マーク金井blog

2005年09月28日嗚呼‥1球1500円なり

となったクラブがこれっ!!

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テーラーメイドのR510TPの8.5度

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現在、不動のエースであるXドライブ405同様、フェースプログレッションが小さく、シャフトとフェースのつながりがストレートに見える点がすご~く気入って購入しました(実は、発売はこっちの方が先です‥‥汗)。値段も3万円と手頃(中古の405の約半額)。2003年発売時は「デカイなぁ」と思ってましたが、今となっては体積390CCは程よい大きさじゃないですか。ユーティリティ、FWがテーラーですごく調子良いので、シャフトテスト用にちょうどいいと思って買ったのですが‥‥

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自分のスタジオで1発打った瞬間に「こりゃ、あかんわ~」。

ホント、久しぶりに1球でダメ出し。飛ばなかったからでもなく、方向性に問題があったからでもありません。

非高反発ドライバーなので打感はソフトなのは覚悟してましたが、405に比べるとスポンジボールを打ったような感触。ゼクシオのように打感が硬いドライバーは苦手だけど、それと同じぐらい打感がソフトすぎるドライバーも大の苦手!!! なもんで、買って30分経つか経たないかでお店に逆戻り。買ったお店は95%戻し。お店までは試打スタジオから徒歩2分。正確に言うと20球ぐらい打ちましたが、1球目でダメ出ししたので、「1球1500円」というのがボクの正直な気持ちっす。

追伸

佐藤 福寿さん、

昔、「ジーボ」という米国メーカーがそんなことをやっていたような記憶が‥‥でも「ジーボ」だとすれば倒産したような‥‥スミマセン、ボクが知っているのはこれぐらいです。

MIZZさん、

ドライバーとアイアンとの重心距離マッチングについては、ドライバーを特殊なクラブ(ティアップして打つ)として考えるのかどうかで、変わってくるのではないでしょうか。マッチングについては、これからブログで少しずつカキコします。

いーさん、さん

ERCの重心距離は44ミリ強ですが、Xツアーの重心距離は正確には分かりません。体感的には34~37ミリぐらいの感じがします。現在、ボクのエースアイアンですが、これまでのキャロウェイのアイアンと比較すると重心距離は短めですね。重さと重心距離については、同じ重量、同じバランスの場合、重心距離が長いクラブの方が、振った時に重く感じます。シャフトから重心位置が遠い分だけトウダウン方向に付加がかかるからです。


2005年09月26日「適正重心距離」について考える その2

「適正重心距離」について考える その1←前回のブログ

えー、ゴルファーには「適正重心距離」があるという話を前回書き、スライサーもフッカーもスイングが不安定な人は重心距離が長めのクラブがいいとコメントしました。

重心距離はヘッドの返りやすさに影響するスペックで、重心距離が長いほどヘッドの挙動は鈍感になるからです。鈍感というと聞こえは悪いですが、ゴルファーが悪い動きをしてもクラブが勝手な動きをしづらく、それがミスの許容範囲を広げてくれるわけです。ちなみに、ボクはレスポンスが鈍感な方が未熟なプレーヤーにとって扱いやすい道具になる、ということをスノーボードで学びました(スノーボードの場合、初心者がレスポンスのいい板に乗ると逆エッジがかかり転びまくります)。

もちろん、長重心距離のクラブにはデメリットもあり、スライサーの場合、フェースを返しづらい分だけフェースが開いたまま当たりやすい。スライスを助長する危険性もあります。

でも、心配ありません。長い重心距離のクラブでもこのポイントを抑えておけば、インパクトでフェースが開きづらく、捕まった球が打てるようになるんです。そのポイントとはこれっ!!

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クラブを机などの上に置き、ヘッドをフリーな状態にしてみて下さい。どんなクラブもフェースが斜めを向きますが、この斜めを向く度合いのことを専門用語で

重心アングル(重心角)

といいます。左のXドライブ405と右のナイキのFW、T-40ツアーを見比べてみて下さい。405の方がフェースが上を向いた感じになっていますが、、この斜めを向く(フェースが上を向く)度合いが大きいほど重心アングルが大きくなり、ダウンからインパクトにかけてヘッドが返りやすくなるんです。スクエアフェースなんだけど「妙につかまりがいいドライバー」というのは、すべて重心アングルが大きめ。今どきのドライバーでいえば、その最たるものはキャロウェイのERCホット。Xドライブ405もフェース角がかなりオープンなわりに捕まりがいいですが、これも重心アングルがなせるワザ。逆に、捕まりが良さそうに見えて、捕まらないドライバーは重心アングルが小さめ。タイトの905Tや藍ちゃんが使っているツアステVIQなんかがそれに当てはまります。

ですので、スライサーがドライバーを買う時は、かならずこれをやって下さい。

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ヘッドがなるべく上を向いているクラブならば(数値的には重心アングルが22度以上)捕まりがよくなります。逆に、スイングが不安定なフッカーの場合は、重心アングルが少なめのドライバーを手にすれば、引っかけ、チーピンを軽減できます。重心アングルが20度を切っているのを目安にすればいいでしょう。ちなみに、ヘッドのスペックについては、ダイジェストから毎年出ている「ギアブック」、ゴルフクラシックの8月号の付録、「重心ハンドブック」で調べることができまっせ~

んじゃ、


2005年09月24日「適正重心距離」について考える その1

さて、さてお待たせしました。
今回から重心距離について話を進めていきますが、その前に皆さんにやっていただきたいのがこれっ!!

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ヘッドを上に向けたら手を前後に動かして(竹とんぼを飛ばす感じで)シャフトを回転させてみて下さい。シャフトを回せばそれに連動してヘッドも回りますがその時、手には少なからず抵抗が感じるはず。

ゴルフクラブは(フェースバランスのパターを除いて)、シャフトの延長線に重心がありません。シャフトから離れた位置に重心があるため、シャフトを回転させようとした時に手に抵抗を感じたり、ヘッドが暴れた感じになるんです。

言い換えると、重心がシャフトから遠いクラブ、すなはち重心距離が長い(正確にはネック軸周りの慣性モーメントが大きい)クラブほどシャフトを回すのに大きな力が必要になりますし、回そうとした時に抵抗を感じます。逆に、重心距離が短い(ネック軸周りの慣性モーメントが小さい)クラブほど、シャフトを軸にしてヘッドを回しやすくなってきます。

これはクルマに例えると分かりやすく、

重心距離が長い=ホイールベースが長いリムジン
重心距離が短い=ホイールベースが短いスポーツカー

って、ことになります。重心距離が長くなるほど小回りがききませんが、反面、ハンドル操作が下手くそでも(スイングが悪くても)ヘッドが余計な動きをしづらい特性があります。他方、重心距離が短くなるほど小回りさせやすい反面、ハンドル操作を誤るとちょっとした動きでヘッドが回転します。

で、ここからが本題。

打点がバラつく初心者や、シャンクと引っかけが出やすい中級者は、

「重心距離が長め」が適正重心距離。具体的にはドライバー、アイアンとも重心距離は38ミリ以上がいいでしょう。重心距離というのがピンとこない人は、ドライバーはヘッドが大きくて面長フェース。アイアンもフェースが長く見えるクラブを使うことをお勧めします。

理由は2つ。

ひとつは、重心距離が長めの方がスイートエリアの目安であるヘッド慣性モーメントが大きくて打点のばらつきに強いクラブだから。

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フェースにショットマーカーを貼って打ってみて、

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こんな感じになる人は、スライサー、フッカー関係なく重心距離が長めのクラブを使った方が、飛距離、方向性とも安定します。付け加えると、スライサーの場合はフックフェースが強めで、重心アングルが大きいクラブがお勧め。この2つの要素が満たされていれば、重心距離が長めでもインパクトでフェースが開きづらい分だけ、捕まった球が打てます。

そして、もうひとつの理由は、重心距離が長いクラブは小回りがききません。シャンクや引っかけはフェースが開き過ぎたり、閉じすぎたりした時に発生するミスですが、重心距離が長いほどヘッドの挙動が鈍感な分だけ、体、手が悪い動きをしてもクラブの挙動が変化しづらいからです。上級者にとっては自分の意志が伝わりづらいとも言えますが、クラブの挙動を上手くコントロールできない人にとっては、クラブが動き過ぎないことがミスを減らしてくれるわけです。

んじゃ、この続きは明日か明後日にカキコしまっす。


2005年09月22日怒濤の100本試打!?

自分で言うのも何ですが、「マーク金井と言えば、ゴルフダイジェスト」
「ゴルフダイジェストと言えば、マーク金井

と業界内で認知されています。実際、ゴルフ雑誌で原稿を書いているのはゴルフダイジェストだけ(ホンマです)。

にもかかわらず~、こんな本が近日中に書店に並びます(すでに売られているかも?)

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いろんな縁が重なりあって、今回は学研さんから出版する運びになりましたが、恐らく、史上初のリシャフト本でしょう。(おいおい、ちょっと表現がオーバーだろっ) ボクが担当したのは怒濤の100本試打レポート。自前の試打スタジオ「アナライズ」でコンピュータによる弾道計測、そして、実際に野外でもじっくりボールを打ちました。その数は2000球を楽にオーバー!!! 1ヶ月でグローブを5枚も買ったのは初めて、100本のシャフトのフィーリングを言葉にしたのも初めて。もちろん、表紙にデカデカと自分の名前が出ているのも初めて。

1冊 1260円(税込み)

この本の発売に合わせ、ボクの試打スタジオ「アナライズ」では一般ユーザー向けサービスを開始します。まずは最新シャフト試打会。詳細は近日中にブログにカキコしまっす。

「あっ!?」

昨日のブログで「適正重心距離」について書くと行ったのに1行も書いていないっ!!本が出来たので浮かれて、すっかり忘れてました(おいおい、開きなおるなよ~)

大事なテーマなので、近日中に詳細レポートします。
m(_ _)m


2005年09月21日重心距離ゼロのドライバーを打ってみたら‥

8月末のGDOダブルス全国大会に出場した際、帰りに高岡市(冨山)にある地クラブメーカー、カムイプロの本社を訪ねました。で、その時に見つけたのがこれっ。

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中条社長自ら設計された「重心距離ゼロ」のドライバー!!!何でも「重心距離が飛距離に及ぼす影響を知りたくて」作ったとのこと。

「ボール打てるんですか?」と聞いてみたら、
「もちろん、ロボットテストもやりました」(ニコニコしながら答える中条社長)

重心距離が普通のドライバーと比較すると、重心距離ゼロのドライバーは飛距離が少し落ちてしまうそうです。

今まで数え切れないドライバーを試打してきましたが、重心距離がゼロに近いドライバーを打った経験はゼロっす。「打たずにいられなく」なってちゃっかり借りてきちゃいました。

スペックは長さが45インチで、総重量は285.3グラム。

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ヘッド、シャフトともかなり軽めで、素振りしてみるとヘッドがついていない感じ‥‥
シャフトだけ振っているような錯覚に陥り、テークバックやトップでフェースの向きはまったく感じる取ることはできません。

で、アキュベクターを使って弾道計測してみると‥‥

クラブが軽いこともあってヘッドスピードはいつも同じか、若干早めになりましたが(大体47~48m/s)、飛距離はいつもより10ヤード弱ダウ~ン!! 人間試打マシーンもロボット並の精度があるのにホッとしましたが、それよりも気になったのがスイングのしづらさ。

一般には、重心距離が短いほどヘッドを返しやすい。返しやすいからスライサーでも捕まった球が打ちやすいと言われてます。でも、重心距離がゼロに近いと、フェースの向きをまったく感じ取れません。結果、フェースは返りやすいし、開きやすくなる。ハンドリングがシャープ過ぎるクルマと同じで、ちょっとした動きでフェースは閉じたり、開いたりするからです。

で、この試打でボクが分かったのは、ゴルファーにはスライサー、フッカーを問わず「適正重心距離」があるっていうこと。

おーっと、時計を見たら午後11時50分。うわーっ、まだ写真を貼り付けていない‥‥ふぅー何とか間に合った。

この続きは明日。