マーク金井blog

2017年04月09日超私的な考察、マスターズが開催されるオーガスタナショナルはなぜ難しいのか!?

PGA男子メジャー初戦、マスターズの予選ラウンドが終わりました。2日間を終えて、トップのスコアは4アンダー。全米オープンに比べるとスコアが伸びていますが、通常のトーナメントに比べるとスコアはそれほど伸びてません。オーガスタはフェアウェイもそれほど狭くありませんし、ラフも長くはありません。にも関わらず、出場選手はスコアメイクに苦労しています。日本勢では松山英樹プロは予選通過してますが、池田勇太プロ谷原秀人プロは予選落ちしました。ちなみに、予選落ちした2人は世界ランクは50位以内です。

今年もいろんなホールでドラマが起こっていますが、初日でもっとも衝撃だったのはジョーダン・スピース(2015年優勝、2016年2位)の15番ホールでの「9」の大叩きでしょう。ショットを振り返ると、3打目を迎えるまでは特に問題ありませんでした。

http://www.masters.com/en_US/players/player_34046.html

・3打目。フェアウェイから打ったショットはグリーン手前に乗るものの、バックスピンで逆戻りして池ポチャ(一打罰)
・5打目。ドロップして打ったショットは大きくグリーンオーバー。
・6打目。奥からのアプローチはオーバーして10メートル以上のロングパットを残す
・7打目。ファーストパットは2m弱ショート
・8打目。2m弱のパットを外す
・9打目。20cmのパットをカップイン。

スピースほどのショットメーカーがグリーンに乗せるまでに6打も費やし、スピースほどのパットの名手が3パットしてしまい、クアドラボギーを打ってしまいました。ちなみに、二日目に松山英樹はこの15番は2オン2パットでイーグル逃しのバーディーを取っています。

 

15番はイーグルも狙えるホールであり、かつトリプルボギー以上の大叩きもしてしまうホールです。全米オープンの開催コースはセッティングが難しいですが、オーガスタのように1ホールでスコアが大きく変わってしまうホールというのはほとんどありません。言い換えると、オーガスタの難しさ、マスターズの難しさというのは天国と地獄を味わえるホールが多いことにあるのです。

 

では、世界の一流どころが出場しているにも関わらず、マスターズ(オーガスタ)では同じホールで天国と地獄を味わうってしまうのでしょうか?

 

マーク金井は1993年にマスターズの取材でオーガスタナショナルに足を運びました。当時はラフはありませんでしたが、グリーンはポテトチップスのような凸凹があり、超高速です。テレビでは分かりづらいですが、アップダウンが強く、かつドッグレッグホールが多いのが特徴です。もちろん、このようなレイアウトのコースは他にもありますが、オーガスタナショナルならではなのが、ベストポジションとワーストポジションが紙一重なこと。そして、ボールを止めるのが非常に難しいホールが多いのです。

 

例えば、スピースが「9」を打った、15番ホール。セカンド以降は打ち下ろしでグリーンは横長で奥からは砲台形状。手前には池があり、奥は強い傾斜です。よほどの上げ寸と風が吹かなければ2オンが狙えるチャンスホールですが、反面、グリーンを狙う時は、

 

手前もダメ、奥はもっとダメ

 

そしてグリーンは強い受けグリーン。ショートアイアンでグリーンを狙う場合、バックスピンでボールが逆戻りして池ポチャしやすくなっています。そしてショートを嫌がって強めに打ってオーバーすると、今度は打ち上げで下り傾斜のグリーンに向かってのアプローチ。奥に外すと、ボギーはおろかダボ以上なる場合があります。

 

15番だけではありません。ほとんどのホールは「ショートはダメ、オーバーもダメ」という感じにレイアウトされてますし、グリーン面は平坦ではないので、ボールを止めづらくなっています。オーガスタの難しさはボールを止められる場所が非常に限られていることにあります。

そして、もうひとつの難しさはアプローチやパッティングが直線的ではなくて、かなり曲線的なラインを描くことにあります。

 

2日目の18番ホールはピンが手前に切ってありました。このホールで、松山英樹選手はセカンドをグリーンオーバー。奥からのアプローチはあわやチップインでしたが、ボールは直線的にピンに向かって転がってません。ボールはグリーンから外れるかの方向に転がり出し、そして途中からは円を描くかのように右に大きく曲がっています。アプローチとパッティングにおいては、アクロバットのようなショットやパットが求められるのです。

 

2日目を終えてトップに立っているひとりのチャーリー・ホフマンは初日65で、2日目は75を叩いています。マーティン・カイマーは初日78を叩きながらも、2日目は68で回って上位に食い込んでいます。オーガスタナショナルは世界の一流どころでも一日でスコアが10打ぐらい平気で変わってしまうのです。

 

2日目を終えて松山英樹プロは+2。トップとは6打差ですが、この差は数字ほど大きくありません。3日目を終えて6打差ついていたとしても、まだ優勝争いに加われるのがマスターズトーナメントの面白さでもあり、恐ろしさでもあるのです~。

 

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