マーク金井blog

2013年04月26日アマチュアにとって本当にやさしいアイアンとは!?

先週の男子ツアー開幕戦「東建ホームメイドカップ」では、プロ入り20年目の塚田好宣プロが、悲願のツアー初勝利を上げました。彼は日本とアメリカの大学で学んだというユニークな経歴の持ち主ですが、使っているクラブもかなりユニーク。ドライバー、アイアンともピンを使っているが、アイアンはアマチュア向きの「ピン G25」。グースネックでソール幅も広く深いキャビティ形状。GDOが主宰する『HOT LIST JAPAN 2013』でゴールド賞を受賞した、典型的なやさしいクラブを使っています。

今回はアイアンの「やさしさ」についてがテーマです。

難しいアイアンとやさしいアイアンの違いはいくつかありますが、まず誰でも見分けがつくのがヘッドサイズでしょう。ヘッドが小ぶりなマッスルバックを見て、やさしいと感じるゴルファーはまずいません。対して、ピンG25に代表されるように大型ヘッドを見ると、ほとんどのゴルファーはやさしさを感じます。

幅広ソール&ハイバンスが特徴~

幅広ソール&ハイバンスが特徴~

では、大型ヘッドはどんなメリットがあるのか?

ドライバー同様、アイアンの場合も大きいと見た目に安心感が増してきます。物理的な側面で言うと、ヘッドが大きいほどキャビティ形状になって(その結果、周辺重量配分設計になって)、慣性モーメントの数値が大きくなります。慣性モーメントとはヘッドのブレにくさを数値化したもので、この数値が大きいほど芯を外して打った時にヘッドがブレにくい。要するに、スイートエリアが広くなる分だけミスに対して強くなります。マッスルバックで芯を外したらグリーン手前のバンカーに入るような場合、大型ヘッドのキャビティならばグリーン手前に乗ってくれます。加えて、ヘッドが大きくなるとそれに比例して重心距離が長くなり、重心距離が長くなると飛距離性能がアップします。ヘッドの操作性は悪くなりますが、シャンクのミスも軽減できます。

ソール幅が広くなるほど低重心~

ソール幅が広くなるほど低重心~

アイアンのやさしさをチェックする上では、ソールの幅とソール形状も見逃せないポイントです。ソールの幅は広いほど「やさしさ」がアップします。幅広ソールのメリットは2つあって、ひとつは幅が広いほどダフりに強く、見た目の安心感が増します。もうひとつはソール幅が広くなるとソール側の重量が増します(幅が狭いアイアンに比べて)。結果、低重心になって、トップ気味に当たっても飛距離をロスする度合いが軽減できる。低重心になるとグリーンに止まる球は打ちづらくなりますが、低スピン弾道が打ちやすい分だけ飛距離を出しやすく、風に強い球を打ちやすいメリットもあります。

幅広ソールはお尻がポッチャリしてて見た目は格好良くありません(笑)。ですが、クラブがミスをカバーしてくれます。今日、リンクスのSSアイアンを使って千葉市民を9ホールラウンドしてきましたが、幅広ソールのアイアンだと、フェアウェイのコンディションが悪い時でも余計なプレッシャーがかかりません。きっちりヘッドを入れなくても、ちゃんと距離が出てくれるからです。
アイアンのやさしさで、もうひとつ欠かせない要素がソール形状です。ウエッジ同様、アイアンもバンス角が強いほどミスに強くなります。バンス角はソール角とも言われてますが、バンスが強くなるほどソールが地面に跳ね上がります。バンス角が強いアイアンは、硬い地面や練習場のような人工芝ではソールが跳ね過ぎてハーフトップが出やすくなりますが、芝の上から打つ時はダフってもソールが滑ってくれ、飛距離をロスしません。と言うか手前からダフり気味にヘッドを入れてやるとナイスショットと同じぐらい距離が出ます。

対して、バンス角が少ないアイアン、バンス角がゼロなアイアンは硬い地面や人工芝で打つ時には抜けが良くて打ちやすいですが、芝の上からだとダフってしまうとリーディングエッジが刺さり、ボールを上手く捕えることができません。飛距離をロスしやすくなります。

人工芝からの打ちやすさを重視しているのかどうか分かりませんが、ゼクシオをはじめ日本メーカーのやさしいアイアンは、幅広ソールですがバンス角はゼロに近いモデルが大半です。バンス角をゼロに近づけると、ゴルフショップの店内でアドレスした時(硬い地面に置いた時)ソールの座りが良くなることも考慮しているのでしょう。

対して、G25をはじめ米国メーカーのアイアンの多くはバンス角がちゃんとついています。打ち比べるとバンス角の差は歴然で、ゼクシオG25と打ち比べると明らかにG25の方がダフった時には距離が出ます。
マーク金井は昨年、リンクスのSSアイアンを設計しました。その時に一番こだわったのがバンス角。アドレスしたらリーディングエッジが少し浮くぐらいバンスを付けました。練習場の人工芝の打ちやすさを犠牲にし、硬い地面でも構えやすさを犠牲にしてでも、コースに出た時にスコアが良くなるアイアンを作りたかったからです。

塚田プロはプロの中では一番やさしいアイアンを使ってツアー初勝利を手にしました。ボクも塚田プロを見習ってやさしいアイアンを使って、今年もベストスコア更新したいと思っています。
んじゃ(▼▼)b


2013年04月25日ゴルフの電子書籍に未来はあるのか!?

本が売れないと言われて何年も経ちますが、永江さんのブログによると、売れない本当の原因はブックオフやアマゾンのマーケットプレイスによるものだと分析されています。ちょっと長いですが引用させていただくと、
出版不況はAmazonマーケットプレイスのせいかもしれない

Amazonのトップ画面

Amazonのトップ画面

いままでのデータではだいたい新刊でも1ヶ月を超えると中古が出回ってくる。そうすると一気に中古にシフトされ、書評を見ての中古本の購入率は新刊でも40%、数年たったものでは70?80%(こちらの実測値)。本によってはブログでの紹介から数十冊売れても全部中古というのもあった。冊数で言うと、Amazonで流通している本のおそらく6割以上は中古と言いきってもいいのでは? (日本のAmazonの売り上げは約4000億円で半分は書籍という風に言われているらしいが詳細は不明なのでどれくらいのマーケットかは全くわからない)
ブックオフで中古本を探すのは大変だが、Amazonならすぐに探せるし、大半はクリーニングされている。人よりも早く読みたい新刊以外は、圧倒的に中古が市場をぐるぐる回る。新刊が出てもしばらく待てば中古が出回るから待つ。よって新刊は売れない。出版社はご飯が食べられないという展開になっている。
永江さんのブログ引用)

確かに、ボクも欲しい本があると真っ先にAmazonにアクセスし、中古本を探します。マーク金井はゴルフクラブやデジタルギアも中古が大好きですが、本もセコンドハンドを積極的に買います。値段が安いし、今どきの中古本はクリーニングされていて綺麗だからです。

そして、永江さんはブログでこう続けます。

八方ふさがりの出版業界ではあるが、起死回生の一手がある。それが電子書籍の中古相場に合わせた値下げである。出版業界が分かってないのが、紙の本の競合が電子書籍だと思い込んでいることにある。「紙にこだわるので電子書籍に移行しない」という出版社が聞いたら涙するようような人もいるが、その人だって中古を買ってるのだ!!

紙の本の競合は、電子書籍では無くて、中古の本、特にAmazonのマーケットプレイスなんですよ!そう。日本の電子書籍の価格は、Amazonでさえ、出版社側に決定権限がある(という話)。現在の電子書籍と新品と中古の本の価格は、Amazonだと比較できるようになっている。

例えば、小説ののぼうの城(小学館文庫)。新刊文庫480円 中古191円 Kindle473円※ただし中古はだいたい250円の送料がかかるから実質440円!!

これじゃ誰だって電子版買わずに中古買うわな・・ アホか
永江さんのブログ引用)

かなり厳しい論調ですが、まったくその通り。電子書籍の方が中古本よりも高い値段設定したら‥‥誰だってそっちに行くでしょう。この値段でも電子書籍を買うのは海外に住む日本人、飛行機に沢山の書籍を持ち込みたい日本ぐらいでしょう~。そして永江さんはこう提案しています。

出版社の馬鹿経営陣は、「電子版の価格を下げたら紙の本が売れなくなって困る」ということで下げないわけだが、全く逆です。一気に中古と競合する価格まで下げればいいのだ。中古は送料がかかるから、それを計算に入れて価格にすれば、それほど安くしなくてもいいわけだ。同等で無くて少し高いくらいでも、マーケットプレイスでは到着に数日はかかるから、すぐに読みたい人は電子版を買ってくれる。中古本の価格がさらに下がって利幅がなくなれば、せどりの皆さんは転職せざるを得ない。電子版だって売り上げは出版社に入る。印税だって著者に入る。
永江さんのブログ引用)

http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=4606
これはすでに市販されている本に対する提言ですが、ボクは電子書籍に対してもうひとつの考え方を市場に提案しています。それはニッチなマイクロコンテンツ。カタカナの羅列ですが、要するに紙の本にするにはネタの分量が少なく、紙の本にするためには読者が少ないコンテンツです。マーク金井はすでに、アマゾンで電子書籍を8冊出していますが、いずれも価格は162円

gorufuenngeki一生役立つ

 

衝動買いしやすい価格に設定しています。そしてもうひとつこだわっているのがコンテンツのオリジナリティ。ほとんどの電子書籍は紙の本を電子化しています。ところがマーク金井は逆張り。作ったコンテンツ(原稿)はまず最初に電子版で発売。情報としての鮮度が高い状態でユーザーに提供しているのです。

そして、電子版で売れ行き実績があるコンテンツを、今度は紙の本として出そうとしています(昨日、電子書籍が紙の本になるのが決定しました)。

電子書籍の普及率はまだまだ数パーセント。紙の本で1万部売れる場合、電子書籍だと500~1000部ぐらいというのが業界の常識です。逆に言うと、電子で2000部以上売れた場合、紙の本にすると2万部以上販売できる可能性が非常に高いのです。

先週、ボクは今一番人気があるテーラーメイドのFW、ロケットボールズの達人的使い方というコンテンツを書き上げました。これまた典型的なマイクロコンテンツ。価格はもちろん150~160円です~。
んじゃ(▼▼)b
PS.iPhone&アンドロイドスマホ用のケースが再入荷しました。ケースから出し入れするだけで液晶画面が綺麗になるスグレモノ。革が分厚いので、乗用カートのプレー時に大事なiPhone、スマホを保護してくれます~。

マーク金井がエルク革の質感に惚れこんで作りました~

マーク金井がエルク革の質感に惚れこんで作りました~


2013年04月24日ポケット距離計測器、ユピテルの達人的な使い方!!

今週発売の週刊ゴルフダイジェストから、マーク金井の衝動買い日記「新・買わずに入られない」が始まりました。以前は中古クラブを買い漁るのがメインでしたが、今回はクラブではなくてデジ物がメイン。週刊アスキーでやりそうな連載を週刊ゴルフダイジェストで始めちゃいました(笑)

その記念すべき連載1回目に取り上げたデジタル機器がこれっ!!

サイズはiPhone5とほぼ同じ~

サイズはiPhone5とほぼ同じ~

ユピテルのスイングトレーナー「GST-3 Pocket」

スイングトレーナーというネーミングは何とも微妙ですが、要するにヘッドスピードとボール初速の計測器。クルマのスピード違反で使うレーダー探知機同様、このユピテルもドップラー効果によってスピード(ヘッドスピードとボール初速)を計測します。最近、男子ツアーのゴルフ中継では「トラックマン」という非常に高価な弾道計測器が登場してますが、これもまた計測方法はドップラー効果で弾道計測しています。トラックマンが500万円以上するのに比べると、このGST-3 Pocketは1万5000円前後。値段が300倍以上違いますが、機械自体がやってることはほぼ同じです。気になる精度についても、トラックマンの300分の1なんてことはありません。ボール初速はトラックマンよりも少し甘めに出ますが、こと飛距離(正確には推定飛距離)はトラックマンとほぼ同等の精度があります。

アナライズには写真画像を用いた弾道計測器が2台あります。1台は初代のベクター。もう1台はフライトビジョン。どちらも70万円以上する高価な計測器ですが、これらと比べてもユピテルの飛距離精度はまったく見劣りしません。例えば、ドライバーで計測すると、フライトビジョンで250ヤードならば、ユピテルでも250ヤード±2ヤード。値段は「大人のおもちゃ」ぐらいなのに、その性能たるや‥‥メーカーがクラブ開発に使えるレベルです。それでいて手軽で、スイッチポンですぐに使える。高価な弾道計測がパソコンだとしたら、ユピテルはiPadってな感じで使えます。

さて、このユピテル

地面にポンと置くだけで、ヘッドスピード、ボール初速、ミート率、そして飛距離(正確には推定飛距離)が瞬時に測れますが、ただチェックするだけではもったい。数値の見方にこだわって使えば、ゴルファーにとってかなり強力な武器になります。

例えば、飛ぶドライバーヘッドの見つけ方?

飛距離が出たら飛ぶドライバーだと思われがちですが、ヘッドのポテンシャルをチェックする時、マーク金井がこだわっているのが芯で捕らえた時のミート率。ミート率とは‥‥
ボール初速÷ヘッドスピード
例えば、ヘッドスピード40m/sでボール初速が60m/sが出たとしましょう。このドライバーのミート率は1.5です。ユピテルはボール初速が甘いのでミート率が1.5を超えることもありますが、この数値が高いほどヘッドのポテンシャルが高い、すなはち飛ぶドライバーヘッド。ヘッドスピードはシャフトが軽い方が上がりますが、軽いシャフトはミート率が上がるとは限らないからです。マーク金井は2012年モデルのドライバーをほとんど打ってますが、その中でミート率が特に高かったのがタイトリストのVG3とテーラーメイドのグローレ。どちらも新潟の遠藤製作所で作られたヘッドですが、ルール適合の中ではフェースの弾きがトップクラスです。
次に、ドライバーが苦手な人ならば、芯を外した時の飛距離、ミスショットをした時の飛距離をチェックして下さい。ミスした時の飛距離、すなわち最低飛距離が出るドライバーというのは、コースに出た時に威力を発揮してくれるからです。アマチュアの多くは会心の1打、奇跡の1発が出た時の飛距離を見るのには熱心ですが、ミスショット時の飛距離についてはほとんど関心がありません。練習場でボールを打っている人を見ても、ナイスショットは最後までボールを追いかけますが、ミスショットした時はボールを全然追いません。気持ちは分かりますが、コースに出た時はミスショットを消し去ることはできない。ミスに強いドライバーを選ぶ、ミスした時に飛距離が出やすいドライバーを選ぶと、ドライバーのフェアウェイ生存率が上がり、ひいてはスコアアップにつながります。ヘッドスピードが35~43m/sぐらいで打った時、マーク金井が試打してミスに一番強かったのはヨネックスの白黒ツートン、i-EZONEです。

ユピテルはシャフトフィッティングにも使えます。シャフトを試打する時にチェックしたいのはヘッドスピードの出方とミート率。5球ぐらい続けて打ってヘッドスピードが変わらないのが理想的なシャフトです。自分に合ったシャフトはタイミングが取りやすい。タイミングが合えばヘッドスピードが一定になりやすいからです。逆に言うと、打つ度にヘッドスピードが変わってしまうシャフトというのは、たとえ飛距離が出たとしても、コースに出た時には扱いづらいシャフトになる危険性が高いです。そしてミート率が高く出るシャフトというのは、芯で捕らえやすいことを証明しています。ヘッドスピード、ゴルファーの腕前によっても異なりますが、ボクの場合、ミート率が1.5~1.55ぐらい出るシャフトはミート率が良いシャフトだとジャッジしています。
ゴルフショップの試打スペースには、必ずといっていいほど高額な弾道計測器が完備していますが、ボクはユピテルを持参して試打することを強くお勧めします。どこの店でも、、いつも同じ計測器でチェックすれば、客観的にクラブの性能、自分との相性をチェックできるからです。幸いなことにこのポケットタイプのユピテルはiPhoneと同じぐらいの大きさ。

iPhone5よりも20g軽量~

iPhone5よりも20g軽量~

 

重さは110gと軽量。鞄の中に入れても邪魔になりません。練習場やコースでもユピテルを使うと、アイアンやアプローチの距離感を磨けます。
ポケットタイプのユピテルは1万5000円前後。世の中、安いモノだからけですが、トラックマンに比べると、この値段は安すぎますね~(笑)
んじゃ(▼▼)b

 

PS.アナライズで作ったiPhoneケース。ナスカン付きのタイプはオーダーメイドしたかのようにユピテルがすっきり収まります~。

出し入れすると液晶画面が綺麗になります~

出し入れすると液晶画面が綺麗になります~

 


2013年04月23日FWが苦手なゴルファーはシャフト重量に注目すべし!!

4月20日のブログでも書きましたが、FWの性能を上手く引き出すにはシャフトの重量が重要な役割を果たしています。飛ぶと評判のテーラーメイドのロケットボールズ(RBZ)に代表されるように、市販FWの多くは純正シャフトが50g前後。これはドライバーのシャフト重量と同じか、ドライバーよりも軽いぐらいです。ドライバーをリシャフトしている人やカスタムシャフトを装着している人の場合、FWよりもドライバーの方がシャフトが重かったりします。

ロケットボールズの日本仕様純正の重量

ロケットボールズの日本仕様純正の重量

極端ですが、R1の並行(純正シャフト)だと完全に逆転します

極端ですが、R1の並行(純正シャフト)だと完全に3Wと1Wの重量が逆転します

 

メーカーがFWに軽いシャフトを装着する理由はいつくかありますが、一番の理由は飛距離重視だからでしょう。シャフトを軽くすれば、軽い分だけヘッドスピードが上がり、タイミングが合って当たれば飛距離が伸びます。FWを打った時、いかに奇跡の1発が出るかどうかにこだわっている可能性が高いです。

しかし、軽いシャフトが装着されたFWにはデメリットも多々あります。例えば、ドライバーに60gのシャフトが装着されている場合、FWのシャフトが50gだと重量フローが逆転します。FWはドライバーよりも2インチ以上短いのに、FWのシャフトがドライバーよりも軽いと‥‥、手打ちを誘発したり、ハーフトップやチョロのミスが出やすくなるんです。FWにドライバーよりも10g以上軽いシャフトが装着されていると、ミート率が悪くなるだけでなく、スイングにも悪影響が出ます。キャロウェイのXホットにしても、純正のRシャフトの重量は約44g(メーカー値)。いくらアマチュア向けと行ってもこれは軽過ぎる。300ヤード飛ぶFWが上手く打てない人の場合、純正シャフトの軽さが災いしている可能性が非常に高いです。

ドライバーは45インチ以上。対して3Wは43インチ前後。2インチ以上長さが異なれば、ドライバーよりも5~10g重くした方が重さの流れが良くなります。ただし、ドライバーで70g以上ならばドライバーとFWは同じ重量でも大丈夫です。70g以上のシャフトが装着されているドライバーの多くは長尺ではありません。45インチ以下です。長さの差が大きく出にくいし、シャフト自体も手元の重量感があって、違和感が大きく出ないからです。

アナライズではドライバーよりも先にFW用のシャフトを作りました。ドライバーには重量の選択肢がたくさんあるのに、FW用ではアマチュアにちょうどいい重量帯のシャフトが少ない。ゴルファーにとって本当に必要なシャフトが少ないから‥‥マーク金井はドライバーよりも先にFW用シャフト「W65」を作ったのです。

シャフトは硬さと調子も大事です。

FWに限りませんが、硬さが合っていないと上手くボールを捕えることができません。硬過ぎると力んで軌道がアウトサイド・インになったり、打ち急ぎのミスが出やすくなります。対して、軟らか過ぎるとシャープなスイングがしづらくなります。FW用シャフトに関して言えば、FWが苦手にはボクは少し軟らかいシャフトを勧めています。試打してみてちょっと軟らかいと感じるぐらいがちょうどいい。その方が、トップからダウンの切り返しでしなりを感じやすく、タイミングが取りやすいからです。そしてFWが得意になって、FWでボールが上がり過ぎて困るようになれば‥‥シャフトを硬くしていけばよいのです。シャフトの硬さはヘッドスピードに合せた方が良いと言われてますが、ボクは技量に合わせた方が良いと思ってます。スイングが不安定な中級者ぐらいまでは軟らかく、スイングがしっかりしている人は硬めのシャフトを使った方が、スイングとのマッチングが良いでしょう。

調子については、

手首のコックがほどけやすい人、
アウトサイド・インの軌道になっている人
切り返しで打ち急ぐ人
体を使ってしっかり振り抜けない人

要するに大抵のアマチュアゴルファーは、手元側のしなりを感じ取りやすいシャフトを無条件にお勧めします。手元がしなると頼りないと感じる人が少なくないですが、それがスイングを良くするのです。手元側がしなる、いわゆる手元調子のシャフトは、トップからダウンの切り返しで「しなり」を感じ取りやすく、ヘッドの重みを感じ取れます。結果、打ち急ぎのミスを防げますし、アウトサイド・インの軌道にもなりづらくなる。シャフトがタメを作ってくれるので、手首のコックがほどけづらくなるメリットもあるのです。

手元調子のシャフトは先端側が少し硬くなるので、ヘッドの入射角が安定します。ドライバーと違ってFWは地面から打つクラブ。ヘッドの入射角が安定するシャフトの方がミート率が良くなります。

マーク金井はこのW65を開発する時に使ったのがテーラーメイドの初代ロケットボールズ。手元のしなり感、そしてヘッドの入射角が安定するようにシャフトを設計しました。純正シャフトに比べると約20g重いです、ドライバーシャフトが50~60gの人にちょうどマッチするよに重量を設定しました。
たかがシャフト、されどシャフト。
ツアープロを引き合いに出すまでもありませんが、今どきのクラブはリシャフトした方が性能をフルに引き出せます。特にFWの純正シャフトが50g前後と軽い場合、60g台のシャフトを装着すると「これって同じクラブなの?」って感じるぐらい打ちやすく、そして振り心地の違いを体感できます。
んじゃ(▼▼)b

別のクラブと実感するには色もマッチしているW65限定カラーを↓

過去記事参照

「理想のFW用シャフト、ドライバー用シャフトとは!?」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた‥‥」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた 後編」


2013年04月22日塚田プロが使うピンG25アイアンを丸裸にしてみた!!

男子ツアー開幕戦となった東建ホームメイト。首位から1打差の2位からスタートした43歳のベテラン、塚田好宣が4バーディ、2ボギーの「70」と2つ伸ばし、通算9アンダーでホールアウト。終わってみれば2位に4打差を付け、プロ20年目にして嬉しいツアー初優勝を手にしました。放映前に優勝したのは知っていたにもかかわらず、それでも放映が始まると‥‥食い入るように画面にかじりついて塚田プロを応援しちゃいました。

塚田好宣プロ優勝の瞬間!(撮影 中野義昌)

塚田好宣プロ優勝の瞬間!(撮影 中野義昌)

GDOさんより転載 フォトギャラリーはこちらをクリック

塚田プロマーク金井が主宰する「日本ハーフコース振興協会」の会員(会員NO.55)で、千葉市民で何度か一緒にプレーさせていただきました。ハーフ協会のコンペではツアープロも特別扱いしません。塚田プロも担ぎセルフでのラウンドです。千葉市民はやさしいコースとはいえ、時にはパター無しでハーフ5アンダーとか平気で出してきます(笑)

塚田プロについては、これから様々なメディアで塚田特集が組まれると思いますが、ボクが注目しているのがクラブセッティング。彼はピンの契約ですが、現在使っているアイアンはピンのG25。ドライバーはやさしいモデルを使うツアープロも多いですが、アイアンとなると大抵のツアープロはマッスルバックか小ぶりなキャビティを使います。大型ヘッドでやさしいアイアンを使うツアープロはほとんどいません。塚田プロもG25を使う前は、ピンの小ぶりなキャビティをずっと使っていました。、
ではなぜ塚田プロはG25を使うようになったのか?
これは彼から直接聞いたのですが、最初は「新しいクラブができたから使ってみよう」という軽い気持ちだったそうです。それで、今年の初めに風の強いタイのゴルフ場で使ったてみたら‥‥

風に強い球が打てる!!
イメージ通りの弾道が打てる!!
ちろん、スイートエリアが広くてミスにも強い!!

「こりゃ使わなきゃ勿体無い」てなことになって、今シーズンはずっとG25がエースアイアン。プロの多くはクラブに対してこだわりがある反面、先入観も非常に強い。アマチュア向けアイアンを抵抗なく試合で試すツアープロはほとんどいません。しかし塚田プロには、いい意味でクラブに対する先入観が無く、使ってみたら良い結果が出た。結果が出るなら使おう。そして、ツアー初戦で初優勝。ゴルフは道具(クラブ)の依存度が非常に高い競技です。ピンをヨイショするわけではありませんが、G25アイアンは塚田プロの初優勝に大きく貢献したことは間違いありません。

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さてこのG25アイアン
もちろんマーク金井も発売直後から使っています。テストしてすごく良かったのでタイアップ広告のお手伝いもしました(月刊ゴルフダイジェスト5月号)。G25の性能を一言で言うと、i20とgG20の性能を足して2で割らなかったアイアンです。

G20はヘッドが非常に大きくてやさしいのですが、フェースが薄くて弾き感が強いアイアン。飛びとやさしさは申し分ないのですが、フェースが弾き過ぎるために距離感が出しづらく、そして球を曲げにくいアイアンでした。他方、i20は打感がソフトで球も曲げやすい。ただしヘッドが小ぶりなのでG20ほどミスには強くない。見た目もG20に比べると少し難しく感じます。

そうですG25はヘッドはゼクシオよりも少し大きいですが、モデルチェンジで打感がソフトになりました。バックフェースの衝撃吸収素材のお陰で、フェースにボールが乗る感触が味わえます。そして、ヘッドが大きい割りには操作性もそこそこ良い。ヘッドが大きいのにi20の感覚で使えるのです。それでいてヘッドが大きくてソールが非常に幅広。G20同様、スイートエリアが広く、ダフりのミスにも強い。見た目は無骨でボテッとしたヘッドですが、プロユースにも十二分に応えてくれるアイアンなんです。塚田プロもコメントしているように、風が強い球が打ちやすく、スピンコントロールもしやすく仕上がっています。

もちろんマッスルバックほどマニュアル感覚で使えるアイアンではありません。G25は限りなくオートマチックに近いセミオートマなアイアンですが、強い球が打てます。東建の最終日は風が強くて多くの選手が苦労していましが、塚田プロはアイアンでノーミス。技術(テクニック)もさることながら、クラブを味方につけて風を上手く攻略したのです。

ではなぜG25は風に強い球が打てるのか?
幅広ソールなアイアンはボールが上がりやすいイメージがありますが、G25の場合はバウンス角も強め。バウンス角が強いアイアンはインパクトでロフトが立つので、風に強い球が打ちやすくなります。加えて、幅広ソールは低重心。アイアンは重心が低い方がスピンが少ない球が打ちやくなるのです。

塚田プロのスイングはG25と相性が非常良いのも見逃せないポイントです。TV解説をしていた丸山茂樹プロも言ってましたが、彼はねっからのフッカー。テークバックはややアウトに上がり、ダウンでシャフトがフラットに入る。インサイドからヘッドを入れているので重心距離が短いアイアンよりも重心距離が長いアイアンの方が、インパクトのタイミングが合いやすい。ピンは昔から重心距離が長めのアイアンが多いですが、その中でもG25は重心距離が長い。スイングと重心距離がマッチしたことが「イメージ通り」の弾道が打てることにつながったのでしょう。

塚田プロが優勝したことでG25アイアンの人気はさらに高まると思いますが、

このアイアンでちょっとだけ残念なのがカーボンシャフトのバリエーションです。やさしいアイアンという位置づけなので、カーボンシャフトの重量がちょいと軽めです。重めのカーボンもあるにはあるんですが、こちらは昔からのピンの伝統でシャフトがかなり硬め。手前味噌ですが70g台でしなりを感じるシャフト、アナライズの「MI72」とかフジクラ「MCI80」とかを装着すると、さらにヘッド性能を引き出せるかなと思っています。もしくは、アイアン用のシャフトスタビライザー等を装着すると、手元側の重量感が増し、スイングの安定感が増して使い心地がかなり良くなるでしょう。

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んじゃ(▼▼)b