マーク金井blog

2006年01月14日「硬さ」について真面目に考える その2

 

シャフトの「硬い」「軟らかい」を調べる場合、

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振動数計とセンターフレックス計を用いていると書きましたが、他にもこだわっているポイントがいくつかあります。そのひとつはトルク。

トルクとはシャフトのねじれ具合を数値化したもので、シャフトによってはこんな感じで数値が表記されています。ご存じの人も多いとも思いますが、数値が小さい(3.5度以下)ならば低トルク、逆に数値が大きい(4度以上)場合は高トルク。数値が小さいほどスイング中にねじれづらくなりますが、ねじれが少ないほどスイング中にシャフトの遊びが少なく、体感的には「硬く」感じたり、「しっかり」した感じになってきます。

例えば、白いシャフトでおなじみのピノイージー(PX-6001)。これはSで振動数が250cpm(45インチ)。リシャフト用としてはやや軟らかめに仕上がってますが、

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トルクは2.8とかな~り少い。ワッグルしたり素振りでは「軟らかい」と感じるのに、実際に打つと「おおっ、しっかりしとるなぁ~」「もっと振動数高いんとちゃうの~」というフィーリングが手や体に残ります。もちろん、逆のパターンもあってトルクが多めのシャフトは、振動数のわりに軟らかく感じるようになります。

トルクについてはシャフトに書いてあったり、カタログに表記されていますが(ただし、メーカーによって計測法が違うので、シャフトによっては数字と体感が異なる場合がある)‥‥ボクの場合はこんな方法で、トルクの「多い」「少ない」をチェックしてます。

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ヘッドとグリップをガッチリつかんだら、クラブをできるだけ動かさないで両手を同時にグイッと反対方向に動かす(ぞうきんを絞るように力を使ってシャフトをねじる)

原始的な方法ですが、これをやるとトルクの多いシャフトは「何だこりゃ~」というぐらいシャフトが「ねじれる」のが手に伝わります。他方、ピノイージーのようにトルクを絞ったシャフトはまったくもってシャフトがねじれません。シャフトに遊びがないことも体感できます。

シャフトの硬さ表記については、いろんな意見をいただいてますが‥‥トルク以外にも、調子、先端剛性、接着寸などが異なると、同じ振動数でも振った時のフィーリングが結構違ってきます。なもんで、ボクは振動数は「硬さの目安」という曖昧な表現になってしまうんですわ~

んじゃ。


2006年01月12日今どきの「R」シャフトは‥‥

かなり軟らかいと前々回、書きました。硬さの目安となる振動数で比較すると、

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10年前ぐらいまでは、長さ45インチでRシャフトだと

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250cpmぐらいが普通でした。
ところが、06年ドライバーのRを計測してみると‥‥

A社 222cpm
B社 232cpm
C社 213cpm

数字だけ羅列してもピンとこないでしょうから、面白いデータを紹介しましょう。

2代目ゼクシオ(女性用)  232cpm
3代目ゼクシオ(女性用)  228cpm

今どきのオジサン向けドライバーのRシャフトは‥‥数年前の女性用ドライバーと同じか、それよりも軟らかいんですわ~!! (最新モデルは、男性用同様、女性用もシャフトがかなり軟らかくなってますが)

振動数計は手元側をチャックするので、

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シャフト全体の「硬さ」を正確に測るのが難しい(先端側の硬さを調べにくい)というのも重々承知してますが‥‥振動数が10cpm以上下がれば、大抵の人は振った時に軟らかく感じるもの。

「軟らかい」方が切り返しで、

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「タイミングが取りやすい」、「打ち急ぎのミスが出づらい」のは理解できますが、軽くて軟らかすぎるシャフトは、体をちゃんと使って「クラブをしっかり振る」ことがしづらくなるのでは?‥‥と、ボクは思ってます。

ちなみに、戌年生まれのボクが使っているドライバーの振動数は262~270cpm。これは10年前のSシャフト(45インチ)相当。慣れもありますが、冬場でも硬いと感じたことはありません。

んじゃ。


2006年01月11日半年ぶりに‥‥

本格的に風邪を引いてしまいました(T_T)
病院でインフルエンザではないという診断を受けホッとしてますが、鼻水、咳、くしゃみが止まりません‥‥

ちょっと元気になってきたので、「下手くそ打ち」について補足説明しまっさ~

下手くそ打ちの過去記事↓

「下手くそ打ち..その1」

「下手くそ打ち..その2」

「下手くそ打ち..その3」

「下手くそ打ち..を極める」

「2度打ち」になるという質問が多数ありましたが、考えられる原因は2つ。ひとつはクラブを動かす速度がゆっくり過ぎること。パターのように打つのが「下手くそ打ち」ですが、クラブを動かす速度は結構速くして下さい。インパクトで緩んだ感じにならないように注意すれば、2度打ちにはならないはず。

もうひとつはヘッド軌道。インサイド・アウト気味に振ってしまうと、ボールの飛び出す方向とヘッドが抜ける方向が重なる時間が長くなり、2度打ちする危険性が高まります。若干でもいいからヘッドをインサイドに抜いていけば、インパクト後、ヘッドとボールが飛ぶ方向が重なりません。これで2度打ちは解消できるはずです。

グリップについては、普通のグリップでもいいですし、パターと同じく逆オーバーラッピンググリップ、クロスハンドでもOK。

体重移動については‥‥意識してしない方がいいでしょう。特にダウンからインパクトにかけては左への体重移動は厳禁。左に体が動くほどヘッドが遅れ、上からつぶすような打ち方になりやってしまいます。インパクトにかけては右に体重が残っているぐらい方がパターのようにヘッドを地面と平行に動かしやすくなるし、フェースにボールが乗りやすくなります。

アドレス時のソール接地については、トウが浮いているのはダメですが、ヒールが少し浮くのはOK。それに連動し、ハンドダウンに構えるよりは、ハンドアップ気味に構えた方が正しい「下手くそ打ち」をしやすくなります。ちなみに、ボクはソールがべったりつくように構えています。

んじゃ。


2006年01月09日「硬さ」について真面目に考える その1

たくさんのコメントありがとうございましたm(_ _)m
昨日、今日とゴルフだったもので‥‥回答もうしばらくお待ち下さいm(_ _)m

さて、今日もシャフトの硬さについて話を進めていきたいと思いますが、ボクの神田スタジオでは振動数計に加えて、こんな機械も使ってます。

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これは、センターフレックス計で、シャフト(クラブ)の両端を固定してセンター部分を治具でしたから突き上げ(シャフトを弓なりに反らせ)、センター部分の硬さを測ります。数値はkg表示され、

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数値が高い=シャフト中間部分が硬い
数値が低い=シャフト中間部分が軟らかい

ことになります。一般には、振動数が高いシャフトほどセンターフレックスも数字が高くなりますが、中には振動数が同じでもセンターフレックスの数値が異なるシャフトもあります。例えば、トゥルーテンパーのダイナミックゴールドとダイナミックゴールドSLの場合、同じSだと振動数はあまり変わりませんが、センターフレックス値はダイナミックゴールドSLの方が高め。実際に比較試打してみても‥‥数値と同じでフィーリングになって‥‥SLの方が硬く感じます。軽量スチールは「頼りない」と言われてますが、ダイナミックゴールドSLに関してはこの常識は当てはまりません。

おーっと、もう11時57分。

続く‥‥(ゲーリー調)


2006年01月07日非力になった日本人???

と言っても体力、筋力のことではありません。ボクがこんなことを思うようになったのは、ここ数年、ドライバー&FWはモデルチェンジする度にシャフトが軟らかくなっているからです。

06年モデルもほぼ出そろいましたが、アベレージ向けのみならず、アスリート向けのドライバーを計測してみても‥‥8割以上のモデルは10年前に比べると、シャフトが劇的に軟らかい。

例えば、10年以上前に大ヒットしたSヤード・T301は、

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硬さの目安となる(主に手元側)振動数の数値は

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(手元を固定してヘッドを振って1分間の振幅数を計測)

R-1(普通のR)で250cpm。

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記憶に残っている人も多いと思いますが、Sヤードはハードヒッター向けではなく、40歳以上のおじさん向けに設計されたドライバー。先調子なので手元側がしっかりしている仕上がりですが、当時これを振って「硬いよこれ~」「ハードだなぁ」という声はあまり出てませんでした。

ところが、2000年を過ぎたあたりからシャフトの振動数は年々数値が低くなり‥‥06年モデル(アベレージ向け)の場合、

Rの振動数は220~235cpm

Sの新度数は235~255cpm

要するに、「今のRは昔のS」ではなくて‥‥「今のSは昔のR」とほぼ同じ硬さか、もしくは少し軟らかめ。リアルロフト同様、シャフトについてもアンダースペック化が知らず知らずの内に進んでいます。

「Sを使いたいユーザーが多い」「軟らかい方が振りやすい」等々、軟らかいシャフトを使うメリットも重々承知してますが、シャフトが軟らかすぎると(正しいスイングをした場合)、切り返しでシャフトがしなり過ぎることになります。ゴルフを遊びと割り切って(練習をしないで気軽にゴルフを楽しむ)人にはいいと思いますが、反面、真面目にゴルフに取り組む(練習して上達を望む)人には、正しいスイングを身に付けづらくなる気がしてなりません。

誤解を承知で言えば、ある程度の硬さのあるシャフトを上手くしならせるスイングを身につけることが上達の鍵を握っているとボクは思っています。

異論、反論、大歓迎!!
ご意見お待ちしてます。