マーク金井blog

2013年04月04日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥その2

「ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥」←はコチラから

GDOのホットリストでもゴールドに選ばれたピンのG25。すでにGDOで試打レビューをアップしてますが、このドライバーの特徴はヘッドが「重い」だけではありません。重心距離が44ミリ前後と非常に長く、そして超オープンフェース。重心距離が長くてオープンフェースとくれば‥‥これはもうフッカー御用達ドライバーでしょう。コスリ球に悩むゴルファーよりも、引っかけや、チーピンに悩むゴルファーと非常に相性良く仕上がっています。

GDO調べでは重心距離は43.12ミリです。アナライズ計測と1ミリ弱異なりますが、これは個体差、ならびに計測者が異なるからです。ゴルフクラシックでも計測データが出ると思いますが、恐らく、数値は若干異なるでしょう。重心距離、重心高さ(スイートスポット位置)、フェースアングル、重心深度‥‥これらは人間が計測するため、測定者によって数値が若干変わります。ですので、ヘッドのスペックを比較する場合は、同じ測定者の数値でチェックすることが必要不可欠です。

重心深度、慣性モーメントについては見た目通りの数値で‥‥

重心深度42.57ミリ
慣性モーメント5149gcm2

重心距離が長さと慣性モーメントの数値は関連性がありますが、それにしても5149gcm2は大きい!!!!! 市販トップクラスの大きさでしょう。重心も非常に深いので、芯を外すして打ってもヘッドがブレにくい。見た目だけでなく、数値的にも飛距離と方向安定性に優れています。ただし、ここまで重心距離が長くて慣性モーメントが大きいとヘッドの操作性は高くありません。ドローやフェードを微妙に打ち分けることは‥‥かなり難しいドライバーです。

続いてシャフトを丸裸にしていきましょう。

日本仕様の純正シャフト、TFC360Dは

重量53g
トルク5度

スペック的には国内メーカーのドライバーと同じぐらいの数値で、一見、日本人ゴルファー向けのシャフトに見えます。ところが、ところが‥‥ワッグルするとシャフトはほとんどしなりません。それもそのはず、振動数で硬さを調べてみると‥‥

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

269cpm!!!!!

国内メーカーの純正Sに比べると、「何だこりゃ~」ってくらい硬い。国内メーカーの純正Sの振動数は240~250cpm。振動数だけで硬さのすべては分かりませんが、国内メーカーの純正Sに比べると、G25(日本仕様)の純正Sは2フレックスぐらい硬い。グラファイトデザインフジクラUSTマミヤ三菱レイヨンシャフトと比較しても‥‥G25の純正Sは硬い。アフターマーケット用のSシャフトの、振動数は260cpm±5ぐらいです。純正シャフトはアフターマーケット用シャフトよりも「軟らかい」というのが当たり前なゴルフ業界の中で、このG25だけはその常識を完全に覆しています。ちなみに、純正シャフトにTFC180Dというのもラインアップされていますが、こちらは更に硬く仕上がってます。

アナライズでは硬さを測る場合、センターフレックス計も用いますが、こちらのデータでも硬い。純正S(TFC360D)の数値は‥‥

4.62kg

これはアフターマーケット用シャフトの「S」の平均よりも少し上。Sフレックスでセンター部分が硬めに仕上がっているシャフトの平均とほぼ同じぐらいな感じです。

ピンは昔から硬いシャフトを装着したがる傾向がありますが、このG25においてもその伝統が継承されているのでしょう。純正シャフトの場合、ヘッドスピードが43m/sあれば「S」を使いこなせることが多いですが、G25にはその常識は当てはまりません。G25の純正Sをちゃんと使いこなすには、最低でも45m/s以上のヘッドスピードが必要でしょう。GDOの試打インプレでも書きましたが、ヘッドスピードが43m/s前後ならば、迷わずSRをお勧めします。

硬さについて補足すると、実際に打つと振動数ほどは硬く感じません。マーク金井のメルマガでも書きましたが、それはトルクが多めだから。トルクが多くなるとスイング中にシャフトがねじれやすくなり、その分だけゴルファーは「軟らかさ」を感じるからです。

純正Sシャフトのもうひとつの特徴は手元重心設計。ピンだけでなく、最近はバランスポイントを手元側にシフトしたシャフトを装着するメーカーが増えてきました。手元重心というと目新しく感じますが、要するにカウンターバランス設計です。これは20年以上前からあった考え方で、手元側を重くすることでバランスが出過ぎるのを防ぎます。ピンの場合もそうですが、手元重心に設計すると重いヘッドを装着してもバランスが出過ぎない。重ヘッドとか、46インチ以上の長尺の場合、シャフトは手元重心にした方がクラブ全体のバランスが整ってきます。G25の場合、G20のシャフトのTFC330より更に約2cm手元側に移動となり、合計7cm手元寄りに重心(バランスポイント)が移動しているそうです(メーカー調べ)

カウンターに関して言えば、シャフトの重量配分だけでなくグリップ内に鉛やウエートを装着することでも手元重心にできます。アナライズではグリップ内部に装着するシャフトスタビライザーを販売していますが、これを装着すると15~40g、手元側を重くできます。クラブ総重量はかなり増しますが、手元側が重くなるだけ。ヘッド側が重くなるわけではないので、振った時には重さをあまり感じません。G25に限らず、重いヘッドを持て余している人の場合、手元側を重くすることでかなり振りやすくなります。また、手元側を重くするとダウンでシャフトが寝づらくなって、チーピン、引っかけのミスを軽減できます。
G25は飛びのポテンシャル、そしてやさしさのポテンシャルは今年発売のドライバー中でもトップクラスです。ただ、ボクには純正Sシャフトがちょっと手強い。なので近々リシャフトするでしょう。リシャフトしたら、このブログに詳細をアップします~。

んじゃ(▼▼)b


2013年04月03日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥

GDOのホットリストでも高い評価を得ていたピン。そのピンの最新モデルとなるのがG25。

 

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

 

ピンにはiとG、そしてアンサーの3つのブランドがありますが、その中でGシリーズは「やさしさ」重視。ヘッドの投影面積が大きくすることで見た目の安心感をアピール。そしてミスの許容範囲を広げるために、ヘッドの慣性モーメントの増大、重心位置を深くする設計がなされています。

G25についてはすでにGDOで試打レポートをアップしてますが、このドライバーの一番の特徴は「重ヘッド」。メーカー公称値は205g。カチャカチャ式なのでシャフトを抜いてヘッドを計測してみると‥‥

 

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

198.4g

看板に偽りがあると思うかも知れませんが、そうではありません。カチャカチャ式の場合、シャフト先端部分のスリーブがシャフトについたまま。ヘッドを計測する場合、脱着用のスリーブも含まれるのです。スリーブ重量は6gちょっとあるので、ボクが神田のつるやゴルフで購入したG25も実際のヘッド重量は約205gぐらいでしょう。これは市販ドライバーの中ではかなり重いヘッドです。国内メーカーのほとんどは200g以内です。

ちなみに、一番重いかというとそうではありません。何故かヘッド重量を公表しないテーラーメイドのR1(日本仕様)に比べると約2g軽い。市販で一番重いのは米国仕様のR1で、これはヘッド単体で約211g。ドライバーというよりは3Wに近い重さがあります。

G25はカチャカチャ式なので重心距離も計測可能です。スリーブが付かない状態での重心距離は44.5ミリ。スリーブを着けるとネック側の重量が少し重くなるので、重心距離は0.5~1ミリ短くなります。なのでスリーブが付くと‥‥

重心距離は44ミリ前後!!!!
でしょう。これは市販トップクラスの重心距離の長さ。重心距離は捕まりに影響が出るスペックで、ゴルフクラブは重心距離が短い方が捕まりやすく(ヘッドを返しやすく)、重心距離が長い方が捕まりづらい(ヘッドが返りづらい)特性があります。今どきの460CCドライバーの平均的な重心距離は38~41ミリぐら。それを考えるとG25はかなり捕まりづらい(ヘッドを帰しづらい)タイプです。弾道調整機能は付いてますが、スライサーよりもフッカーの方が扱いやすくドライバーです。

ちなみにノーマルポジションでのフェースアングル(フェース向き)は

-5.5度!!!!!!!

超オープンフェースですが、ここまでフェースが開くのには理由がちゃんとあります。ヘッドを計測する場合、ソールの座り具合が強く影響します。G25に限らず、最近のピンのドライバーはヘッドを座らせようとすると(ヘッドをポンと地面に置くと)、ゴロっとフェースが開きます。ソール形状が影響しているものと思われますが、この開き方が半端じゃありません。結果、フェースが大きく開き、フェースが開いた分だけロフトも増えてきます。フッカーを意識しているのかどうか分かりませんが、ヘッドをソールさせた時、ここまでフェースが開いてしまうと‥‥スライサーには構えづらくなってしまいます。

ロフトは表示9.5度に対して、リアルロフトは10.25度。アドレスすると、ロフトがかなり多いように見えます。12~13度ぐらいあるように見えますが、これはヘッドを座らせた時にフェースが開くようにゴロっと回転するから。リアルロフトはフェースをスクエア(フェース向き±0度)で計測します。G25の場合、5.5度開いたフェースを5.5度閉じて計測。このため、見た目よりもリアルロフトが少なくなってくるのです。

なので、G25をちゃんと使うにはちょっとしたコツがあります。フェースがスクエアになるようにグリップしたら、ソールを地面から少し浮かせてアドレスする。もしくはソールを地面に付ける場合、リーディングエッジ側だけを地面に付けて構える。こういう風に構えればアドレス時にフェースが大きく開きません。違和感が出づらく、ロフトが増えて見えすぎない分だけ弾道をイメージしやすくなります。ボクも、このG25を打つ時はリーディングエッジ側だけを地面に付け、フェースが開かないように(ロフトが増えないように)気を使いアドレスしています(笑)

おっと、シャフトのことを書こうと思ったら‥‥原稿の締切催促の電話が‥‥この続きは明日アップしましょう。
(▼▼)b

 


2013年04月02日ゴルフはスコアを付けない方が上手くなる!?

「多くの初心者はゴルフスイングの基本を理解する前に、

スコアをつけようとする。

これは歩くことができる前に走ろうとするようなものだ」。
byジーン・サラゼン

ゴルフは数字を争う競技です。
1打でも数字を縮めることが要求される競技です。
100を切れない人は99を目指し、90を切れない人は80台を目指すべく練習に明け暮れています。飛距離を競うドラコン選手を除けば、すべてのゴルファーはスコアにこだわってゴルフをしているはずです。

にも関わらず、サラゼンは初心者にはスコアを付けることに対して否定的です。
ボクも初心者とラウンドする時はまずスコアを付けさせません。スコアを付けることよりももっとやるべきことがあるからです。

それは何か?

サラゼンが言うように基本を理解してもらうことも大事ですが、実は、コースでのプレーの仕方を学んでほしいからです。ゴルフはボウリングのようにレーンを占有するわけではありません。初心者から上級者まで様々なゴルファーが同じフィールドでプレーします。例えるならば、スキーやスノボと同じです。

そうです、初心者にとって一番大事なことはフィールド(コース)を独占しないこと。他のプレーヤーに迷惑をかけないでプレーすることです。スコアを気にしながらプレーすることよりも、プレーの進行を意識した方がゴルフを楽しめるし、上達につながると思っています。

1ホールで使える時間は10~12分。4人のプレーヤーがこの時間内でホールアウトするための感覚を最初の内にインプットすることが重要なんです。ボクはハーフコース振興協会を主宰していますが、ここでの会則は2つだけ。ひとつは9ホールのコース、9ホールのプレーを楽しむこと、もうひとつはスロープレーしないこと。走らないでハーフ1時間40~50分でのプレーを義務付けています。プレータイムを強く意識してほしのは、他のゴルファーに迷惑をかけないこともありますが、実はプレータイムを意識した方が、スコアも確実に良くなると思っているからです。ゴルフも仕事も時間を限った方が、無駄を省けます。無駄を省いた方が余計なことをしなくなる分だけ、スコアを浪費を減らせます。

では、どうすれば時間の無駄を省けるのか?

まずは、やるべきことを減らしましょう。素振りを3回するなら1回にすればいい。プリショットルーティーンなどの儀式も可能な限り省きましょう。構えたから打つまでは「3秒以内」にしましょう。ボクは初心者には素振りしない方がいいですよとアドバイスします。特にパットは素振りをさせません。ボールの前にアドレスしたら、自分で距離をイメージしてもらい、そのイメージに対してボールを打ってもらう。この方が距離感の感性が磨けるからです。

初心者にはクラブの本数を減らすこともアドバイスします。最近は初心者もフルセット(14本)でプレーするのが当たり前ですが、クラブが多いとクラブ選択に迷い、迷うことで時間がかかります。極端なことを言えば、パターと6番アイアンだけでプレーするぐらいで構いません。これでかなりプレータイムを短縮できます。6番アイアンだけのプレーは坂田信弘プロがジュニアを教える時にやっていたことですが、すごく理に叶っています。今、ツアーで活躍している笠りつ子プロも、上田桃子プロも小学生低学年の頃は6番アイアンとパターだけで、名門、熊本ゴルフ倶楽部をプレーしていました。ちなみに坂田塾ではスコアが良くなるほどに使えるクラブの本数が増え、70台が出ると14本でプレーできるのです。この坂田プロの教え方は合理的ですし、ゴルフの感性、コースマネジメント、そして距離感を養うことができます。

ボクもクラブを試打する時やスイングチェックの時はスコアは付けません。スコアは付けませんが、一打一打集中しています。1人でプレーする時も絶対に2球は打ちません。コースに出たらいつでも1発勝負。ドライバーを試打する時も、パターを試打する時も、そして自分が作ったシャフト千葉市民ゴルフ場で試打する時も、いつも打つのは1球だけ。1球しか打てないというプレッシャーの中でクラブやシャフトをテストすることで、クラブの性能を見極めることができるし、自分との相性が分かると思っているからです。

アナライズW65ブラック。ヘッドスピード45以上用に作りました~(▼▼)b

アナライズW65ブラック。ヘッドスピード45以上用に作りました~(▼▼)b

ゴルフの基本とは何か?

正しいスイングを身に付けることも大事ですが、それと同じぐらいプレーの仕方を身に付けることも大事です。初心者だから、ゴルフが上手くないからハーフ3時間以上かかっても良いとは、ボクは思いません。初心者でも、ゴルフが上手くなくても、早くプレーすることは可能です。それには、スコアを付けないこと。ハーフ50台ぐらいで回れるまではスコアを付ける必要はありません。そんなことよりも、ハーフにパーが何個取れたとか、ボギーが何個とれたかにこだわった方がいい。そしてダブルパー以上叩いた時は、そのホールはボールをピックアップ。ギブアップしましょう。ゴルフはもともとストロークプレーではなくてマッチプレーの競技でした。マッチプレーだと考えれば、ギブアップは何ら悪いことではありませんし、なんら引け目を感じることもありません。スコアに一喜一憂したい気持ちは分かりますが、初心者にとって一番大事なことはプレーの進行に支障をきたさないこと。これがちゃんとできれば、そのゴルファーは立派なゴルファーです。

んじゃ(▼▼)b

 

 

 

 


2013年04月01日スイングのウソ、ホント その4 「正しいコックとは?」

昨日の女子ツアー、20歳の堀奈津佳が逃げ切りツアー初勝利しました。ルールの解釈で色々と物議があったみたいですが、競技委員が「無罰」と裁定を下したわけですから、その時点でプレーヤーには責任はないと思います。かつて日本オープンでは今野康晴プロが優勝争いの最中、「競技委員の裁定で2打罰」を受けてましたが、彼はその裁定を潔く受け入れました。ゴルフは自分自身が審判と言われますが、競技会においては競技委員が必ずいます。日本オープンであれ、ゴルフの場の月例競技であれ‥‥。

プレーヤーは競技委員の裁定に従うのがルールです。ルール専門家のマイク青木さんも、今回の件で問題があるとすれば日本女子プロゴルフ協会側にあるとフェースブックでコメントされています。
さて、今日のテーマはスイングの善し悪しについて。
格好いいスイングと格好悪いスイングは何が違うのか?
癖のないスイングと癖があるスイングはどこが違うのか?
自然に見えるスイングと不自然なスイングは何が違うのか?

前回のブログ(3月30日)で、ハーフバックの正しい形について説明しました。ヘッドをインに引き過ぎているのか、オンプレーン(シャフトプレーンに沿って上がった状態)になっているのかはハーフバックの位置で確認できます。

飛球線後方から見てシャフトが地面と平行、正面から見てもシャフトが地面と平行なポジションがハーフバックです。

ハーフバックの画像

P1020839

ここでヘッドがシャフトプレーン上にあるのが正しい形ですが、もちろん許容範囲はあります。ヘッド一個分ぐらいは前後に外れても問題ありません。インに引きすぎると、ハーバックでヘッドはシャフトプレーンよりも内側に入ります。アウトに上げ過ぎると、ハーフバックでヘッドはシャフトプレーンよりも外側に位置します。どちらも好ましくない形ですが、二者択一で言うならばアウトに上がる方が良いです。アウトに上がっている場合、シャフトクロスのトップになりにくいこと、そしてダウンスイング前半でヘッドをプレーンに乗せやすいからです。代表例としてはジム・フューリックや青木功プロ。二人ともテークバックはアウトに上がっていますが、ダウンでヘッドはちゃんとプレーンに乗っています。

対して、インに上がってしまうスイングには未来がありません。インに引きすぎるとシャフトクロスのトップになりやすく、そしてダウンスイング前半でヘッドがプレーンに乗りにくい。いわゆるアウトサイド・イン軌道のカット打ちになりやすいからです。ちなみに、今どきのドライバーはヘッドが大きくて重心距離が長い。シャフトクロスになってしまうと、重心距離の長さをもてあますことにもなって、プッシュアウト、スライス、引っかけが出やすくなります。

ハーバックのポジションではもうひとつチェックポイントがあります。それは手首のコック。手首のコックについては、プロの中には「自然にできる」「意識しなくていい」と教える人もいます。確かに意識しなくてもできる人はいますが、アマチュアのスイングを分析すると、そんな人はほんの一握り。アマチュアゴルファーの2割以下でしょう。それ以外の人達は誤ったコックをしているか、もしくは手首のコックがちゃんとできていません。いわゆるノーコックで上げている人が少なからずいます。加えて、ノーコックで上げている人の中には、

「手首を使う=悪い動き」

と決めつけています。高校生にはバイクは危険。だからバイクには乗らせない、みたいな感じで‥‥手首のコックをかなり悪者扱いしています。

確かに、手首を誤って使ってしまうと見た目に格好悪いスイング、美しくないスイング、球がちゃんと飛ばないスイングになる確率がグンと上がります。しかし、手首を使わないテークバックにも問題が「大あり」なんです。テークバックで手首を固定するとヘッドをインに引きやすくなってきます。テークバックで不可欠な右手と左手の位置関係を変えることもしづらくなるのです。そして何より、テークバックで手首を完全固定してしまうとプレーンに沿ってヘッドを上げづらくなるのです。

ツアープロのスイングを見ていると、ほとんどのプレーヤーはハーフバック付近で手首をコックが入っています。手首をコックすることでヘッドをプレーンに沿って上げています。本人に自覚があるか無いかは別にして、手首を使った方がオンプレーンに沿って上げていきやすいからです。

では、正しい手首のコックはどんな動きなのか?

P1020864

それを実感してもらうのに役立つのがこのドリル。ボクはゴルフの竪琴を使ってやってますが、ゴルフクラブでも可能です。ボールに入ったカゴ等、重たい物をヘッドで持ち上げてみましょう。これをやってみると、手首をちゃんと使えるかどうか、誰でも即座に簡単にチェックできるのです。

手首のコックの答え合わせは、水曜日か木曜日にやりましょう。
んじゃ(▼▼)b

関連記事リンク

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント  その1」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その2」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その3」


2013年03月31日テーラーメイドR1を丸裸にしてみた‥‥

白いヘッドでお馴染みのテーラーメイド。その最新モデルとなるのがこれっ。

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モデルチェンジで名前がR11sからR1になりました。数字を増やすのかと思いきや数字を減らしてのネーミング。テーラーならではではの販売戦略の上手さを感じます。R1については、ゴルフダイジェストオンラインですでに試打インプレをアップしています。なので、このブログではメーカーさんがあまり言わない(言いたがらない)ことをレポートしましょう(笑)

まず、R1で特徴的なのはヘッド重量。日本モデルは約207gと非常に重く、平行物となると約211gと超重くなっています。どちらもシャフト先端に装着したスリーブ含んだ重量ですが(写真は古いスリーブを秤に乗せてますが、新しいスリーブもほぼ同じ重量)、この重さは市販トップクラス。なのにテーラーはヘッドの重さについては、なぜかアピールしていません。重ヘッドをアピールしているピンのG25ですら「205g」。R1は市販で一番重いヘッドかもです。ちなみに、国内メーカーのダンロップは7代目ゼクシオでヘッドの「重さ」をアピールしていますが、ヘッド重量は190g台。R1に比べるとかなり軽いヘッドです。ゼクシオの場合、前作よりも5g重くなっているので、重さをアピールしているのでしょう。

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R1のもうひとつの特徴は重心距離。

スリーブが付いた状態で重心距離を計測してみると‥‥約36.5ミリ。体積460CCのヘッドとしては重心距離は短めです。ロケットボールズの重心距離が40ミリをかなり超えていることを考えると、ヘッドの操作性が高く仕上がっています。

では、R1は捕まりが良いかというと‥‥捕まるタイプのドライバーではありません。重心距離は短めですがスイング中にヘッドが返りづらい挙動を感じます。加えて、フェースアングル(フェース向き)が超オープン。ノーマルポジションでのフェースアングルは-3度。この強いオープンフェースのため、ストレートを打つつもりでスイングしても捕まりません。インからあおり気味に打って、ようやく軽いドローになります。ソールのダイヤルを回転させるとフェース向きを調整できますが、これはヘッドの座りを変えているだけ。、本当のフェース向き(シャフトの装着方向)が変わるわけではないので、捕まるようにダイヤル調整しても、ボールの捕まり具合はほとんど変わりません。ちなみに、ヘッドを1ミリでも浮かせて構えたら、ソールのダイヤル調整はなんの意味も持たなくなります。

R1はロフト調整できるのがセールスポイントになっていますが、R11同様、ロフトを変えるとフェース向きも変わります。テーラーに限らず、カチャカチャ方式の場合、シャフトの装着方向を変えていることでロフトを変えているからです。例えば、ロフトを増やす方向に調整すると、シャフトを左から装着することになります。結果、リアルロフトが増えると同時にフェースもフックになります。逆もしかり、ロフトを減らす方向に調整すると、リアルロフトが減って、フェースもオープンの度合いを増します。ゴルフ雑誌「EVEN」の試打企画でR1を打った時、マーク金井がもっとも良いデータが出たのは12度に調整した時でした。12度にした時、フェース角が-0.25度、リアルロフトは11.75度。フェースの向きがほぼスクエアになって捕まりが良くなったことが「飛び」につながったのです。

そしてR1は低重心でディープフェース。有効打点距離が長いクラブなのでオートマチックに低スピン弾道が打てる。このためロフトは11.75度でも吹き上がらない。これも「飛び」につながったのだと思います。
ちなみにボクは今、アナライズのW65+を装着してR1を使ってますが、設定は10度のアップライトポジション。ライ角をアップライトにして捕まりが良くなるようにしました。12度に設定しなかったのは、コースに出た時は低めの弾道を意図的に打ちたいから。無風やフォローの風の時よりも、アゲンストの風が吹いた時に「飛ぶ球」「強い球」を打ちたい。だから最適なロフトよりも1度ほど少ないロフトをチョイスしているのです。

平行物を新橋のジーパーズで購入したので、ヘッドは日本仕様と同じ重量に調整しました。米国仕様は1gと10gのネジがついているので、それを1gと6gに変更しました。米国仕様は値段が安いのが魅力ですが、アマチュアには211gのヘッド重量は‥‥重くて手に負えない可能性が高いです。もし平行物のR1を使っていて、「ちょっとしんどい」「重くて振り切れない」と感じているならば、ネジ交換でヘッドを軽くすることをお勧めします。10gのネジを抜いて6gのネジを装着するだけで、ずいぶんと振りやすくなるでしょう。
んじゃ(▼▼)b