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テーラーメイド グローレリザーブ(2013)

テーラーメイドのプレミアムモデルとなるグローレ。そのグローレの兄弟モデルとなるのが今回試打するグローレリザーブ。50歳以上のアベレージゴルファーを意識しているが、ヘッドはかなり個性的。

まず目につくのが巨大なフェース。70層ものカーボン素材を重ね併せて作ることで、従来のフェースよりも30%も面積を拡大し、重量を45%軽量化(メーカー調べ)。定規で測ってみるとフェース高は67ミリとかなりのディープフェース。これは一般的なチタンドライバーよりも20ミリ以上もフェースが分厚い。フェースを見ると迫力満点だが、やさしさを演出するためにフェース面は白と黒のツートン。フェース上部を黒くマスキングし、白い部分だけがフェースだと見せることでハードな印象を薄めようとしている。

ヘッド色はグローレ同様、高級感があるパールホワイト。ソールのカラーリングをもピンクゴールドがあしらわれ、高価格帯ドライバーらしいコスメとなっている。

R1同様、シャフト脱着方式の弾道調整機能(可変機能)がついているが、重心位置(重量調整ネジ)調整できない。シャフトの装着方向を変えることで、ライ角、フェース角、リアルロフトが調整できる。体積はルール最大級の460CC。投影面積が大きくて超ディープフェースとなっているので、アドレスすると500CCぐらいあるんじゃないかと錯覚するぐらいヘッドが大きい。

試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のGL550(フジクラ製)。ノーマルポジションを計測してみると・・・フェースはほんの少し左を向いた感じだが、数値的にはフェース角は±0度。スクエアフェースだ。リアルロフトは10.25度。

シャフトはシニア層を意識しているのだろう。Sにしては軽くて軟らかめ。ワッグルすると中間から先端部分のしなりが大きい。長さは46インチで総重量が283.1g。バランスはD1.5。シャフトの硬さの目安となる振動数は248cpmとなっている(長さはヒールエンド計測)。

シャフトの硬さに合せて軽めにスイングして打ってみたら・・・「スパン」と心地良い音とともにボールが素早く飛び出す。「カーボンは音が今ひとつ」という常識はこのドライバーにはまったく当てはまらない。音の良さにもこだわりを感じた。

弾道はストレートから軽いフェードが出る。ヘッドの挙動的には少し捕まらない。操作性は高くないが、慣性モーメントの大きさを生かした直進性が高く、オートマチックな弾道が打ちやすいクラブ。

印象に残ったのがスイートエリアがとても広いこと。メーカーが強くアピールしているだけあって、芯を外してもヘッドがブレにくく、飛距離ロスが少なくて左右の曲がりも少なめ。ミスに対する強さは、兄弟モデルのグローレよりも1枚も2枚も上手に感じた。

ちょっと気になったのがフェースの厚みだ。普通のティアップだとフェースの上側でヒットしづらく、かなり高めのティアップしないと気持ち悪い。加えてフェースがかなり分厚いのでフェースの下半分に当たってしまうと、スピンが増えた弾道になって飛ぶ弾道が打ちづらくなるのが気になる。左右のミスにはかなり強いが、上下の打点位置を揃えるにはそれなり技術が求められる。

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弾道計測してみると、長尺効果かヘッドスピードが上がり、それに伴ってボール初速も上がった。ヘッドが少し軽めなので、ヘッドスピードを46m/s以上に上げて打つと、初速の伸び方がやや鈍る。フェースセンター付近で捕えるとスピン量が2700~3000回転。フェース上側で捕えるとスピンが減って2300~2600回転となって飛距離を稼ける。

ヘッドの操作性はあまり高いので、ドロー、フェードの打ち分けは正直難しい。オートマチックに直進性の高い弾道が打てる。純正シャフト(GL550)のSは、切り返しで中間部分が大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけては、しなった分だけしなり戻る。シャフトの先端部分が軟らかいので、インパクトゾーンで心地良い加速感を味わえるシャフトだ。

巨大なフェースを採用することで左右の打点のブレに対しては、ものすごく強く仕上がっている。巨大なフェースをメリットとして受けいられれば、飛距離と方向性の両方を得られる革新的なドライバーだ。つかまり具合を考慮するとスライサーよりもフッカーと相性が良いドライバーである。また、重めのシャフトを装着すれば年齢を問わず扱えるドライバーになってくれるだろう。

ノーマルポジションはフェース角が±0度でリアルロフトが10.25度(表示9.5度)。ライ角度56.75度で、重心アングルは19.5度。スペック的には捕まるタイプではなく、左へのミスが出づらいヘッドだ。一番つかまるクローズポジションに調整すると、フェース角が+2.75度となり、リアルロフトも12.5度と増える。一番つかまらないポジションに調整すると、フェース角が-2度となりアルロフトは8度まで減ってしまう。グローレに比べるとグローレリザーブはスライサーにもフッカーにも扱いやすいようにフェースアングルを調整できる。

つかまりの目安となる重心アングルは最小が19度で最大が20度。460CCドライバーとしては結構数値が小さい。見た目よりは重心が浅いのだろう。また、重心アングルが小さいために、ヘッドは返りづらい。

長さはメーカー値が46.25インチで実測で46インチ(ヒールエンド法)。クラブ重量は283.3g。バランスはD1.5。純正S(GL550)シャフトの振動数は248cpm。中間から先端にかけて大きめにしなるシャフト。45インチ換算にすると、重量は293g前後。50~65歳ぐらいで体力が平均的な男性ゴルファーにちょうどいいスペックだろう。

ヘッドもシャフトも団塊世代ゴルファーを強く意識したスペック。シャフトは軟らかめなので、しっかり感を求める人は普段よりも0.5~1フレックス硬めの方がしっくりくると思う

リアルロフトは多くないのでロフトで見栄を張るのは危険。ボールが上がりづらい人は、迷わず10.5度のヘッドをおすすめしたい。対して、弾道調整機能でフックフェースの度合いを強めて使う人の場合は、普段よりもロフトを1度減らすことをお勧めする。

純正Sのストライクゾーンは43~46m/sぐらいか。グローレは純正シャフトが2つラインアップされている。今回試打した46.25インチの他に、46.75インチのバージョン(GL450 Reserve)も選べる。


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