マーク金井blog

2006年06月27日シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その3

★関係記事はこちらから↓

「シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その1」

「シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その2」

シャフト、シャフト、シャフト‥‥

昨年同様、この時期はアフターマーケットのシャフト試打が集中してますが‥‥今年のテーマは同一モデルのフレックス(硬さ)チェック。市販クラブのシャフトは年々軟弱化しているだけに、それとどれぐらい硬さが違うのか大いに気になるからです。

で、途中経過を報告すると、

大手メーカーではフジクラは従来通り硬めの設定のモノが多く、グラファイトデザインはフジクラよりもやや軟らかめの設定(それでも市販よりはかなり硬めですが)、そして三菱レーヨンはその中間ぐらい。ただし、1モデルづつ硬さチェックすると、同一メーカーでも硬さ設定は同じではありません。硬めのSがあったり、軟らかめのSがあったりすするので‥‥硬さに対して固定観念を持っている人は、適正フレックス決めつけるのが難しくなるのが再確認できました。

そして、試打を重ねていく内に「ホンマかいな~」と突っ込みを入れたくなったのが、フレックスの階段(RとSの違い、SとXの違い)!!!!!!!!!!!!!!

硬さの目安となる振動数、センターフレックス計でシャフト計測すると‥‥

シャフトA  R振動数 255cpm  CF値 5.04
S振動数 260cpm CF値 5.39

とマージンが少ないシャフトがあるかと思えば、

シャフトB  S振動数 250cpm  CF値 4.14
X振動数 267cpm  CF値 4.74

とマージンが大きいシャフトも。硬さ設定にに基準がないのは重々承知してますが、ここまで振れ幅が大きいのは予想外でしたし、実際に試打しても計測値の幅が少ないシャフトは硬さの違いが控えめで、計測値の幅が大きいシャフトは、硬さの違いがハッキリ出てました。そして、改めてシャフト自分の仕事(シャフト試打)やりがいを感じています。

硬さの基準については、「これだ!!」というパラメーターを作るのが難しいですが、硬さの階段(硬さの違い)については、「振動数+センターフレックス値」と「人間試打」のフィーリングはほぼ一致。今のところ例外はありません。

おーっと、ブラジルvsガーナ戦が始まっている‥‥

んじゃ。


2006年06月26日ネーミングに一目惚れ!!!

自前のスタジオを神田に作って早1年経過‥‥
毎日のようにクラブ、シャフトを試打してますが、昨日、ボクが一目惚れしたのがこれっ!!

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タイプMK-1ってことは‥‥マーク金井の略か??? と思っていたら、大きな勘違い(汗;)メーカーのサイトで調べてみたら‥‥

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軽量スチールでお馴染みの日本シャフト「NSプロツアー」。中調子(ミドルキックポイント)のシャフトなもんで、MKとネーミングしたんでしょう。

さて、このMK-Ⅰ。スチールで有名なメーカー品ということもあってあまり注目されてませんが、仕上がり感はかなりのモノ。シャフト重量は約65グラムで、45インチで組上げて見ると‥‥

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総重量が319.9グラム(ヘッド重量は約202グラム)
45インチで組上げると、

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Sの振動数が260cpmで、Xが271cpm。アフターマーケットのシャフトとしては標準的な硬さで、手元と先端側を固めたタイプ。物性的には今流行の中調子ということになりますが、打ってみてビックリ。中調子の中ではシャフトの走り感が適度にあって、中弾道で伸びのある球が打てました。吹き上がり感も少ないので、キャリーとランで飛距離を稼げます。ベクターで計測してみても理想的な数値が出ましたし、打ちっ放しで試打しても落ち際まで球の勢いが衰えません。

そしてなにより‥‥

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シャフトが「しなって」「しなり戻る」という動きがつかみやすい。また、弾性率が高い繊維を使っていないからでしょう。いい意味シャフトには適度な遊び(トルク)があるので、切り返しのタイミングがつかみやすく、フィニッシュまで一気に振り抜けます。

ただ、惜しむらくはフレックス設定。軽く振っている時はSでちょうどいいのですが、体が暖まってくるとSだとちょっとモノ足りません。Xは気合いが入るとちょうどいいですが、8割ぐらいで振りたい時にはちょっと手元側が硬すぎる‥‥。個人的にはSとXの中間の硬さがちょうどいい感じですが、残念ながらその硬さは市販されてません。

どうする俺???


2006年06月19日シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その2

関係記事です→「シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その1」

この1週間‥‥シャフトを試打・試打・試打しまくって、ブログ更新をすっかり怠っているマーク金井です(2週間で約200本テスト)

さて、今回もシャフトの「硬さ」につて。クラブ(シャフト)メーカーの多くは‥‥

シャフトを弓なりに反らせて(曲げて)硬さを調べたり、

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(ピストンで手元側を押し下げ、シャフトが復元しようとする力を秤で計測)

振動数計で

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(手元側を固定してシャフトを縦に振動させて計測)

硬さを計測しています。どちらも数字が大きいほど「硬い」という定義ですが、計測法が違うために両方の数字がリニアな関係にならない場合もあります。

では、曲げて計測するのと、振動させて計測するのとではどちらの方が正確なのか?

人間が使う道具として考えると‥‥

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振った時のフィーリングと数値が一致するのがベストですが、「曲げ」「振動」とも、単体計測では硬さの違いを正確にジャッジしづらいというのがボクのスタンス。

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(6.7は硬さを表す数字)

例えば、○SPで同一モデルで硬さが微妙にことなるシャフト(曲げ計測値が6.5と6.7kg)の数値を計測してみると、

6.5  振動数256cpm  センターフレックス値4.02
6.7  振動数256cpm  センターフレックス値4.10

センターフレックスは曲げ計測器とほぼ同じ原理で、シャフトを弓なりに曲げることで

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シャフトセンター付近の硬さを調べる機械。数値的に見ると、この2本はほとんど硬さです。ワインのテイスティング、日本酒の聞き酒よろしくブラインドテスト(目隠しテスト)でボールを打ってみると‥‥案の定正解率は66.6パーセント(3回やって2度正解)でした。

ここまで硬さが近いシャフトはそうありませんが、他社シャフトを試打してみても感じるのは、
振動数が上がれば、スイングした時に硬く感じること。振動数が同じ場合は、先調子よりも手元調子の方が振った時に硬く感じる。そして、振動数が同じぐらいだと、センターフレックス(曲げ計測)値が高い方が、振った時に硬く感じることです。

現在、市販シャフト80種以上をフレックス違いで計測、そして実際に試打していますが、途中段階では振動数、センターフレックス値の両方から割り出した硬さと、実際の硬さが違うシャフトは1本もありません。

ただし、今のシャフトは「何だこりゃ~」「ホンマかいな?」というぐらい、硬さ表記(RとかS)があてになりません。例えば、市販モデルのSシャフトは、アフターマーケットのRよりもはるかに軟らかかったり、アフターマーケット物でも、RとSとの硬さの違いが少なかったり、非常に大きい場合もあったりする。打てば打つほど、表示は同じでもホントの硬さはバラバラですわ~。

シャフトの個性をハッキリさせるには硬さにこだわることも必要だと思いますが、硬度設定に幅があり過ぎるとると、ユーザーが硬さを選び「間違える」リスクも出てくるはず。ボクがクラブ&シャフトメーカーの人間だったら、自社製品の硬さの序列を作りたくなっちゃいますね~。

んじゃ。


2006年06月12日シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その1

新入社員N島春巻、そしてアナライズの懐刀「A坂」氏もブログを頑張ってくれているおかげで‥‥最近は書かずにいられるマーク金井です。

とは言いつつも、ブログで書きたいネタも溜まりまくっており、そのひとつがシャフトの硬さについて。ご存じのように、シャフトにはRとかS、Xといった表記で硬さを示してますし、大抵のクラブ(シャフト)は硬さのバリエーションをラインアップしてます。洋服のサイズ合わせ同様、硬さもユーザーが選べるのはとってもありがたいんですが‥‥洋服と決定的に違うのは硬さに明確な基準がありません!!!(洋服もメーカーによってサイズが異なりますが、シャフトはそれ以上にアローワンスがが大きい)

同じRでもメーカーが異なれば、硬さが異なり‥‥
同じメーカーのRどうしでも、モデルが異なれば硬さが異なり‥‥
同じメーカーでもモデルチェンジすると、硬さが異なってくることが多々あります。

では、そんな基準の無い世界でクラブメーカー、シャフトメーカーはどうやって硬さを決定しているのか?

理由は分かりませんが、多くのメーカーは硬さを決定させるための物理的な計測法、そして計測数値を積極的にはリリースしません。中には、「ゴルファーに合わせて硬さを決めています」なんて‥‥分かったような分からない答えが返ってくることもあります。

そんな中、先日、アナライズの新入社員N島春巻きと、工房担当A坂氏とシャフト工場見学で発見したのがこれっ!!

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同社では、シャフトを強制的にたわませ、その中間部分にかかる負荷(はかりを押し下げる力)を数値化し、その数値で硬度を決定させているとのこと。工場見学を快諾していただいた○SPの社長によると、同社以外では○ラファイトデザイン、○ミヤでも同じ方式でシャフトの硬さを測っているそうです。また、○SPと○ミヤのシャフトには‥‥

はかりに表示される数値、例えば、6.7キロなら6.7がシャフトにプリントされています。この場合、例えば、6.5よりは6.7と表示される方が「硬い」と位置づけられます。

そして、もうひとつ硬さを測るパラメーターとなっているのが振動数計。

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シャフトメーカーではフジクラがこの方式を採用。そして、巷のゴルフショップの多くも振動数計を使ってシャフト硬度を調べています。ボクのスタジオ「アナライズ」も硬さの目安として振動数計は欠かせません。

そして、「アナライズ」ではシャフト中央の硬さを測るセンターフレックス計も併用。振動数計は手元側の硬さを測るのに適してますが、シャフトセンター、シャフト先端部分の硬さを調べづらいから。例えば、同じ振動数であっても、センター部分、先端部分の硬さがことなると、実際に振った時に微妙に「硬い」「軟らかい」の差が出るからです。

シャフトを一定量曲げて硬さを調べる、シャフトを振動させて硬さを調べる‥‥今のところ、この2つの方法がポピュラーですが、ボクは自分のフィーリングも凄く大事にしており、どんなシャフトも手にしたら‥‥

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体の正面でワッグルし、

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そしてヘッドとグリップを握って、シャフトをねじります。すごくアナログな方法ですが、職人さんが指先で寸法が分かるのと同じで、毎日のようにシャフトを試していると、シャフトの硬さがかなり正確に分かるようになってきます。また、自分のフィーリングで感じる硬さと、計測器で調べた数値が合致していないと納得できないんですわ~。

んじゃ、この続きは次回というとで‥‥


2006年06月06日1秒1000コマ!!!!!

前回紹介したカメラは‥‥

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フルデジタル・ポータブル高速度カメラ「トラブルシューター」。ポラロイドカメラみたいなサイズですが、な・な・なんと1秒間に250~1000コマ撮りが可能なんです。

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1秒間に250コマ。ファイルはAVIなので汎用性がありますし、

本体にはテレビともつなげられる端子があります。そしてレンズの裏側には‥‥

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4インチぐらいのモニターも。PCとの親和性もいいのも◎(USB接続)。これでスイングを撮影すれば、テークバックからフィニッシュまでブレのない画像が記録できそう。

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担当の○中さんによると‥‥価格は車一台分ぐらいとのこと。ボクもスイング分析用に使ってみたくなりましたが‥‥値段がネックで断念しました。 んじゃ。