カテゴリー別アーカイブ: スイング練習の真実

ダウンの前半はシャフトを寝かせるイメージで!

「いいスイング」とは何か? いきなりこんな質問でごめんなさい。

ボクが言う「いいスイング」は形や型です。リズムやタイミングは評価点にはあまり加えません。この2つはスイングを構成する重要な要素でありますが、反面、リズムやタイミングは世界トップクラスの選手でも、心理状態(プレッシャーがかかった時)によって大きく変わることがあるからです。

どこの形(型)を見れば、スイングの良し悪しが分かるのか?

いくつかポイントはありますが、一番大事な場所はトップからダウンの切り返しでのシャフトのポジション。前回の番外編でも書きましたが、トップからクラブを振り下ろした時、一番理想的な形(型)はシャフトがシャフトプレーン(アドレス時のライ角度の延長線)と平行に収り、そしてシャフトはなるべくシャフトプレーンに近づいた状態になっていることです。

そしてシャフトはできるだけ同じ角度でプレーンに戻っていくのが理想型です。

これができていると、ダウンスイング後半からはクラブも体も余計な動きをしません。余計な動きをしなくてもクラブはシャフトプレーンに沿って下りてきますし、インパクトの再現性も高まるからです。タイガー・ウッズ、ジェイソン・デイ、そして一見変則に見えるリッキー・ファウラーもダウンの早い段階で、シャフトプレーンに沿ってクラブ(シャフト)がポジショニングされています。

対して、プロ、アマチュアを問わず、スイングが不安定な人の場合、ダウンの前半でシャフトが立ちすぎていたり、シャフトはプレーンと平行になっていても、シャフトが離れすぎています。

例えば、宮里藍。彼女の場合、テークバックですぐにシャフトの角度が崩れ、そして、ダウンの前半ではシャフトはプレーンと平行になっているものの、シャフトはプレーンから非常に遠い。このため、ダウン後半ではシャフトが寝てしまい(シャフトプレーンよりもヘッドが下に垂れ下がり)、それをリカバリーするためにインパクトで手が大きく浮き上がっています。今週発売のパーゴルフをご覧になっていただくと、シャフトがプレーンから外れている具合が分かります。

体の動きはダイナミックで素晴らしいと思いますが、シャフトの挙動はトッププレーヤーの中ではかなり不安定です。そして、何故かクラブの動きが不安定なのを指摘されることはありません(恐らく、プロの半分以上はそのことを理解しています)。

大事なことなので繰り返しますが、体に余計な動きをさせたくなければ、クラブ(シャフト)に余計な動きをさせないことが不可欠。特に、テークバックの前半と、前述したトップからダウンの切り返し。ここでクラブ(シャフト)のポジション(角度)が、プレーンから外れるほど、スイングが複雑になりますし、たくさんボールを打たないと方向性が安定しません。また、得意クラブと不得意クラブが出たりします。

読者(アマチュア)が体の動きを求めているのか? それともプロ(指導者)がクラブよりも体の動きを説明したがるのか?

どちらが理由なのか分かりませんが、ゴルフ雑誌のレッスン記事の大半は体の動かし方を積極的に教えています。でも誤解を恐れずに言うと、体の動きだけを意識してもクラブのポジションは変わる確率は非常に低いでしょう。

本当にスイングの完成度を上げたいのであれば、まずはクラブの正しいポジションを意識しながら練習すること。ボールをたくさん打つよりも、クラブのポジションを意識しながら30~50球、じっくり時間をかけ、そしてビデオを使って客観的にスイングチェックしながら練習した方がショットは安定しますし、プレッシャーに強いスイングが身に付きます。

正しいゴルフスイングを身に付けることは簡単ではありません。ギターやピアノを覚えたり、踊りを覚えるのと同じぐらいの努力が必要でしょう。でも正しい練習を続ければ、誰でもシングルになれます。

今どきの大型ヘッドを使いこなすにはシャットフェースが不可欠!

最後まで誰が優勝するか分からなかった2013年のマスターズ。見事優勝したのはオーストラリアのアダム・スコット。彼のスイングは今どきの道具(クラブ)と非常にマッチし、パワーに頼るだけでなく、クラブとマッチしたスイングで効率良く飛ばしていたからです。

 

テレビでご覧になった方も多いと思いますが、マスターズでアダム・スコットが使ったいてたのはタイトリスト913D3。ヘッドが面長で重心距離は長めが特徴。「プロやハードヒッターには重心距離が長いドライバーは合わない」という常識をデイは見事に覆してくれました。

 

重心距離が長い(慣性モーメントが大きい)ドライバーを使いこなす最大のポイント?

 

それはこれまで説明してきたトップのフェースの向きにあり、重心距離が長いヘッドを使いこなすには、トップでフェースが空を向くシャットフェースが不可欠。そして、ダウンスイングではフェースを早めにボールに向けてそのままインパクトを迎える。

 

レッスン・オブ・ザ・イヤーの永井延宏プロは、アダム・スコットのようなスイングを「新世代系」と呼んでいますが、ロングヒッターのM・カイマーはアダム・スコットと同じようなスイングをしています。ちなみに、F・ミケルソンやタイガーはテークバックでフェースを開き、ダウンからインパクトにかけてフェースを閉じていく。スイング中、フェース開閉を大きく使うスイングをしています。永井プロはこのタイプを、球を拾う技術を使う「コンサバ系」と表しています。

前置きが長くなってしまいましたが、もし、ヘッドスピード45m/s以下のアマチュアが飛距離アップを狙うならば、アダムやカイマーのようなシャットフェースをなんとしてもマスターして下さい。シャットフェースを身につけた方が、重心距離が長いドライバーを上手く使いこなせます。そして、重心距離が長いドライバーは重心距離が短いドライバーよりも物理的に飛びのポテンシャルが高いからです。

 

「シャットフェースは引っかかる」と言われてますが、これは従来のドライバー(重心距離が長くない)を使うことを前提にしたセオリー。パーシモン時代のドライバーは重心距離が32ミリ前後でしたが、バーナーのように投影面積が巨大で面長フェースのドライバーの場合、重心距離は42ミリを超えています。この重心距離の変化によって、スイングの常識が変わったのです。

 

道具に合わせるか、それともスイングに道具に合わせるのか?

 

ヘッドスピードが45m/s以上の人や、ドライバーに飛距離を求めないのであれば、トップのフェースの向きはシャットでもスクエアでも、どちらでもいいでしょう。しかし道具(クラブ)を上手く使って飛距離アップを狙うならば、道具にスイングを合せた方がいいです。それを如実に証明しているのがジュニアゴルファー。子供達は最初から大型ヘッドを使っているので、誰に教わるでもなくトップでフェースが空を向いています。

 

シャットフェースのトップを作る練習法としてお勧めなのがピンパターやキャビティアイアンを使ったシャドースイング。テークバックの開始とともにバックフェースにボールが乗っているとイメージしたら、ハーフバックまでそれを落とさないように心がけてましょう。ハーフバックでバックフェース(凹んだ部分)が空を向くようにすれば、ボールは落ちません。

 

そして、ハーフバック以降はバックフェースに乗ったボールを飛球線方向に飛ばすイメージを持ちます。ハーフバック以降、フェースを縦にひっくり返す(縦回転する)感じになってくると、アダムやカイマーのようなシャットフェースのトップを作れるようになるはずです。

左前腕を反時計回りにねじるとオープンフェースは解消できる

トップにおけるフェースの向きは、オープン、スクエア、シャット(クローズ)と3つに分けることができます。そして、今どきのクラブ(大型ヘッド、長い重心距離)に対応するには、フェースの向きは「シャット」がいいと説明しました。重心距離が長いクラブはフェースが開きやすい特性がありますし、スイング中にフェースを開いてしまうと、フェースが開いたままインパクトを迎える確率が高くなるからです。

にもかかわらず、アマチュアの多くはオープンフェースのトップを作っています。アナライズでは1000人以上のスイングデータがありますが、アマチュアの半数以上はトップでフェースが開いています。宮里藍ちゃんのようにトップでフェースが空を向いている、いわゆるシャットフェースになっているアマチュアは2割以下です。

アマチュアにオープンフェースが多い理由?

それはクラブの構造も少なからず影響しています。野球のバットやテニスのラケットと違い、ゴルフはシャフト軸線に重心(芯)がありません。シャフト軸線よりも外れていますし、シャフト軸線よりも後ろに重心(芯)がある。このため、クラブを動かした時にフェースが開く方向に回転しやすいからです。また、フェースを開いて上げた方が、クラブを動かしやすい。このため、多くのゴルファーは知らず知らずの内に(無意識に)テークバックでフェースを開いて上げてしまい、その結果、トップでオープンフェースになってしまいやすいのです。

では、どうすればオープンフェースを解消できるのか?

いくつかポイントはありますが、まずは極端なぐらいフェースを閉じて上げる感覚を養うことです。一度は宮里藍ちゃんのようなシャットフェースのトップを作ってみましょう。30ヤード右にスライスを打っているならば、ストレートを打とうとするのではなく30ヤード左にフックを打つ。と言ったらいいでしょうか?

わざと真逆なことを練習した方が、新しい「型」を覚えやすいし、思い切って身体の動きを変えていけるからです。そして、多くの人は真逆なことをするぐらい大胆な気持ちがないと、身体の動きは変わりません。スイングの「型」も変わりません。人間は慣れた動きから「外れる」ということに大きな抵抗感があるからです。

シャットフェースをマスターするポイントは3つ。

・テークバックの始動とともにフェースを下に向けていく。
例えば、7番アイアンのロフトは30度。30度のロフトをテークバックの開始とともに29度、28度、27度、26度‥‥という風にロフトを減らていきます。

・始動とともに左前腕を反時計回りにねじる。
左前腕の動きというのはフェースの向きに多大な影響を与えます。左前腕を時計回りにねじるとフェースは開き(オープンフェース)、左前腕を反時計回りにねじるほどフェースは閉じます(シャットフェース)

・手首をコックする時、左手首は手の平側に曲げ、右手首は手の甲側に曲げていく。
オープンフェースになる人の90%以上は手首をコックした時、左手首は甲側に曲がり、右手首は手の平側に曲がっています。

練習法としては、両手を20センチぐらい離した素振りがいいでしょう。7番アイアンを手にしたら左手はいつもの場所、右手は20センチぐらいヘッド側を持ちます。シャフトを持っても構いません。そしてヘッドを20センチぐらい浮かせてアドレス。

そこから上記の3つのポイントを意識しながらゆっくり素振りします。ハーフバックの位置(グリップが右腰あたり)でフェースが地面を向くぐらい、フェースを閉じていきましょう。そして左手首は手の平側、右手首は甲側に折れるように意識します。

ハーフバック以降はフェースが空を向くように、フェースを縦に回転させて上げていく。これでシャットフェースのトップが作れます。

今までオープンフェースだった人には、かなりと言うか、とてつもなく違和感がある感じになると思いますが、これを覚えないことにはオープンフェースから脱却できません。「こんなのスイングじゃない!」というぐらい、大胆に動きを変え、そして、それで作ったトップをデジカメなどでチェックしてみて下さい。「やっているつもり」では変化は生まれませんし、オープンフェースも解消しません。

客観的に変化してこそ、新しい「型」を身に付けることができるのです。

トップ時のフェース向きは3種類ある!

トップで左ひじをピシッと伸ばしておく……これがちゃんとできるかどうかはテークバックの途中で決まります。ハーフショットの位置で手首のコックが完了すれば、トップ付近で手首が余計な動きをしません。結果、クラブも暴れにくくなって左腕の伸ばしをキープしやすくなります。

左ひじが伸びたトップにこだわるのは、左ひじがぐにゃりと曲がったトップではエネルギーロスが多いから。そして、アマチュアの多くはトップ付近で左ひじがグニャッと曲がり、それがクラブの軌道、フェースの向きを狂わせることになるからです。「型にはめる」というと聞こえは悪いかも知れませんが、練習時間が限られたアマチュアほど、「型」にこだわったトップを作って下さい。その方が少ない練習量でもインパクトの再現性が高くなり、ミスを減らせるからです。

それだけではありません、「型にはまった」トップを覚えることは。空手の型稽古と同じ。ボールを1発も打つ必要はありません。素振りやシャドースイングで「型」を作ることができます。大事なことなので繰り返しますが、ボールを打たない方が「型」を正しく体に覚え込ませることができるのです(ボールを打つと、ちゃんと当てようとする意識が働くために、型がどんどん崩れてきます)。

さて、今回のテーマはトップ時のフェースの向き。

フェースの向きはオープン、スクエア、シャット(クローズ)と3つに分けることができ、どんなゴルファーも「そのどれか」になっています。

・オープンフェース
トップでフェースが正面を向いた状態(ヘッドのトウ部分が地面を指す)
スイングプレーンに対してフェースが開いていることから、オープンフェースと呼ばれ る。この状態から腕を振り下ろして構えた位置にヘッドを戻すと(腕をねじったりしな いで)、フェースが開いた状態になる。

・スクエアフェース
トップでフェースが斜め45度ぐらいに向いた状態(ヘッドのトウ部分も斜め)
スイングプレーンに対してフェースがスクエアな状態なことから、スクエアフェースと 呼ばれる。この状態から腕を振り下ろして構えた位置にヘッドを戻すと、フェースがス クエアな状態になる。

・シャットフェース(クローズフェース)
トップでフェースが空を向いた状態(ヘッドのトウ部分は地面と水平)
スイングプレーンに対してフェースが被った状態なことから、シャット(閉じた)フェ ースと呼ばれる。この状態から腕を振り下ろして構えた位置にヘッドを戻すと、フェー スが被った状態になる。

現在、プロのスイングを観察するとオープンフェースの選手はほとんどいません。大半の選手はスクエアかシャットフェースです。オープンフェースが皆無に近いのはクラブが劇的に変わったから。パーシモンヘッドの頃に比べると、今どきのドライバーはヘッドが大きくて重心距離が長め。このため、オープンフェースだとダウンスイングでフェースを返そうとしても間に合わないからです。パーシモンヘッドの頃は重心距離が32ミリほどでしたが、今どきのドライバーの重心距離は短いもので34ミリ、長くなると40ミリを越えてきます。スイングはクラブありきです。現在のクラブがオープンフェースを要求しないことを考えると、アマチュアゴルファーもフェースの向きはスクエア、もしくはシャットフェースのトップを作った方が賢明ですし、その方が飛距離&方向性が安定します。

では、スクエアとシャットフェースのトップとではどちらの方が有利なのか?

これもクラブありきと考えた方がいいでしょう。

もし、重心距離が長い(大型ヘッドで面長フェース、重心距離40ミリ以上)ドライバーを使うのであれば、宮里藍ちゃんのようなシャットフェースを作って下さい。重心距離が長いヘッドはシャットにフェースを使った方が、インパクトゾーンでフェースをスクエアに戻しやすいからです。

他方、重心距離があまり長くない(フェースが小ぶりで重心距離が34~38ミリ)ドライバーを使うのであれば、スクエアフェースを作って下さい。重心距離があまり長くなければスクエアフェースでも、インパクトゾーンでフェースをスクエアに戻しやすいからです。ちなみに、重心距離があまり長くないドライバーでシャットフェースを作ると、捕まり過ぎて引っかかりやすくなる場合があります。

もちろん逆もしかりで、ゴルファーのスイング(トップの形)にクラブを合せるのも正解です。自分が動かしやすい方法でテークバックしてトップを作った時、フェースの向きがスクエアになりやすいやすい人は、重心距離があまり長くないドライバーを使う。対して、フェースの向きがトップでシャットになりやすい人は、重心距離が長いドライバーを使う。スイングにクラブを合せれば道具(クラブ)を上手く使いこなせますし、飛距離&方向性が良くなってきます。

トップのフェースの向きについても、自分の感覚に頼るのは禁物です。デジカメや携帯カメラを使って、客観的にトップのフェースの向きを必ずチェックして下さい。自分のフェースの向きが「今ひとつ分からない」という人は、僕の有料メルマガに登録いただいて、質問コーナーに画像添付でメールを送って下さい。個別でアドバイス致します。

トップでは左肘をまっすぐ、右ひじを90度曲げる

テークバックにおいては‥‥左手首は親指が立つように、縦に手首を曲げていきます。対して、右手首は左手首同様、縦に曲げると同時に、甲側にも曲げていきます。左手に比べると少し複雑な動きになりますが、野球のボールを振りかぶって投げる時のように手首の使い方です。もしくは蕎麦やの出前持ちの形。右手首の甲側にしわができるように曲げていきます。

この手首のコックが完了すると左腕が地面と水平に達した時、シャフトはほぼ垂直になります。これはテークバックの途中であると同時に、ハーフショットのトップとなります。今まで手首のコックを意識しなかった人の場合ですと、「シャフトが立った」感じになると思いますが、それでOKです。

そして、このポジションでグリップエンドの向きをチェックすると、クラブが正しい軌道を描いているかどうか確認できます。グリップエンドの延長線が飛球線(ボールと目標を結んだライン)よりも少し手前側を指していればOK。グリップエンドの延長線がボールよりも向こう側(外側)を指している場合はシャフトが寝ています。シャフトがもっと立つように手首をコックして下さい。対して、このポジションでグリップエンドがつま先のライン上を指す場合はシャフトが立ち過ぎています。この場合は、シャフトを少し寝かせるようにしましょう。手首をコックした時、右手首を甲側に折るように心がけるとシャフトが立ち過ぎるのを修整できます。

このハーフショットのトップが正しくできると、実は、トップが簡単に決まります。手首のコックが正しく決まれば、後は肩を少し入れること、腕を少し振り上げるだけでフルスイングのトップになるからです。

言い換えると、多くのアマチュアはこのハーフショットのトップがちゃんと出来てません。コックが遅れているためにトップ付近で手首を使い過ぎたり、インサイドに引きすぎた反動でトップ付近でクラブを担ぎ上げる動きをしてしまうのです。トップで右ひじが大きく空いたり、トップでシャフトクロスするのも同じ。トップの形が悪い人の99%はハーフトップの形が悪い。だからトップ付近でクラブや体が余計な動きをするのです。

話を戻しましょう。ハーフトップの形で手首のコックが完了し、シャフトを立てる。これができたら、肩を少し入れる。アドレスで前傾してますから、左肩は下がり、右肩は上がっていくのが正しいモーションです。そして、手は右耳の高さぐらいまで振り上げていきます。

この腕の振り上げで意識してほしいのが左右のひじの関節。左ひじはピンと伸ばし、右ひじは90度曲げる。右ひじを曲げることで左ひじを伸ばすと言ったらいいでしょうか? グリップエンドを外に向けることを意識しながら右ひじを曲げていくと、左ひじがピンと伸びてきます。言い換えると、トップでは左ひじが伸びているのが絶対条件。

左ひじが伸びてくるとトップが美しくなります。それだけではありません。緩みのないトップを作った方がパワーが蓄積されますし、ダウンスイングへの移行もスムーズになるからです。

スイング作りでは、大は小を兼ねない

練習しても上手くならない‥‥、何年やってもスライスが治らない‥‥。こういう負のスパイラルに陥っている人を見ていると、自分の感覚に頼り過ぎ、外側から自分のスイングを分析することをほとんどやっていません。メンタルバリアーが非常に高いです。

 

逆に、短時間で上達する人を見ていると、自分の感覚ではなく、客観的な視野を持っています。そして、違和感に対して非常に柔軟でメンタルバリアーが非常に低い。この差こそが、上達の差になっています。

 

そしてもうひとつアマチュアの上達を阻んでいる壁があります。それは、「大は小を兼ねる」という感じで練習していることです。具体的に言うと、多くのアマチュアは練習時間の大半をフルショットに費やしています。ドライバーばかりを振り回す人は多くないと思いますが、大抵は7番アイアンのフルショットとかでスイングを作ろうとしている。小さくまとまったり、手打ちにならないようにするために‥‥。

 

しかし、フルショットばかりの練習は「費用対効果」は決して高くありません。誤解を恐れずに言うと、漠然とフルショットの練習を500球打つのと、小さいスイングとか、部分のチェックを意識しながら100球打つのとを比較するならば、後者の方が「費用対効果」が高いし、練習すれば練習しただけ上達できます。何故かと言うと、小さいスイングや部分のチェックを意識した方がごまかしが効かないから。自分がいい動きをしたのか、悪い動きをしたのかをセルフチェックしやすいし、正しい動きを身に付けやすいからです。ただし、これらの練習は、クラブをビュンビュン振りしてボールを打つのに比べると練習をエンジョイできません。単調かつ反復練習。そしてボールを遠くに飛ばすのとは逆のベクトルなので‥‥練習時のモチベーションも上げづらい。面白いか、面白くないかと聞かれたら‥‥面白くない練習です。

 

でも、面白くない練習を避けてばかりでは「ザルで水をすくう」のと同じ。ボールを沢山打つことによる達成感は得られても、自分の欠点を修整したり、正しい動きや形を身に付けることは非常に難しいでしょう。言い方を変えると、面白くない練習を面白いと思えるかどうかが、ゴルフ上達の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

 

では、どんな面白くない練習をすれば「投資効果が上がる」のか?

 

まずはハーフショットです。クラブは7番でも9番でも構いませんし、アプローチウエッジでも構いません。振り幅は腰から腰まで。テークバックはシャフトが地面と平行に達するまで、フォローもシャフトが地面と平行に達するまでを心がける。このハーフショットをした時に、クラブの軌道、そして体の使い方をチェックしながらボールを打って下さい。遠くに飛ばす必要はまったくありません。ボールを遠くに飛ばすことよりもクラブがプレーンに沿って動いているのかどうか。手首、関節を正しく使えているのかどうか。体重移動、体の大きな筋肉をちゃんと使ってスイングできているかチェックすることです。

 

具体的に言うと、

 

テークバックでは
・アドレス時のシャフトの角度(シャフトプレーン)に沿ってヘッドが動く
・フェースの向きは前傾した背骨とほぼ平行・手首のコックができている(左腕が伸びていて、右ひじが曲がっている)
・左手の上に右手が位置している。
・体重が少し右に移動している
・前傾に対して肩が水平に回っている

 

ことをチェック。

 

ダウンスイングでは
・下半身からダウンを開始
・手首のコックを保っている(左腕が伸びていて、右ひじが曲がっている)
・シャフトプレーンにそってヘッドが動く

 

ことをチェック。

 

インパクトでは
・体重がやや左に乗っている
・腰がやや開き、肩はほぼ正面を向いている
・ややハンドファーストでボールを捕える
・頭の位置はアドレスの位置をキープしている

 

ことをチェック。

 

フォローでは
・体重が左に移動している
・アドレス時のシャフトの角度(シャフトプレーン)に沿ってヘッドが動く
・体がしっかりターンしている(胸が目標方向を向く)
・手首のコックがリリースされている
(右腕が伸び、左ひじが少し曲がっている)
・左手の上に右手が位置している(フェースのトウが斜め上を向く)

 

ことをチェック。

 

チェック項目が非常に多いですが、一度に全部やる必要はありません。打ちながらあれこれ考える練習も時には必要ですが、練習器具やドリルを利用すると、これらの動きを身につけやすくなります。次回は、スイングづくりに役立つ効果的な練習器具についてお話しましょう。

スイングするときは外側の目を利用する

(形)をチェックする時は‥‥自分の感覚に頼るのは禁物。必ず、客観的な方法に頼って下さい。具体的に言うと、デジカメ、ビデオ等の画像を利用し、スイングの型(形)がどんな風になっているかを自分の目で確認することです。

なぜ、自分の感覚に頼ってはいけないのか?

それを説明する前に、ちょっとした実験をやってみましょう。道具は何も必要ありません。鏡や窓ガラス(自分が写って見える)前で両足を揃えて立ったら目を閉じます。そして目を閉じた状態で両腕が地面と水平になるように、腕をピンと伸ばしましょう。腕を伸ばしたら目を開いて、両腕がどんな高さになっているかチェックしてみて下さい。

察しのいい人はもうお分かりでしょう。

そうです。自分では地面と水平に両腕を保っているつもりでも、大抵の人は左手の方が高かったり、右手の方が高かったりすることが‥‥めずらしくありません。高さが揃わない理由はいくつかありますが、大抵の人は、「自分の感覚と実際の型(形)にズレが生じやすい」のです。

もうひとつ理由があります。ゴルフのスイングを評価する場合、その評価基準となる目(レンズ)の位置は自分の目ではなく、自分の外側にあります。スイング軌道をチェックする場合は、飛球線の後方です。このため、自分の目からどう写るかを基準にして練習するよりも、外側の目からどう見えるのかを確認した方が、イメージと実際の動きとの間に「ズレ」「錯覚」「勘違い」のたぐいを確実に減らせるからです。

例えば、自分ではヘッドを真っ直ぐ引いているつもりなのに、デジカメでスイング画像を撮ったら‥‥ヘッドが極端にインサイドに上がっている‥‥ゴルフにおいてはこういうエラーが生じやすいです。エラーの原因は自分の感覚、自分の目線に頼っているからです。外側の目でチェックしていないから、「大きな勘違い」が発生していることに気づかないのです。

練習しても上手くならない‥‥、何年やってもスライスが治らない‥‥。こういう負のスパイラルに陥っている人を見ていると、自分の感覚に頼り過ぎ、外側から自分のスイングを分析することをほとんどやっていません。メンタルバリアーが非常に高いです。逆に、短時間で上達する人を見ていると、自分の感覚ではなく、客観的な視野を持っています。そして、違和感に対して非常に柔軟でメンタルバリアーが非常に低い。この差が、上達の差になっているとボクは見ています。

ゴルフに運動神経がどれぐらい必要なのかは分かりませんが、自分の感覚に頼らないで客観的に自分を分析する。これをちゃんとやれば、練習しても上手くならない‥‥なんてことは絶対にならないでしょう。

テイクバックでは始動とともに右肘を曲げる

ゴルファーがスイング中にゴルファーがチェックすべきポイントは

・アドレス
・テークバック
・トップ
・ダウン
・インパクト
・フォロー
・フィニッシュ

全部で7つ。7つのポイントで正しい形(型)を覚えれば、大抵の人は70台で回ってこれます。プレッシャーに弱い人でも、正しい形(型)がちゃんと身に付けばシングルになれます。ボクが型にこだわるのは、体に染みついた型はどんな時でも裏切らないからです。逆に、リズムやタイミングというのは、ここ一番で狂います。タイガー・ウッズしかり、石川遼クンしかり。プロでもプレッシャーがかかれば簡単に狂います。

では、どこをどう意識すれば正しい型が身につくのか?

ひとつめのポイントはテークバック。

テークバックの型を上手く作るコツは右ひじの使い方にあります。テークバックでは「両腕の三角形をキープ」するというセオリーがありますが、これは絶対にやらないで下さい。そんなことを意識すると左ひじだけでなく右ひじも伸びたままになるだけ。これではヘッドをスイングプレーンに乗せることはできません。

「両腕の三角形」を意識するほど、インサイドにヘッドを引き過ぎたり、アウトにヘッドが上がってしまいます。また、「両腕の三角形」を意識するほど右ひじが突っ張ってしまい、クラブが上がりづらくなる分だけ、体が右にスエーしたり、トップ付近で左ひじがグニャッと曲がりやすくなります。

テークバックでは始動部分ではに右ひじを少し曲げる(少し引く)ことを意識して下さい。右手でタンスの引き出しを引く時、右ひじを少し曲げますよね。この動きをスイングに取り入れて下さい。これだけでクラブは正しい軌道に乗りやすくなり、正しい型(形)を作れます。

コツにしては簡単過ぎて拍子抜けしたかも知れませんが、これが正しい型(形)作りの基本であり極意です。ただし、注意して欲しいのは右ひじを動かし過ぎないこと。右ひじを動かす量はごくわずかで0K。右ひじが体に触れるか触れないかぐらい引いて下さい。

もし右ひじを引く(右ひじを曲げる)感じがつかめないようならば、ヘッドを肩の高さまで持ち上げ、水平素振りをしてみるといいでしょう。体の正面で腕を肩の高さまで持ち上げたら、両腕を伸ばして構えます。この時点では「両腕の三角形」を作って下さい。そしてここからクラブを水平に動かす。テークバックの始動とともに、右ひじを少し引く(少し曲げる)こと意識すれば、クラブを水平に振っていきやすいはず。そして、やってみれば分かりますが、右ひじを引いたのに連動して手首のコックを入れていけばいいのです。

もうひとつの注意点は、テークバックでは右ひじは曲げても、左ひじは絶対に曲げないこと。左腕はピンと伸ばしておくことも重要なポイントです。そうです、左右のひじ(腕)は同じように動かさないことも正しい型(形)を作る上で不可欠なのです。

型(形)作りで重要な鍵を握っているのは筋肉ではなく、骨(関節)の使い方です。よくモノを覚えるには「コツ」があると言いますよね。「コツ=骨」なんです。ホント、ダジャレみたいですけどドイツ語でも運動を覚える「コツ」に当たる言葉も「骨」なんだそうです。

テークバックは「最初の30センチが大事」だと言われますが、この30センチを決めるには右ひじを少し曲げる(少し引く)こと。自分の感覚ではなく、ビデオやデジカメを使って、右ひじの動きとクラブの軌道をチェックしながら練習して下さい。「両腕の三角形」をキープするよりもクラブの軌道が良くなるだけでなく、体をスムーズに、かつ効率よく動かせるようになってくるはずです。

素振りの重要性

「ボールを打ってもスイングは良くならない!」では素振りの重要性について説明しましたが、今回もその続きです。大事なことなので何度でも繰り返しますが、ゴルフはボールをたくさん打っても上達しません。ボールをたくさん打てばそれなりに当るようになりますが(まったく何もしない人に比べれば)、それなりです。たくさん打つことでシングルになる人もいますが、非常に希です。どこの練習場にも「あの人、毎日ボールを打っているよね」という常連さんがいますが、腕前はどうでしょう。その常連さんが練習場で一番上手いってことも非常に希なはずです。

 

他方、前回も説明しましたが、素振りで形をちゃんと作る練習をすれば、練習すればしただけスイングは綺麗になります。綺麗と言う言葉は抽象的なので、正確に言うと、シャフトプレーンに沿った、プレーン感のあるスイングを作ることができます。

 

もちろん、ただ闇雲に素振りすればいいわけではありません。回数にこだわるのも避けて下さい。10回よりも20回、20回よりも50回、50回よりも100回‥‥回数にこだわると正しい動きを身に着けることよりも、回数をたくさんこなすことが優先順位の一番になります。結果、「数をこなせば何をやってもいい」という勘違いが生じやすくなるのです。

 

素振りをする場合、実際にボールを打つような感じでクラブを振る方法と、部分、部分を止めてクラブを振る方法があります。正しいスイングを身に着けるには部分、部分で止めながら素振りして下さい。部分、部分の形を意識した方が、間違い(悪い動き)を矯正しやすいからです。

 

ゴルファーがスイング中にゴルファーがチェックすべきポイントは

 

・アドレス
・テークバック
・トップ
・ダウン
・インパクト
・フォロー
・フィニッシュ

 

全部で7つ。7つのポイントで正しい形(型)を覚えれば、特別な才能がなくても誰でも70台で回ってこれます。プレッシャーに弱い人でも、正しい形(型)がちゃんと身に付けばシングルになれます。リズムやタイミングとうのは、プロでもプレッシャーがかかれば簡単に狂います。

 

タイガー・ウッズや石川遼クンでも優勝争いをしている時はプレッシャーがかかり、そんな時は切り返しのタイミングが早くなっています。他方、いったん覚えた形というのは、プレッシャーがかかっても変わりづらい。例えば、トップで左ひじがピンと伸びている人ならば、プレッシャーがかかっても左ひじがガクンと曲がったりしません。形は(型)ゴルファーを裏切らないのです。

 

それだけではありません、形(型)がちゃんとできていれば、リズムやタイミングが狂ってもミスの度合いが少ないのです。プレーン感があるスイングをしていれば(プレーンから大きく外れるスイングに比べて)、リズム&タイミングが狂った時でもヘッドの軌道が狂う度合いが少なく、ナイスショットとミスの差が少なくなります。ミスした時でもボールが曲がりづらくなるので、スコアの浪費を確実に減らせます。

 

日本では「型に嵌める」というのは、あまり良い意味で使われません。しかしながら、練習できる時間が限られるアマチュアこそ、徹底的に形(型)にこだわった方が、努力が確実に報われます。遠回りしません。

 

具体的な形(型)作りついては次回からじっくり説明していきますが、形(型)づくりで重要なヒントを握っているのは筋肉ではなく、関節の使い方です。まずは手首とひじの関節を正しく使うこと。そのためには、ゴルファーの大多数が正しいと信じ込んでいる「両腕の三角形をキープ」することを即刻、止めて下さい。正しい形(型)を身に付ける第一歩はここから始まります。

ボールを打ってもスイングは良くならない

打ち放題の練習場に行くのは「ゴルフ上達」のためには得策ではないとハッキリ書きました。大事なことなので繰り返しますが、打ち放題に行くと大半のゴルファーは100球よりは150球、200球よりは300球という風に……一定時間内に数多くのボールを打とうとします。1時間打ち放題で、10球だけしか打たない人はまずいません(笑)。

 

恐らく、このメルマガを読んでいるゴルファーの中にも、沢山のボールを打つことが練習の主目的になっているのでは? ボクの周りにも「今日は500球も打った!」なんて球数(練習量)を自慢する人も少なからずいます。

 

言い換えると……球数を増やせば「自分のスイング」を築けると思っていたり、悪い癖が矯正されると思っている人が圧倒的に多いはずです。

 

しかし現実はどうでしょう?

 

10年前ぐらいから打ち放題の練習場が増えましたが、アマチュアのハンデキャップが大幅に減ったとか、シングルの数が増えてきたという声は聞かれません。10年前に比べるとクラブはかなり進化し、プロ、アマチュアを問わず飛距離は確実に伸びています。にもかかわらず……昔も今も「100がなかなか切れない」「ハンデ10の壁を乗り越えられない」で悩んでいるゴルファーが巷に溢れています。また、スライスやチーピンに悩んでいる人の数も相変わらずです(その証拠に、大半のゴルフ雑誌は、100切り、脱スライス、脱チーピンといったレッスン記事が非常に多い)。

 

打ち放題の出現でゴルファーの球数(練習量)が増えたのに、上手くならないのはなぜでしょうか?

 

球数(練習量)を増やすことと、スイングを良くすることの間には因果関係が無いからです!

 

ボールをたくさん打ってスイングが良くなる(上手くなる)人もいますが、そういう人は非常に希なケース。大抵の人は、たくさん打てば打つほど、悪いスイングが定着化します(癖になります)。理由は単純、ボールを打てば、打った直後に結果が見える。このため、スイングを変えることよりも、ボールをちゃんと打ちたい(芯で捕えたい)ことに意識が向かうからです。空振りしていいからとか、ちょろを10発続けてもスイング(動き)を変えようとする人は、まずいません。

 

具体的に言うと、アウトサイド・イン軌道でカット打ちする人は、ボールを打てば打つほどアウトサイド・イン軌道でカット打ちする度合いが定着されます(プロ、インストラクターについて習っている人、自分のスイング画像を定期的にチェックし、客観的に分析できる人を除き)。アナライズには1000人以上のアマチュアのスイングが保存されていますが、練習量の多さとスイングの習熟度はほとんど比例していません。むしろ、ボールをたくさん打っている人ほど、スイングに重大なエラーを抱えている場合があったりします。

 

前置きが長くなってスミマセンm(_ _)m
では、どんな練習をすれば上達につながるのか?

 

例えば、テークバックでヘッドがインに動き過ぎるのが原因で、トップでシャフトがクロスしているのならば、ボールを打つことよりも素振りをして下さい。それもただ素振りをするのではなく、自分のやっていることが正しいかどうか客観的にチェックしながら(ビデオやデジカメでチェックする)。

 

当たり前過ぎて拍子抜けしたかも知れません。しかし、ボールをたくさん打つことよりも素振りした方がスイング(動き、形)を変えられます。1時間で200球打つだけのエネルギーがあるならば、1時間100回でいい。新しい動きを身につけるための素振りを真剣にして下さい。そして最初と最後のスイングを見比べ、どれぐらい動きが変わっているか客観的にチェックする(これがものすごく大事!)。

 

察しのいい人は、もうお分かりでしょう。

 

そうです、練習で一番大事なことは練習前と練習後、いわゆる「ビフォー、アフター」で明確な差を出すこと。例えば、テークバックでヘッドがシャフトプレーンよりも30センチ、インサイド方向にに外れているならば、練習後にはヘッドはプレーンから外れる度合いは20センチになっている……練習前と練習後で、「スイングをどれだけ変化させられるか」が、本当の意味での練習。そして、これが上達につながるし、努力が報われることになるのです。

 

もちろん、正しいスイングを身に付けるには素振りの仕方にもそれなりの工夫が必要です。上達につながる素振りの仕方については、次回じっくり説明しましょう。