マーク金井blog

2013年04月30日練習場でボールをたくさん打つことの弊害‥‥

寒くもなく、さりとて暑くもない。GWのこの時期はゴルフを楽しむのに最高の季節でしょう。コースはどこも大盛況ですし、練習場も多いにぎわい。都内の練習場は1時間以上の待ち時間がザラになっています。

神田にスタジオを構えるようになって9年目を迎えています。マーク金井は夜な夜な室内スタジオで練習していますが、ボールを打つ数は極端に少ないです。30分だと10球弱、1時間の練習でも20球ぐらいしか打ちません。ボールを沢山打つことと、ゴルフが上手くなることとは何ら関係ないと思っているからです。そして1球打つ毎にビデオでスイングチェックをしているから、1球打つのに時間が掛かってしまうのです。

マーク金井、深夜の練習風景

マーク金井、深夜の練習風景

そして誤解を恐れずに言えば、一定時間内にたくさんのボールを打つことは、ゴルファーを下手にしてしまう(下手を固める)危険性を大いにはらんでいます。ボールを沢山打つことと、正しいスイングを身に付けることとの間には、何の因果関係もありません。沢山打てばボールに当てるのが上手くなるだけで、スイングの形が良くなるとは限らないのです。

またアマチュアの多くは時間制打ち放題の場合、たくさん打った方が「お得」だと考えがちです。例えば1時間1000円だとすれば‥‥10球打てば1球あたりの単価は100円。100球打てば1球あたりの単価は10円まで下がります。1球あたりの単価を下げようと頑張ることはあっても、1球あたりの単価を上げようとする人は滅多にいません。練習場でも「オレは今日、1時間で250球打った」と自慢する人はいても、「オレは今日、1時間で20球しか打たなかった」と自慢する人には、未だお目にかかったことはありません。

他方、実際のゴルフ場でのプレーはどうでしょう? プレーフィーが1万円のコースでプレーした場合、100を叩く人は90を出すことを望み、90で回っている人は80を目指しているはず。ゴルフは打数をいかに少なくするかを競うもので、どんなゴルファーも例外なく、「上達=1球あたりの単価を上げる」ことを真剣に望み、それを実践しようとする。1球あたりの単価を下げることを(大叩きすることを)自慢する人はまずいません。

「上達したい」「ゴルフが上手くなりたい」と本気で考えているならば、練習と本番とで自分のやっていることが逆になるのは避けるべきです。逆なことを一生懸命続けるほど、「練習のための練習」になるし、「練習場シングル」にもなりかねないのです。ゴルフの目的が1球あたりの単価を下げること(打数を減らすこと)ならば、練習に置いても1球あたりの単価を下げることを意識すべきです。そうした方が、「練習で打てたショットが、コースで打てない」とか、「練習場では気楽に打てるのに、コースに出たらプレッシャーがかかって上手く打てない」などの問題を克服できます。また、1球当たりの単価を上げることを意識すれば、練習では何をすべきで、何をすべきでないかも分かってきます。

やるやらないは皆さんの自由ですが、例えば、1時間1000円の練習場で「1球だけ打って帰る」と言うのを一度でいいから試してみて下さい。1球1000円です。高いですよ~(笑)

ものすごく贅沢、ものすごく勿体ない練習ですが、1時間で200球打った時には絶対味わえないプレッシャーを確実に体験できます。人によってはコースに出た時よりも緊張するでしょう。「練習場は気楽に打てるのに‥‥」なんて言ってる人も、そんな軽口は絶対に叩けないはずです。

大事なことなので繰り返しますが、ゴルフの本質は「1球当たりの単価を上げること」。それがゴルフの本質ならば、練習でも「1球当たりの単価を上げる、(下げない)こと」はっきりと自覚し、そして実践すべきです。

もちろん、正しいスイングを身に付けるには質だけでなく量も必要です。でも、「練習量=たくさんボールを打つこと」ではありません。スイングを変えたいならば、スイングが変りやすい方法で練習をすること。具体的に言うと、ボールを打たないで正しい形を覚えた方がはるかに合理的だし、練習したら、練習した分だけ上手くなれるのです。

効果的な素振りはいくつかありますが、右手と左手の使い方の違いを感じながら素振りすること。マーク金井はゴルフの竪琴という練習器具を使って練習することが多いですが、これを使うと、右手と左手の役割、右手と左手の正しい位置関係を直感的に感じ取り、そして学ぶことができます。レッスン書などで「右手は上、左手は下」という表現がよく出てきますが、竪琴を使うと、これがどういう意味かすぐに分かります。

初中級者、特にスライスに悩むゴルファーの多くは、フォローで左ひじが引け、左ひじがくの字に曲がっていますが、これも竪琴を使って素振りすると短時間で矯正できます。左ひじが引けたり曲がったりするのは、インパクトゾーンで右手を使い過ぎているからです。右手を使いすぎるから左ひじが余ってしまい、左ひじが引けたり、曲がったりしてしまうのです。

インパクトゾーンで右手を使いすぎないためには、まずは右手を使わないでフォローが取れるようになること。それを体感するのに役立つのが、写真のハーフスイングのドリルです。ハーフスイングではトップでもフォローでも「右手が上」になっていることを意識する。これを体の動きととともにゆっくり、とにかくゆっくり行うことをやって下さい。フォローで右手が上になることを覚えないことには、実際にボールを打つ時に左ひじは伸びてこないのです。

テイクバック

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インパクト

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練習場でボールを打つと練習した気になりますし、ナイスショットを打てば高揚感を味わえます。でも、残念なことにスイングが改善させる確率は非常に低い‥‥本当に上手くなりたいならば、上手くなれる方法で努力した方が、ボールをたくさん打つよりも努力が報われるのです。

んじゃ(▼▼)b

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カテゴリー ゴルフの竪琴, スイング、ゴルフ練習法

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