マーク金井blog

2013年12月08日プロゴルファー残酷物語‥‥

今日は男子ツアー最終戦、日本シリーズの最終日。この試合はツアー競技の中でも特殊で、本年度のツアー優勝者と、賞金ランキングの上位者しか出ることができません。今年は29選手が出場しています。

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宮里優作頑張っています JTカップ勝って欲しい! 写真はGDOから転載

日本シリーズは4日間競技ですが予選落ちがありません。どれだけでスコアが悪くても賞金が出ます。これもツアー競技では唯一です。ご存じの人も多いと思いますが、ゴルフのプロの試合は競技中に予選カットがあって、予選落ちすると賞金額はゼロです。試合に出られないプロも大変ですが、試合に出られても予選落ちを続けるプロはもっと生活苦に陥りいます。

さて、今日のエントリーはプロゴルファーの実態について書きます。

今週発売の週刊現代で、こんな見出しを見つけました。

特別レポート
プロゴルファー「生き残り」こんなに難しい。

バブル崩壊後、プロゴルファーで飯を食うのが大変だというのはゴルフ業界では半ば常識です。ゴルフ場はプロゴルファーを積極的には雇いませんし、所属契約を結ぶスポンサーも激減しています。そして何より、男子ツアーは試合数が年々減り続けています。マーク金井は26年前からゴルフ業界の人間になりましたが、その当時は毎週のようにツアー競技があり、ゴルフ場もプロゴルファーを抱えているのが当たり前でした。当時は、プロテストに合格してプロの資格を得れば‥‥それだけでもサラリーマン以上の生活ができてました。

ところがバブル崩壊後、ゴルフ業界はガラッと変わりました。ゴルフ場はセルフプレーが当たり前。所属プロを解雇するゴルフ場は増え、そしてプロゴルファーの職場ともいえるトーナメントは減り続けています。にもかかわらず、プロゴルファーの数は減っていません。日本プロゴルフ協会のプロテストは毎年実施され、毎年50名(正確には50位タイまで)がプロになります。引退するプロもいるかと思いますが、ゴルフは50歳を過ぎても現役可能。プロゴルファーは年々増えているのが現状です。

そして現状はというと‥‥

週刊現代の記事でも書かれていますが、新人の松山英樹プロが2億稼いで賞金王になった陰で、来季のシード権をかけたサバイバルレースが繰り広げられています。シード権を確保できるかどうかで翌年のプロゴルファーの人生が決まるからです。記事ではシニアツアーで活躍する室田淳プロの最終戦の模様がこんな感じでドキュメント的に紹介されてました。

ホールを離れクラブハウスに向かう室田に一人のファンがサインを求めて駆け寄った。

「サインはしない、俺はもうプロゴルファーじゃないから」

そう言って、室田はその場を立ち去った。室田のプライドをかけたシード権争いは、こうして終わった。それは同時に、来年の生活の糧、収入を失うことも意味していた。室田の賞金ランクは838万335円で84位。対して来年のツアー参加資格を得られるシード権獲得選手は賞金ランク上位72名まで(本来は70位だが、今年はランク上位に出場義務試合数が不足している選手が2名いるため)。

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(以上、週刊現代12月14日号より引用)

記事ではシード落ちするといかに生活が大変かが具体的に書かれてますが、実は、プロゴルファーはプロゴルファーになることもかなり大変なのです。プロになるためには、かなりお金が必要なんです。野球、テニス、サッカー、スキー、ボクシング、等と比べると、ゴルフはプロになるためには(正確には日本プロゴルフ協会認定のプロ)、私立大学に入るぐらいのお金が必要です。

具体的に言うと、まずテストを受けるのにお金がかかります。そして、プロになったらなったで登録料、そして年会費がかかります。具体的に言うと、

<プロテスト プレ予選>

受験資格

○PGA資格認定プロテストは、その年度中に、16歳に達する者以上の男性で
下記対象者が受験できる。国籍は問わない。

1 JGAハンディキャップ3.0以内の者。(ハンディキャップ証明書は申込締切日に有効期限内のもの。)

2 日本人でR&A、USGA、IGFのハンディキャップ3.0以内の者。

3 日本国内の高校又は大学のゴルフ部在籍経験者。

4 各地区の連盟に加盟していないゴルフ場又は練習場に所属している研修生。

5 支配人会又は練習場連盟の研修会推薦による1次以上の出場資格を得られなかった研修生。

6 過去にアマチュア競技成績の受験資格でプロテストを受験した者。

7 PGAティーチングプロ。

8 他国のPGAライセンス取得者。(日本人を含む)

1~4・6・8
受験料   52,500
書類審査料  5,250
振込金額  57,750

5・7
受験料    52,500
書類審査料   ー
振込金額   52,500

<1次プロテスト>

受験資格

1 プレ予選プロテスト通過者。

2 支配人会又は練習場連盟の第1次プロテスト推薦に該当する研修生

3 PGAティーチングプロ選考会による出場資格取得者

4 2012年度最終プロテスト出場者。

5 アマチュア競技成績の該当者。

1.日本学生ゴルフ選手権 4位~10位
2.日本アマゴルフ選手権 4位~10位
3.全日本パブリックアマ選手権 4位~10位
4.朝日杯争奪全日本学生ゴルフ選手権 2位~10位
5.文部科学大臣杯争奪全日本学生王座決定戦 優勝者を除くベスト8
6.日本ジュニア選手権 1位~10位
7.全日本高等学校ゴルフ選手権 1位~10位

※本資格についてはプロテストを合格しなかった場合、次回はプレ予選からの出場となる。

受験料   73,500
書類審査料 ー
振込金額  73,500

2・3

 

受験料   105,000
書類審査料 ー
振込金額  105,000

4・5

受験料   105,000
書類審査料 5250
振込金額  110,250

<2次プロテスト>

受験資格

1 第1次通過者。

2 支配人会又は練習場連盟の第2次プロテスト推薦に該当する研修生及び下記競技成績該当者

1.全日本ゴルフ選抜競技大会 春季大会 上位3名
2.全日本ゴルフ選抜競技大会 秋季大会 上位3名

3 PGAティーチングプロ選考会による出場資格取得者

4 アマチュア競技成績の該当者。

1.日本学生ゴルフ選手権 2位~3位
2.日本アマゴルフ選手権 2位~3位
3.日本オープンゴルフ選手権 ローアマチュアを除く決勝ラウンド進出者
4.全日本パブリックアマ選手権 1位~3位
5.朝日杯争奪全日本学生ゴルフ選手権 優勝者
6.文部科学大臣杯争奪全日本学生王座決定戦 優勝者
7.各地区学生連盟ゴルフ選手権 優勝者
8.各地区連盟アマゴルフ選手権 優勝者

※本資格については最終プロテストを合格しなかった場合、次回はプレ予選からの出場となる。

受験料   73,500
書類審査料 ー
振込金額  73,500

2・3

受験料   157,500
書類審査料 ー
振込金額  157,500

4

受験料   157,500
書類審査料 5,250
振込金額  162,750

<最終プロテスト>

受験資格

1 第2次プロテスト通過者。

2 支配人会又は練習場連盟の研修会の最終プロテスト推薦に該当する研修生。

3 PGAティーチングプロ選考会による出場資格取得者。

4 アマチュア競技成績の該当者。

1.日本学生ゴルフ選手権 優勝者
2.日本アマゴルフ選手権 優勝者
3.日本オープンゴルフ選手権 ローアマチュア

※本資格についてはプロテストを合格しなかった場合、次回は第1次プロテストからの出場となる。

5 その他PGAが承認した者。
受験料   73,500
書類審査料 ー
振込金額  73,500

2・3

受験料   210,000
書類審査料 ー
振込金額  210,000

4・5

受験料   210,000
書類審査料 5,250
振込金額  215,250

入会金等登録に必要な費用
入会金登録料等  400,000円
協会費に関して
入会後、協会費として42,000円が必要となります。

単位= 円
※上記は全て消費税込み
(以上、日本プロゴルフ協会から引用)

受験資格によっても異なりますが、プロになるためのテストだけで20万以上の受験料がかかります。そしてプロテストはゴルフ場でやるので移動交通費、宿泊費、練習ラウンド代がかかります。すべてを合わせたら、テスト合格までには100万円くらいかかるでしょう。受かれば良いですが、受からなければ支払ったお金はまったく戻ってきません。そして、受かれば受かったで、登録料が44万2000円、そして年会費も数万円かかります。

うーん、この金額を見てしまうと‥‥

ゴルフは数あるプロスポーツの中でも、プロになるのにお金がかかるスポーツと言わざるをえません。加えて、プロになったらなったで、今度は試合に出るのに高いハードルをクリアしないといけないのです。週刊現代の記事にも書いてありますが、シード権を持たないプロは、QT(予選会)に出場し、それで上位に食い込まないと試合に出れないのです。もちろん、QTも無料ではありません。エントリーフィー、移動費、宿泊費、練習ラウンド代がかかります。QTを全部クリアするのには50万円以上のお金が必要でしょう。

現在、ツアー競技を目指しているプロゴルファーの数は2000〜3000名ぐらいいると思われます(プロ資格を持っていない人を含め)。この中からQTをクリアしてツアー試合に出られるのは最大で50名前後です。

プロゴルファー、特に試合を夢見ているプロには固定給はありません。試合に出られないときは練習に明け暮れることになりますが、練習ではお金を稼げません。一見、華々しいプロゴルファーの世界ですが、一人握りのトッププロを除けば、非正規雇用の社会人と同じぐらい厳しい現実の中で生きているといわざるをえません。プロになるのも大変ですが、プロになったらなったで厳しい現実が待ち受けている。これがゴルフのプロの世界です。

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