マーク金井blog

2013年04月13日マスターズでの石川遼の名言‥‥

米男子ツアーのメジャー開幕戦となるマスターズ。今日は予選ラウンド2日目。昨年までは44位タイまでが予選通過でしたが、今年は50位タイまでになりました(トップから10ストローク以内は継続)初日1アンダーだった石川遼は2日目にスコアを落としながらも、何とか予選通過しました。その遼クンの初日終了後のコメントで目に止まったのがこれです。

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「調子が悪くなった時も、絶対に前の感覚を思い出そうとするのは嫌なんです。そう思った時点で後戻りになるからです」

「これだっ」という感覚を掴むと、アマチュアのみならずプロでも「いい時の感覚」というのがスイングのよりどころになります。例えば、○○のような感じでスイングしたら上手くいくと、その○○を自分のスイングのバロメーターにしたり、その○○をナイスショットと関連付けたくなります。

しかし、感覚というのはまったくもって当てになりません。身体は日々変化します。感性や体調も日々変化します。練習でどんなに良い感覚が得たとしても、その感覚が役立つのはその日限り。持続したとしてもせいぜい数日でしょう。例えば、トップからダウンの切り返しで右ひじを真下に下げたら、スイングプレーンに乗って良い球が打てた。動画でチェックしてもスイング軌道が良かったとしましょう。こうなると「右ひじを真下に下ろす=ナイスショット」の感覚図式が出来上がりますが、これは永久保存できる感覚ではありません。その時限りの成功体験の感覚なんです。

ところがアマチュアのみならず、ツアープロでも調子が悪くなると、調子が良かった時の感覚をよりどころにする場合が少なからずあるのです。しかし昔の感覚はどんなに素晴らしものであっても、それを求めるほどに後戻りすることになるのです。今シーズンの遼クンは思うような結果が出てませんが、こんなセリフをマスターズの大舞台でサラッと言えてしまう。これだけでも、彼が並の選手ではないことが明かです。

その一方で名前は出せませんが、昔の感覚を戻そうとして練習したり、昔のクラブに戻して復調を試みるプロもいます。しかし、そういうことをやって見事にカムバックした選手はほとんどいません。クラブに関してはパターやウエッジは昔に戻してもスイングに影響は出ませんが、ドライバーやアイアンは昔に戻しても前の感覚は思い出せないからです。

では、感覚は役にたたないのか?

遼クンの言葉を思い出して下さい。前の感覚を思い出そうとするのがダメであって、感覚そのものを否定しているわけではありません。練習で大事なことは昔を思い出そうとするのではなく、これからやるべき事に対して感覚を磨くこと。そのためには、調子が悪い時は、何が不調の原因なのかを客観的にチェックすることが必要不可欠です。スイングのどこが悪いのか? フォームなのかリズム&テンポなのか? それともアドレス時の体の向きなのか? これらをチェックするには感覚ではなく、自分のスイングを客観的にチェックすること。ビデオやデジカメ、iPhone‥‥とにかくスイングを客観的に丸裸にしてしまい、どこをどう修整していくのかを決めることです。感覚に頼るのではなく、とにかくスイングをじっくりチェックする。そうすると、自分がどこに勘違いしていたのかがかなり正確にジャッジできますし、スイング修整の糸口も見えてくるのです。

もちろんスイングを正しくジャッジするためには、スイングを見る目も養うことも必要不可欠です。いいスイングと悪いスイングの違いが分からなければ‥‥スイングの問題点を見つけ出すことはできません。問題点が見つからなければ、どこを修整すれば良いのかも分からないからです。

昔の良かった時の感覚、これはいわば「成功体験に縛られる」ことになります。ゴルフに限りませんが、成功体験に縛られるのは非常に危険です。おちまさとさんもブログで、

 

何かに挑む時
何か新たな展開をする時

つい

「あの時
ああやって成功したのだから
“また”あの成功パターンに
はめ込めば大丈夫だろう」

と思ってしまうことが
ありがちなのではないだろうか。

これはとても危険なサイン

(おちまさとブログから引用)
http://ameblo.jp/ochimasato/entry-11143298704.html

書かれています。ボクもまったく同感です。ゴルフ上達に必要なのは、ビデオでのスイングチェック、そしてひざ立ち打ちや、ゴルフの竪琴などを使って、日々感覚を磨くことが大事だと思います~。
んじゃ(▼▼)b

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マーク金井がいつも練習に使用している「ゴルフの竪琴」はこちらへ

 


2013年04月12日キャロウェイ「フランケンウッド」につていのお詫びと続報~

マーク金井のフランケンウッドに関する記事

米男子ツアーのメジャー開幕戦となるマスターズがいよいよ開幕しました。初日、石川遼は5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71。出入りの激しいゴルフでしたが上々のスタートで、1アンダーの23位。優勝候補筆頭のタイガー・ウッズも2アンダーの13位といいポジションにつけています。

昨年国内男子ツアー賞金王の藤田寛之は7オーバーで87位と大きく出遅れました。プレー後、芹沢信雄とのインタビューで「自分のゴルフをさせてもらえなかった」とコメントしてましたが、まさにこれがマスターズ。オーガスタナショナルのコースはバーディ-、イーグルが捕りやすい反面、ひとつ歯車狂うと、ボギーやダボが止まらなくなるのです。ボクは1993年に現地で取材しましたが、その時はチップ・ベックが最終日に突然崩れ、ベルンハルト・ランガーが1985年に続き、グリーンジャケットに袖を通しました。

今日も6時前ぐらいからTBSの生放送を見てましたが、皆さんにお詫びがあります。それはミケルソンがドライバー代わりにつかっているキャロウェイの「フランケンウッド」について。昨日は体積200CCぐらいでロフトが12~13度と書きましたが、今日のテレビ中継では体積250CC、ロフトは8.5度とアナウンスされていました。ミケルソンがティショットを打つシーンを何度か見ましたが、テレビ画面からは200なのか250なのかの判別がつきません。ロフトも12度なのか8.5度なのかも‥‥見極めるのが非常に難しかったです。

ネットで検索してみたらGDOでロフト角は8.5度、シャフトは三菱レイヨンのフブキK70X。長さは45インチのことです。現地からのレポートなので、スペックは恐らくこれで間違いないでしょう。

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写真はwww.golfwrx.com から転載

GDOの記事 P.ミケルソン ドライバーの代わりは“フランケンウッド” ←クリック

ミケルソンはこのフランケンウッドのことを、「小さなドライバーのようで、ドライバーのテクノロジーが詰まっている3番ウッドだ」とコメントしてます。スペック的にはこれはもうドライバーと言えるものです。キャロウェイでいえば1995年に登場したグレートビッグバーサのヘッド体積は250CC。長さは45インチ。発売当初は「こんな巨大はヘッドのドライバー、一体誰が使うの?」と言われたのですが、市場に出回るやいなや大ヒット商品になりました。アマチュアのみならず、多くのツアープロにも支持されました。ちなみに、当時はメタルドライバーやパーシモンもあって、それらの体積は200CC未満だったのです。

では、なぜ昔のドライバーとほとんど同じ体積、同じ長さのフランケンウッドのことを、ミケルソンはわざわざ3番ウッドとコメントしているのでしょうか?

ミケルソンと言えば、2006の同大会で2本のドライバーで球筋を打ち分けてグリーンジャケットを獲得しています。先々週の「シェルヒューストンオープン」ではドライバーを抜いて2本のスプーンで戦うなど常識にとらわれないアイデアでクラブセッティングしていますが、フランケンウッドをわざわざ3番とコメントしたのは‥‥恐らくフェースの厚みがドライバーよりもFWに近いからでしょう。一般にドライバーの場合、フェースの厚みは‥‥

54~60ミリ

ぐらいです。対して、3Wの場合は‥‥

30~36ミリ

ぐらいです。恐らくフランケンウッドのフェース厚は36~40ミリぐらいなんでしょう。フェースの厚みの感じがFWに近いから3Wに近いとコメントしたのだと思われます。そしてヘッド形状のシェイプもドライバーよりもFWに近いのでしょう。テレビ画面からも形状はFWに近いのが確認できました。

フェースを薄くするメリットはいくつかありますが、一番はティアップを低くして打てること。そしてヘッドの入射角度が一定なプロにとってはティアップして打った場合、フェース中央よりも下に当たるミスは出ません。結果、スイートスポットよりも上側で打てるために、低スピン弾道がオートマチックに打てます。加えて、今どきのドライバーに比べるとヘッドが小ぶりなために重心距離が短い。ミケルソンはフェースをシャットに使うタイプではありません。トップでのフェースの向きはスクエアからややオープン気味。重心距離が長いクラブよりも重心距離が短いクラブの方がスイングとのマッチングが良い。これもフランケンウッドとの相性の良さにつながっているのだと思います。

フランケンウッドが市場に出回るのは夏頃だと思われますが、デカヘッド(重心距離が長いクラブ)が苦手にとっては救世主的なクラブになるでしょう。

そして、マスターズをTV観戦していて目についたのがパター。国内ツアーに比べるとフェースインサート(樹脂フェース)を使っている選手が少ない感じがします。石川遼もパターのフェース面は金属のままで、フェース面はミーリング処理されているものを使っています。

3月29日のブログでも書きましたが、

「ミーリングの目の粗さは深いほどボールが潰れてくっつく時間が長くなるので、フェースの向きよりも振った方向に飛び出しやすくなり、細かいほどボールが潰れづらく、球離れが早くなるので、振った方向よりもフェースの向いている方向に飛び出しやすくなります」

「打った時の感触ですが、粗目の場合はボールが潰れるのでボールが柔らかく感じます。細目になるほどボールが潰れづらく、力の伝道率が高くなるので、パターが柔らかく感じます」(以上、ゴールドファクトリーHPからの引用)
ボクは現在パターを試作してますが、確かにミーリングの刻み方を変えると、打感がガラッと替わります。目が粗くなるほど(目が深くなるほど)、インパクトの球離れが遅く、そして打感がソフトになります。そして、ストロークの方向に対してボールが真っ直ぐ転がる感じになります。オーガスタのグリーンは超高速。おまけにグリーンの起伏はポテトチップのように凸凹です。ミリ単位の距離感、方向性を出すには、ミーリング処理されたパターの方が有利だと思って入る選手の方が多いのでしょう。

写真 (41)

マーク金井プロデュースの新しいパターのミーリングサンプル

そして、高速グリーンに対応するにはロフトも重要な要素だとマーク金井は考えています。ロフトが少ないと(3度以下)転がりが良くなる反面、転がり過ぎる怖さがあります。対して、ロフトを少し増やしてやると(5~8度)、インパクトで少しバックスピンがかかるので転がり過ぎません。下りのパットではズルズルいつまでも転がるようなパターでは距離感が非常に出しづらい。バックスピンが少しかかるパターの方が妙に転がり過ぎないので、距離感を出しやすいのです。

オーガスタほどではありませんが、最近は高速グリーンのコースが増えてきました。昨日参加した阪神トレーディングさんのコンペでプレーした春日台CC(奈良県)のグリーンは軽く10フィート出てました。こういう高速グリーンではロフトが多めのパターを使った方が距離感のミスを減らせ、確実に3パットを減らせるでしょう。
んじゃ(▼▼)b


2013年04月11日ドライバーよりも飛ぶと噂のフランケンウッドの正体とは!?

いよいよマスターズ開幕!!!

明日からTBSでTV中継が始まるのを楽しみにしているゴルファーも多いでしょう。もちろんボクも予約録画なんてしません。がんばって5時半には起きてテレビの前にかじりついて観ています。今年はタイガーがツアー3勝と絶好調。対してマキロイは絶不調‥‥ゴルフは何が起きるか分かりませんが、タイガーが優勝候補筆頭なのは間違いないでしょう。

そしてマスターズと言えば、必ず優勝候補に上がるのがレフティーのミケルソン。今年も練習ラウンドから話題を集めていますが、彼が今回秘密兵器としてキャディバッグに入れているのがキャロウェイ

フランケンウッド

米国のGOLFWRXの記事はコチラ(英文)

ゴルフダイジェスト・オンラインの記事

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写真はwww.golfwrx.com から転載

ソールのデザインは300ヤード3Wと同じくXHOTのロゴが。画像から見る限りではドライバーというよりはFW形状。ヘッド体積も200CC前後だと報じられてますが、ミケルソンはこれでドライバーよりも10ヤード以上飛ぶとコメントを残しています。ロフトは12~13度ということなので、2番ウッド(ブラッシー)のことを、キャロウェイは「フランケンウッド」と名付けているのでしょう。キャロウェイの300ヤード3Wの開発者はドラコン選手なみのパワーとヘッドスピードの持ち主。ひょっとしたら「フランケン」は彼(開発者)のニックネームなのかも知れません。

さて、このフランケンウッド

2番ウッド相当ですからドライバーよりも長さが短い。43インチ前後だと思われますが、体積200CCというのはFWとしては並外れて大きい。マーク金井は昨日、ツイッターで「これって3Wの進化系とも言えるけど、かつてのメタルドライバーのロフトが寝たクラブ」ともつぶやきました。実際に昔のクラブを調べてみると‥‥テーラーメイドがかつて大ヒットさせたメタルドライバー、「ツアープリファード」(1987年)のヘッド体積は149CCです。そうです、「フランケンウッド」は昔のドライバーよりもヘッド体積がかなり大きいのです。開発担当者がその事実を知っているかどうかは定かではありませんが、メタルドライバーの元祖よりも体積が大きいのです(笑)

写真

ジャンボ尾崎を始め、プロがこぞって使ったメタルの元祖的ドライバー。このモデルがきっかけで、パーシモンからメタルヘッド時代へ突入した。

ではなぜフランケンウッドは飛ぶのか?

ドライバーよりも2W(フランケンウッド)に優位性があるのはヘッド重量。ドライバーのヘッド重量は200g前後に対して、フランケンウッドは恐らく210g以上あるのでしょう。ヘッド重量が5%以上重いことで、ボール初速が上がります。加えて、キャロウェイは低重心FWを作るのが上手い。重心を低くすることでスピンを減らして飛距離を稼げているのでしょう。そして、ここからは推察ですが、ミケルソンは長いクラブよりも、長くないクラブの方が振り切ることが出来てヘッドスピードが落ちない(若干上がっている)可能性が高いと思われます。

物理的にはシャフトは長い方がヘッドスピードが上がると言われてますが、すべてのゴルファーにこの理屈が当てはまるとは限りません。ゴルフの上手下手に関係なく、短い方がミート率が上がるだけでなく、ヘッドスピードもちゃんと出る人はいます。例えば、ドライバーと3Wで飛距離が変わらない人というのは、短めのクラブの方が飛距離、方向性が安定するでしょう。

今日は奈良のゴルフ場でコンペに参加中、ハーフ休憩の最中にこの原稿を書いています(笑)

バッグの中にはもちろん、ボクが設計したMSウエッジが2本入っています。ロフト56度のSWとロフト60のLW。見た目は独特ですがヘッドは軟鉄鍛造。ワイドソール&ハイバンスでとにかくダフりに強い。春先の薄いフェアウェイでもソールが滑るので、手前からヘッドを入れてもソールが気持ち良く滑ってくれます。そしてハイバンス効果でしっかりスピンがかかります。ゴルフ大好き人間、堀江貴文さんにもこのやさしさを味わってもらたくて、MSウエッジを送りました。さて、どんな感想をいただけるのか? マスターズの優勝者を予想するのと同じぐらい、堀江さんのコメントに今からドキドキ、ワクワクしています。

んじゃ、後半のハーフに行ってきます~(▼▼)b

MSウエッジはこちらから↓

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2013年04月10日スイングのウソ、ホント、その7 「連続写真のように素振りしよう」

レイドオフ、そしてシャット(スクエア)フェース。

トップにおけるこの2つの正しい型を体に覚え込ませるには、感覚やフィーリングに頼るのは禁物です。また、ボールをたくさん打っても身に付きません。レイドオフに上げているつもり、シャットにしているつもり‥‥。つもりのままでは、一生懸命練習しても形(型)は何ら変わらないからです。練習場ではどのゴルファーも一生懸命ボールを打っています。というか適当にボールを打ったり、わざとミスショットを打つような人は‥‥まず見たことがありません。

では、練習場でボールを打っている人は皆、練習量に比例して上達しているのでしょうか? 皆、スイング中の悪癖を矯正できているでしょうか?

残念ながら答えはノーです。ボールをたくさん打つてばボールに当てる能力はアップしますが、ことスイング作りにおいては良い方向に変化している人は、非常に少ない。癖のあるフォームをしている人は、何年練習してもその癖を取り除けていません。理由は単純、練習場でボールを打っている人のほとんどは、フォームのことよりも、飛んでいくボールのことの方が気になるからです。誤解を恐れずに言うと、練習場でミスショットが3発続くと‥‥ほとんど人はフォームを変えることなんか意識から消え去り、なんとか芯を喰ったショットを打ちたくなる。悲しいかなそれが人間の性(さが)なんです。

では、どうすれあ正しいトップを作れるのか?
シャフトクロスのトップを解消できるのか?
左ひじが曲がった弱々しいトップを修正できるのか?

トップの形を修正したいならば、ボールを打つことよりも素振りで徹底的に正しい形を体に覚え込ませることです。素振りの形が良くなったからと言って、ナイスショットはすぐには打てません。そこがフォーム改造の難しい所です。しかし改造後のフォームが体に染みこめば、かならずナイスショットの確率は上がってくる。それを信じれるかどうかもすごく大切です。

ただしい形(型)を体に刻み込ませるために、ボクがお勧めしているドリルが2つあります。ひとつは連続写真ドリル。ゴルフ雑誌にはプロの連続写真が紹介されていますよね。8コマとか10コマとか、12コマとかで。これを素振りでやるんです。テークバックやトップの正しい形を身に付けたいならば、アドレス、テークバック、そしてトップ。この3つの形をそれぞれ、静止した形で体に覚え込ませます。

アドレス 

アドレス

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テイクバック

トップ

トップ

アドレス、テークバック、トップ。それぞれポートレートの写真を撮られるかのようにちゃんと静止してポーズを取りましょう。それぞれの形で1~2秒静止し、それから次のコマに進む。アドレスで2秒静止、テークバックで2秒静止、そしてトップで2秒静止。それぞれの静止画をつなぐことでトップまで作ります。それぞれでピタッと止まるわけですから、それこそロボットがスイングしたかのようにギクシャク動いて下さい。この段階ではスムーズに動くことよりも、ギクシャクして動く方が良いのです。そして、それぞれの静止した形を鏡でチェックしたり、スマホやデジカメでチェックする。自分の感覚ではなく、客観的にチェックすることも極めて重要なポイントです。

静止画をつなぐことでトップの形をちゃんと作れるようになったら、今度は静止画と静止画を接着剤でつなぎます。ここでもスムーズに動く必要はありません。ギクシャクしながらスローモーションで動き、トップを作っていきます。自分で決めた形をとにかく意識しながらスローモーションでテークバックしていきます。目安としてはアドレスからトップまで3~5秒ぐらい時間を使って下さい。

スローモーションでスイングする時、注意してほしいのは手先だけでクラブを動かさないこと。それこそドライバーで300ヤード飛ばすぐらいの感覚を持ち、体全体をしっかり使って、ゆっくり上げていくのです。

静止した形をつなぐことができると動き(フォーム)も変わってきます。そして、どれだけ変化したかを自分の感覚ではなく、鏡やデジカメなどで客観的にチェックする。もし変わっていないと感じるならば、スローモーションではなく、再び、静止画をちゃんと作る練習に戻る。フォームの改造、スイング改造というのは、どれだけ地味な練習を積み重ねられるかで決まります。そして1回15分でもいいから毎日練習することが大事。1週間に1回、60分の練習よりも1日10分の練習の方が、はるかに効果が高いのです。

ちなみに形を変えるためには極端なぐらい動きに差を付けることも重要です。例えば、トップの高さを5センチ低くしたいと思うならば、50センチぐらい下げる感覚でスイングして下さい。10倍ぐらい動きを変えないとフォームは変わってくれません。これは実際に試していただけると実感できます。

継続と反復。

この2つのことに真正面から取り組めば、運動神経の有無に関係なく、誰でも美しいフォームを身に付けるられるのです。

そして練習器具も活用した方が効果的です。マーク金井はこのゴルフの竪琴でスイングチェック、フォームのチェックをしています。竪琴は右手と左手を立体的に離して持てるので、関節の曲げ伸ばしのチェック、手首を正しくコックする感じを正確にチェックできるからです。

竪琴を使ったアドレス

竪琴を使ったアドレス

竪琴を使ったテイクバック

竪琴を使ったテイクバック

 

竪琴を使ったトップ

竪琴を使ったトップ

んじゃ(▼▼)b

こちらがゴルフの竪琴↓

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「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント  その1」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その2」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その3」

「スイングのウソ、ホント その4 「正しいコックとは?」」

スイングのウソ、ホント その5 「作用と反作用と意識すると正しくコックできる!!」

「スイングのウソ、ホント その6 「緩みのないトップを作るコツとは‥‥」」


2013年04月09日初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみたら‥後編

ネーミング、プロモーション効果からくる飛ぶというイメージ。そして、フェアウェイウッドにしては少し長めの重心距離。そして重ヘッド。この3つを説明しましたが、今回は更に更に初代ロケットボールズを丸裸にしてみたいと思います。

FWに限らず、ウッドクラブは重心位置が低い方がスピンが減って飛距離を稼げます。昔も今も、「飛ぶ」と評判になるFWの大半は低重心になっています。

では、初代ロケットボールズはどうなのか?

左ロケットボールズツアー、右ロケットボールズ

左ロケットボールズツアー、右ロケットボールズ

ロケットボールズの場合、3Wのフェース高は37ミリ。FWとしてはディープフェースですが、スイートスポット高さ(重心高)はなんと

22.7ミリ

市販FWの中ではかなりの低重心。低重心率は約61%です。低重心の効果は、打ち出し角が上がり、スピン量が減ってきます。スイートスポットの位置は重心の深さと密接な関係が有ります。初代ロケットボールズは重心深度27.5ミリと浅めです。これも低スピン弾道が打ちやすい要素となっているのです。

ドライバーもそうですが、FWもスピンが減った弾道は「ラフからフライヤーを打った時」同様、放物線弾道になって飛距離を稼げます。ツアープロがこぞって初代ロケットボールズを使ったのは、吹き上がらない弾道で距離を稼げるからなんです。「低重心と浅重心による低スピン」。これが初代ロケットボールズの正体です。

ただし、「低重心と浅重心による低スピン」は万人にメリットがあるわけではありません。初代ロケットボールズは、ドライバーが300y以上飛ぶ人のために開発されたFW。低スピンを徹底的に意識して設計されています。テーラーのCMに出てくるツアープロ達は、PGAツアーでも指折りの飛ばし屋ばかり。彼らはヘッドスピードが並外れて速いから、普通に打てばスピンが増えてしまう。スピン量を減らすだけで飛距離が極端に変わる。だから「+17y」飛距離アップという宣伝文句が生まれるのです。

なので、なので、ヘッドスピードが速くない人が初代ロケットボールズを使うと、必要以上にスピン量が少なくなって、キャリー不足に陥り、飛距離をロスする可能性が出てきます。その証拠に、テーラメイド契約プロでも女子プロ達は、初代ロケットボールズではなくてグローレを使っています。ドライバーのヘッドスピード40m/s前後だと、ロケットボールズではスピン量が不足して、逆に飛距離が落ちてしまうからなんです。

初代ロケットボールズは全ての人が、飛ばせるフェアウェイウッドではありません。特に3W(ロフト15度)は普通のアマチュアにはボールが上がりづらく難しいFWです。ティアップして打てばバカッ飛びが得られますが、地面から打つとボールが上がり切りません。地面から打って飛距離をちゃんと稼ぐには、ドライバーのヘッドスピードは最低でも45m/s以上必要でしょう。ヘッドスピードが43m/sぐらいだと、初代ロケットボールズで地面から打った場合、3Wよりも5Wの方がキャリーが出ます。

テーラーメイドもそれがちゃんと分かっているのでしょう。日本ではなぜか未発売ですが、本国アメリカではこんな3Wが市販されています。

なぜか日本で未発売~。

なぜか日本で未発売~。

3HL

HLは「High Launch」の略で、直訳すると高い打ち出し角という意味。これは3Wのヘッドでロフトが18度前後あります。通常の3Wよりもロフトを3度ぐらい増やすことで、ボールを上がりやすくしているわけです。これならばヘッドスピードが40m/s前後でもボールが高く上がるので、低重心な初代ロケットボールズでもしっかり飛距離を稼げます。アナライズではこの3HLを近日、市販するつもりです(笑)

初代ロケットボールズはヘッドのポテンシャルが非常に高いですが、ちょっと残念なところもあります。それはシャフトです。。テーラーメイドは何故か昔からFWに軽いシャフトを入れたがる傾向があり、この初代ロケットボールズもシャフトがかなり軽い。50g弱しかありません。加えて、コストダウンの影響でフィーリングも今ひとつ。ドライバーをリシャフトして使っているユーザーの場合、その多くはドライバーに60g台のシャフトを装着しています。

結果、初代ロケットボールズを純正のまま使っていると、ドライバーに対してFWの方がシャフトが軽くなってしまいやすい。FWはドライバーよりも2インチ以上短いにもかかわらず、FWの方がシャフトが軽い場合‥‥その軽さが災いして手打ちになりやすいし、打ち急ぎのミスも出やすくなります。また、トップやチョロも出る危険性が増すのです。実際、初代ロケットボールズを上手く打てないゴルファーを見ていると、その大半はトップ気味のショットが多いです。

FWはドライバーよりも2インチ以上短いことを考えると、ドライバーよりも5~15gぐらいシャフトを重くするのが理想的なセッティングです。これぐらい重くすることでクラブの重量フローが整い、ドライバーと同じフィーリングでFWを打っていけます。加えて、シャフト重量が重くなることで手打ちを防げますし、打ち急ぎのミスも減らせます。アナライズではドライバーよりもFWの方がリシャフトする重要性があると考えており、マーク金井はドライバーよりも先に、FW用シャフトである

「W65」
を開発、設計。これがあまりにも振りやすいから、マーク金井はドライバー用(45インチ以下)にもこのW65を装着して使っています。

初代ロケットボールズについてはまだまだネタがあります。近々、キンドル(電子書籍)で丸裸にしたいと思います~。

んじゃ(▼▼)b