マーク金井blog

カテゴリー: ゴルフクラブ分析

2013年06月19日ハーフ50を切るために本当に必要なスキルとは!?

一昨日のブログにも書きましたが、プロであれアマチュアであれ、ほとんどのゴルファーはスコアカードと闘っています。目の前の1打に集中することがスコアメイクにつながることは分かっていても、「何とかパーオンしたい」「これを入れればパーで上がれる」「アプローチを寄せないとパーが取れない」等々、スコアカードの呪縛の中でゴルフをしています。

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では、どうすればこのスコアカードの呪いからゴルファーは解き放たれてプレーできるのか?

一番簡単なのはスコアカードを付けないことですが、これではゴルフの面白さが半減します。矛盾するようですが、ゴルフは数で優劣が決まるスポーツ。スコアをまったく無視してしまうと、ゴルフという競技が成り立たなくなります。
ゴルフで大事な事はスコアは意識しても、スコアに縛られないでプレーすることです。パーで上がらなくてはならない、ボギーで上がらなくてはらないと考えるのではなく、目の前の1打1打に集中し、集中した結果としてスコアを付けていくことです。そのためには、スコアカードに書いてある数字ではなくて、自分の腕前に見合った仮説(目標スコア)を立て、それを確実にクリアしていくことです。

例えば、何年やってもハーフ50が切れないアマチュアゴルファーがいたとしましょう。この人にとって目指すべきスコアは36ではなくて(パープレー)ではなくて、48とか49です。48とか49がパープレーとなる自分なりのスコアカードを作り。スコアカードよりも少ない数字を書けるようようにプレーすること。そしてスコアカードよりも少ない数字を書くために必要なスキルを身につけることです。その具体的なスキルとは‥‥

パー4の場合

ティショット

チョロ、OB、池ポチャをできるだけ打たないこと。飛距離は150ヤード以上

セカンド 

チョロ、ザックリを打たないで確実に前に進むこと。飛距離は130ヤード以上

3打目

チョロ、ザックリ、トップを打たないでグリーンに近づけること、もしくは乗せること飛距離は130ヤード以上

4打目 

確実にグリーン中央付近に乗せることグリーン乗せるのに必要な飛距離を打つこと

5打目

グリーン上で確実に1メートル以内にパットを打つこと

6打目

1メートル以内のパットを1発で決めること
ゴルフ雑誌には「100を切る」「50を切る」ためのレッスン企画が毎回のように紹介されていますが、ここまでシンプルなことを書いている企画は見たことがありません。理由は単純、当たり前過ぎて何の面白みもないからです。

そして何の面白みもありませんが、当たり前のことを積み重ねていくのがスコアメイクの本質。パー4でこれをすべて満たせばダボで上がれます。そして、グリーンに近い所で目標を上回るショットが打てれば、そのボーナスとしてボギーやパーで上がることも可能です。例えば、3打目でグリーンに乗るとか、4打目のパットが1発で決まるとか‥‥グリーンに遠い所でナイスショットを打ってもボーナスは得られませんが、グリーンに近い所でナイスショットを打てば確実にボーナスを得ることができます。

言い換えると、ティショットが250ヤード飛んでフェアウェイキープできても、セカンドがグリーンそばまで運ぶショットが打てることと、スコアメイクには何ら因果関係がありません。実際、皆さんも自分のプレーぶりを振り返ってみて下さい。ティショットが今日イチの当たりでも、そこからザックリしたりトップして大叩きしたことがあるはず。セカンドショットがかなり良くても、ロングパットの距離感が悪くて4パットした経験もあるはず‥‥そうです、少なくともハーフ45ぐらいで回るためには、1打目、2打目ではナイスショットは必要ありません。どちらも最低飛距離をクリアすること、そしてスイングしやすい場所(できるだけ平らなライ)にボールを運ぶことです。そして3打目以降にナイスショットを打つ回数が増えれば、それだけでスコアは飛躍的に良くなります。

何年やっても50が切れない人は、1打目、2打目でナイスショットとミスショットの差が激しいです。250ヤード飛ぶこともあれば、チョロを打ったり、OBを打っています。そして、100ヤード以内の3打目以降のショットでミスショットを打ってスコアを崩しているのです。ゴルフはナイスショットを打っても良いスコアが出るとは限りませんが、目標をクリアできないミスショットを打つと確実にスコアが悪くなります。

マーク金井はミスが出づらいやさしいウエッジとしてMSウエッジSSウエッジを作りましたが、これは致命的なミスを減らすことがスコアメイクにつながることを確信しているからです。そしてエクボサンドという風変わりなSWを作ったのは、1発でバンカーから脱出することがスコアメイクにつながると確信しているからです。
何年やっても50が切れないならば、まずはハーフ54のスコアカードを作ってプレーしてみましょう。そして54に対してどれだけスコアを縮められるかトライする。3打目以降にナイスショットを増せれば、確実に50を切れるようになるでしょう。

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PS.マーク金井がバンカー専用として開発したEKB58(エクボサンド)。ソール中央をエクボのように凹ませることでホームランのミスが出づらく、非力な女性にも扱いやすいサンドウエッジです~。


2013年06月18日常識として知っておきたいゴルフ雑誌の試打データ!!

先週、週刊パーゴルフが新装刊されました。サイズはB5のままですが、週刊誌のお約束である中綴じから平綴じに変りました。192ページなので中綴じでも作れるボリュームです。わざわざ平綴じにするほど分厚くありませんが、装丁を変えることで「変ったぞ」感はかなり出ています。そしてFBでもちょびっと書きましたが、紙のコストダウンが目立ちます。表紙回りの紙は薄くて頼りないですし、漫画「インパクト」も、紙が安っぽい感じになったのはちょっと残念です。

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紙面内容についてはレイアウト優先な感じがしました。昔のチョイスみたいな感じだなぁと思っていたら、グラフィックデザインは元、チョイスのアートデザインをしていた岡本一宣さんだそうです(多分)。レイアウトはシンプルで見やすくなりましたが、反面、雑誌ならではの猥雑な感じ、カオス的な感じがかなり薄れています。そしてなぜか縦組なのに、タイトルや見出しに横組みが多いのもちょっと違和感を覚えました。

そんな週刊パーゴルフですが、マーク金井が注目したのが試打企画。「ショップ店員が進める、高直進性能ドライバーベスト5」
アンサーフリークさんこと遠藤仁志さんと、大本研太郎プロの2人が弾道計測器GC2を使って室内試打してます。ボールはタイトリストV1。ヘッドスピードは44m/s前後。テスト方法がちゃんと明記されているので、試打データが読み取りやすくなっています。データ的には

ボール初速
打ち出し角
打ち出し方向
サイドスピン
バックスピン
最大高さ
キャリー飛距離
トータル飛距離
左右ブレ

かなり細かくデータが出ています。これだけで出ていると多面的にクラブの性能、そしてテスター(試打者)の傾向が分かります。この企画で言うと、遠藤さんは総じて打ち出し角が高く、スピンが多め。最大高さも高めです。対して、大本さんは総じて打ち出し角が低く、スピンも少なめ。最大高さも低めでした(遠藤さんと比べて)。

計測結果は計測器によって偏りがあります。ですのでこのような試打企画では相対的に数値を見なくてはいけません。単にスピン量が3500回転だから多いとか、キャリーが250ヤード出たから飛ぶと見てもクラブの正体を見極められません。それぞれの数値を比較してスピンが多いのか少ないのかを見たり、飛距離をチェックすることが大事です。

そして、もうひとつ大事なことはクラブのスペックと数値の比較。例えば、打ち出し角が高いドライバーがあったとしましょう。この場合、クラブのロフトで打ち出し角が高いのか、テスターの打ち方で打ち出し角が高いのかを知っておかないと計測データを正しく読み取ることが難しくなります。

例えばこのパーゴルフの試打で言えば、ヤマハのインプレスRMXのデータ。
試打クラブの表示ロフトは10度ですが‥‥2人の打ち出し角がかなり異なります。

遠藤さんの打ち出し角   14.1度
大本プロの打ち出し角    8.1度
こんな数値を見てしまうと、RMXのリアルロフト(実際のロフト)がすごく気になります。ドライバーの多くは表示ロフトとリアルロフトに少なからずギャップがあるからです。

にも関わらず、この試打企画ではリアルロフトの表記がありません。重心距離、重心深度、重心高さの表記もないので、弾道結果をアナライズ(分析)することが非常に難しいです。加えて、同じドライバーで打ち出し角が6度も異なってしまうと‥‥試打データだけでクラブをアナライズするならば、ヤマハのインプレスRMXはインパクトゾーンでのヘッド挙動がかなり「トリッキー」だということになってしまいます。

マーク金井もGDOをはじめ、色々なゴルフ雑誌で試打していますが、クラブの実測値(リアルロフト、重心距離、重心深度、重心高さ)については必ず名言しています。紙面上、数値を出せない時もありますが、その時はコメントでリアルロフトが「多い、少ない」については言及しています。そこが曖昧になってしまうと、試打データをちゃんと読み取ることができないからです。

試打結果を数値として紙面に載せるのならば、クラブの計測値も紙面にちゃんと出した方がクラブをちゃんとアナライズ(分析)できます。マーク金井はスペックおたくな所も多々ありますが、これは皆さんにも常識として知っていただきたいことです~。
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PS.クラブが合っているかどうかを知るには、クラブのスペック計測は必要不可欠。アナライズのクラブ診断、マーク金井のクラブ&スイング診断では、現在使っているクラブを計測してからクラブ選びをアドバイスしています~。

フェース角を計測する(計測器は50万弱します)

クラブの計測は、ちゃんとした計測器が必要です


2013年06月15日ロフト17度の3Wを作ってみたら‥‥

今どきの3Wは重心が浅いので、ロフトが少し多めがちょうどいいと書きました。15度ではボールが上がり切りません。ヘッドスピードが45m/s以下ならば‥‥ロフトは17度ぐらいあった方が打ち出し角度が確保されキャリーを稼げます。

では、市販クラブで17度の3Wはあるのか?

外ブラだとテーラーメイドが出しています。初代、2代目とも3HLというのモデルはロフトが17度。すごく扱いやすい3Wなのですが、なぜか日本未発売。米国だけでの販売(日本は並行輸入品のみ)です。
では、国内メーカーではあるのか?

色々調べて見ましたが、ほとんどの国内メーカーは判で押したように‥‥
3W=15度
というのが常識です。大ヒット商品であり、アベレージ向けブランドであるゼクシオも3Wのロフトは15度。ロフト17度の3Wというのはほとんど市販されていませんが、じっくり調べてみるとありました~。それがこれっ!!
SYB(サイブ)のW422Vです。ホームページでは14度と16度の3Wがラインアップされていますが、実は17度もラインアップされています。ちなみに、このブランドはフォーティーンと同じく、クラブ設計家の竹林隆光さんが作った会社です。

ロフト17度

ロフト17度

 

ヘッド体積    202CC
ヘッド重量    207g
重心距離     33ミリ

 

スコアラインはシンプル~

スコアラインはシンプル~

3Wとしてはヘッドはかなり大ぶり。投影面積は初代ロケットボールズの3Wとほぼ同じか、若干大きめ。構えた時の安心感があり、460ccドライバーとも相性が良い感じで仕上がっています。形状的には同社のFC-614に似た丸形形状で、デザインもすっきりしています。3Wとしてはヘッド重量が少し軽めなんですが、軽いヘッドは重く調整できます。アナライズではグルーを使って210gぐらいに調整し、43インチで組み上げました。

 

長さ       43インチ
バランス     D0
重量       329g
振動数      261cpm
リアルロフト   17度
フェースアングル -0.25度

 

丸形形状でオーソドックス

丸形形状でオーソドックス

 

シャフトの差し向きを少し調整することで完璧なスペックに仕上がりました。
アドレスするとすごくいい感じです。ヘッドとシャフトのカラーマッチングもいい感じです。

おーっと締切の催促が‥‥明日、早速コースでテストしてきます~。
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PSその1.ナチュラル ハンドファースト パターは7月上旬発売予定です。予約受付中。

関係過去記事 「3パットを減らせるパターって本当にあるのか?」

「どんなパターを作れば3パットを減らせるのか? その2」

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PSその2.ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして正しいハンドアクションを会得できるからです~。

ゴルフの竪琴 関係過去記事

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント  その1」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その2」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その3」


2013年06月14日今年の全米オープン、いったいどのクラブが優勝するのか?

第113回全米オープンが始まりました。メジャーでは全英オープンに次に歴史がある大会で、4つのメジャーの中でもっともコースセッティングがタフです。今年も雷雨の影響で初日から波乱の幕開けです。

マーク金井は1991年(ヘーゼルタイン、P・スチュアート優勝)に取材で現地を訪れましたが、驚かされたのがグリーンの硬さ。マスターズのオーガスタがガラスのグリーンならば、全米オープンはフライパンのようなグリーン。とにかく表面が硬くて、受けているエリアを除けばボールが止まる気配がまったくありませんでした。ラフも「なんだこりゃ~」ってぐらい深く、プロでも飛距離を欲張ったクラブを手にすると、チョロとか平気で打ってました。

今年の全米オープンはメリオン。メリオンでの開催は実に33年ぶり。前回大会(1981開催)ではオーストラリアのデビット・ブラハムが優勝してます。ロングヒッターではなくアイアンショットの切れ味に定評があるプレーヤーで、ルーク・ドナルドと同じタイプです。ちなみに日本選手では青木功プロが11位に入っています。そして青木プロと言えば、その前年(1980年)はジャック・ニクラウスと4日間同じ組で回って2位に入っています。
さて、今年の全米オープン。あらゆるメディアで優勝予想が行われていますが、マーク金井的に気になるのは優勝選手の使用クラブ。どんなドライバー、どんなアイアンを使う先週が優勝するのかを予想したいと思います。
全米オープンの中でもメリオンは距離がそれほど長くありません。6996yでパー70。インは3240y(パー34)。白ティぐらいの距離なことを考えると、飛距離よりもアイアンの距離感がスコアに直結します。加えて、スピンコントロールも求められるでしょう。ショートアイアンで打つホールでバックスピンがかかり過ぎると、オンしたボールがバックスピンで後戻りしてグリーンからこぼれる可能性が高まるからです。

そしてメリオンは400ヤード未満のパー4が5つあり、113yのパー3がひとつ。ウエッジが上手い人がスコアが稼げるホールが6つもあります。パー5を加えると、100ヤード以内が上手い選手がスコアを稼げます。

そう考えると、優勝候補筆頭はルーク・ドナルド。2番手はタイガー・ウッズって感じがするので‥‥本命クラブはミズノナイキ。対抗馬として考えられるのが、タイトリストピンですね。アダム・スコット全米オープンになぜか強いアーニー・エルスが優勝争いに絡んできそうな気がします。
クラブ的に見ると、ラフの深さ、スピンコントロールのしやすさを考えると、マッスルバックよりもワイドソールのキャビティ、塚田プロが使っているピンのアイアンは全米オープンと相性が良いと思います。G25を筆頭にピンのアイアンは総じてソールが広めでバンスが強め。ラフでも芝の抵抗に負けづらいからです。加えて、ピンのアイアンはいい意味で鈍感なクラブ。コースセッティングがシビアな時ほど、クラブは少しアバウトな方が余計なプレッシャーがかかりません。高速グリーンに中尺、長尺パターが相性良いのと同じ理屈です。

塚田プロはPING G25を使用。GDOより転載。撮影JJ田辺

塚田プロはPING G25を使用。GDOより転載。撮影JJ田辺

ドライバーに関しては、フェアウェイバンカーの多さ、そしてタイトなホールレイアウトを考慮すると、ドーンと真っ直ぐ打てるタイプよりも、球筋を打ち分けやすいタイプの方がコースと相性が良いでしょう。具体的には距離が少し短めで、重心深度があまり深くないタイプ。テーラーメイドのR1ミズノナイキのVRツアーあたりがメリオンと相性が良いでしょう。対して、ピンコブラのドライバーはちょっと分が悪い感じがします。
パターはグリーンの硬さ、そして強いアンジュレーションを考えるとセンターバランスの大型マレットよりも重心距離があるピン型の方が有利でしょう。キャメロンオデッセイテーラーのピン型パターが大本命です。
メリオンでの過去の優勝者にはフェードヒッターのリー・トレビノもいます。それを考えると、マスターズでプレーオフに敗れたアンヘル・カブレラも優勝争いに加わる確率は大いに高いかも知れません。ちなみに、彼は重心距離の長いドライバー(ピン)でフェードを打つのが非常に上手い選手です。

日本からはアジア予選を勝ち抜いた、松山英樹藤田寛之上田諭尉、そして塚田好宣の4選手が出場してます。優勝争いになんとか加わってほしいと思いますが、そこは歴史ある全米オープン。そうは簡単に問屋が卸してくれないと思いますが‥‥活躍を大いに期待しながら明日からもテレビ観戦したいと思います~。

FBに優勝クラブ予想メッセージを受け付けます。当選者には(多数の場合は抽選)マーク金井からプレゼントを贈らせていただきます~。
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2013年06月13日今どきの3Wの理想的なロフト角とは‥‥

ズバリこれですっ!!!!

ロフト17度~

ロフト17度~

17度でヘッドの大きさは3Wと同じ~

17度でヘッドの大きさは3Wと同じ~

テーラーメイドの初代ロケットボールズの3HL。
なぜか日本では未発売モデルの3Wで、HLとはhigh launch(ハイローンチ)の略で、高い打ち出し確保ができるという意味。この3HLの場合、通常のロケットボールズの3Wよりもロフトが2度多く、ロフトは17度ついてます。3Wのヘッドのに4Wのロフトを着けたのが、この3HLの正体です。
では、なぜ浅い重心のFWはロフトが多い方がいいのか?
浅い重心はロフトが少ないとボールが上がりづらいからです。ドライバーに限らず浅重心のFWは低重心にもなっています。このため吹き上がりを抑えることができる反面、スピン不足でボールが上がりづらい特性があります。浅重心の3Wでボールを浮かせるためにはヘッドスピードは最低でも45m/s以上は必要でしょう。テーラー契約の女子プロ達もそれが分かっているから、ヘッドスピードが遅めの選手はロケットボールズのFWを使いません。先週のヨネックスで優勝した表純子を筆頭に、諸見里しのぶ辻村明須香らはグローレの3Wを使っています。
15度と17度。

左が15度、右が17度

左が15度、右が17度

たかがロフト2度と思うかもしれませんが、打ち比べると全然違います。マーク金井のヘッドスピードは46m/sですが、地面から打った場合、キャリーが5~10ヤード異なります。ティアップして打つならば15度の方が飛びますが、地べたのボールを打つとなると17度の方が飛びます。

加えて、視覚効果も見逃せません。15度と17度を比べると、17度の方がフェースがしっかり見えます。ボールが上がってくれるという安心感があるためにスイングに余計な細工が入るのも防げます。

 

すでにアナライズオリジナルシャフトW65にリシャフトしてますが、それにしても驚かされるのが純正シャフトの硬さ設定。米国仕様とはいえ、Rシャフトで振動数が‥‥
273cpm
これはツアーADフジクラランバックスディアマナBシリーズといったアスリート向けのSシャフトと同じか、それ以上硬いぐらいの設定です。日本向けのRシャフトと比較すると、米国モデルのRは2段階以上硬いでしょう。ヘッドスピードが40m/sぐらいの人が、この純正シャフトの状態で使おうとしたら‥‥硬過ぎて手に負えないでしょう。硬さに負けて、スイングが悪くなる危険性もあります。

 

ドライバーはボールを上げやすくするために、表示ロフトよりもリアルロフト(実際のロフト)の方が1~3度ぐらい多いのが当たり前です。10.5度表示の場合、リアルロフトは12度前後が常識になりつつあります。ところが、FWにはこのロフトの上乗せが今のところありません。3Wは15度というのがキッチリ守られています。
そしてリシャフトしてみて分かったのが、ヘッドの個体差。今回リシャフトした3HLの場合、

リアルロフト   18.25度
フェースアングル +1.25度
となっていました。これをシャフトの装着方向を変えることで、

リアルロフト   17度
フェースアングル ±0度

リアルロフトは専用計測器で測ります~

リアルロフトは専用計測器で測ります~

に調整。カチャカチャ式でなくてもこれぐらいの調整はシャフトの装着方向を変えることで可能です。というか、クラブには個体差があるのが当たり前なので、イメージ通りの弾道を打つためにはシャフトのリアッセンブル(再組み立て)というのはかなりの確率で必要なんです。FWは何本か組合わせて使うクラブなだけに、リアルロフトとフェースアングルの数値はちゃんと計測して、ちゃんと揃える必要があります。

アナライズではリシャフト時にこれらの数値を計測~

アナライズではリシャフト時にこれらの数値を計測~

たかがロフト、されどロフト。
FWは飛距離を稼ぎたいクラブですが飛ばすには、自分にぴったり合ったロフトを使うことが必要不可欠。3Wでボールが上がりづらいと感じるならば、それはロフトが足りていないと思って間違いないでしょう。
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PS.初代ロケットボールズの3HL、5本だけ入荷しました。すでに3本売れてしまい残り2本です。アナライズオリジナルシャフトW65付きで値段は1本3万9800円。ご興味ある方はyoyaku@analyze2005.comへメール下さい~。