マーク金井blog

2013年05月01日ボディターンのウソ、ホント その1

昨日のブログで、練習場でボールをたくさん打つことのデメリットについて書きました。大事なことなので繰り返しますが、ボールを沢山打ってもスイングが改善される確率は非常に低いです。ボールを打つと、優先順位の1番目に来るのはボールの行方だからです。スイングを変えようと思って練習しても、ミスショットが3発も続けば、もうスイングのことなんて誰も考えられません。4発目、頭の中はナイスショットを打つこと、芯で当てたい欲に支配されていまします。初中級者はもちろんのこと、シングルハンデのゴルファー、そしてプロでもミスが続くと、ナイスショットが打ちたくなるからです。

正しいスイングを身に付けたい
スイングの悪癖を矯正したい
この2つのことを本当に考えているのであれば、ボールを打たないで練習した方が努力が報われます。練習したら、練習した分だけ上手くなれるのです。

素振りをする時は、ただ何となくクラブを振り回すよりも、合理的に体を動かしやすくなる練習器具を使うこと。マーク金井は素振りの時、ゴルフの竪琴を使っています。この竪琴のメリットは右手と左手の使い方の違いを感じとりやすいこと。そして、アマチュアに多い手打ちを解消するのにも効果が高いからです。

そこで今回は手打ちを矯正するドリルについて説明しましょう。手打ちは良くないことは皆さんもご存じだと思います。手先でクラブを操作すると軌道が不安定になります。加えて、体の大きな筋肉を使いづらくなる分だけヘッドスピードが思うように上がりません。プロでもアマチュアでもロングヒッターと呼ばれる人は例外なく体の大きな筋肉を使っています。対して、飛距離が出ないアマチュアほど手先だけでクラブを操作し、その結果、フォローで左ひじが曲がってしまったり、引けたりしています。

では、どうすれば手打ちのを解消できるのか?

マーク金井が初心者をレッスンする時、フォローで左ひじがグニャリと曲がっている人に最初に教えるのがこのドリル。4つのポジションを意識することで手先ではく、体の大きな筋肉を使うためには何をやればいいかを体感できるからです。
まず竪琴を持ってアドレスします。左手は下で、右手は上です。

アドレス

第一ポジション

アドレス、ポジション0

アドレスの形から左手をテークバック方向に動かし、その反動でヘッドを前に出します。お尻を右にスライドさせた時に左手をテークバック方向に動かし、右手とヘッドが左手の前に出るようにしましょう。この時、グリップは右太もも付近か、右太ももよりも少し右の位置をキープするようにします。このポジションでは互いの手首の内側が少し触れるように心がけて下さい。

第1ポジション~第2ポジション

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腰だけ左にスライドさせる

腰だけ左にスライドさせる

 

 

ポジション2ではグリップは右太もも付近にじっとさせたまま、腰を左にスライドさせます。左にスライドさせる目安は、太もも1~1.5本ぐらい。股関節を左にスライド

させる時、左肩が浮き上がらないように心がけて下さい。第2ポジションでは、左肩は右肩よりも少し低くなっているのが好ましい形です。ここでは腕や手先でクラブが動いているかどうかチェックしましょう。

 

第3ポジション

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ここが手打ちを矯正するための一番大事なポイント。頭を後ろに戻しながら、上半身を少し右に傾ける。上半身を右に傾けた時、その反作用でフォロー方向にクラブを動かす。シーソーのように頭とクラブヘッドが逆に動くように心がけましょう。頭と頭(クラブヘッド)が作用反作用の関係を築き上がって来れれば、ボールを打たなくても体を使ってインパクトを迎える動きをマスターできます。

第4ポジション

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第3ポジションからフォロー、そしてフィニッシュの大きさを決める。この3から4については、形は表示に大事です。ここでも手先ではなく背中の筋肉や「猫の筋肉をフル動員させていきましょう。
このドリルは一番デリケートな部分であるフォローの形を最初に作ります。フォローの形は動きの中で作りづらい。ならばテークバックでフォローの形を先に作っちゃえということで、このドリルが出来ました。フォローの形を最初に作っておけば、インパクトゾーンで手先をあれこれ動かす必要がなくなるからです。そして、第2~第3のポジションに移る際は、手元の動きを最小限に、体の動き(頭を右に戻す動き)を最大限にするのです。
おーっと、締切りの時間が‥‥この続きは明日説明しましょう。
んじゃ(▼▼)b
PS.スイング作りに効果的なゴルフの竪琴。シャフトクロスのトップ、そしてテークバックでフェースが開くのも矯正できるスグレモノです~。

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「練習場でボールをたくさん打つことの弊害‥‥」

「サンドウエッジの性能はソールで決まる!!」←で紹介した

バンカーからポンと出るウエッジ ←まだ若干ありますコチラから

 


2013年04月30日練習場でボールをたくさん打つことの弊害‥‥

寒くもなく、さりとて暑くもない。GWのこの時期はゴルフを楽しむのに最高の季節でしょう。コースはどこも大盛況ですし、練習場も多いにぎわい。都内の練習場は1時間以上の待ち時間がザラになっています。

神田にスタジオを構えるようになって9年目を迎えています。マーク金井は夜な夜な室内スタジオで練習していますが、ボールを打つ数は極端に少ないです。30分だと10球弱、1時間の練習でも20球ぐらいしか打ちません。ボールを沢山打つことと、ゴルフが上手くなることとは何ら関係ないと思っているからです。そして1球打つ毎にビデオでスイングチェックをしているから、1球打つのに時間が掛かってしまうのです。

マーク金井、深夜の練習風景

マーク金井、深夜の練習風景

そして誤解を恐れずに言えば、一定時間内にたくさんのボールを打つことは、ゴルファーを下手にしてしまう(下手を固める)危険性を大いにはらんでいます。ボールを沢山打つことと、正しいスイングを身に付けることとの間には、何の因果関係もありません。沢山打てばボールに当てるのが上手くなるだけで、スイングの形が良くなるとは限らないのです。

またアマチュアの多くは時間制打ち放題の場合、たくさん打った方が「お得」だと考えがちです。例えば1時間1000円だとすれば‥‥10球打てば1球あたりの単価は100円。100球打てば1球あたりの単価は10円まで下がります。1球あたりの単価を下げようと頑張ることはあっても、1球あたりの単価を上げようとする人は滅多にいません。練習場でも「オレは今日、1時間で250球打った」と自慢する人はいても、「オレは今日、1時間で20球しか打たなかった」と自慢する人には、未だお目にかかったことはありません。

他方、実際のゴルフ場でのプレーはどうでしょう? プレーフィーが1万円のコースでプレーした場合、100を叩く人は90を出すことを望み、90で回っている人は80を目指しているはず。ゴルフは打数をいかに少なくするかを競うもので、どんなゴルファーも例外なく、「上達=1球あたりの単価を上げる」ことを真剣に望み、それを実践しようとする。1球あたりの単価を下げることを(大叩きすることを)自慢する人はまずいません。

「上達したい」「ゴルフが上手くなりたい」と本気で考えているならば、練習と本番とで自分のやっていることが逆になるのは避けるべきです。逆なことを一生懸命続けるほど、「練習のための練習」になるし、「練習場シングル」にもなりかねないのです。ゴルフの目的が1球あたりの単価を下げること(打数を減らすこと)ならば、練習に置いても1球あたりの単価を下げることを意識すべきです。そうした方が、「練習で打てたショットが、コースで打てない」とか、「練習場では気楽に打てるのに、コースに出たらプレッシャーがかかって上手く打てない」などの問題を克服できます。また、1球当たりの単価を上げることを意識すれば、練習では何をすべきで、何をすべきでないかも分かってきます。

やるやらないは皆さんの自由ですが、例えば、1時間1000円の練習場で「1球だけ打って帰る」と言うのを一度でいいから試してみて下さい。1球1000円です。高いですよ~(笑)

ものすごく贅沢、ものすごく勿体ない練習ですが、1時間で200球打った時には絶対味わえないプレッシャーを確実に体験できます。人によってはコースに出た時よりも緊張するでしょう。「練習場は気楽に打てるのに‥‥」なんて言ってる人も、そんな軽口は絶対に叩けないはずです。

大事なことなので繰り返しますが、ゴルフの本質は「1球当たりの単価を上げること」。それがゴルフの本質ならば、練習でも「1球当たりの単価を上げる、(下げない)こと」はっきりと自覚し、そして実践すべきです。

もちろん、正しいスイングを身に付けるには質だけでなく量も必要です。でも、「練習量=たくさんボールを打つこと」ではありません。スイングを変えたいならば、スイングが変りやすい方法で練習をすること。具体的に言うと、ボールを打たないで正しい形を覚えた方がはるかに合理的だし、練習したら、練習した分だけ上手くなれるのです。

効果的な素振りはいくつかありますが、右手と左手の使い方の違いを感じながら素振りすること。マーク金井はゴルフの竪琴という練習器具を使って練習することが多いですが、これを使うと、右手と左手の役割、右手と左手の正しい位置関係を直感的に感じ取り、そして学ぶことができます。レッスン書などで「右手は上、左手は下」という表現がよく出てきますが、竪琴を使うと、これがどういう意味かすぐに分かります。

初中級者、特にスライスに悩むゴルファーの多くは、フォローで左ひじが引け、左ひじがくの字に曲がっていますが、これも竪琴を使って素振りすると短時間で矯正できます。左ひじが引けたり曲がったりするのは、インパクトゾーンで右手を使い過ぎているからです。右手を使いすぎるから左ひじが余ってしまい、左ひじが引けたり、曲がったりしてしまうのです。

インパクトゾーンで右手を使いすぎないためには、まずは右手を使わないでフォローが取れるようになること。それを体感するのに役立つのが、写真のハーフスイングのドリルです。ハーフスイングではトップでもフォローでも「右手が上」になっていることを意識する。これを体の動きととともにゆっくり、とにかくゆっくり行うことをやって下さい。フォローで右手が上になることを覚えないことには、実際にボールを打つ時に左ひじは伸びてこないのです。

テイクバック

テイクバック

インパクト

インパクト

 

フォロー

フォロー

練習場でボールを打つと練習した気になりますし、ナイスショットを打てば高揚感を味わえます。でも、残念なことにスイングが改善させる確率は非常に低い‥‥本当に上手くなりたいならば、上手くなれる方法で努力した方が、ボールをたくさん打つよりも努力が報われるのです。

んじゃ(▼▼)b

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2013年04月29日サンドウエッジの性能はソールで決まる!!

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2年前にマーク金井が作ったのがMSウエッジ見た目はチッパーみたいですが、中身は全然違います。フェースは薄べったいですが、ワイドソールでハイバンス。ダフって打ってもミスがミスにならない。結果オーライが出やすいウエッジを作りたくて作ったのがMSウエッジヘッド素材にもこだわりまくり、無垢の軟鉄鍛造。ヘッド後方の凹みはNC研磨。打感の良さにもとことんこだわって作りました。そして、それから1年後‥‥リーズナブルなバージョンをラインアップしたくて、リンクスからSSウエッジを出しました。

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こちらはヘッド素材がステンレスですが、ネックがちゃんと曲がります。ステンレス鋳造ですが、ロフト角、ライ角は±3度ぐらい大丈夫です。

このMSSSウエッジとにかくダフって打った時にミスが出ないようになっていますが、バンカーでホームランしやすい人にはやさしさが裏目に出ます。ソールが跳ねるように設計してあるので、ホームランのミスが出やすい人には、ソールが跳ねるのが災いして、余計にホームランが出やすくなる。

そんなわけで、マーク金井が新たに作ったSWがこれっ!!

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マーク金井が新しく作ったEKBウエッジ

ソールがエクボのように凹んだSWを作りました。MSSSウエッジ同様、ワイドソールでバンス角は大きいですが、今回はソールを大胆に凹ませました。これで何が変わるかというと‥‥ヘッドの入り方が変わります。ホームランが出やすい人の場合、ヘッドが砂に潜りません。でも、このエクボソールならば、凹んでいるのでヘッドが砂の中にすっと潜ってくれ、ホームランしないで打てるのです。そして、ソールが凹んでいてもバンス角が強いので、ヘッドは砂の中に潜った後、ソールが前に滑ってヘッドが抜ける。ソールが跳ねないのでスピンはかかりづらくなりますが、とにかくバンカーから脱出しやすいように作られているの
です。

もちろん、こちらもホームランのミスを防ぐことに特化したのでメリットだけではなくてデメリットもあります。芝の上で打つと、ヘッドが潜りすぎるために、ちょっとでも手前から入ると気持ちいいほどザックリが出ます(笑)MSSSウエッジの真逆で、ハーフトップしづらい反面、ザックリが非常に出やすいSWです。なのでソールにはバンカーオンリーの文字をしっかり刻みました。バンカーではメチャクチャやさしいですが、フェアウェイからだとメチャクチャ難しいウエッジに豹変するからです。

誤解を恐れずに言えば、ザックリもトップもしないウエッジを作ろうとするとどっちつかずになって両方のミスがほどよく出ます。対して、どちらか一方のミスを徹底的に排除しようとすれば、やさしくなる反面、逆のミスが出やすくなってきます。クラブをどんな風にデザインするかは設計者の腕の見せ所ですが、マーク金井は際だった性能、際だったやさしさを実感できるクラブを作りたがります。このエクボウエッジはとにかくホームランを減らすこと、そして力のない女性でもバンカーからやさしく脱出できるようにと設計しました。

左が凸ソールのMS、右が凹ソールのエクボ。ここまで極端にソールにすると圧倒的なやさしさが体感できる~

左が凸ソールのMS、右が凹ソールのエクボ。ここまで極端にソールにすると圧倒的なやさしさが体感できる~

エクボウエッジのファーストロットが10本、本日アナライズに入荷しました。バンカーからホームランのミスを減らしたいならば、道具(クラブ)に頼ってみてはいかがでしょうか~。

んじゃ(▼▼)b


2013年04月28日今どきのパターを上手く使いこなす極意とは!?

66歳のジャンボ尾崎プロ、2日目、3日目は1オーバーとなんとか踏ん張っています。年齢の影響もあってロングショットは精彩を欠いてますが、それをカバーしているのがショートゲーム。アプローチとパットは全盛時を彷彿させるようなプレーぶりで、パーセーブを重ねています。

そんなジャンボですが、ボクが注目したのがパターのグリップ。パター自体は普通の長さで、ヘッドもピン型。オーソドックスなパターを使っていますが、グリップは中尺用のモノが装着されていました。いわゆるロンググリップです。

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GDOさんより転載 つるやオープンフォトギャラリー←クリック

たかがグリップと思うかもしれませんが、ここにジャンボならではのクラブに対するこだわりを感じました。ジャンボと言えば、新しいクラブ、新しいボールを真っ先に取り入れるプロの代表格。バラタボール全盛の頃、タイガーナイキの2ピースウレタンボール「ツアーアキュラシー」を米ツアーで誰よりも早く使うかなり前からブリヂストンのツーピース、レイグランデWFを使ってツアーで勝利を収めています。クラブについてもメタルドライバーを使い始めるのが非常に早く、ジャンボがメタルで勝ち始めると多くのツアープロが追従しました。AW(PS)というクラブを積極的に使い始めたものジャンボでした。

そんなジャンボがオーソドックスなピン型パターを使うのはちょっと違和感がありますが、グリップがジャンボならでわ。上から目線で恐縮ですが、さすがクラブのことをよく分かってらっしゃると思いました。
ロンググリップにはどんなメリットがあるのが。
ロンググリップは長さが長いだけではなくて、通常のグリップと異なる点が2つあります。

・グリップが太い
・グリップが重い

太いグリップを装着すると手首が使いづらくなります。ジャンボはインパクト重視でコツンと打つタイプですが、それでも手首を使い過ぎるのを軽減するために少し太くしているものと思われます。そして、細いグリップに比べると太いグリップはフィーリングが出づらい。いい意味で、パターに少し鈍感さを求めたのでそしょう。

そして、長くて重いグリップを装着するとバランスポイントが手元側に移動します。実は、ボクはこれが今どきのパターを使いこなすための極意だと思っています。昔のパターと今どきのパターを比べると、今どきのパターはヘッドが重い。ヘッド重量が340~360gあります。ヘッドを重くすることでゆったりストロークしやすくしているのです。

しかし、グリップが50~60g前後のままでヘッドだけが重くなるとバランスポイントがヘッド側に移動します。バランスも出ます。昔はパターのバランスはD0前後でしたが、今どきのパターは平気でD6とかEバランス。その結果、ヘッド側の重量に対してグリップ側の重量が軽くなってしまう。ヘッドヘビーになると、ゴルファーの多くはパター全体の重さよりも、ヘッドの重さだけを感じます。ヘッドだけを感じると、グリップエンドを支点にしてヘッドを振り子運動させることになって、インパクトが緩んだり、手元がスムーズに動きづらくなるのです。

対して、重ヘッドのパターにロンググリップを装着すると手元側の重量も増してきます。大抵のロンググリップは重量が100g以上あるからです。その結果、カウンターバランスになって重ヘッドでもバランスが出過ぎない。クラブ全体が重くなるので、パター全体を動かしやすくなって、手元をスムーズに動かせるようになるのです。ショートパットでインパクトが緩みやすい人の場合でも、ロンググリップやシャフトスタビライザーのように手元側の重量を増す器具を装着すると‥‥手元がスッ、スッと動き、インパクトの緩みや引っかけのミスをかなり軽減できるのです。

 

加えて、ネオマレット型のパターのようにヘッドの慣性モーメントが大きいパターの場合、手元側の慣性モーメントを上げた方が(グリップ側の重量を増やした方が)パター全体のバランスが良くなって、スムーズにストロークしやすくなるメリットがあります。

プロが試合するコースのグリーンはスティンプメーターで11フィート以上と超高速。超高速グリーンではオーバーが怖くなると、たとえ百戦錬磨のプロであってもメンタル面が影響して手先が余計な動きをしやすくなります。ジャンボはそれを知っているから道具(ロンググリップ)でやらなくていいミスを減らそうとしているのです。

最近は我々アマチュアがプレーするゴルフ場でもスティンプメーターで10フィート以上の高速グリーンが増えてきました。ショートパットで苦労しているならば、ジャンボを大いに見習った方がいいでしょう。

 

んじゃ(▼▼)b

スパイダーのような大型ヘッドと相性抜群~

スパイダーのような大型ヘッドと相性抜群~

PS.マーク金井はネオマレット型パター専用のロンググリップ「MOIグリップ」を市販化に向けて開発中~。重量は115g。グリップ内径は普通のパター用の太さなので、普通のパターに装着しやすいのが特徴です~。

 


2013年04月27日アマチュアにとって本当に飛ぶ3W(スプーン)とは!?

66歳にして健在!(撮影 中野義昌)

66歳にして健在!(撮影 中野義昌)

先週の男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」では、43歳の塚田好宣プロが初勝利を上げ、今週の「つるやオープン」では66歳のジャンボ尾崎プロが初日に「62」のスコアでエージシュート達成。
ゴルフは息の長いスポーツと言われてますが、このベテラン勢の活躍は誰も予想してなかったと思います。ゴルフはキャリア(経験)がモノを言いますが、昨今のトーナメントコースはどんどん距離が伸びています。昔のように、ドライバーは飛ばなくてもアプローチとパターが上手ければ優勝争いできるなんてことはありません。ドライバーの飛距離が260ヤードぐらいだとツアーで通用しません。塚田プロジャンボも、ドライバーの飛距離は楽に270ヤードを越えています。そして最近の男子ツアーでは、3Wのティショット飛距離が半端無く出ています。テーラーメイドロケットボールズ(RBZ)キャロウェイXホットの3W(スプーン)を手にする選手達の多くは、270~280ヤードぐらい飛ばしています。中には300ヤード近く飛ばすプロもいたりします。

バッグは全て最新クラブの塚田好宣プロ(撮影 中野義昌)

バッグは全て最新クラブの塚田好宣プロ(撮影 中野義昌)

さて、この3Wの飛距離。

昔と比べて飛ぶようになったのには理由が2つあります。ひとつはボールの進化。昔のバラタボールは上手く打ってもスピンが多くかかりましたが、3Wだと3500回転以上出てしまうために、上手く打っても吹き上がって飛距離をロスしてました。それが今どきのスピン系ボール(ウレタンカバー)だと、3Wで打ってもスピン量は3000回転以下に抑えられる。プロのようにドライバーのヘッドスピードが50m/s以上出ていると、スピンを減らせるだけで20ヤード以上、飛距離を伸ばせます。

もうひとつはFWの浅重心&低重心化。
ロケットボールズ(RBZ)Xホットも重心が低くて浅い。これまたスピンを減らす効果があります。男子プロのドライバーの最適スピン量は2200~2400回転でですが、3Wのティショットでもスピン量がこれぐらいになると飛距離が伸びます。ちなみに、先週の東建で谷口徹プロは、10年以上前に市販されたキャロウェイの初代スチールヘッドを使っていました。これまた低重心。スピンを減らせるFWです。Xホットとの違いはヘッドの大きさ。Xホットはヘッドが大きく、初代スチールヘッドはヘッドが小ぶり。谷口は小さいヘッドの方がイメージ通りの弾道が打ちやすいから、今となっては中古ショップで5000円以下で売られている3Wを自分の武器にしているのだと思います。

谷口徹プロが長く愛用するキャロウェイ「スチールヘッド」

谷口徹プロが長く愛用するキャロウェイ「スチールヘッド」

では、浅重心&低重心FWはアマチュアが打っても飛ぶのか?
答えはイエスでありノーです。ドライバーのヘッドスピードが楽に45m/s以上あるならばスピンを減らした方が飛距離アップを狙えます。その一方でヘッドスピードが42m/s以下の人の場合だと飛距離を伸ばすのが難しいでしょう。ヘッドスピードが遅い人の場合、スピンが減り過ぎてしまうとキャリーが出づらくなるからです。今週も週刊ゴルフダイジェスト週刊パーゴルフヨネックス i-EZONEのタイアップをお手伝いしましたが、ヘッドスピードによって最適スピン量が異なります。ヘッドスピードが遅い人の場合、キャリーを出すには浮力が必要不可欠。その浮力となるのがスピン量だからです。ヘッドスピードが遅いアマチュアの場合、浅重心&低重心の3Wを使うと浮力不足に陥り、ランは出てもキャリー不足になるのです。

では、どうすればキャリー不足を補えるのか?

答えはロフトにあります。ロフトは打ち出し角を上げる効果があるのと同時に、摩擦力を発生させます。摩擦力というのはスピンを生み出す効果があるのです。例えば、低スピン弾道がオートマチックに打てるロケットボールズXホットの場合でも、3w(ロフト15度)だとキャリー不足になりますが、5W(ロフト19度前後)ならばロフトで打ち出し角を上げられ、ロフトでスピンを増やせるのです。意外と思うかも知れませんが、ヘッドスピードが42m/s以下のアマチュアの場合でしたら、3wよりも5Wの方がキャリーが出て、一番飛ぶFWになる可能性が非常に大きいのです。

メーカー側もそれが分かっているのでしょう。テーラーメイド初代ロケットボールズにはこんな3Wもラインアップされています。

なぜか日本未発売~

なぜか日本未発売~

HLはハイロンチ(HIGH Launch = 高い打ち出し角)という意味。米国のみを発売ですが3Wのヘッドにロフトを3度増やしたFW。5Wよりもヘッドが大きいので安心感があり、3Wよりもロフトが多いのでヘッドスピードが遅くてもボールが上がります。そして長さも3Wと同じだけあるので、これまたボールの上がりやすさにつながっています。まさに日本人ゴルファー向けなのに‥‥残念なことにテーラーメイドは日本での発売を見送っています。
FWはロフトが少ない方が飛ぶと思っているアマチュアが少なからずいますが、これは大きな誤解です。ドライバーのようにティショット専用ならばともかく、FWは地面から打って飛距離を稼ぎたいクラブ。これを考えると、FWで浅重心&低重心に設計した場合、普通のアマチュアが使うならばロフトを増やすことが必要不可欠です。

ドライバーは表示ロフトよりもリアルロフト(実際のロフト)が多いのが当たり前になっています。ひょっとしたら、近い将来、ドライバー同様、FWも表示ロフト15度で、リアルロフトが17度の3Wが登場するかも知れないですね~。
んじゃ(▼▼)b

PS.FWはシャフト重量も大事!!!マーク金井は最適重量のFWを使ってもらうべくW65を設計しました。ドライバーのシャフト重量が50g台、60g台のゴルファーにぴったりです~。

ロケットボールズFWにぴったりのウッド用シャフト「W65」 好評の専用カラーはこちらから。

【過去記事参照】
「FWが苦手なゴルファーはシャフト重量に注目すべし!!」

「理想のFW用シャフト、ドライバー用シャフトとは!?」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた‥‥」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた 後編」