カテゴリー: ライ角
2014年11月21日アイアンの打感にこだわるならば、ライ角度を必ずチェックすべし!?
火曜日は千葉市民、水曜日は千葉バーディ、そして昨日(木曜日)はカレドニアン。仕事柄、3日続けてゴルフ場行くのは珍しくありませんが、3日続けて千葉県のゴルフ場に行ったのは初めてかもです。そして、このブログがアップされる頃は、テレビ収録のために兵庫県のゴルフ場でプレーしています。ちなみに、明日土曜日は再び千葉のカレドニアンでパッティングのセミナーを受ける予定です。これで今週は5日連続でゴルフ場、ツアープロみたいな一週間となりましたが、ブログはここ1年以上、週5日ペースで更新し続けています(笑)。
さて、今日のエントリーもアイアンの打感の善し悪しの正体について。打感とは読んで字のごとく、「打った感じ」「打った感触」のことです。打つことで得られる情報は耳と手で感じ取り、耳には音が伝わり、手には振動が伝わります。言い換えると、耳栓をして、分厚い軍手のようなグローブをしてボールを打つと、例えプロゴルファーであっても打感の善し悪しをジャッジ(判別)することはできないのです。
では、振動は何によって発生するのか?
インパクト時に発生する振動は2つあります。ひとつはボールを打った時に発生する振動。ボールをヒットすると、その衝撃で振動が発生します。このため、打感に影響を及ぼすのがフェース(打球面)の厚みです。
マッスルバックはフェースが分厚く、キャビティバックはフェースが肉薄になっています。言い換えると、フェースの厚みによってインパクト時に発生する振動の出方が異なり、多くのゴルファーはフェースが分厚いアイアンを打った時に、手に心地良い振動(心地良い感触)が手に伝わり、その時に、「このアイアンは打感が良い」というフィーリングを味わいます。キャビティを打った時、「打感が今ひとつ良くない」と感じるゴルファーが少なくありませんが、これはキャビティの方がフェースが肉薄だからです。フェースが肉薄になるほど、一般的には球離れが早く感じ、そしてマッスルバックのようにボールをつぶした分厚い打感を得づらくなるのです。
そして、もうひとつの振動とは、地面を叩いた時の振動です。アイアンは地面から打つクラブ。トップした場合は別ですが、ダウンブロー軌道で打てば、ソールは地面と接触し、地面と接触することで振動が発生します。そして、その振動というのは手に伝わります。
なので、クラブがどんな状態で地面を捕らえるかで振動の出方というのも異なります。ゴルファーによって感じ方が異なりますが、一般には、ソール全体が地面を捕らえた時、適正ライ角な状態で地面を叩いた時の振動が、手に心地良い感触になります。対して、インパクトでソールのトウ側だけ地面と接地していたり、インパクトでソールのヒール側だけ地面と設置している場合は、振動が不安定になり、手に心地良い感触が伝わりづらくなります。
そうです、どんなに打感がいいアイアンを使っていても、ライ角が合っていない場合、インパクトでソールのヒール側やトウ側が浮いている場合は、打感が良いアイアンにはなってくれません。ライ角が合っていないアイアンはボールの方向性に悪影響が出るだけでなく、打感にも悪影響が出るのです。マーク金井は、市販クラブのアイアンを試打する場合、可能な限りライ角調整してボールを打ちます。理由は単純、アイアンはライ角を合わせてこそ、方向性の善し悪しをチェックできるし、打感の善し悪しもチェックできるからです。メーカーの記者発表とかで、アイアンを意図的に打たないのはライ角が合っていないアイアンを打って、間違った評価を下したくないからです。
たかがライ角と侮ってはいけません。アナライズではすでに2000人以上のゴルファーのライ角調整を行っていますが、90%以上のゴルファーはライ角調整後のアイアンを打った時、「調整前よりも、打感が良くなった」とコメントされています。
ライ角が不適正な状態のアイアンしか打っていないと、その時に感じる打感が「普通」になります。適正ライ角のアイアンを打ったことがなければ、心地良い打感を経験したことがないからです。
ドライバー同様、アイアンもめざましく進化してますが、昔も今も「アイアンはライ角が命」です~。
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2014年05月30日不適正なライ角がゴルファーに及ぼす悪い影響とは!?
5月はGWの影響もあって1ヶ月があっという間です。来週からは6月になり、メジャー2戦目の全米オープンが開催されます。全米オープンは世界各地で予選が行われますが、アジア地区の最終予選は26日、奈良県の奈良国際ゴルフ倶楽部で開催されました。1日で36ホール・ストロークプレーというタフな予選ですが、本選出場権を得たのは、梁津萬宮里聖志、谷口徹、李京勲、D.オー、矢野東の6名となりました。
第114回全米オープンゴルフ選手権は6月12日から4日間、ノースカロライナ州のパインハーストリゾート&カントリークラブ(パインハーストNo.2)で開催されます。腰の手術を行ったタイガー・ウッズは体調不良ということで、マスターズに続き、全米オープンも欠場が決まっています。タイガーの欠場は非常に残念ですが、あらたなるヒーローが登場するチャンスでもあるので、ニューヒーローの活躍を大いに期待したいです。ちょっと早いですが、カップを見ないでショートパットを打つ、ジョーダン・スピースを優勝候補に上げたいです。
さて、今日のエントリーもアイアンのライ角についてです。ライ角とはヘッドとシャフトがおりなす角度のことですが、
・アドレスではなくてインパクトでソール全体が地面に接していること
これが正しいライ角です。大事なことなので繰り返しますがアドレスではなくインパクトでソール全体が地面に接しているのが正しいライ角です。言い換えると、
アドレスのライ角≠インパクト時のライ角
です。昔はアドレスした時にトウが少し浮いているのが正しいライ角だとか、アドレス時にヘッドのトウ側を浮かせ、コイン2~3枚入るのが正しいライ角だというアドバイスがありました。経験則によるアドバイスだと思われますが、あながち間違いではありません。アドレス時にソールがべったり地面に付くようなライ角のアイアンを使っていると、
9割以上の確率で‥‥
インパクト時にソールのヒール側が浮いた状態になるからです!!!!
クラブメーカーではピンがライ角の重要性を強くアピールし、ゴルファーによって適正ライ角が異なることを訴えかけています。国内ではミズノもライ角の重要性をアピールしていますが、他のメーカーはこの2社ほどライ角の重要性をアピールしていません。そして、多くのメーカーはライ角調整ができないアイアンを市販しています。大ヒット商品のゼクシオにしてもアイアンのライ角を調整することはほとんどできません。
そして、アイアンのライ角を調べてみると、市販アイアンのほとんどは
5番で61度±0.5度
40年前も現在もライ角のスタンダードはほとんど変わっていません。アイアンのロフトはこれでもかってぐらい変化しているにもかかわらず、この40年で日本人の平均身長が伸びているにもかかわらず、アイアンのライ角は61度前後がスタンダードです。アイアンが進化したことをアピールしているメーカーが多いですが、今どきの進化したアイアンの半数以上はライ角調整ができません。
ちなみに、アナライズではこれまで1000人以上のゴルファーのライ角を計測していますが、その数値は
5番で58~67度
と非常にレンジが広いです。平均を取ると大体62~63度です。ちなみにマーク金井の適正ライ角は5番で65度前後(クラブによって適正ライ角は±0.5度変わります)。市販アイアンをつるしのまま使うと、インパクトでヒール側が大きく浮き、ソール幅のディボット跡を残せません。加えて、芯で捕えづらくなるので、飛距離、方向性が不安定になります。打感ももちろん悪くなります。なので、アイアンを試打する時はなるべく適正ライ角に調整してから使っています。不適正なライ角のアイアンで試打しても、クラブの性能を100%引き出せないからです。
クラブメーカーがライ角のバリエーションを増やさない理由はいつくかありますが、そのひとつに「アップライトなライ角は左に引っかかる」という都市伝説があります。アナライズにライ角フィッティングをしていても、アイアンが引っかかるのに悩んでいる人の多くは、「ライ角がアップライト過ぎるから、フラットに調整して欲しい」とリクエストされるゴルファーがかなりの比率でいらっしゃいます。
しかし、いざライ角フィッティングしてみると、ライ角がアップライト過ぎてアイアンが引っかかる(インパクトでトウ側が浮き過ぎる)ゴルファーというのは、非常に少ないのです。1割いるかいないかでしょう。残りの9割のゴルファーはライ角がフラット過ぎるのにアイアンが引っかかっています。なので、自分のアイアンのライ角がフラットなことが分かると、皆さん「ウソでしょ」って感じで驚かれます。
物理的には、ライ角がフラット過ぎる(インパクトでトウ側が浮き過ぎる)と、ボールは右に飛び出しやすくなり、右へのミスが出やすくなるはずです。しかし、現実は逆になることが少なくないのです。アイアンの引っかけに悩んでいる人の多くは、右に飛び出しやすいアイアンを手にしながらも、左に引っかるミスに悩まされているのです。
では、なぜライ角がフラットなアイアンで引っかけてしまうのか?
一番考えられるのは人間の調整能力です。右に飛ぶのが分かると、右に飛ばないようにスイングする。アウトサイド・インの軌道で強引に球を捕まえたり、インサイドからあおって打って球を捕まえたりします。結果、右に飛ぶクラブでも球が捕まるようになりますが、それに慣れてくると捕まえ過ぎる動きが強調されて、引っかかるのです。
もうひとつの理由は打点位置。ライ角がフラットなアイアンを使っていると、インパクトでヒール側が浮くので、打点位置がフェースの先っぽになりやすい。ウッドほどではありませんが、アイアンも先っぽに当たると、ギア効果でボールにフックスピンがかかって左のミスが出やすくなってきます。意外と思うかも知れませんが、ライ角は打点位置にも影響を及ぼし、不適正なライ角だとフェースの芯でヒットすることが難しくなるのです。
ライ角についてはいろんな考え方がありますが、クラブの性能を100%引き出すには適正ライ角に調整することが必要不可欠です。そして適正なライ角のアイアンを使った方が、スイングに悪い癖が付きづらくなりますし、アイアンの方向性、飛距離を安定させることにもつながります。
アナライズではライ角フィッティングを実施してますが、この6月からは週に2回、無料ライ角診断を実施致します。
・毎週木曜日 17時~20時
・毎週土曜日 16時~19時
電話で事前にご予約いただけると嬉しいですが、予約をいただかなくても到着順で適正ライ角を診断致します。マイクラブは持参いただいてもいいですし、手ぶらでも大丈夫です。ゴルフスイングができるシューズ、服装でお越し下さい。お1人様15分程度で適正ライ角を診断致します~。
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2014年05月29日ゴルファーにとって適正なアイアンのライ角とは!?
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昨日は恒例の薄暮ハーフ。スタートは午後3時半すぎ。一年で一番日が長い時間ですから、この時間でも余裕で9ホール回れます。プレーを楽しむのはもちろんですが、マーク金井の場合、コースに出た時は大抵クラブを試打します。今回は、PRGRのマークダウン品、505レッドを47インチに仕上げたドライバーをテストしました。
505レッドはヘッド重量が軽めで185g前後。ヒールエンドで47インチで組むのにちょうどいい重量です。PRGRシリーズの中でレッド(赤)はシニア向けという位置付けになっていますが、実は、飛び性能の高さが際立っています。この505も期待を裏切らず、フェースの弾き感はかなりモノでした。ルール適合モデルですが、限界に近い弾き感を味わえました。加えて、リアルロフトが多くありません。リシャフトでフェース向きをオープン方向に調整したら、10.5度表示でリアルロフトが10度以下になりました。
コースでは5ホールほどテストしましたが、予想通りフェースの反発性能が高く、ボール初速が出ます。スタートホールはややフォローでしたが、ブッシュネルで計測したら300y近く距離が出てました。ヘッドが軽いので長尺に相性が良いのはもちろんのこと、白ティ女子やシニアゴルファーにも「飛び」を体感できるドライバーです。こんなドライバーがマークダウンで手頃な値段で売られると、新製品が割高に感じてしまいます。
そしてマーク金井の場合、コースに出た時に必ずチェックしているのがフェアウェイやラフのディボット跡。どんな方向、どんな形のディボット跡コースに残っているのかを必ずチェックしています。理由は単純、ディボット跡を見れば、ゴルファーがどんなアイアンを使ってるのか、ライ角があっているアイアンを使っている人の度合いがどれぐらいかを知ることができるからです。
そこで今回のエントリーはライ角がショットに及ぼす影響について。
ライ角とはヘッドとシャフトがおりなす角度のことですが、正しいライ角とは、
・インパクトでソール全体が地面に接していること
これが正しいライ角。アドレスではなくインパクトでソール全体が地面に接しているのが正しいライ角です。言い換えると、
・インパクでヒール側が浮いている
・インパクトでトウ側が浮いている
というのはライ角が適正ではありません。ライ角が適正でないとどんなデメリットがあるかというと、
・方向性が悪くなる
・芯で捕らえづらくなる
・打感が悪くなる
この3つのデメリットがありますが、なぜがゴルフ業界ではひとつめの「方向性」のことをばかりが強調されています。
・ソールのヒール側が浮くとボールが右に飛び出す
・ソールのトウ側が浮くとボールが左に飛び出す
だから、正しいライ角のアイアンが必要だと言われています。また、ナイスショットした時にボールが左に飛んだりすると、「ライ角がアップライト過ぎる」と判断する人が結構います。そして、不思議なことに、ナイスショットした時にボールが右に飛んだりしても「ライ角はフラット過ぎる」と判断する人はあまりいません。
ライ角に関しては、日本では「フラットなライ角」がなぜか好まれ、そしてライ角をアップライトにすることに対して否定的なゴルファーが少なからずいます。
では、ライ角が適正かどうかはどうすればチェックできるのか?
ソールに市販のショットマーカー(シール)を貼り付けることでチェックできますが、コースに出た時にはターフ跡を見ればすぐに適不適が分かります。
ソールの幅でターフが取れているならば、ライ角は適正
ソール幅よりも細いターフが取れているならば、ライ角は不適正
です。コースに出れば、それこそ何百とターフ跡がありますが、ソール幅のターフ跡というのは非常に少ないです。目検討ですが、全体の2割もありません。8割以上のターフ跡はソール幅よりも細長い形状になっています。そうです、ゴルファーの8割以上はライ角が不適正なアイアンを使っているのです。
そして、不適正なライ角のアイアンを使っているにも関わらず、ライ角が不適正なことに対しての自覚がありません。
ドライバーやFWは弾道調整できる可変式、いわゆるカチャカチャ式が当たり前になり、それによってライ角調整ができるようになりました。メーカー側もライ角調整できることをアピールしていますが、実は、本当にライ角調整が必要なのはドライバーやFWやよりもアイアンなのです。なぜライ角調整が重要なのかは、明日のこのブログでじっくり説明しましょう~。
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アナライズでは、皆さんの適正なライ角をチェックするライフィッティングを行っています。是非受けてみてください
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2013年12月23日アイアンの本当のやさしさを見極めるポイントとは!?
生まれてこのかた馬券を一度も買ったことがないマーク金井ですが、有馬記念が一年を締めくくるG1レースだということぐらいは知っています。そして、NHKで生中継することも知っていたので、昨日は有馬記念をTV観戦しました。ご存じのように大本命、一番人気のオルフェーブルが8馬身もの大差をつけて圧勝。単勝の倍率が1.6倍というのにも驚きましたが、引退が決まっている最後のレースで他の馬を圧倒するような勝ち方をするなんて、本当に強い馬ですね。
さて、本当にという意味では、マーク金井も最近アイアン選びで本当に思い知らされたことがあります。それが今日のエントリー、アイアンの本当のやさしさを見極めるコツについてです。
現在、マーク金井はアイアンセットを5セット所有しています。
リンクスSSアイアン
タイトリストVG3(二代目)
PING i20
PING G25
PING S55
少し前にS55を衝動買いしたこともありますが、なんとなんとピンのアイアンを3セットも所有しています。35年以上前からピンを使っているとはいえ、3セット同時所有は初めて(笑)。ピンというブランドが好きなこともありますが、クラブとしてもピンが好きな理由は2つあります。ひとつはライ角のバリエーションが豊富なこと。他メーカーと違って、ピンでは12種類のライ角が選べます。5番で65度が適正ライ角な人間にとってこれは大変ありがたいことです。加えて、ピンのアイアンはバンス角が強め。リンクスのSSアイアン、そしてタイトリストのVG3もバンス角が強めですが、アイアンはバンス角が大きい方がダフりのミスに強く、ハンドファーストに打ちやすい(打ちたくなる)特性があります。
マーク金井はピンの契約ではありませんが、ピンのアイアンを3セットも所有するに至ったのは、ピンがもっともアイアンらしいアイアンを作っているからに他ならないからです。アイアンに求められる性能はいくつかありますが、アイアンに絶対必要な要素は、
適正ライ角
バンス角
だとマーク金井は考えています。言い換えると、どんなに高機能なアイアンを使っていても、ライ角が不適正な状態だとクラブの性能を100%引き出せません。バンス角が少ない(小さい)アイアンは練習場の人工マットでは打ちやすいですが、コースに出た時にはダフりやザックリのミスが出やすくなります。
この2つの要素がアイアン選びの基本中の基本ですが、次にチェックしたいのがミスに対する許容範囲。一般的にはドライバー同様、アイアンもヘッドの慣性モーメント(左右方向)が大きい方がやさしいと言われています。例えば、
慣性モーメント 2200gcm2
慣性モーメント 2800gcm2
を比較した場合、2800gcm2の方がやさしいと言われています。クラブメーカーもやさしさをアピールする場合、ヘッドの慣性モーメントの数値を出してきます。「慣性モーメントの大きさ=やさしさ」というのが一般的な指標になっています。ちなみにアイアンの場合、慣性モーメントの大きさは重心距離(ヘッドの大きさ)と比例関係にあって、重心距離が長いクラブの方が総じて慣性モーメントも大きくなります。
マッスルバック(ヘッドが小ぶり) 慣性モーメント小さい
キャビティバック(ヘッドが大ぶり)慣性モーメント大きい
確かに、慣性モーメントが大きい方がミスに強いのは事実です。しかし、アイアンの場合、慣性モーメントよりもゴルファーに与える影響が大きい要素があります。
それは重心の深さ。
ウッドに比べるとアイアンは構造上、重心を深く設計するのが容易ではありません。重心を深くするためにはソール幅を広くするか、フェースから遠い所にウエートを配分する必要があるからです。アイアンの場合、ドライバーのように重心深度が40ミリとかには絶対になりません。アイアンの場合、重心が浅いタイプは2ミリ前後、重心が深いタイプで8〜12ミリくらいです。
重心深度の差は最大で6〜10ミリぐらいですが、実は打ち比べると、重心の深さの差はけっこう効いてきます。ピンのアイアンで打ち比べてみると、その差は歴然で、ソール幅が一番狭い(重心深度が浅い)S55はミスに対して一番シビア。ヘッドが小ぶりで操作性には一番すぐれていますが(球を曲げやすい)、ミスには強くありません。対して、ソール幅が一番広いG25はミスに対して一番寛容。少々打ち損じても距離は落ちません。S55だ芯を外すと手前のバンカーに捕まりますが、G25ならばグリーンまで届いてくれます。
S55とG25を比較した場合、マーク金井の腕前だとパーオン率が10%以上異なります。もちろん、G25を使った方がパーオン率がアップします。ちなみに、 ヘッドが小ぶりに見えるi20は見た目よりもミスに強いアイアン。ソール幅で比較するとS55よりもかなり分厚く、その分だけ重心が深いからです。
アイアンに何を求めるかはゴルファーによって異なりますが、もしパーオン率を本気で上げたいと考えているならば、重心の深さ(ソール幅)にこだわって下さい。重心が深いアイアンは確実にパーオン率を上げてくれるでしょう〜。
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マーク金井開発のLYNX SSアイアンのソール幅は
33mm!
G25 25mm、i20 23mm 、S55 20mm(全て6番アイアンでの比較)
2013年12月17日今どきのアイアンの性能を引き出せるのはアマチュアの5割以下!?
12月も半ばを越えてくると、街を歩けばバーゲンセール真っ盛り。ゴルフクラブは年中バーゲン価格で売られてますが、アパレル関係はこの時期になると30%引き、50%引きが当たり前。衝動買い大好きなマーク金井は、この時期になるると買い物に拍車がかかります。仕事の合間を縫って、洋服はもとより、ゴルフクラブ、デジモノ、デジカメを買い漁る日々を過しています。
先週から今週にかけて買いまくったのは、洋服はギャップとZARAとH&M。デジモノはiPad mini Air、ソニーのRX1。ゴルフクラブはピンのS55。いずれもデザインと質感、そして機能性に惚れ込んで衝動買いしました~。マーク金井の場合、買い物は衝動買いが基本ですが、見た目だけでは衝動買いのスイッチは入りません。サイズが合っていないモノはどんなにデザインが気に入っていても購入には至らないのです。
マーク金井は重心距離が長いアイアン(やさしいアイアン)が大好きな人間なので、その正反対であるマッスルバック系のアイアンはめったに買いません。仕事で試打をするのも、どちらかというと得意ではないです。マッスルバック系のアイアンは球を曲げるのには適してますが、球を真っ直ぐ打つのには適していないからです。そして何より、小さいヘッドは見た目に難しい。アドレスした時に不安を感じるアイアンよりも、アドレスした時に安心感があるアイアンの方がコースに出た時に頼りになるからです。
そんなマーク金井が珍しくマッスルバック系なS55を購入しました。見た目はヘッドが小ぶりで、顔付きもシャープ。見るからにハードな印象を受けますが、実はS55は見た目ほど難しくありません。フラットソールでバンスがしっかり付いているので、ダフりのミスに対して寛容です。加えて、ヘッドは小ぶりですが、ヘッドとシャフトが離れた感じになっているために重心距離もやや長め。テークバックでフェースをシャットに使っても捕まり過ぎません。
G25に比べればやさしくないですが、マッスルバック系アイアンの中ではかなりやさしい部類のアイアンです。そして何より、ピンのいいところはライ角を選択できること。
マーク金井の適正ライ角は5番で約65度。今回衝動買いしたS55もライ角は2番目にアプライトなシルバーをチョイス~。通常よりもかなりアップライトですが、これでインパクト時にソール全体がベッタリ地面に付きます。たかがライ角と思うかもしれませんが、アイアン選びで一番大事なのは適正ライ角のアイアンを使うこと。ライ角が適正であって初めて、アイアンの性能を100%引き出せるからです。
かなり前置きが長くなりましたが、今日のエントリーはアイアンのヘッド性能を100%引き出す方法についてです。
結論から先言うと(すでに前置きでも書いてますが)、アイアンはライ角が命です。ライ角が合ってないとヘッド性能を100%引き出せませんし、スイングにも悪影響が出ます。ライ角が合っていないアイアンはフェース面の向きが狂います。例えば、インパクトでヒールが浮いているとナイスショットした時にボールが右に飛び出しやすくなりますし、打点位置がトウ側(先っぽ)に偏りやすくなるのです。そして、インパクトでヒールが浮くアイアンを使い慣れてしまうと、左に引っかけるような打ち方が癖となって体に染みつくリスクが非常に高くなるのです。インパクトでヒール側が浮くアイアンを長年使っているとヘッド軌道はアウトサイド・インなってしまいやすいのです。
逆もしかり。インパクトでトウが浮き過ぎるとナイスショットした時にボールが左に飛び出しやすくなりますし、打点位置がヒール側(ネック寄り)に偏りやすくなるのです。そして、インパクトでトウが浮き過ぎるアイアンを使いなれてしまうと、右に逃がすような打ち方になるリスクがあります。ただし、こちらはヒール側が浮くのに比べると、ゴルファーに与える悪影響というのは少ないです。
さて、このライ角。不思議なことにアベレージ向けのアイアンはライ角調整がほとんどできません。大ヒットしているゼクシオを筆頭に、ヘッドが大きいキャビティはライ角調整をしたくてもできない。ヘッドが大きいキャビティの多くはステンレス鋳造で作られているために、ネックに力をグイグイかけてもネックが曲がりません。ピンやリンクスのSSアイアンのようにステンレス鋳造で作ってもネックが曲がるアイアンもありますが、それはかなり少数派です。
そして、アベレージ向けアイアンの場合、ライ角に関してもうひとつ問題点を抱えています。それはライ角の設定値。昔も今も、アベレージ向けアイアンの多くは5番で60~61度。打ち方によっても違ってきますが、これは身長が168~172センチぐらいの人にちょうどいいライ角。身長が165センチ以下、175センチ以上の人の場合、ライ角度が不適正になる確率が非常に高いのです。
アナライズでは1000人以上のゴルファーのライ角を診断してますが、その平均は‥‥
62~63度
です。ある国内クラブメーカーもアマチュアゴルファーのライ角をチェックしたところ平均は63度だったそうです。言い換えると、今どきのやさしいアイアンというのは、適正ライ角が60~61度の人には非常に使い勝手がいいですが、そうではない人はクラブの性能を100%引き出すことが非常に難しくなります。
たかがライ角、されどライ角。
今週発売のアルバに石川遼プロのインパクト直線の写真が掲載されていましたが、写真を見る限るではインパクトでヒールが少し浮いた感じになっています。写真を見る限りでは、適正ライ角でないアイアンを使っているように見えます。
遼クンはなぜインパクトでヒールが浮くようなアイアンを使うのか? アルバの編集部員がもしこのブログを読んでいたら、ぜひとも本人に取材してもらいたいです~。
次回は、クラブメーカーが60~61度のライ角にこだわる理由について書きましょう~。
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