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2013年04月04日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥その2

「ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥」←はコチラから

GDOのホットリストでもゴールドに選ばれたピンのG25。すでにGDOで試打レビューをアップしてますが、このドライバーの特徴はヘッドが「重い」だけではありません。重心距離が44ミリ前後と非常に長く、そして超オープンフェース。重心距離が長くてオープンフェースとくれば‥‥これはもうフッカー御用達ドライバーでしょう。コスリ球に悩むゴルファーよりも、引っかけや、チーピンに悩むゴルファーと非常に相性良く仕上がっています。

GDO調べでは重心距離は43.12ミリです。アナライズ計測と1ミリ弱異なりますが、これは個体差、ならびに計測者が異なるからです。ゴルフクラシックでも計測データが出ると思いますが、恐らく、数値は若干異なるでしょう。重心距離、重心高さ(スイートスポット位置)、フェースアングル、重心深度‥‥これらは人間が計測するため、測定者によって数値が若干変わります。ですので、ヘッドのスペックを比較する場合は、同じ測定者の数値でチェックすることが必要不可欠です。

重心深度、慣性モーメントについては見た目通りの数値で‥‥

重心深度42.57ミリ
慣性モーメント5149gcm2

重心距離が長さと慣性モーメントの数値は関連性がありますが、それにしても5149gcm2は大きい!!!!! 市販トップクラスの大きさでしょう。重心も非常に深いので、芯を外すして打ってもヘッドがブレにくい。見た目だけでなく、数値的にも飛距離と方向安定性に優れています。ただし、ここまで重心距離が長くて慣性モーメントが大きいとヘッドの操作性は高くありません。ドローやフェードを微妙に打ち分けることは‥‥かなり難しいドライバーです。

続いてシャフトを丸裸にしていきましょう。

日本仕様の純正シャフト、TFC360Dは

重量53g
トルク5度

スペック的には国内メーカーのドライバーと同じぐらいの数値で、一見、日本人ゴルファー向けのシャフトに見えます。ところが、ところが‥‥ワッグルするとシャフトはほとんどしなりません。それもそのはず、振動数で硬さを調べてみると‥‥

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

269cpm!!!!!

国内メーカーの純正Sに比べると、「何だこりゃ~」ってくらい硬い。国内メーカーの純正Sの振動数は240~250cpm。振動数だけで硬さのすべては分かりませんが、国内メーカーの純正Sに比べると、G25(日本仕様)の純正Sは2フレックスぐらい硬い。グラファイトデザインフジクラUSTマミヤ三菱レイヨンシャフトと比較しても‥‥G25の純正Sは硬い。アフターマーケット用のSシャフトの、振動数は260cpm±5ぐらいです。純正シャフトはアフターマーケット用シャフトよりも「軟らかい」というのが当たり前なゴルフ業界の中で、このG25だけはその常識を完全に覆しています。ちなみに、純正シャフトにTFC180Dというのもラインアップされていますが、こちらは更に硬く仕上がってます。

アナライズでは硬さを測る場合、センターフレックス計も用いますが、こちらのデータでも硬い。純正S(TFC360D)の数値は‥‥

4.62kg

これはアフターマーケット用シャフトの「S」の平均よりも少し上。Sフレックスでセンター部分が硬めに仕上がっているシャフトの平均とほぼ同じぐらいな感じです。

ピンは昔から硬いシャフトを装着したがる傾向がありますが、このG25においてもその伝統が継承されているのでしょう。純正シャフトの場合、ヘッドスピードが43m/sあれば「S」を使いこなせることが多いですが、G25にはその常識は当てはまりません。G25の純正Sをちゃんと使いこなすには、最低でも45m/s以上のヘッドスピードが必要でしょう。GDOの試打インプレでも書きましたが、ヘッドスピードが43m/s前後ならば、迷わずSRをお勧めします。

硬さについて補足すると、実際に打つと振動数ほどは硬く感じません。マーク金井のメルマガでも書きましたが、それはトルクが多めだから。トルクが多くなるとスイング中にシャフトがねじれやすくなり、その分だけゴルファーは「軟らかさ」を感じるからです。

純正Sシャフトのもうひとつの特徴は手元重心設計。ピンだけでなく、最近はバランスポイントを手元側にシフトしたシャフトを装着するメーカーが増えてきました。手元重心というと目新しく感じますが、要するにカウンターバランス設計です。これは20年以上前からあった考え方で、手元側を重くすることでバランスが出過ぎるのを防ぎます。ピンの場合もそうですが、手元重心に設計すると重いヘッドを装着してもバランスが出過ぎない。重ヘッドとか、46インチ以上の長尺の場合、シャフトは手元重心にした方がクラブ全体のバランスが整ってきます。G25の場合、G20のシャフトのTFC330より更に約2cm手元側に移動となり、合計7cm手元寄りに重心(バランスポイント)が移動しているそうです(メーカー調べ)

カウンターに関して言えば、シャフトの重量配分だけでなくグリップ内に鉛やウエートを装着することでも手元重心にできます。アナライズではグリップ内部に装着するシャフトスタビライザーを販売していますが、これを装着すると15~40g、手元側を重くできます。クラブ総重量はかなり増しますが、手元側が重くなるだけ。ヘッド側が重くなるわけではないので、振った時には重さをあまり感じません。G25に限らず、重いヘッドを持て余している人の場合、手元側を重くすることでかなり振りやすくなります。また、手元側を重くするとダウンでシャフトが寝づらくなって、チーピン、引っかけのミスを軽減できます。
G25は飛びのポテンシャル、そしてやさしさのポテンシャルは今年発売のドライバー中でもトップクラスです。ただ、ボクには純正Sシャフトがちょっと手強い。なので近々リシャフトするでしょう。リシャフトしたら、このブログに詳細をアップします~。

んじゃ(▼▼)b


2013年04月03日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥

GDOのホットリストでも高い評価を得ていたピン。そのピンの最新モデルとなるのがG25。

 

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

 

ピンにはiとG、そしてアンサーの3つのブランドがありますが、その中でGシリーズは「やさしさ」重視。ヘッドの投影面積が大きくすることで見た目の安心感をアピール。そしてミスの許容範囲を広げるために、ヘッドの慣性モーメントの増大、重心位置を深くする設計がなされています。

G25についてはすでにGDOで試打レポートをアップしてますが、このドライバーの一番の特徴は「重ヘッド」。メーカー公称値は205g。カチャカチャ式なのでシャフトを抜いてヘッドを計測してみると‥‥

 

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

198.4g

看板に偽りがあると思うかも知れませんが、そうではありません。カチャカチャ式の場合、シャフト先端部分のスリーブがシャフトについたまま。ヘッドを計測する場合、脱着用のスリーブも含まれるのです。スリーブ重量は6gちょっとあるので、ボクが神田のつるやゴルフで購入したG25も実際のヘッド重量は約205gぐらいでしょう。これは市販ドライバーの中ではかなり重いヘッドです。国内メーカーのほとんどは200g以内です。

ちなみに、一番重いかというとそうではありません。何故かヘッド重量を公表しないテーラーメイドのR1(日本仕様)に比べると約2g軽い。市販で一番重いのは米国仕様のR1で、これはヘッド単体で約211g。ドライバーというよりは3Wに近い重さがあります。

G25はカチャカチャ式なので重心距離も計測可能です。スリーブが付かない状態での重心距離は44.5ミリ。スリーブを着けるとネック側の重量が少し重くなるので、重心距離は0.5~1ミリ短くなります。なのでスリーブが付くと‥‥

重心距離は44ミリ前後!!!!
でしょう。これは市販トップクラスの重心距離の長さ。重心距離は捕まりに影響が出るスペックで、ゴルフクラブは重心距離が短い方が捕まりやすく(ヘッドを返しやすく)、重心距離が長い方が捕まりづらい(ヘッドが返りづらい)特性があります。今どきの460CCドライバーの平均的な重心距離は38~41ミリぐら。それを考えるとG25はかなり捕まりづらい(ヘッドを帰しづらい)タイプです。弾道調整機能は付いてますが、スライサーよりもフッカーの方が扱いやすくドライバーです。

ちなみにノーマルポジションでのフェースアングル(フェース向き)は

-5.5度!!!!!!!

超オープンフェースですが、ここまでフェースが開くのには理由がちゃんとあります。ヘッドを計測する場合、ソールの座り具合が強く影響します。G25に限らず、最近のピンのドライバーはヘッドを座らせようとすると(ヘッドをポンと地面に置くと)、ゴロっとフェースが開きます。ソール形状が影響しているものと思われますが、この開き方が半端じゃありません。結果、フェースが大きく開き、フェースが開いた分だけロフトも増えてきます。フッカーを意識しているのかどうか分かりませんが、ヘッドをソールさせた時、ここまでフェースが開いてしまうと‥‥スライサーには構えづらくなってしまいます。

ロフトは表示9.5度に対して、リアルロフトは10.25度。アドレスすると、ロフトがかなり多いように見えます。12~13度ぐらいあるように見えますが、これはヘッドを座らせた時にフェースが開くようにゴロっと回転するから。リアルロフトはフェースをスクエア(フェース向き±0度)で計測します。G25の場合、5.5度開いたフェースを5.5度閉じて計測。このため、見た目よりもリアルロフトが少なくなってくるのです。

なので、G25をちゃんと使うにはちょっとしたコツがあります。フェースがスクエアになるようにグリップしたら、ソールを地面から少し浮かせてアドレスする。もしくはソールを地面に付ける場合、リーディングエッジ側だけを地面に付けて構える。こういう風に構えればアドレス時にフェースが大きく開きません。違和感が出づらく、ロフトが増えて見えすぎない分だけ弾道をイメージしやすくなります。ボクも、このG25を打つ時はリーディングエッジ側だけを地面に付け、フェースが開かないように(ロフトが増えないように)気を使いアドレスしています(笑)

おっと、シャフトのことを書こうと思ったら‥‥原稿の締切催促の電話が‥‥この続きは明日アップしましょう。
(▼▼)b

 


2013年03月31日テーラーメイドR1を丸裸にしてみた‥‥

白いヘッドでお馴染みのテーラーメイド。その最新モデルとなるのがこれっ。

r1-2

モデルチェンジで名前がR11sからR1になりました。数字を増やすのかと思いきや数字を減らしてのネーミング。テーラーならではではの販売戦略の上手さを感じます。R1については、ゴルフダイジェストオンラインですでに試打インプレをアップしています。なので、このブログではメーカーさんがあまり言わない(言いたがらない)ことをレポートしましょう(笑)

まず、R1で特徴的なのはヘッド重量。日本モデルは約207gと非常に重く、平行物となると約211gと超重くなっています。どちらもシャフト先端に装着したスリーブ含んだ重量ですが(写真は古いスリーブを秤に乗せてますが、新しいスリーブもほぼ同じ重量)、この重さは市販トップクラス。なのにテーラーはヘッドの重さについては、なぜかアピールしていません。重ヘッドをアピールしているピンのG25ですら「205g」。R1は市販で一番重いヘッドかもです。ちなみに、国内メーカーのダンロップは7代目ゼクシオでヘッドの「重さ」をアピールしていますが、ヘッド重量は190g台。R1に比べるとかなり軽いヘッドです。ゼクシオの場合、前作よりも5g重くなっているので、重さをアピールしているのでしょう。

r1-4

r1-3

R1のもうひとつの特徴は重心距離。

スリーブが付いた状態で重心距離を計測してみると‥‥約36.5ミリ。体積460CCのヘッドとしては重心距離は短めです。ロケットボールズの重心距離が40ミリをかなり超えていることを考えると、ヘッドの操作性が高く仕上がっています。

では、R1は捕まりが良いかというと‥‥捕まるタイプのドライバーではありません。重心距離は短めですがスイング中にヘッドが返りづらい挙動を感じます。加えて、フェースアングル(フェース向き)が超オープン。ノーマルポジションでのフェースアングルは-3度。この強いオープンフェースのため、ストレートを打つつもりでスイングしても捕まりません。インからあおり気味に打って、ようやく軽いドローになります。ソールのダイヤルを回転させるとフェース向きを調整できますが、これはヘッドの座りを変えているだけ。、本当のフェース向き(シャフトの装着方向)が変わるわけではないので、捕まるようにダイヤル調整しても、ボールの捕まり具合はほとんど変わりません。ちなみに、ヘッドを1ミリでも浮かせて構えたら、ソールのダイヤル調整はなんの意味も持たなくなります。

R1はロフト調整できるのがセールスポイントになっていますが、R11同様、ロフトを変えるとフェース向きも変わります。テーラーに限らず、カチャカチャ方式の場合、シャフトの装着方向を変えていることでロフトを変えているからです。例えば、ロフトを増やす方向に調整すると、シャフトを左から装着することになります。結果、リアルロフトが増えると同時にフェースもフックになります。逆もしかり、ロフトを減らす方向に調整すると、リアルロフトが減って、フェースもオープンの度合いを増します。ゴルフ雑誌「EVEN」の試打企画でR1を打った時、マーク金井がもっとも良いデータが出たのは12度に調整した時でした。12度にした時、フェース角が-0.25度、リアルロフトは11.75度。フェースの向きがほぼスクエアになって捕まりが良くなったことが「飛び」につながったのです。

そしてR1は低重心でディープフェース。有効打点距離が長いクラブなのでオートマチックに低スピン弾道が打てる。このためロフトは11.75度でも吹き上がらない。これも「飛び」につながったのだと思います。
ちなみにボクは今、アナライズのW65+を装着してR1を使ってますが、設定は10度のアップライトポジション。ライ角をアップライトにして捕まりが良くなるようにしました。12度に設定しなかったのは、コースに出た時は低めの弾道を意図的に打ちたいから。無風やフォローの風の時よりも、アゲンストの風が吹いた時に「飛ぶ球」「強い球」を打ちたい。だから最適なロフトよりも1度ほど少ないロフトをチョイスしているのです。

平行物を新橋のジーパーズで購入したので、ヘッドは日本仕様と同じ重量に調整しました。米国仕様は1gと10gのネジがついているので、それを1gと6gに変更しました。米国仕様は値段が安いのが魅力ですが、アマチュアには211gのヘッド重量は‥‥重くて手に負えない可能性が高いです。もし平行物のR1を使っていて、「ちょっとしんどい」「重くて振り切れない」と感じているならば、ネジ交換でヘッドを軽くすることをお勧めします。10gのネジを抜いて6gのネジを装着するだけで、ずいぶんと振りやすくなるでしょう。
んじゃ(▼▼)b


2010年02月24日本日の衝動買い~。

じゃじゃ降りの雨にもかかわらず、
お買い上げしたのは、これっ。

OGIOの軽量スタンドバッグ~
サイズは7インチと小ぶりで、超軽量!!

重さは2kg以下、
ハーフセットでプレーするのに
ピッタリな大きさ、
そして色、デザインに一目惚れして衝動買い~。

これで、ますます千葉市民でプレーする回数が
増えそうですわ~(笑)

んじゃ(▼▼)b


2009年12月16日黄金スペック番外編‥‥その1

チョイス1月での特集企画
「黄金スペック」~~表紙も黄金で気合い入ってますね~~

ボクも少しばかりお手伝いしましたが、
今、ボクの最大関心事は‥‥

FWの
黄金スペック探し~~

冬場と言えばFWの季節。
そして、冬場はドライバーの飛距離も落ち、
FWの出番が増えるからです。

まずは3W。
3Wはとにかく飛距離を出したいクラブ。
地面からでも、ティショット用としても‥‥

そんなワガママなリクエストに
見事に答えてくれる黄金スペックのひとつが‥‥

これっ!!

eggスプーン13度に
ランバックスの6X07のS

 

室内テストではドライバー並に
初速が67m/sを達成!!!!!

コースで使ってみても最高~。
枯れたフェアウェイでもボールは浮いてくれますし、
キャリーで235ヤード以上出ました~。

そして低スピンなので、
アゲンストの風が吹いても吹き上がりづらい!!

もちろん、黄金スペックは
ヘッドとシャフトを単に組み合わせただけでは
完成しません。

どんな風に組み立てるかが、
極めて重要な鍵を握っているんです。

それについては、
次回じっくり説明しまっさ~~。

(▼▼)b