マーク金井blog

2014年01月09日いまどきのゴルフクラブは本当にやさしいのか!?

ゴルフクラブとスキー板。どちらもこの30年で劇的な進化を遂げています。そして、昨日のエントリーでも書きましたが、道具が進化すれば理論(滑り方、打ち方)も変わってきます。スキーもゴルフも道具が変わってことで、やっていいこととやって悪いことが180度変わっています。言い換えると、昔の滑り方、打ち方では今時の道具(スキー板、ゴルフクラブ)の性能を100%引き出すことができないのです。

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30年近く前スキーヤーの憧れだったロシニョール4S

 

 

さて、今日のエントリーはゴルフクラブの進化についてです。

昔と今とではヘッド素材が変わり、それに伴ってヘッドが大きくなりました。ドライバー、アイアンにおいてはヘッドの大型化によって重心距離が最大で14ミリも伸びています。加えて、ヘッドの大型化によってヘッドの慣性モーメントの数値も劇的にアップしています。

パーシモン(木製ヘッド)の慣性モーメント 2000gcm2以下
460ccチタンヘッドの慣性モーメント    4000gcm2以上

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昔と今とでは慣性モーメントの数値が2倍以上です。これによって芯を外して打った時、ヘッドがぶれにくくなり、飛距離ロス、方向性安定性が格段に良くなっています。あまりにも易しくなりすぎると困るというので、今ではルールで慣性モーメントの最大限数値が定められています(5900gcm2以内)。

要するに、いまどきのゴルフクラブ(特にドライバー)は慣性モーメントが大きくなってやさしくなったとも言えます。そして、木製ヘッドに比べると、チタンドライバーはフェースの反発がアップし(ルールでフェースの反発も規制されていますが)、それがやさしく飛ばせることにつながっています。

では、慣性モーメントが大きいヘッドは誰にとってもやさしさを享受できるのでしょうか?

スキーは進化したことで誰にとってもやさしく滑られる(曲がれる)ようになりました。滑り方がガラッと変わりましたが、30年前といまどきの板を履き比べると、即座に違いを感じ取ることができます。マーク金井も最初の1時間ぐらいは滑り方の変化に戸惑いましたが、滑りやすさ(曲がりやすさ)については、即座に体感できました。2時間ぐらい経ったら、スイスイ滑れるし、気持ち良くターンできるようになりました。

しかし、ゴルフとなるとそうは問屋は下ろしてくれません。

ゴルフはスキーほど道具の進化の恩恵をユーザーが実感できないとマーク金井は思っています。ゴルフとスキーを比較すると、ゴルファーの多くは進化したゴルフクラブを使ってもナイスショットが増えるとは限らないし、ベストスコアを更新できるとは限らないからです。フェースの反発がアップしたことで飛距離は確実に伸びていますが、アマチュアの場合、ミスショットが劇的に減っているとは限らないからです。実際、30年前も今も、アマチュアの平均スコアはほとんど変わっていません。100を切れない人は相変わらず多いですし、シングルゴルファーの数も劇的に増えてはいません。

では、なぜ進化したクラブはアマチュアにやさしくないのか?

いくつかの要因がありますが、一番考えられるのは重心距離が長くクラブ、慣性モーメントが大きいクラブは振りづらいからです。

重心距離が長い、慣性モーメントが大きいクラブというのは、フェースを返しづらくなりますし、シャフトの軸線から打点位置(芯)までの距離が離れています。このためクラブの振り方を正しく理解していないと、振り遅れたり、芯に当てづらくなるのです。いまどきのクラブはスイートエリアが広がっていますが、ヘッドの挙動をコントロールすること、フェースの向きをコントロールすことに関しては昔のクラブよりも難しいのです。

対して、30年前に主流だったパーシモン(木製)ヘッドのドライバーの場合、ヘッドが小ぶりで重心距離が短いです。飛距離性能はいまどきのドライバーにはまったくかないませんが、振りやすさという意味では有利な部分もあります。重心距離が短いためにヘッドの挙動をコントロールしやすいし、フェースの向きもコントロールしやすいからです。

マーク金井アナライズクラブ診断をする時、アマチュアの方にわざとパーシモンドライバーでボールを打ってもらいますが、ほとんどのゴルファーが振りやすいと言いますし、実際、上手くボールを捕らえてます。飛距離は出ませんが、大きなミスも出ないのです。パーシモンドライバーというのは、構造的には野球のバットに近いからです。いまどきの460ccだと振り遅れてスライスが止まらない人も、パーシモンドライバーを手にすると捕まった球が打てたりもします。

誤解を恐れずに言うと、いまどきの進化したクラブ(特にドライバー)は、アマチュアよりもプロ(上級者)に恩恵が大きいです。プロはスイングがしっかりしていますし、重心距離が長い(慣性モーメントが大きい)クラブでもクラブの挙動、フェースの向きを上手くコントロールしています。もちろんプロの中にも、いまどきのクラブに対応できていない人もいますが、対応できている人はクラブで飛んで曲がらない球を打っています。そして何より、30年前に比べるとプロは格段にレベルアップしています。進化の恩恵を最大限に受けているのは賞金王に何度も輝いている片山晋呉プロでしょう。

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写真はGDOより転載

では、なぜ片山晋呉プロはいまどきのクラブにもっとも上手く対応できたのか? その理由は次回じっくり説明しましょう〜。

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カテゴリー ゴルフクラブ分析, スイング、ゴルフ練習法

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