マーク金井blog

2013年05月06日アイアン上手になるためのコツとは!?

昨日のブログの続きです。アイアンを上手く打つためににはインパクトでは手元先行が基本であり鉄則です。昨日、中日クラウンズで優勝した松村道央、1打差の2位に終わった松山秀樹ともアイアンではしっかりターフを取っていますが、そうなるのはインパクトがハンドファーストだからです。アイアンは「ボールの先のターフを取る」ようにと言われてますが、そのためにはハンドファーストに球を捕らえることが必要不可欠です。

では、どうすれば手元先行のインパクト、ハンドファーストなインパクトで球を捕らえることができるのか?

ボクは14歳からゴルフを始めましたが、その教わったことは「上から打ち込め」だけでした(笑)その頃、アイアンをすくい打ってしまう癖があったのですが、すくって打つと「もっと打ち込め」とアドバイスされるだけです。それではと打ち込むことを強く意識してみると‥‥今度はカット打ちになってしまいます。打ち込んだらカット打ち、インサイドからヘッドを入れようとしたら(プレーンに沿って下ろそうとしたら)、こんどはすくい打ち。これの繰り返しで、結局はジュニア時代は正しいハンドファーストなインパクトな形を自分のモノにできなかったのです。

では、なぜ「打ち込む意識」を持ってもダウンブローに打てなかったのか?

その理由はダウンの左右の手の位置関係にあったのです。ボクもそうですが、アイアンが下手な人、すくい打つ癖が抜けない人、アイアンが飛ばない人、打ち込んでもボールの先のターフが取れない人‥‥これらの悩みを抱えている人の大半はダウンスイングがこんな感じになっているのです。

b-3

 

ダウン後半からインパクトにかけて右手が下がり、いわゆるシャフトが寝てしまっているのです。この形のままでは打ち込むことを意識しても打ち込めません。打ち込むことを意識しても右手が下がる動きが解消されないからです。右手がこんな感じで下がっていてもアウトサイド・イン軌道で振れば多少は打ち込めるようになりますが、これは本末転倒。右手が下がった状態でアウトサイド・イン軌道で振ってしまうと、コスリ球になったり、引っかけやすくなるからです。

では、どうすれば正しい手元先行のインパクト、ハンドファーストなインパクトを迎えることができるのか?

ポイントは右手と左手の位置関係です。ダウン前半では右手は左手よりも背中側にあります。こんな感じで‥‥

g-1

そこから‥‥

g-2

g-3

こんな感じでダウン後半にかけては右手を前に振り出していきます。これがハンドファーストに打つ、ダウンブローに打つための最重要なポイント!!!!左手の上に右手を持って行くと言ってもいいでしょう。マーク金井はこれをゴルフの竪琴で説明しますが、両手が離れていると、右手と左手の位置関係を意識しやすいからです。加えてゴルフの竪琴はアドレスで右手が左手の上にある。このため、ダウン後半からインパクトにかけて右手が上に持って行く感覚をダイレクトに養うことができるのです。
この右手を上に持っていく感覚。これが正しできればハンドファーストに打つことも出来ますし、打ち込もうとことさら意識しなくても打ち込めます。ボールの先のターフも勝手に取れてしまうようになるのです。

昨日紹介したツアーストライカーはダウンブローに打たないとボールがちゃんと飛びません。ちゃんと飛ばすためにはダウンブローに打つことを求めてきますが、ダウンブローの打ち方までは教えてくれません。運動神経が良い人ならば「はは~ん、こうすればいいんだ」と自分で正しい動きを導けますが、そうでない人は、どうすればダウンブローに打てるのかのメカニズムを理解することが必要でしょう。その方が余計な回り道をしなくてすみますし、アウトサイド・イン軌道が体に染みつくのも防止できます。

ゴルフは両手をくっつけて握ります。このためスイング中、左右の手の位置関係を把握するのが非常に難しい。でも、正しいスイングを身に付けるには左右の手の位置関係を正しく把握することが必要不可欠なんです。
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2013年05月05日アイアン上手な人と下手な人の決定的な違いとは‥‥

ドライバーはそこそこ上手く打てるし、飛距離もそこそこ出る。なのにアイアンを手にすると上手く打てないし、飛距離も思ったほど出ない‥‥
ドライバーに比べてアイアンが今ひとつ上手く打てない、ドライバーは250ヤード近く飛ぶのに、7番アイアンは130ヤードぐらいしか飛ばない‥‥
アイアンが上手いか下手か、アイアンが飛ぶか飛ばないかはインパクトの形をチェックするとすぐに判別できます。アイアンが下手な人、アイアンが飛ばない人のほとんどは、こんな感じで‥‥
コックがほどけるとロフトが増える

コックがほどけるとロフトが増える

 インパクト前に手首のコックがほどけ、左手首が甲側に折れてヘッドが先行しています。いわゆるすくい打ちになっていて、7番のロフトを9番にぐらいに増やして打っている。ロフトが増えてしまえばボールは高く上がりますし、スピンも増える。ドライバーのようにロフトが少ないクラブを打つ時はヘッド先行で打った方が飛んでくれますが、アイアンの場合はそうは問屋が卸してくれません。アイアンでロフトを増やしてしまうと弾道は弱々しくなって飛距離は出ません。加えて、インパクト前にヘッドが最下点を迎えるためにダフりやすくなります。そしてダフりを嫌がってスイングすると、今度は左サイドが伸び上がってトップが出やすくなります。インパクトでヘッド先行になっているゴルファーは、いくらクラブを取り替えてもアイアン上手にはなりにくいです。
対してアイアン上手な人、アイアンの飛距離がちゃんと出る人のインパクトは‥‥
アイアンは手元先行でロフトを減らして打つクラブ

アイアンは手元先行でロフトを減らして打つクラブ

こんな感じでインパクトでは手元先行。いわゆるハンドファーストな状態でインパクトを迎えています。そしてハンドファーストでもフェースが開いていません。フェースは目標を向く、いわゆるスクエアな状態になっています。結果、インパクトでは7番のロフトを5番ぐらいに減らして打っているから、アイアンがちゃんと飛ぶのです。ミート率も良くなります。アイアンをちゃんと飛ばせるかどうかは、インパクトでロフトを減らせるかどうかにかかっているわけです。
では、どうすればアイアン下手はハンドファーストに打てるのか?
どこを意識してスイングづくりすればすくい打ちを解消できるのか
こんな時、マーク金井が必ず口にするのが‥‥
スイングを変えたいならばクラブを変えましょう。
クラブを変えたらスイングも変わるんですよ。
にわかに信じがたいと思いますが、よほどのビギナー(初心者)を除けば、本人が意識するしないに関わらず、手にするクラブを変えるとスイングに変化が少なからず出てきます。シャフトをRからSRにするとか、ドライバーのロフトを9度から10度にするぐらいじゃ変わりません。スイングを変えるには、「なんだこりゃ~」「嘘でしょっ!!」ってくらい、クラブを大胆に変える必要があります。アイアンのすくい打ちを解消したいのであれば、お勧めしたいのがこれっ!!
見た目は普通のアイアンだけれど

見た目は普通のアイアンだけれど

ツアーストライカーという練習器具です。バックフェースを見た感じではオーソドックスなキャビティアイアンですが、タネも仕掛けもある練習器具です。アドレスすると‥‥
超ハイバンス設計!!ダウンブロー養成練習クラブ~

超ハイバンス設計!!ダウンブロー養成練習クラブ~

こんな感じでリーディングエッジが2センチぐらい浮きます。バンスが強いアイアンよりもさらに超ハイバンス。すくい打ちしたり、ダウンスイングで手首のコックが早くほどけてしまうと、トップボールしか出ません。ハンドファーストに打たない限りフェースにボールが乗らない、ハンドファーストに打たない限りボールが空中に浮いてくれません。また、手前をダフるとソールがこれでもかってぐらい強く跳ね上がり、これまたチョロかトップしか出ません。ハンドファーストの状態をキープし、ダウンブローに打てばフェースにボールが乗り、ちゃんとボールが浮いてくれる難関練習クラブなのです。
ダウンブローに打てないならば、ダウンブローに打たないと当たらないクラブを作ってやろう~。何ともアメリカ人らしい発想の練習クラブです。難易度の高い練習クラブですが、これはスイングの善し悪しがすぐにジャッジできます。ゴルフに錯覚はつきものですが、この練習クラブでボールを打つ限り、誤解や錯覚は生じません。ハンドファーストでダウンブローに打たない限り‥‥ボールがちゃんと飛んでくれないからです。
もちろん、この練習クラブを使えば誰もがすぐにアイアン上手になるわけではありません。ハンドファーストに打つための体の使い方を理解することが必要不可欠ですが、バンスが少ないアイアンでひたすら練習するのに比べれば、はるかに努力が身を結びます。そして何よりアイアンはバンスがあった方がやさしいことも身をもって理解できるのです。
マーク金井SSアイアンを設計しましたが、設計段階で強く意識したのは強めのバンス角。その発想の源になったのが、このツアーストライカーです。ここまで極端ではないけれど、ゴルファーがダウンブローに打ちやすくする(打ちたくなる)ためにはハイバンスは必要不可欠。そしてやさしさを出すにはワイドソールが必要不可欠。結果、ワイドソール&ハイバンスという常識破りのアイアンを作り上げました。もちろんバンス角はテストにテストを加え、ゴルファーが違和感を感じないギリギリの所に設定しました。
例えば、SSアイアンは4番と5番はユーティリティ形状。ソール幅はアイアンと言うよりはユーティリティぐらい幅広です。普通、ここまでソールを広くすると抜けやすくするためにバンス角は0度かマイナスになるのですが、SSアイアンにはちゃんとバンスが付いてます。
SSアイアンの5番、見た目はワイドソールでユーティリティみたいだけれど

SSアイアンの5番、見た目はワイドソールでユーティリティみたいだけれど

ワイドソールだけれどバンス角がしっかりついている

ワイドソールだけれどバンス角がしっかりついている

バンスを付けることハンドファーストに打ちやすく、そしてダフりのミスに強く作ってあります。バンスが強めなのですくい打ちをする人が使うとハーフトップ気味のミスが出やすくなりますが、それも承知の上。これで練習し続けるとハンドファーストで打つ感覚が養われるからです。スイングが良くなるクラブを作りたいから、とことんバンス角にこだわったのです。
ジャンボ尾崎はつるやオープンでエージシュートの62を出しましたが、その時使っていたマスダゴルフさんのウエッジはハイバンスだったそうです。ハイバンスなアイアン(ウエッジ)は、すくい打ちをする人には、ソールが跳ねすぎて扱いづらく感じる場合がありますが、ダウンブローに打てるようになるとバンスがミスを減らしてくれます。加えてスピンが効いたショットも打ちやすくなるのです。
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2013年05月04日弾道調整式ドライバーの賢い使い方 その2

弾道調整が可能なカチャカチャ式ドライバー。マーク金井は現在、テーラーメイドのR1、グローレ、キャロウェイのXホット、コブラのAPM、ピンのG25、タイトリストの913FD、そしてヨネックスのi-EZONEを所有しています。メーカーによってスリーブの形は異なりますが、なぜか一部のメーカーを除いてねじ穴は同じです。他社のネジを使ってもヘッドとシャフトが脱着できますが、これにはちゃんとした理由があるんです。

カチャカチャ式ドライバーを発売しているメーカーの担当者によると、スリーブの部分は自社開発ではなくてベンダー(ヘッド製造業者)からの持ち込みとのこと。カチャカチャの特許はクラブメーカーが独自に持っているのではなく、メーカーとは関係ない人間が特許を持っているそうです。すべてのメーカーに裏を取ったわけではありませんが、多くのメーカーはその特許を利用させてもらっている。もちろんスリーブの形はメーカーの独自設計ですが、ヘッドとシャフトを脱着させるシステムはメーカーのオリジナルではありません。だからネジとかネジ回しは共有できちゃうのです。

とまあ、前置きはこれぐらいにしておき、今日もカチャカチャ式ドライバーの賢い使い方について説明したいと思います。その前に前回の復習をしましょう。シャフト(スリーブ)を回転させるとロフトが増減しますが、そのメカニズムはこうなっています。写真はテーラーメイドですが、他社のカチャカチャ式も概ねやっていることは同じです。

ロフトを減らす方向に調整すると‥‥

ロフトを減らす方向に調整するとシャフトが右に傾く

ロフトを減らす方向に調整するとシャフトが右に傾く

こんな風にシャフトが右から装着された状態になります。右から装着された状態になりますが、ゴルファーはシャフトを垂直にしてアドレス(そしてインパクト)するので、クラブの見え方はこんな風になります。

そこからシャフトを垂直にセットするとフェースが開く

そこからシャフトを垂直にセットするとフェースが開く

 

ありゃ不思議。シャフトを地面と垂直にするとヘッドがゴロンと時計回りに回転し、フェースがゴロッと開きます。そうです。カチャカチャ式の場合、ロフトを減らす方向に調整すると、フェースが開いて捕まりづらくなるんです。
そして、ここからがゴルフクラブの不思議。リアルロフトの計測というのはフェースが開いた状態(フェースが被った状態)で計測しません。上の写真のようにフェースが開いている場合‥‥

開いたフェースをスクエアに戻し、その状態でロフトを計測。結果、リアルロフトが減ってくる

開いたフェースをスクエアに戻し、その状態でロフトを計測。結果、リアルロフトが減ってくる

シャフトを軸にしてフェースを回転させ、フェーススクエアに戻します。このため、フェースが開いた状態の場合、フェースをスクエアに戻した分(フェースを被せた分)だけロフトが減る。結果、カチャカチャ式ドライバーの場合、シャフトの装着角度を変えただけなのに、リアルロフトが1~2度ぐらい変わってしまうのです。どれぐらいロフトが変わるのかはスリーブの角度によって変わります。写真のR1の場合、スリーブの角度が強くなったため、ロフトの調整幅が±2度になりました。ちなみに前作のR11ではスリーブ角度がR1ほど強くないのでロフトの調整幅は±1.5度でした。

これで復習はおしまい。今日はマーク金井がやっているカチャカチャ式ドライバーの使い方についてお話しましょう。ボクはドライバーのアイアンもライ角がアップライトなのが好きなので、R1の場合はアップライトに調整して使っています。そしてグローレに関しては、ノーマルがフックフェースになっているので、オープンフェース方向に調整して使っています(実際はこれでスクエアフェース)。そして、どちらもシャフトを装着するポジションが決まったら、その状態でリシャフトします。言い換えると、ノーマルポジションでリシャフトしません!!!!

理由は2つあります。カチャカチャ式の場合、調整しようとするとシャフトを回転させることになります(そうじゃないモデルもあります)。このシャフトの回転が嫌なんです。
シャフトは本来、指向性があってはいけないのですが、製造上、指向性が出る場合があったりします。このため、同じシャフトでもシャフトを回転させてしまうと、しなりのフィーリングが微妙に変わる場合があるんです。カチャカチャ式で弾道調整したら、「なんかちょっと違う‥‥」と感じるゴルファーがいますが、その場合、シャフトのフィーリングの違いを感じ取っている場合が少なからずあるのです。すべてのシャフトに指向性があるわけではありませんが、せっかくリシャフトするならば、自分が使うポジションに対してシャフトを装着した方が使い勝手が良くなるんです。

ちなみに純正シャフトの場合は、使いたいポジションが決まったら‥‥リシャフトと同じことをやります。純正シャフトをいったん引っこ抜き、自分が使うポジションに対してシャフトを装着する。これでシャフトを回転させなくても使うことができます。
もうひとつの理由はグリップです。バックライン入りのグリップが好きなので、シャフトを回転させてしまうとバックラインが変な方向になります。それを防ぎたい意味でも、リシャフトする時は、使うポジションを先に決め、その方向にシャフトを装着。そしてバックライン入りのグリップを装着するのです。そうです、マーク金井はカチャカチャ式のドライバーを使う時、いったん調整した後は、よほどのことがない限り再調整はしません。
今日は風が強いからロフトを減らそうとか、今日は練習でコスリ球が多いからフックフェースに調整なんてことはしません。クラブのスペックをしょっちゅう変えると、メリットよりもデメリットの方が大きいと感じているからです。

その一方で、しょっちゅう変えているのがシャフトです。

カチャカチャ式の一番の魅力はシャフト交換が簡単なこと~

カチャカチャ式の一番の魅力はシャフト交換が簡単なこと~

カチャカチャ式の場合、30秒もあればシャフト交換可能。従来のドライバーと違って、いつでもどこでもすぐに色んなシャフトを試せる。シャフト交換が簡単にできるのがカチャカチャ式ドライバーの最大の魅力。マーク金井はシャフトおたくということもありますが、シャフト交換しやすいクラブは非常に使い勝手がよろしいのです。

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PS.カチャカチャ式ドライバーの最大の魅力はリシャフトが手軽なこと。アナライズではテーラーメイド、タイトリスト用カートリッジが付いたオリジナルシャフトも販売してます~。

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5月5日、6日の14時からゴルフの竪琴講習会をやります。ブログで紹介してから、ゴルフの竪琴が凄く売れ始めで、アナライズは嬉しい悲鳴!! マーク金井としては、せっかくゴルフの竪琴を買ってくれた方が、正しく使っているかかなり気になるところ。まだ若干空いてますので、是非ご参加ください。

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2013年05月03日弾道調整機能付きドライバーの賢い使い方とは!?

ゴルフクラブは年々進化してますが、あれよあれよという間に広まったのがカチャカチャ式ドライバーでしょう。ネジをカチャカチャするだけでヘッドとシャフトを簡単に脱着できる便利さ、そしてヘッドのスペックを可変できるのが魅力です。多くのメーカーはヘッドスペックを可変させること(カチャカチャすることで)、弾道をドラスティックに変えられるとアピールしています。

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さて、このカチャカチャ式ドライバー。マーク金井は現在、テーラーメイドのR1、グローレ、キャロウェイのXホット、コブラのAPM、ピンのG25、タイトリストの913FD、そしてヨネックスのi-EZONEを所有しています。それぞれスリーブの形、スリーブの角度は違っていますが、いずれも共通しているのはネジでシャフトを固定していること。そして、シャフトの装着方向を変えることでヘッドスペックを変えていきます。

例えば、ノーマルポジションからシャフトを180度回転させて再装着すると、ライ角がアップライトになります。これはスリーブがくの時に曲がっているからなせる技。180度回転させることでシャフトの角度が垂直方向に傾くからアップライトになるのです。

ロフト変更、フェース向き変更も同じ原理。例えば、テーラーメイドのR1。ロフトが8~12度に変更できると謳ってますが。これもシャフト(スリーブ)の装着方向を変えることで調整しています。ロフトを8度に減らす時はシャフト(スリーブ)を自分から見て時計回りに90度回転させます。これによりシャフトを右に傾けて装着した状態になり、リアルロフトが2度減ります。対してロフトを12度に増やす時はシャフト(スリーブ)を自分から見て反時計回りに90度回転させます。これによりシャフトを左に傾けて装着した状態になり、リアルロフトが2度増えてきます。要するに、シャフトを装着する角度を意図的に変えることでリアルロフトを減らしたり増やしたりしているわけです。

P1030231

テーラーメイドR1のスリーブ。ロフトが表示してある

わざわざリアルロフトと書いたのには理由があります。テーラーメイドに限らず、ロフトを増減できることをアピールしているメーカーは数多くありますが、カチャカチャ式の場合、ソールに対してロフト角が変るわけではありません。8度に調整しても、12度に調整してもソールに対してロフトが減ったり増えたりしません。

じゃあなんでロフトが増減するのか?

シャフトが左右に傾くように装着すると、シャフトの軸線に対してロフトが変るからです。例えば、シャフトが右に傾くように装着した場合、リアルロフトを測る時、まずシャフトを地面と垂直に戻します。シャフトを地面に垂直に戻した時、戻した分だけフェースが下を向くのでロフトが減ってくるのです。逆もしかり。シャフトが左に傾くように装着した場合、リアルロフトを測る時、まずシャフトを地面と垂直に戻します。シャフトを地面と垂直に戻した時、戻した分だけフェースが上を向くのでロフトが増えてくるのです。言い換えると、インパクトではシャフトを垂直に戻して打つというのが大前提としてあるわけです。シャフトの装着角度が変っても、インパクトではシャフトを地面と垂直に戻す。これがちゃんと出来ていないと、カチャカチャしてもロフト通りにボールを飛ばすことができないのです。

今週発売のゴルフTODAYにもカチャカチャ式ドライバーの特集記事がありましたが、そこでも‥‥

5月2日発売のゴルフトゥディ誌

5月2日発売のゴルフトゥディ誌

カチャカチャしたらスイングを変えないで下さい
フェースの向きを変えたら、
それをスクエアに見えるように自分で調整しないで下さい

と注意書きがありました。まったくその通りなのですが、困ったことに人間には調整機能があります。シャフトを右から装着した時と、シャフトを左から装着した時とでは、クラブはまったく別物になります。普段、シャフトを右から装着されたドライバーを使っている人にとっては、シャフトが左から装着された状態(ロフトを増やした状態)はもの凄く構えづらくなります。シャフトが左から装着したクラブを構えようとするとフェースが被って見えてしまうからです。逆に、普段、シャフトが左から装着されたドライバーを使っている人の場合、シャフトを右から装着された状態(ロフトを減らした状態)はもの凄く構えづらくなります。シャフトが右から装着されたクラブを構えようとするとフェースが開いてみえてしまうからです。

たかがシャフトの装着角度と思うかも知れませんが、人間のセンサーは非常に敏感です。シャフトの装着角度が1度ぐらい変っただけで、「あれっ、何かが違う」という感じになり、いつもと同じスイングをしづらくなるんです。

では、カチャカチャ式ドライバーはどんな風に使えばいいのか?

基本はカチャカチャさせないことです(笑)マーク金井は基本、ライ角度をアップライト方向に調整させているだけ。理由は単純、カチャカチャできないドライバーの時もリシャフト時にはアップライト方向に調整して使っているからです。シャフトの装着角度というのはスイングに少なからず影響を与えるので、理想は自分がスイングしやすい、今までと同じような角度にシャフトを装着することをお勧めします。もしくは、捕まり具合を調整するためにカチャカチャさせて下さい。テーラーメイドのR1やコブラAPMはロフトを変えられると謳ってますが、ロフトを減らせばフェースは右を向き、ロフトを増やせばフェースは左を向きます。なので、ノーマルよりもボールを捕まえたいならばシャフトが左から装着された状態に調整(ロフトを増やす方向に調整)、ノーマルよりもボールを捕まえたくないならばシャフトが右から装着された状態に調整(ロフトを減らす方向に調整)して使いましょう。この方がスイングに違和感が出にくいし、イメージ通りの弾道を打ちやすくなります。

なので可変式ドライバーの場合、テーラメイドコブラよりもキャロウェイの方がユーザーに親切なアナウンスをしているとボクは思います。
んじゃ(▼▼)b

キャロウェイのX-HOTドライバー。Cの表記はフェースが、クローズになるという意味

キャロウェイのX-HOTドライバー。Cの表記はフェースが、クローズになるという意味

PS.カチャカチャ式ドライバーの最大の魅力はシャフト交換が簡単なこと。アナライズではテーラーメイド、タイトリスト用カートリッジが付いたオリジナルシャフトも販売してます~。

 


2013年05月02日手打ちになりやすい人、なりづらい人の判別法とは‥‥

正しいフォームは4つある。血液型がA、B、O、ABと4つに分けられるのと同じく、ゴルファーも4つのタイプに分けられると言うのが4スタンス理論です。

池田書店 定価1365円

池田書店 定価1365円

この本の前書きには、

ヒトには生まれつきの異なる血液型があるように、身体の動かし方にも異なる4つのタイプがあるのです。血液型A型のヒトはB型のヒトの血液を分け合えないのと同じく、この「4スタンス」タイプの違う人同士は、立って歩くだけでも分け合えない部分があります。
(ゴルフ4スタンス理論の前書きから抜粋引用)

正しいフォームが4つあると筆者の廣戸聡一さんは述べておられます。4つのタイプはA1、A2、B1、B2とがあって、マーク金井は専属のトレーナーにチェックしてもらった所、「B2」と判定されました。B2はエルスのようなスイングだと廣戸さんはコメントされています。B2について説明を加えると、このタイプはクロスに身体を使うこと、そしてグリップは太めが良いとアドバイスをされています。

この4スタンス理論では正しいフォームは4つあると説いてあります。確かに、プロのスイングを観察しても、タイガー・ウッズジム・フューリックとでは全然違います。プロによって身体の使い方が違うのは一目瞭然なので、4つのタイプに分けて考えた方が合理的なんだろうと思います。

そして合理的なスイング作りという意味では、4スタンス理論の前に、チェックしたいことがあります。アナライズでMCB(クラブ&スイング診断)をする時、いくつかのチェック項目がありますが、まずやってもらうのがこれっ。

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ボールが50~60個入ったバッグを利き手で持ってもらい、30~40センチぐらい引き上げてもらいます。ゴルフスイングとまったく関係なさそうな動作なんですが、実は、これをやると‥‥そのゴルファーが手打ちになりやすい(手打ちになっている)のか、手打ちになりづらいのがかなり正確にチェックできます。

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手打ちになりやすい人(手打ちになっている人)の場合、こんな感じでひじを曲げることで重いモノを持ち上げています。察しのいい人はもうお分かりですよね。そうです、ひじが曲がっているということは、手や腕の筋肉だけで動作している何よりもの証拠。ひじが大きく曲がる人は、ゴルフスイングでも手打ちになっている確率が非常に高い。そして、フォローで左ひじが引けたり、フォローで左ひじが曲がっています。手打ちになっている人に、これをやってもらうと95%以上の確率で持ち上げた時にひじが曲がっています。

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ちょっと沈み込んで

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手は伸びたまま・・

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対して、手打ちになりづらい人(体幹を上手く使える人)の場合、ひじがピンと伸びたまま重いモノを持ち上げています。このタイプの人は、手先や腕の力をほとんど使っていません。下半身、背筋、腹筋、という大きい筋肉を使って持ち上げているのです。腕がピンと伸びるのは、腕に余計な力が入っていないからです。
ゴルフ雑誌のレッスン企画やレッスン書では、手打ちが悪者扱いされています。そして、「身体の大きな筋肉を使え」とか「ボディターン」「体幹を大きく使え」などという言葉が頻繁に使われていますが、具体的に、手打ちを解消するための方法論についての説明が少ない感じがします。なのでアナライズでは、まずは「身体の大きな筋肉を使って動作するとはどういうことなのか?」を知ってもらうためにバッグを持ち上げてもらっているのです。

たかが重たいバッグを持ち上げる動作ですが、日常生活で大きな筋肉を使うことに慣れていない人は、無意識に持ち上げようとすると手先や腕の力に頼ることになって、ひじが無意識に曲がります。言い換えると、手打ちの人が手打ちを解消するためには、かなり意識的に身体を使うことが求められるのです。マーク金井は「不自然な動きをした方が、動きが自然に見える」などと、禅問答みたいなことをしょっちゅう言いますが、このバッグを持つ動作をやると、それがあながち言葉遊びでないことを身をもって体感できます。

アナライズには2000人以上のアマチュアゴルファーが診断に訪れていますが、スライサー、フォローで左ひじが引ける人のほとんどは、重たいバッグを持ち上げる時に、ひじが曲がってしまいます。そして、スイングをビデオで撮ってみても身体の大きな筋肉よりも、手先でスイングする癖がついてます。この癖を取り除くには、まずは身体の大きな筋肉を使う感覚、そして手先や腕を使わないで動作する感覚を養うことが必要不可欠です。
鏡やガラスの前で、重たいバッグや重たいモノを片手で持ち上げてみて下さい。持ち上げた時にひじが曲がってしまうようならば、練習場でたくさんボールを打ってもスライス矯正は難しいし、左ひじが曲がるのも治りづらいです。練習場でたくさんボールを打つことで得られるのはボールを打つことで得られる高揚感、爽快感だけしょう。

昨日のブログで、ゴルフの竪琴を使うドリルを紹介しました。ものすごく地味な練習法ですが、これをやると確実に身体の大きな筋肉を使ってスイングする感覚を養えます。
んじゃ(▼▼)b