マーク金井blog

カテゴリー: ゴルフクラブ分析

2014年06月02日米ツアーを制した松山英樹のドライバーを徹底分析してみた!!

先週の国内男子ツアー、「全英のへの道~ミズノオープン」は韓国の25歳、ジャン・ドンキュ(張棟圭)が初優勝を飾りました。最終日は序盤からバーディを重ねて「69」。通算15アンダーとして2位のジュビック・パグンサン(フィリピン)に3打差をつけて逃げ切り、日本ツアー参戦4年目にして初勝利を手に入れました。国内女子ツアー、「リゾートトラストレディス」は台湾のテレサ・ルーが、最終日に8バーディノーボギーの「64」のビッグスコアをマークして優勝。2位に5打差の大差をつけてツアー2勝目を手に入れました。

そして、米ツアー「メモリアルトーナメント」では3日目を終えて2打差の単独3位の松山英樹プロが、最終日もスコアを伸ばしてプレーオフに突入。ドライバーを折りながらもケビン・ナとのプレーオフを制して米ツアー初優勝を手に入れました。日本人が米ツアーに勝ったのはこれで4人目。

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写真はGDOより転載。記事は写真をクリック

青木功
丸山茂樹
今田竜二
そして松山英樹です!!!!

マーク金井は初優勝のニュースをSNSで知りましたが、最終日に8バーディー。プレーオフ1ホール目で松山が4メートルのパーパットを沈めたことを考えると、日曜日に9バーディーというのは圧巻です。米ツアー挑戦26試合目で念願のツアー初優勝というのも、日本人最高記録でしょう。

そんな大興奮な月曜日ですから、ブログも急遽書き直しました。
もちろんエントリーは松山英樹プロがらみ。彼が使っているドライバーについてじっくり分析していきましょう。

松山プロはスリクソン(ダンロップ)の契約選手ですから、使っているドライバーはもちろんスリクソンです。ただし最新モデルではありません。

2008年に発売された、
スリクソンZR-30

2008年モデルということは今から5年前のドライバーを、松山プロは今もなおエースドライバーとして使っています。

ちなみにスリクソンはモデルチェンジを続け、ZR-30以降では

ZR-30(2008年)
ZR-800(2008年)

Z-TX初代(2010年)
Z-TXツアー調整機能付き(2011年)
Z-TXツアーP-420調整機能付き(2012年)
Z-525(2013年)
Z-725(2013年)
Z-925(2013年)
Z-725リミテッド(2013年)

実に7モデルも新機種が登場しています。ダンロップだけに限りませんが、クラブメーカーはモデルチェンジ毎に、前作よりも○○ヤード伸びたことをアピールしています。5年前と現行モデルを比較すれば、少なく見積もっても5ヤード以上の差はあってしかるべきです。

にも関わらず、松山英樹プロは5年前に出たドライバー、ZR-30を使い続け、それで念願の米ツアー初優勝を手に入れました。メーカー側としては松山プロが優勝したことは非常に嬉しいことですが、反面、5年も前のクラブを使われて優勝されてしまうと、今のクラブを売りづらくなることは否めません。もしマーク金井ダンロップのドライバー担当だたら、手放しで喜べないです。

では、なぜ松山プロはわざわざ5年前のドライバー、
ZR-30を使いつづけるのでしょうか?

理由は2つ考えられます。

ひとつはクラブの重心特性。ZR-30は歴代スリクソンの中でも異色な存在なドライバーで、とにかく低スピン弾道が打ちやすく作られています。

ヘッド体積 420CC
ヘッド重量 196.2g
慣性モーメント 3957gcm2
表示ロフト 9.5度
リアルロフト 10.1度
ライ角 58度
フェース向き -1度
FP 15.7mm
重心距離 37.4mm
重心深度 33.1mm
重心高(スイートスポット高さ) 31.1mm
第二重心高(有効打点距離) 23.5mm
重心角 20.1度
(以上、ゴルフクラシック2013年度版 重心ハンドブックより引用)

重心特性で特筆すべきことは、

・ヘッドが小ぶりで重心距離がやや短め

・重心(スイートスポット)位置が非常に低いこと

・重心深度が浅く、重心アングルが小さいこと

テーラーメイドが重心が浅くて低いドライバーが「飛ぶ」とアピールしていますが、実は、スリクソンは5年前にすでにZR-30でそれを具現化しています(ただし、テーラーメイドほど、そのことを強くアピールしていません)。実際、マーク金井は発売前、2008年の10月に試打してインプレをGDOのサイトにアップしています。

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GDO試打インプレッションはこちらをクリック

http://lesson.golfdigest.co.jp/gear/special/impression/gt1000001349801.html

久しぶりに読み返してみても、低重心でスピンが少ないことをレポートしています。フェースセンターでスピン量が2400~2800回転というのはかなりの低スピンドライバー。フェースのやや上で捕らえると2000回転ほどまで減ります。ハードヒッターには吹き上がりづらくてやさしく飛ばせますが、ヘッドスピードが45m/s以下だとボールが浮きづらいドライバーです。そしてテーラーメイドのようにハイロフトを謳っていないので、
アマチュアにはかなり手強い(ボールが上がりづらい)ドライバーです。実際、ZR-30はゼクシオに比べると売れませんでした。

ここからはマーク金井の推察ですが、松山プロはZR-30の低スピン感が気にいったこと、そしてヘッドの挙動がコントロールしやすいことが気に言っているから、長く使っているのでしょう。

もうひとつのポイントは慣れです。ドライバーに限らず慣れたクラブというのは、なかなかチェンジできません。慣れたクラブと慣れていないクラブを比較すれば、慣れた方が意のままに操れるし、振っていて違和感がないからです。松山プロの場合もこの慣れた感覚を大事にしたいから5年前のドライバーを愛用しているのでしょう。

ただし、慣れは怖い部分もあります。あまりにも慣れたクラブを手にしてしまうと、そこから抜け出しづらくなります。結果、クラブの進化を享受しづらくなるデメリットがあるのです。ちなみにクラブメーカーがプロの要求に応えるべく慣れたクラブと似たクラブ(近いクラブ)を頑張って作っても、選手はそれを試すことはあっても、試合で使うこと使うことはなりからです。

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その答えは、クラブ設計家、竹林隆光さんが書いた「ゴルフの真実」(パーゴルフ新書)にて詳しく説明しています。興味ある方は、この本を読んでみて下さい~。

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2014年05月29日ゴルファーにとって適正なアイアンのライ角とは!?

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昨日は恒例の薄暮ハーフ。スタートは午後3時半すぎ。一年で一番日が長い時間ですから、この時間でも余裕で9ホール回れます。プレーを楽しむのはもちろんですが、マーク金井の場合、コースに出た時は大抵クラブを試打します。今回は、PRGRのマークダウン品、505レッドを47インチに仕上げたドライバーをテストしました。

写真

505レッドはヘッド重量が軽めで185g前後。ヒールエンドで47インチで組むのにちょうどいい重量です。PRGRシリーズの中でレッド(赤)はシニア向けという位置付けになっていますが、実は、飛び性能の高さが際立っています。この505も期待を裏切らず、フェースの弾き感はかなりモノでした。ルール適合モデルですが、限界に近い弾き感を味わえました。加えて、リアルロフトが多くありません。リシャフトでフェース向きをオープン方向に調整したら、10.5度表示でリアルロフトが10度以下になりました。

コースでは5ホールほどテストしましたが、予想通りフェースの反発性能が高く、ボール初速が出ます。スタートホールはややフォローでしたが、ブッシュネルで計測したら300y近く距離が出てました。ヘッドが軽いので長尺に相性が良いのはもちろんのこと、白ティ女子やシニアゴルファーにも「飛び」を体感できるドライバーです。こんなドライバーがマークダウンで手頃な値段で売られると、新製品が割高に感じてしまいます。

そしてマーク金井の場合、コースに出た時に必ずチェックしているのがフェアウェイやラフのディボット跡。どんな方向、どんな形のディボット跡コースに残っているのかを必ずチェックしています。理由は単純、ディボット跡を見れば、ゴルファーがどんなアイアンを使ってるのか、ライ角があっているアイアンを使っている人の度合いがどれぐらいかを知ることができるからです。

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そこで今回のエントリーはライ角がショットに及ぼす影響について。

ライ角とはヘッドとシャフトがおりなす角度のことですが、正しいライ角とは、

・インパクトでソール全体が地面に接していること

これが正しいライ角。アドレスではなくインパクトでソール全体が地面に接しているのが正しいライ角です。言い換えると、

・インパクでヒール側が浮いている
・インパクトでトウ側が浮いている

というのはライ角が適正ではありません。ライ角が適正でないとどんなデメリットがあるかというと、

・方向性が悪くなる
・芯で捕らえづらくなる
・打感が悪くなる

 

この3つのデメリットがありますが、なぜがゴルフ業界ではひとつめの「方向性」のことをばかりが強調されています。

 

・ソールのヒール側が浮くとボールが右に飛び出す
・ソールのトウ側が浮くとボールが左に飛び出す

 

だから、正しいライ角のアイアンが必要だと言われています。また、ナイスショットした時にボールが左に飛んだりすると、「ライ角がアップライト過ぎる」と判断する人が結構います。そして、不思議なことに、ナイスショットした時にボールが右に飛んだりしても「ライ角はフラット過ぎる」と判断する人はあまりいません。

 

ライ角に関しては、日本では「フラットなライ角」がなぜか好まれ、そしてライ角をアップライトにすることに対して否定的なゴルファーが少なからずいます。

 

では、ライ角が適正かどうかはどうすればチェックできるのか?

 

ソールに市販のショットマーカー(シール)を貼り付けることでチェックできますが、コースに出た時にはターフ跡を見ればすぐに適不適が分かります。

 

ソールの幅でターフが取れているならば、ライ角は適正
ソール幅よりも細いターフが取れているならば、ライ角は不適正

 

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適正ライ角だとターフ跡は長方形~

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ライ角が不適正だとターフ跡は細くなる~

です。コースに出れば、それこそ何百とターフ跡がありますが、ソール幅のターフ跡というのは非常に少ないです。目検討ですが、全体の2割もありません。8割以上のターフ跡はソール幅よりも細長い形状になっています。そうです、ゴルファーの8割以上はライ角が不適正なアイアンを使っているのです。

そして、不適正なライ角のアイアンを使っているにも関わらず、ライ角が不適正なことに対しての自覚がありません。

 

ドライバーやFWは弾道調整できる可変式、いわゆるカチャカチャ式が当たり前になり、それによってライ角調整ができるようになりました。メーカー側もライ角調整できることをアピールしていますが、実は、本当にライ角調整が必要なのはドライバーやFWやよりもアイアンなのです。なぜライ角調整が重要なのかは、明日のこのブログでじっくり説明しましょう~。

 

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アナライズでは、皆さんの適正なライ角をチェックするライフィッティングを行っています。是非受けてみてください

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2014年05月19日アイアンのスイングはクラブによって作られる!!

女子ツアー「ほけんの窓口レディース」(福岡CC和白C)は、接戦の末、最終日にスコアを3つ伸ばした韓国のイ・ボミプロが優勝。アマチュアの柏原明日架選手は終盤に崩れてしまいまい、惜しくも6位タイでした。ラジオ出演がきっかけでマーク金井が応援している工藤遙加プロは最終日に少しスコアを2つ落とし、19位タイに終わっています。ちなみに、男子ツアーは先週もオープンウイーク。レギュラーツアーの試合は行われてません。プロゴルフに関して言えば、男子ツアーはかなり厳しい状況に追い込まれています。

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写真はGDOより転載。試合の模様の記事は写真をクリック

そして厳しいと言えば、男子プロゴルファーの収入でしょう。現在、PGA会長の倉本昌弘プロによると、アマチュアゴルファーが全員レッスンを受けたとしても、プロゴルファー1人あたりが得られるレッスン収入は年間200万円にも満たないとのこと。そして、これからゴルファーが減れば、ますます収入が減ってしまうとのことです。

プロゴルファーの収入源はレッスン以外にもあるかと思いますが、ゴルフが本当に上手くなりたいと思うのであれば、独学よりもレッスンを受けた方が絶対に有利です。マーク金井は1シーズンでスノボが劇的に上達しましたが、これもレッスンの賜物です。費用との兼ね合いもありますが、プロに習った方が打たなくていいミスショットを減らせますし、確実にスイングも良くなって上達できます。

そして、ゴルフ上達を本当に望むのであれば、道具選びも大事です。

前回のブログでマーク金井はアイアンのバンス角について書きましたが、アイアンですくい打ちに悩んでいるのであれば、迷わずバンス角が大きなアイアンをお勧めします。理由は単純‥‥

・バンス角が大きいほどすくい打ちになりづらく、
・バンス角が大きいほどダウンブローに打ちたくなり、
・バンス角が大きいほどインからあおる軌道を矯正できるからです。

対してクラブの構造上、

・バンス角が小さいほどすくい打ちになりやすく、
・バンス角が小さいほどすくい打ちしなくなり、
・バンス角が小さいほどインからあおる軌道を矯正しづらくなります。

たかがバンス角と思うかも知れませんが、例えば、バンス角0度のアイアンとバンス角5度以上のアイアンを打ち比べると、クラブがスイングに与える影響がはっきり分かります。

バンス角0度のアイアンはハンドファーストに打ちづらく、その結果、すくい打ちになりやすい。対して、バンス角5度以上のアイアンはハンドファーストに打たないと(ダウンブローに打たないと)、ボールを上手く捕らえることができないからです。バンス角が大きくなるほどアドレスした時、リーディングが浮きます。ソールのお尻側が出っ張っているので、ダウンブローの軌道でハンドファーストな状態でインパクトを迎えた方が、ボールを上手く捕らえられるからです。

米国の練習器具でツアーストライカーといのがありますが、これはアドレスした時にリーディングエッジが10㎜以上浮いています。この影響ですくい打つとトップしか出ません。ダウンブローの軌道、そしてハンドファーストな状態でインパクトを迎えないと上手く打てないように作られています。ツアーストライカーほどではありませんが、バンス角が大きい(7番で5度以上)アイアンは、これと同じ感じになるのです。

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もちろん、ダウンブローな軌道、ハンドファーストな状態でインパクトを迎えるにはコツがあります。それは、ダウンからインパクト、そしてフォローにかけて、

「右手が上、左手が下」

このポジションを強く意識すること。ダウンスイングで‥‥

「左手が上、右手が下」

になってしまうと、ダウンブローに打ちたいと思っても打てません。インサイドからあおる軌道になってしまいます。また、ダウンで「左手が上、右手が下」になっている人の場合、バンス角が大きいアイアンを使うと、「インパクト前にソールが跳ねすぎて、トップのミスが多発します」。ダウンで「左手が上、右手が下」になっている人の場合、バンス角が小さいアイアンの方がソールが跳ねすぎない分だけ、打ちやすく感じます。

マーク金井はジュニアの頃からゴルフをやってますが、「左手が上、右手が下」になる癖がなかなか矯正できませんでした。今から20年位前に山本信弘プロと出会い、山本プロから色々教わり、ようやく「右手が上、左手が下」なダウンスイングをマスターしました。
山本プロからは両手を離すことで、手の位置関係が分かると教わり、今でもゴルフの竪琴を使って、ダウンスイングの軌道をチェックしています。

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いつも右手が上になるスイングが覚えられます 詳しくは写真↑をクリック

最近はスマホやiPhoneでスイングを自撮りできます。もしもダウンスイングで「左手が上、右手が下」になっているならば、バンス角が大きいアイアンを使うことを強くお勧めします。そして、スイング中、両手の位置関係が分かりづらいと感じるのであれば、ゴルフの竪琴で練習して下さい。竪琴を使うと「スイングの勘違い」「やっているつもり」にはなりません。「右手が上、左手が下」の感覚を確実にマスターできます~。

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2014年05月18日本当にやさしいアイアンを見極める極意とは!?

日照時間が長いこの時期は早朝、薄暮ゴルフにぴったりな時期です。関東エリアだと朝は5時くらいからプレーを楽しめますし、日没も6時半ぐらい。薄暮ならば夕方4時過ぎぐらいにスタートすると暑さ知らずで快適にプレーできます。9ホールプレーが大好きなマーク金井は時間を見つけては電車で河川敷薄暮ゴルフにせっせと通っています。

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もちろんマーク金井のことですから、プレーを楽しむだけではありません。毎回必ず、クラブやシャフト、そしてボールをテストしてます。そして、プレー時には欠かさずレーザー式距離測定器「ブッシュネル」を使用。いつもプレーするコースで飛距離をきちんと測定することで道具の性能を丸裸にしています。加えて、アイアンやウエッジにおいては、天然の芝で打つことで、ヘッド性能を入念にチェックします。ソールの抜けの良さ、ミスの許容範囲、スピン性能というのは、練習場の人工マットではチェックしづらいからです。

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さて、今日のエントリーはアイアンの「やさしさ」についてです。

アイアンに求める性能はいくかありますが、マーク金井がこだわるのは「ダフり」に対する許容範囲の大きさ。ダフり気味に入った時でも距離が落ちない、方向性が安定すれば、ミスがミスになりません。加えて、ダフっても距離がちゃんと出れば心理的なプレッシャーからも解放されます。前回のブログに書いた「OKライン」をクラブで下げることができますし、「OKライン」を下げても、セカンドショットがグリーンに乗る確率を上げられるからです。

では、どんなアイアンが「ダフり」のミスに強いのか?

ダフりに強いかどうかはソールの幅と形状で決まります。ソール幅が広くて、バンス角が大きい(ハイバンス)なほど、ソールは地面に潜りくくなってダフって打ってもボールと上手くコンタクトできます。逆に、ソール幅が狭くて、バンス角が小さい(ローバンス)なほど、ソールは地面に潜りやすくなります。ダフって打つとヘッドが地面に刺さってボールと上手くコンタクトできません。

ソール幅、そしてバンス角の大小は目で見ても確認できますが、硬い床の上に置くことでも簡単に確認できます。硬い床にヘッドをポンと置いた時、ソールがピタッと座ったり、フェースが開きやすいアイアンはバンス角が小さいと思って間違いありません。対して、硬い床に置くとソールの座りが悪く、ヘッドがクルッと反時計回りに回転してフェースが被ってしまいやすいアイアン、ヘッドを座らせたらフェースが被ってしまうアイアンはバンス角が大きいと思って間違いありません。そして、バンス角で一番大事なのはヒール側のバンス角で、ここが大きいほどダフりのミスに強く、アドレスした時にフェースが被りやすく(左を向きやすく)なってきます。

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市販モデルをチェックすると、総じて米国メーカーのアイアンはバンス角が大きめで、国内メーカーのアイアンはバンス角が小さめです。例えば7番で調べてみると、

ダンロップ ゼクシオ8 バンス角0度
グローブライド オノフ バンス角1度
フォーティーン TC-777 バンス角1度
ブリヂストン ファイズ バンス角-0.5度

バンス角が非常に小さいです。もちろん国内モデルでも探せばバンス角が多いモデルもあって、

ダンロップ スリクソンZ525 バンス角4.1度
マルマン ゼータ      バンス角5.1度
ミズノ MP-54       バンス角4度

です。他方、米国モデルとなるとさらにバンス角が多いモデルもあります。

ピン i25          バンス角7度
キャロウェイ エイペックス バンス角9.3度
キャロウェイ エイペックスプロ バンス角10度
タイトリスト MB       バンス角7.7度

(数値は月刊ゴルフダイジェスト2014年6月号調べ)

国内メーカー7度以上バンス角がついたアイアンはほとんどありません。手前味噌ですが、マーク金井が作ったリンクスSSアイアンぐらいだけです。対して、米国メーカーが作るアイアンには7度以上のバンスがついたモデルが結構あります。

では、なぜ国内メーカーのアイアンにはハイバンスなモデルがほとんどないのか?

では、なぜ国内メーカーのアイアンはミスに強いアイアンを作ろうとしないのか?

ここからはマーク金井の推察ですが、練習場とゴルフショップの床が影響しているような気がしています。練習場の人工マットの下はコンクリートの床です。このためバンス角が大きいと跳ねすぎてハーフトップのミスが出やすくなります。そして、ゴルフショップの床は硬い。硬い床に置いた時、フェースが被ってしまうと「顔が悪い」と敬遠するゴルファーが少なくありません。バンス角を大きくすると(特にヒールバンスを大きくすると)、見た目で好まれないために、バンス角を少なめにしているアイアンが多くなっているのではないでしょうか?

誤解を恐れずに言うと、練習場で打ちやすいアイアンとコースに出た時に打ちやすいアイアンは同じでありません。練習場でソールが跳ねすぎてハーフトップしやすいアイアンの方が、コースに出た時に「やさしい」アイアンになってくれます。

それだけはありません。

ハイバンスのアイアンはローバンスのアイアンよりもスイングを良くしてくれる効果もあるのです。それについては次回じっくり説明しましょう~。

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2014年05月15日アイアンのシャフトはスチールとカーボン、どちらが本当にいいのか?

告知 5/18にアナライズで好評の4スタンスセミナーやります。14時半の部はまだ余裕がありますので、是非ご参加下さい 申し込み問い合わせはyoyaku@analyze2005.comで

一昨日の火曜日は、インターネットラジオ配信、ソラトニワ「マーク金井の喋らずにいられない」のオンエア日。ゲストに日本シャフトの栗原一郎さんをお招きしました。日本シャフトと言えば軽量スチールのNS950で同じみのシャフトメーカーですが、国内では唯一のスチールシャフトとカーボンシャフトの両方を作っているメーカーでもあります。

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番組ではシャフトの作り方、そしてそれぞれの素材のメリットについてお話を伺い、そして契約選手であるカーリー・ウェブ選手がこだわるシャフトのポイントについても面白い話が聞けました。ウェブ選手が使っているシャフトは、昔も今も、

ドライバーはカーボンのGT600シリーズ
アイアンは軽量スチールのNS1050

なんだそうです。メーカーとしては新しいシャフトを使って欲しいそうですが、テストを繰り返してもこの2モデルのパフォーマンスが一番良いそうです。どちらのシャフトも発売からかなり時間が経過していますが、今年もドライバーにはGT600、アイアンにはNS1050が装着されているそうです。

さて、今日のエントリーはアイアンのシャフト選びについてです。現在、アイアン用シャフトはスチールとカーボンを選択できることもあって、「どちらが自分に合っているのか」「どっちの方がアイアンが上手く打てるのか」と悩んでいる人が少なからずいます。

マーク金井ももちろんその一人で、アイアンはスチールとカーボンの両方を絶えずテストしています。

かつてはスチールとカーボンは明確な差がありました。それは重量。かつては‥‥

スチール=重い(100g以上)
カーボン=軽い(80g以下)

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日本シャフトの70gのゼロス7とFUJIKURAの100gのMCI100

という風だったので、重くてしっかり感を求めるならばスチール、軽くて振りやすさを求めるならばカーボンを選べば良かったです。しかし、技術革新によって‥‥

「軽いスチール」と「重いカーボン」が登場しました。

今では70g台の超軽量スチールが登場し、今では、100gを超える重量級カーボンが登場しています。60g以下のシャフトを使いたいゴルファーを除けば、同じ重さでスチールとカーボンの両方を選べます。

では同じ重さの場合、スチールとカーボンとではどこがどう違うのか?

カーボンシャフトというと、飛ぶけど、「飛びすぎて前後の距離感が悪い」とか「スチールよりも方向性が悪い」と思っている人が少なくありません。アイアンは飛ばすクラブじゃないことを考えると、スチールの方がアイアンと相性が良いと思っているゴルファーが少なからずいます。

しかし、昔はともかく現在のカーボンシャフトにこんな不安定さはありません。マーク金井は2年前からアイアンもカーボンシャフトを装着していますが、慣れてしまえばカーボンでも距離感のミスはほとんど出ませんし、ボールが飛びすぎるミスも出ません。スチールよりもカーボンの方が弾道が不安定になることは、まずありません。

では、スチールとカーボンはどこが違うのか?

個人差はありますが、スチールとカーボンを比較すると、スピン量とボールの上がりやすさに差があります。抑えた弾道を打ちたいならばスチールの方が適していますし、反対にボールを浮かせたい、高い球を打ちたいならばカーボンの方が適しています。一般にカーボンシャフトの方が設計の自由度が高く、そして先端側を軟らかく作れる分だけ、打ち出し角、スピン量を増やすことができ、それが高弾道につながるからです。

そして、ボールが上がりやすいという意味では、最近のストロングロフトになっているアイアンはスチールよりもカーボンの方がヘッドとの相性も良いと思います。5番のロフトが25度以下の場合、スチールよりもカーボンシャフトの方が、ミドルアイアンでボールが上がりやすくなってグリーンに止まる球が打ちやすくなります。7番アイアンとかでキャリーが出づらい人は、シャフトをスチールからカーボンに変えることで、キャリーを増やすことができるでしょう。ドライバーのヘッドスピードが40m/sぐらいならば、迷わずカーボンをお勧めしたいです。

他の違いとしては、トルクです。

素材の違いで、一般にはスチールの方がトルクが少なく、カーボンの方がトルクが多め。トルクに関しては慣れの部分もありますが、トップからシャープに振り下ろすにはスチールの方が違和感が無く、トップで間を作りたい、ゆったり切り返したい人はスチールよりもカーボンの方がタイミングが取りやすいです。ただしトルクは慣れもあって、長年スチールを使っている人の場合、カーボンを打つとかなり違和感を感じます。5年以上スチールを使っているゴルファーの場合、慣れるのに数ヶ月かかるかも知れません。ちなみに、マーク金井の場合、慣れるまで3ヶ月ぐらいかかりました。

そして、一番大きな違いは打感です。打感とは音と手に伝わる振動のことですが、スチールとカーボンを打ち比べると、振動の出方がまったく違います。素材、そしてシャフトの肉厚が全然違うからですが、スチールに慣れているゴルファーはカーボンの振動が心地悪く、カーボンに慣れているゴルファーはスチールの振動が心地悪く感じます。これに関してはどちらが良いとは言えません。慣れの問題です。ただし、手首やひじを痛めている人の場合、絶対にカーボンをお勧めします。カーボンの方が手に伝わる振動が少なく、手首やひじへの負担が減るからです。

マーク金井は3年前に交通事故に遭い、それがきっかけでアイアンのシャフトをスチールからカーボンに変えました。変えた当初は違和感だらけでしたが、慣れるとスチール同様の距離感でゴルフができてます。そして何より、ウッドとアイアンが同じシャフトになったことで、クラブ全体にシャフトの統一感が出てきました。ウッドとアイアンを同じフィーリングでスイングしたいと思っているならば、重心距離を揃えることも大事ですが、それよりもシャフトの素材を同じにした方が、フィーリングが揃ってきます。

ドライバーやフェアウェイウッドにスチールを装着する人はほとんどいなくなりました。プロ、アマチュアを問わず、カーボンシャフトを装着しています。ウッド用シャフトはウッド(ヒッコリー)、スチール、そしてカーボンと進化しています。この流れを考えると、アイアンも同じ流れになる可能性は高いことはあっても低くはないでしょう~。

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アナライズでもMI72と言うカーボンシャフトを作ってます

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