マーク金井blog

2013年11月05日クラブメーカーがドライバーのリアルロフトを増やす理由とは!?

今日、火曜日は週刊ゴルフダイジェスト、週刊パーゴルフの発売日。ダイジェストでは、女子プロの菊地絵理香のクラブセッティングが出てました。ドライバーとアイアンはマーク金井エースクラブとして使っているVG3です。ドライバーのシャフトは50g台のモトーレスピーダー5.2で、アイアンのシャフトは70g台の超軽量スチール、GS75。重量マッチングはややアイアンが軽めです。そして本人もコメントしてますが、9番、PWとAWのロフト差はあまり好ましくありません。

9番(VG3)   39度
PW(VG3)   45.5度(1.5度寝かせている)
AW(ボーケイ)  52度

ロフトピッチが6.5度と開いています。ストロングロフトの今どきアイアンとティアドロップ型のAWを組合わせているために、ロフトピッチがいびつになり、この3本の番手間の飛距離差も約20ヤードと大きめです。ちなみに、マーク金井の場合は、

9番(VG3)   39度
PW(VG3)   44度
AW(VG3)   49度
SW(VG3)   54度
SW(MK58)  58度
純正でSWまで入れているので、番手間のロフトピッチが5度でキープされています。VG3に限りませんがストロングロフトのアイアンの場合、セット物のウエッジを入れた方が飛距離の階段を一定に保ちやすくなります。そして、ボールを上げたいならば58~60度のウエッジを追加する。ウエッジを1本追加してクラブが15本になるならば、5番アイアンを抜くという選択肢をお勧めしたい
です。実際、マーク金井は普段のプレーでは5番アイアンを入れてません。アイアンは6番からです。

さて、今日はウッドのロフト(リアルロフト)設定についてです。大半のクラブメーカーは、アイアンのロフトを立ててきていますが、ことウッドに関してはロフトを寝かせる傾向にあります。表示されているロフトは昔も今も変わりませんが、リアルロフト(シャフトを垂直にセットし、フェースをスクエアにした状態でのロフト)は昔よりも増えています。例えば、10.5度表示のアベレージ向けドライバーの場合、リアルロフトは‥‥

11~13度

ぐらいのモデルが多いです。特に、ボールの上がりやすさを強くアピールしているドライバーの場合、「リアルロフト≠リアルロフト」です。表示ロフトよりも1.5度以上多くなっています。

では、なぜドライバーはロフトを増やすのか?

アマチュアのヘッドスピード(40m/s)だと、ロフトが少ないとボールが上がり切らず、キャリー不足に陥るからです。打ち方、スピン量によっても異なりますが、ヘッドスピードが40m/s前後の人の場合、飛ばしに最適な打ち出し確度は14度前後。この打ち出し確度を確保するために、多くのドライバーは10.5度表示でリアルロフトが11度以上になるように設計しているのです。言
い換えると、ヘッドスピードが40m/s前後の人の場合、リアルロフトが10度以下だと最大キャリーを出しづらくなるのです。メーカーもそれが分かっているから、ドライバーではアイアンと反対のことをやっているわけです。

では、ドライバーの次に飛距離を出したい3Wはどうなのか?

3Wはアイアン同様、ティアップしないで地面から打つのが主たる目的のクラブです。ティアップして打つこともありますが、長いパー4やパー5での2打目で使うクラブです。

3Wもドライバー同様、ロフトを少し増やした方がキャリーが出ます。しかし、昔も今も3Wのロフトは15度がほとんど。そして、3Wに関して言えば、表示ロフトよりもリアルロフトが多いクラブはほとんどありません。15度表示でリアルロフトも15度前後が非常に多いです。このため、ドライバーのヘッドスピードが40m/sの人の場合、3Wよりも5Wの方がキャリーが出る人が結構多
いです。5Wのロフトは18度前後あるので、ボールが上がりやすいからです。

では、なぜクラブメーカーはロフトが多めの3Wを作らないのか?
メーカー側も3Wは15度よりも少しロフトを増やした方がキャリーが出るのを分かっていますが、何故か16度とか17度とかの3Wは作りません。そして、作らない理由も今ひとつ分かりません。ドライバーやアイアンのロフトを変える事に対しては柔軟なのに、なぜか3Wだけはかたくなに15度にこだわるメーカーがほとんど。正確に言うと、国内メーカーほど「3W=15度」にこだわっています。対して、米国メーカーは3Wのロフト設定に柔軟です。

例えば、大ヒットしたテーラーメイドのロケットボールズの場合、15度の3Wだけでなく、17度の3W(3HL)といのを市販してます(日本未発売)。また、コブラは最初から3Wのロフトを16度に設定したモデルも出しています。

米国人の方がヘッドスピードが速いはずなのに、米国ではボールがあがりやすい(ロフトが多い)3Wを市販しています。アナライズでは開店セールコブラの3W(バフラー T-RAIL+)を出品してますが、これをセレクトしたのはロフトが多めだからです。個体差もありますが、この3Wのリアルロフトは16~16.5度。15度の3Wよりもボールが上がりやすくなっているのです。

たかがロフト、されどロフト。

3Wのロフトが15度でなければならない理由は、マーク金井には思い浮かびません。3Wの適正ロフトはドライバーのロフト(リアルロフト)よりも5度ぐらい多いぐらいがちょうどいい。3Wが苦手な人もロフトが多めの3Wを手にすれば、3Wでしっかり距離を稼げるだけでなく、ミスも減らせます~。

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