マーク金井blog

2013年05月17日電子書籍にして成功する本としない本の違いとは‥‥

週刊ゴルフダイジェスト月刊ゴルフダイジェスト週刊パーゴルフアルバゴルフトゥディゴルフクラシックゴルフスタイルビジョン72チョイス、そしてイーブン‥‥

あらゆるスポーツ(娯楽)の中でも、これだけ雑誌が発刊されているのはゴルフだけでしょう~。雑誌だけではなく書籍も多々発刊されています。その一方で電子書籍となるとどうでしょう。ゴルフ雑誌やゴルフ関連の書籍の多さに比べると、電子書籍におけるゴルフ関連の発刊点数は決して多いとは言えません。ゴルフ出版業界では、電子書籍は未だに未知なるマーケット、マネタイズド(商売)しづらいマーケットとして考えられているようです。

そんな風潮の中、マーク金井は昨日、キンドルストアから

「ロケットボールズ完全使いこなし術」(マイナビ)を出しました。これで電子書籍はマイナビから9冊、他社の電子書籍を含めると13冊目の発刊。ちゃんと調べたわけではありませんが、恐らく発刊点数はゴルフ業界で一番多いかもです。新しいモノ、未知なるモノが大好きな人間ならではのなせるワザですが、発行点数が多いのにはもうひとつ理由があります。それはマーク金井がニッチな人間だからです。

電子書籍の可能性はいくつもありますが、紙の媒体にない魅力はマイクロコンテンツが作れること。紙の本だと印刷と流通とかあるので、損益分岐点が5000部以上とか1万部以上とかになります。逆に言うと、1000人ぐらいしか販売が見込めないニッチなコンテンツは出したくても出せないという、大人の事情があります。しかし電子書籍ならば1000人ぐらいでも損益分岐点をちゃんとクリアできます。結果、マニアックな内容な本、ニッチな内容な本を出しやすい。もちろん著者にもメリットがあって、ピンポイントで伝えたいことをキチッと書ける。専門性が高い著作物を作りやすくなるのです。
察しのいい人ならば、もうボクの言いたいことはおわかりでしょう。そうです。紙の本でやっていることを電子書籍にしても、マネタイズドが非常に難しいと思います。現時点では(2013年5月16日)、電子書籍は紙の本に比べると入手は簡単ではありません。デジタルリテラシーが高い人ならばアマゾンでポチッとすればすぐ入手できますが、そうじゃない人は「アマゾンってクレジットカード番号入れるから怖い」っていう人が少なくありません。それ以前に、パソコンもスマホも電子書籍リーダーも持っていない人も結構います。電子書籍はネットのリテラシーが高く、かつネットの環境がちゃんと整っていないと、紙の本よりも入手困難なんです。対して、紙の本はコンビニでも書店でも手軽に入手できます。
加えて、紙の本、とくに雑誌はかなり完成度が高い。サイズが大きい、分厚くて重たいという点を除けば(特に月刊ゴルフダイジェストは分厚くて重い)、
読みやすくて写真も綺麗。レイアウトも凝っています。紙の本と同じことを電子書籍がやっても、現時点では勝ち目はほとんどありません。かつてGDOアメリカのゴルフダイジェストと提携して電子書籍を出しましたが、紙とまったく同じレイアウトで作ったために‥‥タブレットやスマホでは画面が小さ過ぎて読みづらくしょうがありませんでした。恐らく、この電子書籍を作った担当社も同じことを考えていたはずです。かつてとわざわざ書いたのは、鳴り物入りで始めた米国ゴルフダイジェストの日本語版は、発刊後半年で、かなりの規模縮小がなされたからです。
電子書籍も紙媒体も文字と写真によって構成されていますが、実はまったく違うモノだと考えるのが、現在では妥当でしょう。WEBコンサルティングの第一人者の永江一石さんも3月25日のブログで「電子書籍をしっかり考えるポイントはなにか」の中で

http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=6114
電子書籍は紙の世界とは全く違うものだと思えばいいんだね

と永江氏の友人が締めくくってます。まったくその通りで、紙で読めないコンテンツを提供することが今の所、電子書籍に求められることだと思います。ちなみに、マーク金井は電子書籍を出すためにニッチ好きなったのではなくて、元々がニッチ好きだったから電子書籍と相性が良かったのでしょう(笑)
紙媒体でも電子書籍での活路はいくらでもあります。そのひとつはコンテンツの切り売り。例えば、週刊ゴルフダイジェストの連載企画「ギアプロファイリング」。500回をはるかにこえる長寿連載ですが、クラブの紹介はもとより、ヘッド重量とか重心距離とかの計測データがちゃんと記載されています。これを100本ごととかにして一冊にまとめれば、ゴルフクラブおたく、中古クラブ愛好家、ゴルフショップのスタッフ、ゴルフクラブメーカーの人には垂涎のコンテンツになります。電子書籍で1冊で100本紹介されていれば500円でも高くありません。クラブの記事が1本5円ならばコンビニで記事をコピーするよりも安い値段なんですから‥‥

ゴルフダイジェストのスタッフがこのブログを読んでいるならば、今日にでもギアプロファイリングの電子書籍化を早急に進めて下さい~。マーク金井は必ず発売日に買わせていただきます~。

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PS.キンドルストアから「ロケットボールズ完全使いこなし術」(マイナビ)、只今、スポーツ部門で2位にランクイン。143円でロケットボールズの性能をフルに引き出しましょう~。

PS.出し入れするだけで画面が綺麗になるiPhoneケース。エルク革で手触りもすこぶる心地良いです。マーク金井のお気に入りは黒です~。

 


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