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2013年04月16日改めて思う‥‥ゴルフルールは何のためにあるのか!?

2013年のマスターズトーナメント。プレーオフの末、アダム・スコットが豪州勢としては初の優勝で幕を閉じました。アンヘル・カブレラとの死闘はマスターズの歴史に残る名勝負でしたが、今年はもうひとつ歴史に残る出来事がありました。

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GDOより転載

タイガー・ウッズの池ポチャ騒動です。マーク金井4月14日のブログで書きましたが、予選ラウンド2日目、タイガーは15番の3打目でスーパーショットを放ちましたが、ボールはピンにダイレクト(もしくはショートバウント)に当たり、当たった反動でボールは手前の池の中に沈みました。タイガーは池ポチャ後、ドロップして打ち直して5オン。ワンパットで沈めてボギーでホールアウトしたのですが、ラウンド後にタイガーは「3打目よりも2クラブ下がって打ち直した」とコメントを残しました。彼のこの一言がルール解釈の物議を醸し出し、結局、タイガーはスコアカードを出した後に2打罰のペナルティが科せられたのです。(ルール専門家のマイク青木さんも詳細をレポートされています)

このドロップのシーンが騒動の始まり‥‥

このドロップのシーンが騒動の始まり‥‥

GDOより転載

タイガーのような偉大なゴルファーがルールを誤解していたのは予想外でしたが、今回はゴルフにおけるルールの役割について考えてみたいと思います。

まずルールというと、皆さんはどんなことを頭に思い浮かべるでしょう?

2度打ちしたら罰を科せられる‥‥
OBを打ったら1ペナ払って打ち直し‥‥
ボールが木の上に止まったらアンプレして1打罰‥‥

なんてことが頭に浮かぶ人も多いでしょう。ゴルフのルールとは、ルールを破ると(守らないと)、ゴルファーは「罰」を受けるもの。学校の校則、会社の社則、法律的な役割として受け止めている人が結構多いです。

その一方で、ルールで定められたOB後の処置やアンプレアブル宣言というのは、罰打はあるものの「救済」だと考ている人も少なからずいます。こういう人はルールは罰を与えるものではなくて、ゴルファーの手助けになるものだと解釈しています。

もちろん、どちらも間違っていません。ルールには「罰」の要素と「救済」の要素があります。では、なぜルールは「罰」「救済」を定めているのでしょうか? そもそもルールとは何のためにあるのか?

ルールのない世界を想像してみて下さい。

ティグランドを無視してボールを打ち始めていいのか?
他人のボールを打ってもいいのか?
クラブを15本以上使ってもいいのか?

ひとつは「無秩序」になるのを防止するために、ルールは存在します。ゴルファーがたった1人でプレーするならばルール無用でも無秩序にはなりません。何でもありです。でも、大抵の人は1人でも何らかのルールを定めるでしょう。好き放題にプレーするよりも、秩序あるプレーの方がやりがいがあるし、プレーを楽しめるからです(もちろん例外もありますが)。

次に「何故ルールを破ると罰せられなけばならないのか?」という問いに答えましょう。これも前述したことと同じで、無秩序な状態になるのを防止するためです。ルールはプレーヤーが「ちゃんと守る」ことで成立します。罰を強いることでプレーヤーを不利な状況に追い込めます。加えて、「罰」を設けることで、「ルールを守る」という空気も作れます。実はこれは大事なことで、無秩序を「抑止」することにもつながるのです。

そして、もうひとつルールには役割があるのです。これはスポーツ全般にも当てはまりますが、特にゴルフでルールのもう一つの大事な役割は‥‥
円滑なプレー進行
ためです。例えば、OBやアンプレ、そしてタイガー騒動のような池ポチャ後の処置。普通、OBゾーンというのはプレーが困難なエリアです(河川敷とかだとそうじゃない場合もありますが)。ブッシュとかにボールが入ってしまうと、ボールを探すのに時間がかかる。ボールが見つかったとしてもそこから脱出するのにさらに時間がかかりますよね。でも「OBを打ったら、元の場所から打ち直す」というルールが定められていれば、プレー進行が遅くなるのを防げるのです。池ポチャの処置でも、「あるがままの状態でプレーせよ」とルールで定められたらどうでしょう。池に入ったボールを下がすのに時間がかかります。運良く見つかったとしても、池の中のボールを打つことは大変なことです。しかし、池に入った時は「元の場所から打つ」「境界線とピンを結んだ後方にドロップ」というルールがあれば、プレー進行を早められるのです。
ゴルフは他のスポーツに比べると、プレータイムが長い競技です。そしてプレーそのものに制限時間がありません(プロやアマチュア競技会ではプレータイムを定められています)。なので、放っておくとそれことプレータイプが長くなることはあっても、短くなることはありません。だから、ルールでは遅延行為について罰則が定められていますし、他のルールも進行が早くなるような配慮がなされているのです。

4月14日のブログでタイガーは「ルールを熟知」していないと書きました。ルールを熟知するには「ルールブック」をしっかり読み込むことが大事ですが、そのルールは「何のために定められているのか」を知っておくことも大事だとボクは思います。河川敷のワンペナ、OBを打った後の特設ティからのプレー。これらはゴルフ本来から外れたルールだと解釈している人が少なくありませんが、「プレー進行」という観点から考えれば、決して間違ったローカルルールではないのです。

ルールは何のためにあるのか?

プレーが遅いゴルファーというのは、たとえマナーが良くても他のプレーヤーに迷惑をかけるだけでなく、ルール違反を犯しているとボクは思います。そして、プレーが遅いゴルファーには「ルール違反」している自覚がありません。残念なことに。白州次郎さんは「play first」を強くアピールしていますが、これはマナーが悪いだけでなくて、ゴルフルールに違反していることを強く警告しているのです。

おっと、メルマガの締切り時間が迫ってきました。プレー時間を短縮する方法については、日を改めてじっくり書きましょう~。

 

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2013年04月15日改めて思う‥‥日本人がマスターズに勝つための条件とは!?

2013年のマスターズトーナメントは、アダム・スコットが豪州勢としては初の優勝で幕を閉じました。雨の中、アンヘル・カブレラとのプレーオフは死闘とも呼べるもので、手に汗をかきながら、息を詰めながらテレビ観戦した人も多かったかと思います。

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GDOより転載

もちろんボクも朝5時ぐらいからテレビ観戦してました。タイガーの追い上げを期待していたのですが、パットがことごとく打ち切れない。本人もラウンド後にコメントしてましたが、オーガスタの超高速グリーンは雨が降ると途端に遅くなります。その遅さに対応できなかったことを本人は悔やんでいました。アダム・スコットも本戦中はパットが打ち切れてませんでしたが、本戦18番のバーディパット、そしてプレーオフで勝利を決めたパットも下りのラインでした。強めに打てなかったアダム・スコットに対して、ゴルフの神様は彼に少し味方したのかも知れません。

日本勢では石川遼が最終日に7つのバーディーを奪って、4アンダーの68を出しました。優勝争いに関係ない場面、ノープレッシャーのラウンドとはいえ、スコアはスコア。数字は数字。遼クンにとって自信初めての60台のスコア。この数字はきっとこれからのゴルフの支えになるでしょう。対して、4位タイに終わったタイガーは2日目に池ポチャ処理を誤っての2打罰があったとはいえ、4日間とも70以上のスコア。「最終日に65を出せば優勝できると」コメントを残していましたが、まさにその通りの結果になりました。

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GDOより転載

今年もマスターズはTV視聴者に色んなシーンを見せてくれましたが、ボクが注目したのは最終18番のティショット。カメラがティマーク付近にあるのでしょう。世界のトッププロ達のスイングを下からあおり気味に、これでもかって見せつけてくれました。そして、その連続写真的なスイングを見てみると‥‥プレーオフを戦ったアダム・スコットアンヘル・カブレラとの間には年齢以上、スイングの世代間ギャップを感じました。

アンヘル・カブレラ43歳
アダム・スコット32歳

その差は11歳ですが、カブレラは「パーシモンでゴルフを覚えた」かのようなスイングの持ち主。対して、スコットは「460CCチタンでゴルフを覚えた」かのようなスイングをしていたからです。

 

どこがどう違うのか?

それはトップの位置です。カブレラはトップでフェースがスクエアからややオープン。トップの位置でフェース面は斜め45度から正面の間ぐらいです。フェースがスクエアかオープンなトップは、パーシモンのように重心距離が短いクラブと相性が非常に良く、そしてフェースを開閉して打った方が飛びますし、方向性も安定します。かれのトップはボクがゴルフを始めた頃(30年以上前)、最高のお手本でした。

対してスコットはトップでフェースがシャット。宮里藍ちゃん同様、トップでフェースが空を指しています。シャットフェースなスイングは重心距離が長いドライバー(大型ヘッド)と相性が非常に良く、そしてフェースをシャットに使った方が飛びますし、方向性も安定します。30年前だとシャットフェースは悪いスイングと評価されていましたが、重心距離が長いクラブが当たり前な今では、これが最高のお手本です。

このトップのフェース向きの違いは持ち球の違いにもあります。カブレラはピンの大型ヘッドを使っていますが、ドライバーの弾道は基本フェード。ピンの大型ヘッドは重心距離が長い。オープンフェースだとボールを捕まえたり、ドローを打つのが難しくなります。カブレラはそれを本能的に察知したのでしょう。彼は捕まらないドライバーを無理に捕まえようとせず、フェードを打っています。プレーオフの2ホールは10番ホール。ここはほぼ直角ってぐらい左にドッグレッグしていて、ドライバーの弾道がフェードだと攻略ルートが非常に狭くなる。彼はドライバーや3Wでフェードを打つと攻めきれないとジャッジし、ロングアイアンでティショットを打ちました。

対して、フェースをシャットに使うスコットは3Wでティショットを打ってフェアウェイをキープ。ちなみにスコットの場合、ドライバーに比べると、3Wやアイアンを打つ時はシャットの度合いが少し弱まっています。ドライバーに比べると3Wはアイアンはヘッドが小さく、その分だけ重心距離が短い。彼は重心距離の違い(ヘッドの返り具合の違い)を本能的に察知し、クラブによってスイングを変えているわけです。恐らく、本人にトップのフェース向きの違いを質問しても「よく分かったね。そうだよ、クラブによってフェースの向きを変えているよ」なんて答えないでしょう。なぜなら本能的、無意識レベルで打ち分けているからです。

では遼クンのトップはどうなのか?

マスターズでのスイングを見る限りでは、フェースの向きはシャットではありませんでした。どちらかというとカブレラ同様、スクエアフェース。昔からの基本に忠実なトップを作っていますし、使っているドライバー(キャロウェイのレーザーフィットエクストリーム)も重心距離はそれほど長くありません。スイングとクラブの相性はマッチしています。

しかしながら、もし遼クンがドライバーの飛距離を更に伸ばしたいのであれば‥‥スコットのようなシャットフェースにした方がボクは良いと思っています。プレーオフで死闘を演じたカブレラスコットに比べると、遼クンの体つきは迫力あるとはいえません。筋肉量、骨格が全然違います。ゴルフは道具(クラブ)の依存度が高い競技です。今どきの重心距離が長いドライバーは、重心距離が短いドライバーと比較すると「飛び」に有利。遼クンも重心距離が長いドライバーを使った方が飛ばせる。体力差を補える。今どきの道具を味方につけるには、シャットフェースのトップが不可欠だからです。

もちろん、トップのフェース向きを変えることは用意ではありません。今はいろんな重心距離のドライバーを選べます。460CCでも重心距離が35ミリ前後のモノもあれば、460CCで重心距離が45ミリ前後のモノもある。しかし、10ミリ重心距離がことなると飛距離にして5~10ヤードぐらい差が出てくる場合があるのです。カブレラのようにエンジンがデカイならばどんな打ち方でも飛距離を稼げますが、遼クンのように体がとりわけ大きくないプレーヤーは、飛ぶ道具を使った方が体力差をカバーできるからです。

習うよりも慣れろではありませんが、欧米ツアーで戦っている選手の多くはクラブが変わると、クラブに合せてスイングをモデルチェンジしています。昔の小さいヘッドのドライバーを使う選手はほとんどいません。対して、国内ツアーを見てると、大型ヘッドではなくてヘッド体積が小さめ(重心距離が短め)のドライバーを好んで使うプロが少なからずいます。

道具が先か、スイングが先か

と聞かれたら、マーク金井「道具が先」だと即答します。歴史を振り返れば一目瞭然です。パーシモンとメタルの切り換え時、めざましい活躍をしたのは真っ先にメタルを使い始めたジャンボ尾崎です。ドライバーのヘッドが大型化した時、めざましい活躍をしたのは片山晋呉です。野球と違ってゴルフは道具で飛距離を稼げます。道具(クラブ)を味方につけることの優位性‥‥遼クンがこのことに気づくのか、それとも気づかないのか?
これからも遼クンの使用ドライバー、そしてスイングについて追いかけていきたいと思います。
んじゃ(▼▼)b

「アナライズからの宣伝」

マーク金井が、スイングとシャットフェースを覚えるために作った。「スーパーシャット君」もうすぐ発売します!ご期待ください


2013年04月14日ゴルフルールの真実‥‥タイガー・ウッズの2ペナ騒動

いよいよ今年のマスターズも決勝ラウンド。トップは7アンダーのスネガーとカブレラ。3日目を終えて大混戦模様になってきました。明日の優勝争いが楽しみになってきましたが、昨夜はタイガー・ウッズの池ポチャ後のドロップ処置について騒動がありました。予選ラウンド2日目、タイガーは15番の3打目でスーパーショットを放ちましたが、ボールはピンにダイレクト(もしくはショートバウント)に当たり、当たった反動でボールは無情にも手前の池に‥‥コロコロと転がり落ちました。まるでゴルフ漫画「風の大地」(坂田信弘原作、かざま鋭二画)に出てくるようなシーンでした。

タイガーは池ポチャ後、ドロップして打ち直して5オン。ワンパットで沈めてボギーでホールアウトしました。TV画面からは‥‥

このドロップのシーンが騒動の始まり‥‥

このドロップのシーンが騒動の始まり‥‥

同じ場所で打っているように見えましたが、ラウンド後にタイガーは「3打目よりも2クラブ下がって打ち直した」とコメントを残したそうです。これが物議を醸し出し、タイガーはスコアカードを出した後に2打罰のペナルティが科せられました。誤所からのプレーということなんでしょう。

誤所からのプレーは規則 20-7 により 通常 重大な違反がない限り (詳細後述) ストローク・プレーでは2打罰、マッチプレーでは そのホールの負け のペナルティーが科される。

これに該当するとスコアカードには2打罰が科せられたスコアを記載しなくてはなりません。池に入って打ち直す場合、「プレーした元の場所」、もしくは「ボールがハザード境界線を横切った地点とホールを結ぶ線上の後方」にドロップしてプレーを続行することがルールで義務付けられています。タイガーの場合、このどちらにも当てはまらなかったものと思われます。

ですので、マスターズ2日目のタイガーの場合、15番は「6」ではなくて「8」のスコアを記入することになります。ところがタイガーは「6」のままスコアを提出しています。なので、今度はスコア誤記で過少申告をしたことになります。ゴルフの場合、スコアを多く書いてもルール違反ではありませんが、スコアを少なく書いたら即、失格処分です。これを受けて、一部のメディア、一部のプロの間では「タイガーは失格なのでは?」というコメントを発しているのです。

ちなみPGAツアーでは、このような騒動が過去にもありました。
http://news.golfdigest.co.jp/news/pga/article/26355/1/

今回、マスターズ委員会は失格処分ではなくて、2打罰の処分を下しました。これまた物議を醸し出しましたが、ゴルフには超法規的なルールもあります。

どうやら規則33-7が適用されたようで、この超法規的処置でタイガーは失格処分ではなくて、2打罰処分が下されたのです。

これが今回のタイガーの「池ポチャ打ち直し騒動」の大まかな流れです。無罰でもなく失格でもない。2打罰というのは玉虫色の裁定のような感じがしますが、マスターズに限らずアマチュアの月例競技にも競技委員は必ずいます。競技委員は野球に例えるならば、審判です。ルール上のトラブルをいかに裁定するか審判(競技委員)に委ねられる。これがゴルフに限らず、スポーツ全般の基本であり鉄則なのです。これが揺らいでしまうと競技そのものが成立しなくなるからです。先々週の女子ツアー同様、競技委員が裁定を下したわけです。タイガーはそれを受け入れ、そしてプレーを続行しているのです。タイガーを批判するのは的外れだとボクは思います。

もちろん、タイガーにも落ち度はかなりあるでしょう。落ち度とは、彼がゴルフのルールを熟知していないことです。アマチュア(プロにも多いです)の中には、ルールで分からない時は「自分に不利に処置すればいい」と思っている人が少なからずいます。例えば、カート道路にボールが止まった時、フェアウェイ側にドロップすると有利になるから、自分は不利な方であるラフにドロップすればいい‥‥確かにこれはフェアプレー精神に溢れていますが、これもルール的には正しい処置ではないのです。ルールには「自分に有利とか不利」なんてことは一切書かれていません。カート道路を含め、動かせない障害物にボールがある時は、

動かせない障害物の中や上にボールがある時、または、スタンスやスイングを妨げる時の救済は、救済の二アレスト・ポイント(邪魔にならない場所)から 1クラブ・レングス以内にボールをドロップして 無罰でプレーをすることが許される。

ルールには「自分に有利、不利」は一切明記されていません。先ほどのカート道路の処置については、フェアウェイ側にニアレストポイントがあれば、ラフにドロップすると、タイガー同様、「誤所からのプレー」となってしまい、2打罰が科せられるので。合点がいかない人も多いと思いますが、これがゴルフのルールなのです。ルールというのは損得勘定で作られているのではありません。損得というのは主観的なものだからです。ゴルフに限りませんが、ルールは主観的な考え方が徹底的に省かれているので、時には自分に不利なことをやっても、「ルール違反」と見なされてしまう場合があるのです。

タイガーのような偉大なゴルファーがルールを誤解していたのは予想外でしたが、ギャンブラーであり小説家の森巣博は、これからカジノに試みようとする人にこんなアドバイスを送っています。

1.ゲームのルールをよく覚えなさい。

無境界の人、森巣博著。引用)

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たかがルール、されどルール。

ゴルフは紳士のスポーツであり、フェアプレー精神でプレーしたいものです。しかし、それ以前にルールに熟知すること。自分が損する(不利益)ことをやっていればルール違反にならない‥‥これは大きな間違いだということを肝に銘じておきたいものです。
んじゃ(▼▼)b

◆JGA ゴルフ規則はこちら


2013年04月13日マスターズでの石川遼の名言‥‥

米男子ツアーのメジャー開幕戦となるマスターズ。今日は予選ラウンド2日目。昨年までは44位タイまでが予選通過でしたが、今年は50位タイまでになりました(トップから10ストローク以内は継続)初日1アンダーだった石川遼は2日目にスコアを落としながらも、何とか予選通過しました。その遼クンの初日終了後のコメントで目に止まったのがこれです。

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「調子が悪くなった時も、絶対に前の感覚を思い出そうとするのは嫌なんです。そう思った時点で後戻りになるからです」

「これだっ」という感覚を掴むと、アマチュアのみならずプロでも「いい時の感覚」というのがスイングのよりどころになります。例えば、○○のような感じでスイングしたら上手くいくと、その○○を自分のスイングのバロメーターにしたり、その○○をナイスショットと関連付けたくなります。

しかし、感覚というのはまったくもって当てになりません。身体は日々変化します。感性や体調も日々変化します。練習でどんなに良い感覚が得たとしても、その感覚が役立つのはその日限り。持続したとしてもせいぜい数日でしょう。例えば、トップからダウンの切り返しで右ひじを真下に下げたら、スイングプレーンに乗って良い球が打てた。動画でチェックしてもスイング軌道が良かったとしましょう。こうなると「右ひじを真下に下ろす=ナイスショット」の感覚図式が出来上がりますが、これは永久保存できる感覚ではありません。その時限りの成功体験の感覚なんです。

ところがアマチュアのみならず、ツアープロでも調子が悪くなると、調子が良かった時の感覚をよりどころにする場合が少なからずあるのです。しかし昔の感覚はどんなに素晴らしものであっても、それを求めるほどに後戻りすることになるのです。今シーズンの遼クンは思うような結果が出てませんが、こんなセリフをマスターズの大舞台でサラッと言えてしまう。これだけでも、彼が並の選手ではないことが明かです。

その一方で名前は出せませんが、昔の感覚を戻そうとして練習したり、昔のクラブに戻して復調を試みるプロもいます。しかし、そういうことをやって見事にカムバックした選手はほとんどいません。クラブに関してはパターやウエッジは昔に戻してもスイングに影響は出ませんが、ドライバーやアイアンは昔に戻しても前の感覚は思い出せないからです。

では、感覚は役にたたないのか?

遼クンの言葉を思い出して下さい。前の感覚を思い出そうとするのがダメであって、感覚そのものを否定しているわけではありません。練習で大事なことは昔を思い出そうとするのではなく、これからやるべき事に対して感覚を磨くこと。そのためには、調子が悪い時は、何が不調の原因なのかを客観的にチェックすることが必要不可欠です。スイングのどこが悪いのか? フォームなのかリズム&テンポなのか? それともアドレス時の体の向きなのか? これらをチェックするには感覚ではなく、自分のスイングを客観的にチェックすること。ビデオやデジカメ、iPhone‥‥とにかくスイングを客観的に丸裸にしてしまい、どこをどう修整していくのかを決めることです。感覚に頼るのではなく、とにかくスイングをじっくりチェックする。そうすると、自分がどこに勘違いしていたのかがかなり正確にジャッジできますし、スイング修整の糸口も見えてくるのです。

もちろんスイングを正しくジャッジするためには、スイングを見る目も養うことも必要不可欠です。いいスイングと悪いスイングの違いが分からなければ‥‥スイングの問題点を見つけ出すことはできません。問題点が見つからなければ、どこを修整すれば良いのかも分からないからです。

昔の良かった時の感覚、これはいわば「成功体験に縛られる」ことになります。ゴルフに限りませんが、成功体験に縛られるのは非常に危険です。おちまさとさんもブログで、

 

何かに挑む時
何か新たな展開をする時

つい

「あの時
ああやって成功したのだから
“また”あの成功パターンに
はめ込めば大丈夫だろう」

と思ってしまうことが
ありがちなのではないだろうか。

これはとても危険なサイン

(おちまさとブログから引用)
http://ameblo.jp/ochimasato/entry-11143298704.html

書かれています。ボクもまったく同感です。ゴルフ上達に必要なのは、ビデオでのスイングチェック、そしてひざ立ち打ちや、ゴルフの竪琴などを使って、日々感覚を磨くことが大事だと思います~。
んじゃ(▼▼)b

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マーク金井がいつも練習に使用している「ゴルフの竪琴」はこちらへ

 


2013年04月12日キャロウェイ「フランケンウッド」につていのお詫びと続報~

マーク金井のフランケンウッドに関する記事

米男子ツアーのメジャー開幕戦となるマスターズがいよいよ開幕しました。初日、石川遼は5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71。出入りの激しいゴルフでしたが上々のスタートで、1アンダーの23位。優勝候補筆頭のタイガー・ウッズも2アンダーの13位といいポジションにつけています。

昨年国内男子ツアー賞金王の藤田寛之は7オーバーで87位と大きく出遅れました。プレー後、芹沢信雄とのインタビューで「自分のゴルフをさせてもらえなかった」とコメントしてましたが、まさにこれがマスターズ。オーガスタナショナルのコースはバーディ-、イーグルが捕りやすい反面、ひとつ歯車狂うと、ボギーやダボが止まらなくなるのです。ボクは1993年に現地で取材しましたが、その時はチップ・ベックが最終日に突然崩れ、ベルンハルト・ランガーが1985年に続き、グリーンジャケットに袖を通しました。

今日も6時前ぐらいからTBSの生放送を見てましたが、皆さんにお詫びがあります。それはミケルソンがドライバー代わりにつかっているキャロウェイの「フランケンウッド」について。昨日は体積200CCぐらいでロフトが12~13度と書きましたが、今日のテレビ中継では体積250CC、ロフトは8.5度とアナウンスされていました。ミケルソンがティショットを打つシーンを何度か見ましたが、テレビ画面からは200なのか250なのかの判別がつきません。ロフトも12度なのか8.5度なのかも‥‥見極めるのが非常に難しかったです。

ネットで検索してみたらGDOでロフト角は8.5度、シャフトは三菱レイヨンのフブキK70X。長さは45インチのことです。現地からのレポートなので、スペックは恐らくこれで間違いないでしょう。

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写真はwww.golfwrx.com から転載

GDOの記事 P.ミケルソン ドライバーの代わりは“フランケンウッド” ←クリック

ミケルソンはこのフランケンウッドのことを、「小さなドライバーのようで、ドライバーのテクノロジーが詰まっている3番ウッドだ」とコメントしてます。スペック的にはこれはもうドライバーと言えるものです。キャロウェイでいえば1995年に登場したグレートビッグバーサのヘッド体積は250CC。長さは45インチ。発売当初は「こんな巨大はヘッドのドライバー、一体誰が使うの?」と言われたのですが、市場に出回るやいなや大ヒット商品になりました。アマチュアのみならず、多くのツアープロにも支持されました。ちなみに、当時はメタルドライバーやパーシモンもあって、それらの体積は200CC未満だったのです。

では、なぜ昔のドライバーとほとんど同じ体積、同じ長さのフランケンウッドのことを、ミケルソンはわざわざ3番ウッドとコメントしているのでしょうか?

ミケルソンと言えば、2006の同大会で2本のドライバーで球筋を打ち分けてグリーンジャケットを獲得しています。先々週の「シェルヒューストンオープン」ではドライバーを抜いて2本のスプーンで戦うなど常識にとらわれないアイデアでクラブセッティングしていますが、フランケンウッドをわざわざ3番とコメントしたのは‥‥恐らくフェースの厚みがドライバーよりもFWに近いからでしょう。一般にドライバーの場合、フェースの厚みは‥‥

54~60ミリ

ぐらいです。対して、3Wの場合は‥‥

30~36ミリ

ぐらいです。恐らくフランケンウッドのフェース厚は36~40ミリぐらいなんでしょう。フェースの厚みの感じがFWに近いから3Wに近いとコメントしたのだと思われます。そしてヘッド形状のシェイプもドライバーよりもFWに近いのでしょう。テレビ画面からも形状はFWに近いのが確認できました。

フェースを薄くするメリットはいくつかありますが、一番はティアップを低くして打てること。そしてヘッドの入射角度が一定なプロにとってはティアップして打った場合、フェース中央よりも下に当たるミスは出ません。結果、スイートスポットよりも上側で打てるために、低スピン弾道がオートマチックに打てます。加えて、今どきのドライバーに比べるとヘッドが小ぶりなために重心距離が短い。ミケルソンはフェースをシャットに使うタイプではありません。トップでのフェースの向きはスクエアからややオープン気味。重心距離が長いクラブよりも重心距離が短いクラブの方がスイングとのマッチングが良い。これもフランケンウッドとの相性の良さにつながっているのだと思います。

フランケンウッドが市場に出回るのは夏頃だと思われますが、デカヘッド(重心距離が長いクラブ)が苦手にとっては救世主的なクラブになるでしょう。

そして、マスターズをTV観戦していて目についたのがパター。国内ツアーに比べるとフェースインサート(樹脂フェース)を使っている選手が少ない感じがします。石川遼もパターのフェース面は金属のままで、フェース面はミーリング処理されているものを使っています。

3月29日のブログでも書きましたが、

「ミーリングの目の粗さは深いほどボールが潰れてくっつく時間が長くなるので、フェースの向きよりも振った方向に飛び出しやすくなり、細かいほどボールが潰れづらく、球離れが早くなるので、振った方向よりもフェースの向いている方向に飛び出しやすくなります」

「打った時の感触ですが、粗目の場合はボールが潰れるのでボールが柔らかく感じます。細目になるほどボールが潰れづらく、力の伝道率が高くなるので、パターが柔らかく感じます」(以上、ゴールドファクトリーHPからの引用)
ボクは現在パターを試作してますが、確かにミーリングの刻み方を変えると、打感がガラッと替わります。目が粗くなるほど(目が深くなるほど)、インパクトの球離れが遅く、そして打感がソフトになります。そして、ストロークの方向に対してボールが真っ直ぐ転がる感じになります。オーガスタのグリーンは超高速。おまけにグリーンの起伏はポテトチップのように凸凹です。ミリ単位の距離感、方向性を出すには、ミーリング処理されたパターの方が有利だと思って入る選手の方が多いのでしょう。

写真 (41)

マーク金井プロデュースの新しいパターのミーリングサンプル

そして、高速グリーンに対応するにはロフトも重要な要素だとマーク金井は考えています。ロフトが少ないと(3度以下)転がりが良くなる反面、転がり過ぎる怖さがあります。対して、ロフトを少し増やしてやると(5~8度)、インパクトで少しバックスピンがかかるので転がり過ぎません。下りのパットではズルズルいつまでも転がるようなパターでは距離感が非常に出しづらい。バックスピンが少しかかるパターの方が妙に転がり過ぎないので、距離感を出しやすいのです。

オーガスタほどではありませんが、最近は高速グリーンのコースが増えてきました。昨日参加した阪神トレーディングさんのコンペでプレーした春日台CC(奈良県)のグリーンは軽く10フィート出てました。こういう高速グリーンではロフトが多めのパターを使った方が距離感のミスを減らせ、確実に3パットを減らせるでしょう。
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