カテゴリー: 計測器、分析法
2014年01月28日長尺ドライバーの正しい作り方 その3
日本は今一番寒い時期ですが、ウインタースポーツをし始めると寒いのが好きになってきます。ゴルフだと寒くいとグリーンが凍ってプレーしづらくなりますが、スキーやスノボだと雪質が良くなるので嬉しくなります。33年ぶりのスキーに続き、昨日は7年ぶりにスノボに行きました。手袋がないので神保町のスキーエリアに行ったのですが、手袋と一緒にスノボ一式衝動買い。日本一安いお店に入ったのが運のつき。ボードとビンディング、そしてブーツがすべて込みで3万円ポッキリ~。板だけでも3万円以上することを考えたら‥‥もうお店の思うつぼ。気がついたらレジに並んでいました。
そして、スキー同様、ボートもものすごく進化してました。スキー同様、ロッカータイプのボードを買ったのですが、実にターンしやすく作られています。逆エッジが出にくいのです。スキーに比べるとボードは初心者ですが、それでも7年前よりもスムーズにターンできました。リフトに9本乗りましたが、転んだのは2回だけ。今年は3月上旬ぐらいまでは、スキー&スノーモードになりそうです(笑)
さて、今日のエントリーも長尺ドライバーの正しい作り方についてです。
リシャフトして長尺ドライバーを作る場合、長さを決めなくてはなりません。ルールでは48インチまでとなっていますが、基準となるのはヘッド重量。
195g前後ならば、46.5インチ
190g前後ならば、47.25インチ
に組み上げるをお勧めします。ここで表記しているのはヒールエンド計測での長さ。
60度法測定の長さで言うと、
195g前後ならば、47インチ
190g前後ならば、48インチ
に組み上げてもらって下さい。バランスとかは全然気にしなくていいです。長尺で飛距離を伸ばしたいならば、ヘッドの重さを基準にして最大の長さをまず組み上げてもらうことをお勧めします。
ゴルフクラブの場合、長さの測り方が2種類あります。ですので、長尺ドライバーを組み上げる場合は、必ずどの基準の長さで組み上げるかをショップや工房に伝えることが大事です。ちなみに、アナライズでは過去も現在もヒールエンド法で長さを計測しています。長さを計測する基準の場所が異なるためにヒールエンド計測よりも60度測定法の方が長くなります。クラブメーカーの場合、一般には‥‥
国内メーカーはヒールエンド法計測
米国メーカーは60度法測定
となっています。なので例えば、プロギアの46インチとテーラーメイドの46インチを比べると‥‥
テーラーメイドの方がプロギアよりも0.5〜0.75インチほど短くなります。言い換えると、テーラーメイドやキャロウェイの46インチというのは長尺のようで長尺ではありません。ヒールエンド計測に換算すると45.25〜45.5インチしかないからです。
市販ドライバーで言うと、プロギアegg1は46インチですが、これはヒールエンド方の計測。60度測定法だと46.75インチとなります。そして、フォーティーンの場合は、モデルチェンジで長さの計測法が変わりました。最新モデルの長尺ドライバーは
ゲロンディですが、これは47.75インチ表記。60度測定法での表記になっています。
で、話を元に戻すと、
ヘッド重量に合わせて長さを決めてリシャフトしたら、そこからは実際にボールを打って、長さを最終調整しましょう。当たり前ですがリシャフト後、クラブの長さを伸ばすことはできませんが、クラブを短くすることは可能です。例えば、190gのヘッドで47.25インチ(ヒールエンド法計測)で組み上げて打ってみて、長くて振り切れないと感じたら、0.25〜0.5インチほど短くしてみるのです。少し手間がかかりますが、これならばシャフトを無駄にするリスクを確実に回避できるからです。
長尺の場合はバランスはほとんど考えなくていいです。例えば、バランスがD6とかD8でも振り切ることができるならば、そのままでOK。バランスが気になって、少しバランスダウンしたいならばヘビーグリップを装着したり、グリップエンド側に鉛を10g前後貼ってカウンターバランスにするのもありです。
自分にちょうどいい長さは、ゴルファーによって変わります。そして長さに関しては、一番長い状態から試してみて、打ちづらいと感じたらそこから再調整していくことをお勧めします。もしくは、一番長い状態から0.5〜1インチ短く持って打つのもいいでしょう。長尺の先駆者である杉原輝男プロ、そして長尺ドライバー設計のオーそりーティであった竹林隆光さんも1インチ短く持って長尺ドライバーを上手く使いこなしていました〜。
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2013年09月14日マーク金井が弾道計測器を2台併用する理由とは‥‥
昨日はコンピュータ弾道測定器の賢い利用法について書きました。現在、10種類以上の弾道測定器がありますが、それぞれ数値の出方が微妙に異なります。なので、クラブを打ち比べたりする時は、できるだけ同じ計測器を使った方がデータの信憑性が上がります。神田のアナライズではフライトビジョンとユピテルの2つの計測器を使っています。
さて、この弾道計測器。ゴルフショップや練習場、メーカーの試打ルームには様々な計測器が設置されていますが、計測方法というのは大まかに分けると2つです。それは
ボール画像による計測
ドップラー効果(レーダー)
ボール画像計測による主な弾道計測器
初代ベクター
フライトビジョン
サイエンスアイ(ブリヂストン)
デジタルインパクトワールド(ダンロップ)
レッドアイ(PRGR)
GC2
ゴルフ5
フジクラ
ドップラー効果計測による主な弾道計測器
ボール画像計測とドップラー効果計測とでは、計測方法がまったく違います。ボール画像方式というのは、ボールが飛び出した直後の画像を元にデータ分析して数値(飛距離、ボール初速、、打ち出し角、スピン量)を導きだします。大抵の場合は、ボールが飛び出した直後、カメラはシャッターを2回切り、2つのボール画像を一枚の写真(もしくは動画)に収めます。2つのボールの大きさの違い、回転の度合い、2つのボールの移動(上下、左右)、これらを元に弾道計測値を出します。言い換えると、計測しているのはボールが打ち出された直後だけです。
対して、ドップラー効果の方はレーダー方式です。カメラなどはないので画像データはありません。レーダーがボールやクラブヘッドの移動速度を観測することで飛距離、ボール初速を導き出しています。そして、トラックマンやフライトスコープはボールが落下するまでボールの動きを追尾し、打ち出し角やスピン量も導き出しています。ボール画像がないのにスピン量を導きだすメカニズムが今ひとつわからないのですが、ドップラー効果でも高価な計測器はボール画像式と同じデータが出ます。
ボール画像計測とドップラー効果。どちらにもメリット、デメリットがあるかと思いますが、これまで試打した感想を言わせてもらうと、スピン量はボール画像計測の方がシビアに出るような感じがしますし、測定エラーも少ない感じがします。対して、ボール初速、飛距離に関してはドップラー効果の方がデータが安定しているような感じがします。なので、マーク金井が弾道計測する時は、ボール画像計測のフライトビジョンとドップラー効果のユピテルを併用しているのです。
そして、マーク金井が最近注目しているのがフライトスコープとGC2。どちらも弾道計測ができるだけでなく、ヘッドの軌道、フェース向き、そして入射角、打点位置などが計測可能。このブログでも何度か書きましたが、弾道を決定する要素はインパクト時のフェース向きと打点位置、そしてフェース軌道。
この3つを正確に調べることができると、より正確にクラブフィッティングができますし、スイング作りにも非常に役立つからです。
ヘッドの挙動を計測できる弾道計測器が欲しくて欲しくてたまりません。GC2にするのか? それともフライトスコープにするのか? それとも大人買いで両方買うのか?
その答えは3ヶ月後ぐらいに出るでしょう~(笑)
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2013年09月13日コンピュータ弾道計測器の上手な使い方とは‥‥
ー昨日は六本木ヒルズの隣、グランドハイアットホテルにて松山英樹プロの契約記者発表がありました。健康サポートメーカー「ファイテン」が松山プロとアドバイザリー契約を結び、そのお披露目会に顔を出してきました。東北福祉大学出身、元阪神タイガースの金本知憲さんが仲介役となったそうです。石川遼プロはコラントッテと契約しているわけですから、若手トップ2が健康サポート器具を首や手首などに装着しながらプレーすることになります。マーク金井も、記者発表のお土産でいただいたシリコーン素材のブレスレッドをとりあえず装着してます。
さて、今回はコンピュータ弾道計測器についてお話しましょう。神田のアナライズには現在、3台の弾道計測器があります。
初代ベクター
フライトビジョン
ユピテル
そして、ゴルフショップやクラブメーカーの試打ルームには、様々な弾道計測器が完備されています。
クラブメーカー系では
サイエンスアイ(ブリヂストン)
デジタルインパクトワールド(ダンロップ)
レッドアイ(PRGR)
マットシステム(テーラーメイド)
CPAS(キャロウェイ)
nFlight(PING)
他ではヤマハやミズノ、マルマン、フジクラもオリジナルの弾道計測器を使って飛距離計測、フィッティングを行っています。
弾道計測器メーカー系では
トラックマン
フライトスコープ
アチーバー
GC2
そしてゴルフ量販店のゴルフ5では、オリジナルの弾道計測器を用いて飛距離計測、クラブフッティングを行っています。
ざっと数えただけで10以上の弾道計測器があるわけです。マーク金井も仕事柄、ほぼすべての計測器で試打したことがありますが、数値(飛距離、ボール初速、スピン量、打ち出し角、その他)の出方というのは、計測器によって多少変わってきます。飛距離が出やすい(出ににく)モノもあれば、ボール初速が出やすい(出にくい)モノもあります。スピン量についても多く(少なく)出るモノがあります。
では、どれが一番正確な弾道計測器なのか?
この手の質問をアマチュアの人からよく受けますが、正直に言うと分かりません。飛んでいるボールのスピード、角度、スピン量というのを可視化できないからです。飛距離の精度についてはある程度分かりますが、それ以外はブラックボックスだからです。
では、どんな風に使えば弾道計測器は役に立つのか?
一番のポイントは、自分の使う弾道計測器をひとつに絞ることです。よく聞くのが「キャロウェイで打ったら○○○ヤード飛んだのに、ブリヂストンで打ったら○○○ヤードしか飛ばなかった‥‥」。これをやると迷路に入ります。弾道計測とうのは相対値を調べるモノだからです。マーク金井は神田で試打する時、フライトビジョン、そしてユピテルを2台同時使用してます。そして10年くらい続けているGDOの試打インプレッション「マーク金井の打たずにいられない」でも、毎回、同じ計測器を用います。理由は単純、計測器をひとつにして数値の差を見れば、試打したクラブがボール初速が出やすい(出にくい)のか、ボールが上がりやすい(上がりづらい)のか、スピン量が多い(少ない)のか、飛ぶか(飛ばない)のかが分かるからです。
そして、マーク金井は実測で飛距離をチェックする時は、9ホールの千葉市民ゴルフ場でチェックしてます。同じフィールドでテストした方が、クラブの飛びの違いを正確にチェックできるからです。
ゴルフもホームコースがあった方が飛距離を正確調べられるのと同様、弾道計測器もホーム計測器というのをひとつ持って下さい。いつも同じ計測器を使っていれば、クラブの性能をかなり客観的に調べることが出来ますし、クラブを買い換える時にもかなり役立ちますよ~。
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2013年04月24日ポケット距離計測器、ユピテルの達人的な使い方!!
今週発売の週刊ゴルフダイジェストから、マーク金井の衝動買い日記「新・買わずに入られない」が始まりました。以前は中古クラブを買い漁るのがメインでしたが、今回はクラブではなくてデジ物がメイン。週刊アスキーでやりそうな連載を週刊ゴルフダイジェストで始めちゃいました(笑)
その記念すべき連載1回目に取り上げたデジタル機器がこれっ!!
スイングトレーナーというネーミングは何とも微妙ですが、要するにヘッドスピードとボール初速の計測器。クルマのスピード違反で使うレーダー探知機同様、このユピテルもドップラー効果によってスピード(ヘッドスピードとボール初速)を計測します。最近、男子ツアーのゴルフ中継では「トラックマン」という非常に高価な弾道計測器が登場してますが、これもまた計測方法はドップラー効果で弾道計測しています。トラックマンが500万円以上するのに比べると、このGST-3 Pocketは1万5000円前後。値段が300倍以上違いますが、機械自体がやってることはほぼ同じです。気になる精度についても、トラックマンの300分の1なんてことはありません。ボール初速はトラックマンよりも少し甘めに出ますが、こと飛距離(正確には推定飛距離)はトラックマンとほぼ同等の精度があります。
アナライズには写真画像を用いた弾道計測器が2台あります。1台は初代のベクター。もう1台はフライトビジョン。どちらも70万円以上する高価な計測器ですが、これらと比べてもユピテルの飛距離精度はまったく見劣りしません。例えば、ドライバーで計測すると、フライトビジョンで250ヤードならば、ユピテルでも250ヤード±2ヤード。値段は「大人のおもちゃ」ぐらいなのに、その性能たるや‥‥メーカーがクラブ開発に使えるレベルです。それでいて手軽で、スイッチポンですぐに使える。高価な弾道計測がパソコンだとしたら、ユピテルはiPadってな感じで使えます。
さて、このユピテル。
地面にポンと置くだけで、ヘッドスピード、ボール初速、ミート率、そして飛距離(正確には推定飛距離)が瞬時に測れますが、ただチェックするだけではもったい。数値の見方にこだわって使えば、ゴルファーにとってかなり強力な武器になります。
例えば、飛ぶドライバーヘッドの見つけ方?
飛距離が出たら飛ぶドライバーだと思われがちですが、ヘッドのポテンシャルをチェックする時、マーク金井がこだわっているのが芯で捕らえた時のミート率。ミート率とは‥‥
ボール初速÷ヘッドスピード
例えば、ヘッドスピード40m/sでボール初速が60m/sが出たとしましょう。このドライバーのミート率は1.5です。ユピテルはボール初速が甘いのでミート率が1.5を超えることもありますが、この数値が高いほどヘッドのポテンシャルが高い、すなはち飛ぶドライバーヘッド。ヘッドスピードはシャフトが軽い方が上がりますが、軽いシャフトはミート率が上がるとは限らないからです。マーク金井は2012年モデルのドライバーをほとんど打ってますが、その中でミート率が特に高かったのがタイトリストのVG3とテーラーメイドのグローレ。どちらも新潟の遠藤製作所で作られたヘッドですが、ルール適合の中ではフェースの弾きがトップクラスです。
次に、ドライバーが苦手な人ならば、芯を外した時の飛距離、ミスショットをした時の飛距離をチェックして下さい。ミスした時の飛距離、すなわち最低飛距離が出るドライバーというのは、コースに出た時に威力を発揮してくれるからです。アマチュアの多くは会心の1打、奇跡の1発が出た時の飛距離を見るのには熱心ですが、ミスショット時の飛距離についてはほとんど関心がありません。練習場でボールを打っている人を見ても、ナイスショットは最後までボールを追いかけますが、ミスショットした時はボールを全然追いません。気持ちは分かりますが、コースに出た時はミスショットを消し去ることはできない。ミスに強いドライバーを選ぶ、ミスした時に飛距離が出やすいドライバーを選ぶと、ドライバーのフェアウェイ生存率が上がり、ひいてはスコアアップにつながります。ヘッドスピードが35~43m/sぐらいで打った時、マーク金井が試打してミスに一番強かったのはヨネックスの白黒ツートン、i-EZONEです。
ユピテルはシャフトフィッティングにも使えます。シャフトを試打する時にチェックしたいのはヘッドスピードの出方とミート率。5球ぐらい続けて打ってヘッドスピードが変わらないのが理想的なシャフトです。自分に合ったシャフトはタイミングが取りやすい。タイミングが合えばヘッドスピードが一定になりやすいからです。逆に言うと、打つ度にヘッドスピードが変わってしまうシャフトというのは、たとえ飛距離が出たとしても、コースに出た時には扱いづらいシャフトになる危険性が高いです。そしてミート率が高く出るシャフトというのは、芯で捕らえやすいことを証明しています。ヘッドスピード、ゴルファーの腕前によっても異なりますが、ボクの場合、ミート率が1.5~1.55ぐらい出るシャフトはミート率が良いシャフトだとジャッジしています。
ゴルフショップの試打スペースには、必ずといっていいほど高額な弾道計測器が完備していますが、ボクはユピテルを持参して試打することを強くお勧めします。どこの店でも、、いつも同じ計測器でチェックすれば、客観的にクラブの性能、自分との相性をチェックできるからです。幸いなことにこのポケットタイプのユピテルはiPhoneと同じぐらいの大きさ。
重さは110gと軽量。鞄の中に入れても邪魔になりません。練習場やコースでもユピテルを使うと、アイアンやアプローチの距離感を磨けます。
ポケットタイプのユピテルは1万5000円前後。世の中、安いモノだからけですが、トラックマンに比べると、この値段は安すぎますね~(笑)
んじゃ(▼▼)b
PS.アナライズで作ったiPhoneケース。ナスカン付きのタイプはオーダーメイドしたかのようにユピテルがすっきり収まります~。