刊ゴルフダイジェストで「新・買わずに入られない」という連載を始めています。ゴルフ雑誌ですがゴルフクラブを買った話は今のところ一度もありません。デジカメやスイング分析アプリ、ポータブル弾道計測器を衝動買いしたことをコラム的に書いています。ネタがなくなってくればゴルフクラブも登場させるかも知れませんが、目下のところはライバルは週刊アスキー。ゴルファーの視点でデジ物をあれこれ取り上げていきます。

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そんなデジ物大好き人間なマーク金井ですが、今、衝動買いしまくっているのがデジカメ~。
コンデジ(コンパクトデジタル)のちょっと高機能バージョンに嵌りまくり、キャノンG15を所有しているにもかかわらず、ライバル商品のニコンP7700ペンタックスのMX-1を今にも買いそうな勢いでカタログで性能比較しています。そしてカタログを見ればみるほど‥‥デジカメとゴルフクラブには類似点が多いことも分かってきました。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

コンデジとゴルフクラブ‥‥
まったく用途が違う商品ですが対象ユーザーは似ています。どちらも道具(ギア)が好きなオジサンが買います。そしてスペック(性能)にうるさい人が買います。だからでしょう。謳い文句はスペックのオンパレード。ゴルフクラブと比較してみると‥‥
コンデジ    光学4倍ズーム
開放F値1.8
有効約1200万画素
秒間10コマの連写

ゴルフクラブ  弾道調整機能 168通り
0.4mmの極薄クラウン
慣性モーメント10%アップ
70トンの高弾性シート採用
デジカメもゴルフクラブも数字を出すことで高機能をアピールしています。形容詞を羅列するよりも、具体的な数字を出した方がユーザーに分かりやすいし性能訴求もしやすいからです。ユーザー側も物理的な優位性、数値的な優位性を求める傾向があることも、数値競争に拍車をかけていると思います。
では、数値が良ければ本当に高性能なんでしょうか?
デジカメについてはこれから数値と実際の性能について吟味していきますが、ことゴルフクラブにおいては、数値競争がそろそろ限界に近づいている気がします。数値に優位性があるクラブが必ずしもゴルファーにとって扱いやすい道具(クラブ)になるとは限らないからです。例えば、慣性モーメント。慣性モーメントが大きいヘッドはミスに強いと言われています。確かにそうで、例えば慣性モーメントが3000gcm2のドライバーと4500gcm2のドライバーを比較すると、後者の方がミスに強い特性があります。慣性モーメントの数値が高くなるほど、ミスヒットした時にヘッドがブレにくく(エネルギーロスが少なく)、飛距離と方向性が安定します。
ただし、これはある程度正しいスイングをしているという前提によって成り立っています。慣性モーメントが大きなヘッドは総じて重心距離が長くて、重心深度(重心の深さ)が深くなっています。結果、重心位置はシャフトの軸線よりも遠ざかります。このため、スイングが不安定なゴルファーが慣性モーメントが大きいヘッドでスイングをすると‥‥重心をコントロールしづらくなったり、フェースの向きをコントロールしづらくなるのです。
例えばテークバックでフェースを開いてしまう人や、トップでシャフトクロスする人の場合、慣性モーメントが大きいドライバー(重心距離が長くて深いドライバー)はスイングとの相性が良くありません。スイング中にヘッドの重心位置を大きく動かしてしまうために、ヘッドの挙動が不安定になります。結果、やさしいはずのドライバーの方が芯で捕える確率が下がってしまう恐れがあるのです。先日、アマチュア120人分のスイング動画を分析しましたが、シャフトクロスになっている人の場合、慣性モーメントが大きいヘッドを使っている人ほど、ヘッドの挙動が不安定になってスライス、プッシュアウト、そして引っかけを打っていました。誤解を恐れずに言えば、シャフトクロスになっている人の場合、慣性モーメントが大きいヘッドを使うと、メリットと同じぐらいデメリットが発生するリスクが高まるのです。
デジカメならばシャッターを押しさえすえば、カメラが持っている性能をかなり引き出せるでしょう。しかしゴルフクラブはそうは問屋が卸してくれません。ゴルファーがちゃんとしたスイングをしないとクラブの性能を引き出すのが極めて難しいのです。
今どきのやさしいクラブの性能を引き出すためには、クラブが求めるスイングをゴルファーがやることが必要不可欠です。ちょっと矛盾しているかも知れませんが、ゴルフの場合、道具(クラブ)がやさしくなればなるほど、技術が求められると言ってもいいでしょう。特にドライバーの場合は、この傾向が顕著になってきました。言い換えると、スイングが不完全なアマチュアが打ちやすいクラブ(特にドライバー)というのは、市場(ゴルフショップ)にはあまり出回っていないとも言えます。
テーラメイドキャロウェイのように飛距離をアピールするのもそろそろ限界が近づいてきました。慣性モーメントの数値もほぼ限界まで大きくなってきましたし、ヘッドを肉薄にすることやシャフトの弾性率を上げることもそろそろ限界に近づいています。

 

ゴルフクラブはこれからどんな方向に進化していくのか? その答えは3ヶ月後ぐらいから徐々に明らかになってくるでしょう。
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ブログで取り上げていたので、ゴルフの竪琴が売れています! クラブの性能を引き出すスイングをするために、ゴルフの竪琴で自宅練習しましょう